JP1 Version 8 JP1/NETM/Asset Information Manager 設計・構築ガイド
5.9.8 操作履歴の取得範囲およびフィルタリングの指定
(1) プログラム起動履歴とウィンドウタイトル変更履歴を残す期間の指定
プログラム起動履歴,ウィンドウタイトル変更履歴の履歴情報を残す期間を変更します。このオプションは,タスクを使用して,定期的にプログラム起動履歴とウィンドウタイトル変更履歴を取得する際に指定します。
- プログラム起動履歴
-s PDAYS=(履歴情報を残す期間)
- ウィンドウタイトル変更履歴
-s WDAYS=(履歴情報を残す期間)
履歴情報を残す期間は,日単位で0〜1,000の範囲で指定します。0を指定するとすべての履歴情報が削除されます。9,999を指定すると,履歴情報は削除されません。
なお,何も指定しないと,32日以上経過した履歴情報が削除されます。
- 指定例
- 11日以上経過したプログラム起動履歴とウィンドウタイトル変更履歴を削除する場合の指定例を次に示します。
-
- "C:\jp1asset\exe\jamscript.exe"
- -f "C:\jp1asset\scriptbatch\TakeClientOperation.txt"
- -s PDAYS=10 -s WDAYS=10
-
- 「C:\jp1asset」はAsset Information Managerのインストールフォルダを示しています。
-
(2) 取得するプログラム起動履歴とウィンドウタイトル変更履歴の開始日付と終了日付
特定期間の情報を取得します。このオプションは,ソフトウェア名とファイルバージョンの一覧(ClientOperationList.txt)の出力時,および特定期間のプログラム起動履歴とウィンドウタイトル変更履歴の取得時に指定します。
開始日付および終了日付のどちらも省略した場合は,前回取得した日付(資産情報の「DM操作履歴更新日付」の日付)以降のプログラム起動履歴とウィンドウタイトル変更履歴を取得します。初めて取得する機器(「DM操作履歴更新日付」に値がない場合)は,いちばん古い日付のプログラム起動履歴とウィンドウタイトル変更履歴から取得します。
- 開始日付
- 指定した日付以降のプログラム起動履歴とウィンドウタイトル変更履歴を取得します。
- 開始日付は「-s STARTDATE=yyyymmdd」の形式で指定します。このオプションを省略すると,いちばん古い日付のプログラム起動履歴とウィンドウタイトル変更履歴から取得します。
- 終了日付
- 指定した日付以前のプログラム起動履歴とウィンドウタイトル変更履歴を取得します。
- 終了日付は「-s ENDDATE=yyyymmdd」の形式で指定します。このオプションを省略すると,いちばん新しい日付のプログラム起動履歴とウィンドウタイトル変更履歴まで取得します。
(3) 操作履歴退避ディレクトリのファイルから取得
バックアップ用のファイル(操作履歴退避ディレクトリのファイル)の内容を含めて,プログラム起動履歴とウィンドウタイトル変更履歴を取得します。このオプションは,新規取得時,プログラム起動履歴とウィンドウタイトル変更履歴のフィルタリング定義ファイルの変更時,特定期間を指定しての取得時など,すべてのプログラム起動履歴とウィンドウタイトル変更履歴を対象に取得する際に指定します。
操作履歴退避ディレクトリのファイルからの取得は,「-s BACKUP=YES」の形式で指定します。省略した場合,操作履歴退避ディレクトリのファイルからプログラム起動履歴とウィンドウタイトル変更履歴は取得されません。
(4) プログラム起動履歴とウィンドウタイトル変更履歴を取得する資産
指定した機器の情報を取得します。このオプションは,ソフトウェア名とファイルバージョンの一覧(ClientOperationList.txt)の出力時,および特定機器のプログラム起動履歴とウィンドウタイトル変更履歴の取得時に指定します。
情報を取得する機器は「-s ASSETNO=(資産番号)」の形式で指定します。ただし,JP1/NETM/DMのインベントリ情報から登録した機器ではない場合(資産情報の「引き当てキー」に値がない機器)は対象となりません。
(5) プログラム起動履歴とウィンドウタイトル変更履歴として取得されたプログラム名称のファイル出力
ソフトウェアの実行ファイル名をバージョンと併せてファイル(ClientOperationList.txt)に出力します。ファイルに出力した内容を利用して,プログラム起動履歴とウィンドウタイトル変更履歴のフィルタリング定義ファイル(ClientOperation.ini)に,プログラム起動履歴とウィンドウタイトル変更履歴を取得する(または取得しない)プログラムを定義できます。
このオプションを指定すると,資産管理データベースへのプログラム起動履歴とウィンドウタイトル変更履歴の取得は実行されません。
「-s MAKELIST=YES」の形式で指定します。このオプションを指定する場合は,必ず取得する資産を指定してください。
実行結果は,Asset Information Managerのインストールフォルダ\sampleに出力されます。
- 指定例
- 2005年4月1日〜2005年4月30日のプログラム起動履歴とウィンドウタイトル変更履歴を取得する場合の指定例を次に示します。
-
- "C:\jp1asset\exe\jamscript.exe"
- -f "C:\jp1asset\scriptbatch\TakeClientOperation.txt"
- -s STARTDATE=20050401 -s ENDDATE=20050430
-
- 「C:\jp1asset」はAsset Information Managerのインストールフォルダを示しています。
- 注意事項
- タスク「操作履歴の取込み」を使用する場合には,JP1/NETM/DMのソフトウェア稼働監視履歴の運用を考慮した上で,タスクのスケジュールを設定してください。スケジュールの設定方法は,「5.9.2(2) タスクのスケジュールの変更」を参照してください。
- 特に,タスクの実行間隔は「しきい値に達した場合の削除サイズ / 1日に蓄積されるプログラム起動履歴とウィンドウタイトル変更履歴の最大サイズ」よりも小さくなるようにしてください。
- しきい値に達した場合の削除サイズ,および1日に蓄積されるプログラム起動履歴とウィンドウタイトル変更履歴の最大サイズについては,マニュアル「JP1/NETM/DM 運用ガイド1(Windows(R)用)」のソフトウェア稼働監視に関する記述を参照してください。
- また,取得しようとしているプログラム起動履歴とウィンドウタイトル変更履歴が退避ディレクトリに移動した場合には,プログラム起動履歴とウィンドウタイトル変更履歴が取得できなくなることがあります。この場合には,「取得するプログラム起動履歴とウィンドウタイトル変更履歴の開始日付と終了日付」,「操作履歴退避ディレクトリのファイルから取得」などのオプションを指定して,タスクを実行してください。
JP1/NETM/DMからプログラム起動履歴とウィンドウタイトル変更履歴に対して,取得する情報のフィルタリングを定義できます。バージョンが08-00より前のフィルタリング定義ファイルの設定を引き続ぐ場合に設定してください。
プログラム起動履歴とウィンドウタイトル変更履歴のうち,Asset Information Managerで管理したい情報だけを取得するには,取得する内容または取得しない内容を,Asset Information Managerのインストールフォルダ\envに格納されているClientOperation.ini(プログラム起動履歴とウィンドウタイトル変更履歴のフィルタリング定義ファイル)に定義します。
プログラム起動履歴とウィンドウタイトル変更履歴のフィルタリング定義ファイルの記述方法を次に示します。
;
; Filter
;
[Option]
Program=NOTCOLLECT
Window=COLLECT
WindowType=ACTIVE, CAPTION
[Program]
a=AAAA.exe, 0001
a=BBBB.exe, 0001
[Window]
a=CCCC.exe, 0001
a=DDDD.exe, 0001
|
- [Option]
- プログラム起動履歴およびウィンドウタイトル変更履歴を取得するかどうかを指定します。
- プログラム起動履歴は,「Program=(取得の種別)」の形式で指定します。
- ウィンドウタイトル変更履歴は,「Window=(取得の種別)」の形式で指定します。
- 取得の種別は,次の3種類から指定します。
- COLLECT:指定したファイルの履歴を取得する
- NOTCOLLECT:指定したファイルの履歴は取得しない
- IGNORE:履歴を取得しない
-
- また,ウィンドウタイトル変更履歴として取得する種別を,「WindowType=(イベントの種別)」の形式で指定します。
- イベントの種別は,次の2種類から指定します。
- ACTIVE:アクティブウィンドウの切り換わりの履歴を取得する
- CAPTION:ウィンドウタイトルに表示される文字列の履歴を取得する
- 両方取得する場合は,(コンマ)で区切って指定します。指定の順番は順不同です。
- なお,形式が異なった場合は,エラーで終了します。
- [Program]
- プログラム起動履歴に取得する(または取得しない)ソフトウェアのファイル名,ファイルバージョンを「a=(ファイル名),(バージョン)」の形式で指定します。ファイル名を指定する際,ワイルドカードは指定できません。バージョンの指定は省略できます。バージョンの指定を省略する場合は,ファイル名のあとに,(コンマ)は付けないでください。
- [Window]
- ウィンドウタイトル変更履歴に取得する(または取得しない)ソフトウェアのファイル名,ファイルバージョンを「a=(ファイル名),(バージョン)」の形式で指定します。ファイル名を指定する際,ワイルドカードは指定できません。バージョンの指定は省略できます。バージョンの指定を省略する場合は,ファイル名のあとに,(コンマ)は付けないでください。
-
- 管理対象となるすべてのクライアントから,プログラム変更履歴とウィンドウタイトル変更履歴を取得する場合の記述例
管理対象となるすべてのクライアントから,プログラム変更履歴とウィンドウタイトル変更履歴を取得する場合,フィルタリング定義ファイルは次のように記述します。
;
; Filter
;
[Option]
Program=NOTCOLLECT
Window=NOTCOLLECT
[Program]
[Window]
|
- ソフトウェア名とバージョンの抽出
[Program]および[Window]に指定するソフトウェア名およびバージョンを,特定の機器のプログラム起動履歴とウィンドウタイトル変更履歴から抽出して流用すると,効率良くフィルタリングの定義ができます。
プログラム起動履歴とウィンドウタイトル変更履歴のフィルタリング定義ファイルに指定するソフトウェア名とファイルバージョンを抽出するには,TakeClientOperation.txtを指定して,Administrators権限を持つユーザでjamscript(アクセス定義ファイルの実行)コマンドを実行します。
jamscriptコマンドの実行時に指定するオプションについては,「5.9.8 操作履歴の取得範囲およびフィルタリングの指定」を参照してください。jamscriptコマンドの詳細については,HTMLヘルプ「アクセス定義ファイル作成ガイド」(assetscr.chm)を参照してください。
あらかじめプログラム起動履歴とウィンドウタイトル変更履歴を取得する(または取得しない)プログラムを起動・終了させて履歴を取得しておくと,その操作を実行したPCの資産番号を指定することで,プログラム起動履歴とウィンドウタイトル変更履歴のフィルタリング定義ファイルに設定したい内容を出力できます。
なお,指定する資産番号のPCは,次の条件を満たしている必要があります。
- JP1/NETM/DM Client 07-50以降またはJP1/NETM/DM Client - Base 08-00以降がインストールされている
- JP1/NETM/DM Managerでプログラム起動履歴とウィンドウタイトル変更履歴を取得したことがある
ソフトウェア名とファイルバージョンの一覧(ClientOperationList.txt)は,Asset Information Managerのインストールフォルダ\sampleに出力されます。
- 定義内容を変更したあとのプログラム起動履歴とウィンドウタイトル変更履歴の再取得
プログラム起動履歴とウィンドウタイトル変更履歴のフィルタリング定義ファイルの定義内容を変更して,過去のプログラム起動履歴とウィンドウタイトル変更履歴を再取得するには,開始日付のオプションおよび操作履歴退避ディレクトリのファイルからプログラム起動履歴とウィンドウタイトル変更履歴を取得するオプションを指定してください。
- 指定例
- 2005年4月1日から2005年4月10日までに,資産番号「000001」のプログラム起動履歴とウィンドウタイトル変更履歴として取得されたプログラムの名称を,ファイルに出力する場合の指定例を次に示します。
-
- "C:\jp1asset\exe\jamscript.exe"
- -f "C:\jp1asset\scriptbatch\TakeClientOperation.txt"
- -s STARTDATE=20050401 -s ENDDATE=20050410
- -s ASSETNO=000001 -s MAKELIST=YES
-
- 「C:\jp1asset」はAsset Information Managerのインストールフォルダを示しています。
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