JP1/Performance Management システム構築・運用ガイド
レポートの種類には,「リアルタイムレポート」と「履歴レポート」があります。
それぞれのレポートについて説明します。
- リアルタイムレポート
- システムのその時点の状態や問題点を確認するためのレポートです。一定時間ごとに自動更新して,最新のデータが表示されるように設定することもできます。リアルタイムレポートは,レポートを表示するタイミングでパフォーマンスデータを収集するため,Storeデータベースは利用されません。
- 履歴レポート
- 過去から現在までの履歴データから,システムの稼働状態の傾向を分析したい場合に作成するレポートです。履歴レポートは,過去のデータを保持しておく必要があるため,パフォーマンスデータをStoreデータベースに記録しておきます。Storeデータベースへの記録方法については,「10.1.1 パフォーマンスデータの記録方法を変更する」を参照してください。
なお,Performance Managementが提供するレポートには,通常のレポートと,複合レポートがあります。「複合レポート」は,複数の履歴レポートを一つのグラフに表示したレポートです。エージェントとレポート定義を組み合わせた複数の登録レポートをブックマークや複合ブックマークに登録しておくことで,エージェントの選択を必要としないで,即時にレポートや複合レポートを表示できます。
複合ブックマークでは登録レポート以外に,過去のある期間のレポートを基準値として複合ブックマークに保存することもできます。これを「ベースライン」と呼びます。複数の登録レポートおよびベースラインを複合ブックマークとして定義,管理し,複合レポートとして同一グラフ上に表示することもできます。複合レポートを参照することで,システム全体の稼働状況を総合的に判断できます。
複合ブックマークの定義と複合レポートの関係を次の図に示します。
図11-1 複合ブックマークの定義と複合レポートの関係
図に示すように,複数の監視エージェントのレポート定義を一つの複合ブックマークに登録しておくことで,複数のレポートを重ねて表示することができます。例えば,HTTPサービスの応答速度とトランザクション数の変動値に相関性がある場合に,複合レポートを利用してレポートを重ねて表示することで,相関の度合いを視覚的に確認できます。
通常のレポートの表示方法については「11.6 レポートの表示」を参照してください。複合レポートの表示方法については「11.7 複合レポートの表示」を参照してください。
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