JP1/Automatic Job Management System 2 操作ガイド
業務スコープおよびAJS2ユニット監視オブジェクトが取得する状態について説明します。
- <この項の構成>
- (1) AJS2ユニット監視オブジェクトの状態
- (2) 業務スコープの状態
- (3) JP1/AJS2 Console Agent上での操作と状態取得の関係
(1) AJS2ユニット監視オブジェクトの状態
AJS2ユニット監視オブジェクトの状態として表示される状態について次に示します。
(a) 取得する状態一覧
JP1/AJS2 Console ManagerおよびJP1/AJS2 Console Agentが通知するAJS2ユニット監視オブジェクトの状態と,アイコン表示色のデフォルト値を次の表に示します。
表11-3 AJS2ユニット監視オブジェクトの状態と表示色のデフォルト
状態名 表示色のデフォルト 未登録 指定なし 開始時刻待ち 空色 保留予定※1 黄色 保留中 黄色 未計画 灰色 実行中 緑 警告検出実行中 赤 異常検出実行中 赤 正常終了 薄い緑 警告検出終了 薄い赤 異常検出終了 薄い赤 中断 薄い赤 強制終了 薄い赤 順序不正 薄い赤 繰り越し未実行 灰色 閉塞 茶色 監視中 緑 起動条件待ち 空色 監視未起動終了 灰色 監視正常終了 薄い緑 監視打ち切り終了 薄い赤 監視中断 薄い緑 状態未取得※2 指定なし 状態認識不能※3 灰色 状態不明※4 赤
- 注※1
- 保留予定の色が表示されるのは,[監視プロパティ]ダイアログボックスで[保留予定]を[表示する]にしているときだけです。また色だけの表示であり,状態名としては表示されません。
- 注※2
- JP1/AJS2 Console Agentからまだ状態が通知されていない状態を示します。
- 注※3
- JP1/AJS2 Console Manager,およびJP1/AJS2 Console Viewが監視対象のジョブネットの状態を認識できない状態を示します。
- 注※4
- 次のうち,該当する状態になった場合に示します。
- 監視対象のジョブネットがルートジョブネットでない。
- 監視対象ホスト名が不正なため接続できない。
- 監視対象のジョブネットが存在しない。
- 監視対象のジョブネットに対して参照権限がない。
- 監視対象のジョブネットの上位ユニットに対するアクセス権限がない。
- 監視対象のスケジューラーサービスがメンテナンス中のため状態を取得できない。
- 監視対象ホストから認証サーバに接続できない。
- JP1/AJS2 Console Agentが起動されていないため状態を取得できない。
- JP1/AJS2 Console ManagerからJP1/AJS2 Console Agentに接続できない。
- JP1/AJS2 Console Agent上で状態取得できない問題が発生した。
- なお,「状態不明」となった場合は,[詳細情報−[AJS2ユニット監視オブジェクト]]ダイアログボックスでその要因を確認できます。
(b) 遅延状態
JP1/AJS2 Consoleでは,AJS2ユニット監視オブジェクトの遅延状態についても監視できます。AJS2ユニット監視オブジェクトの遅延状態は,上記の表「AJS2ユニット監視オブジェクトの状態と表示色」に示した状態名に続けて括弧書きで表示されます(例:「実行中(開始遅延)」)。
AJS2ユニット監視オブジェクトの遅延状態を次に示します。
- 終了遅延
- 開始遅延
- ネスト終了遅延
- ネスト開始遅延
(2) 業務スコープの状態
業務スコープの状態として表示される状態について次に示します。
(a) 取得する状態と優先順位
JP1/AJS2 Console Managerが通知する業務スコープの状態と,アイコン表示色のデフォルト値は,AJS2ユニット監視オブジェクトのものと同じです。ただし,業務スコープは保留予定の状態色表示は行いません。業務スコープ配下にオブジェクトが存在しない場合は,業務スコープの状態は「状態未取得」になります。
また,下位の業務スコープ・AJS2ユニット監視オブジェクトのうち最も優先度の高い状態が表示されます。次に状態の優先順位を示します。
表11-4 業務スコープの状態の優先順位
優先順位 状態 1 状態不明 2 閉塞 3 異常検出実行中 4 異常検出終了 5 強制終了 6 中断 7 順序不正 8 警告検出実行中 9 警告検出終了 10 保留中 11 実行中 12 起動条件待ち 13 監視中 14 開始時刻待ち 15 繰り返し未実行 16 監視未起動終了 17 監視打ち切り終了 18 監視中断 19 正常終了 20 監視正常終了 21 未計画 22 未登録 23 状態認識不能 24 状態未取得 (b) 遅延状態の優先順位
JP1/AJS2 Consoleでは,業務スコープの遅延状態についても監視できます。業務スコープの遅延状態はAJS2ユニット監視オブジェクトと同じです。
また,下位の業務スコープ・AJS2ユニット監視オブジェクトのうち最も優先度の高い遅延状態が表示されます。次に遅延状態の優先順位を示します。なお,業務スコープ配下にユニットがない場合は,「遅延なし」になります。
表11-5 業務スコープの遅延状態の優先順位
優先順位 状態 1 終了遅延 2 ネスト終了遅延 3 開始遅延 4 ネスト開始遅延 5 遅延なし (c) 業務スコープの状態表示例
業務スコープの状態表示例を次に示します。
図11-12 業務スコープの状態表示例
- 業務スコープでは,下位の業務スコープやAJS2ユニット監視オブジェクトの状態をマージし,優先順位に従って上位の業務スコープで状態表示します。
- 注意事項
- 状態取得時に認証サーバへの接続に失敗した場合,権限チェックが必要で,かつ状態取得の完了していない監視オブジェクトの状態は「状態不明」になり,[詳細情報−[AJS2ユニット監視オブジェクト]]ダイアログボックスの[情報]に「KAVS1005-E 認証サーバに接続できません」というメッセージが表示されます。
- 権限チェックの必要な監視オブジェクトがある場合,監視間隔ごとに認証サーバへの接続が試みられます。認証サーバの停止などが原因で認証サーバに接続できない場合,認証サーバへの接続要求がタイムアウトするまでに時間が掛かるため,状態取得が完了するまでに時間が掛かることがあります。
(3) JP1/AJS2 Console Agent上での操作と状態取得の関係
JP1/AJS2 Console Agent上での操作と状態取得の関係について次に示します。
- 操作中に監視間隔が経過した場合
状態取得は行いません。
- 操作完了時に,前回の状態取得からの監視間隔が経過している場合
直ちにJP1/AJS2 Console Agentホスト上のすべての監視オブジェクトの状態取得を行います。
- 状態取得中に操作をした場合
状態取得を中断します。
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