JP1/Integrated Management - Manager システム構築・運用ガイド
クラスタシステムでJP1/IM - Managerを運用するには,クラスタソフトの制御により論理ホストのJP1/IM - ManagerおよびJP1/Baseを実行し,フェールオーバーに対応します。このときのJP1/IMの構成は次のようになります。
- <この項の構成>
- (1) クラスタ運用でのJP1/IMの構成の概要
- (2) 共有ディスク上のファイル構成
- (3) JP1/IM - Managerのサービスおよびプロセス
- (4) 通信方式
- (5) 共通定義情報の設定
(1) クラスタ運用でのJP1/IMの構成の概要
表13-3 クラスタシステムでのJP1/IMの構成
製品名 クラスタシステムでのJP1/IMの構成 JP1/IM - View
- JP1/IM - ViewからJP1/IM - Managerに接続するときは,論理IPアドレスあてに接続します。
- JP1/IM - View自身は物理ホスト環境で動作します。
JP1/IM - Manager
- 論理ホスト環境で動作することができます。
- クラスタソフトに登録することで,フェールオーバーに対応します。
- クラスタソフトに登録するときは,前提リソースとして論理IPアドレスと共有ディスクが必要です。
- 共有ディスクに定義情報を格納し,フェールオーバー時に引き継ぎます。
- 一つのサーバで複数の論理ホストを実行できます。このため,アクティブ・スタンバイ構成だけでなく,アクティブ・アクティブ構成のクラスタシステムでも運用できます。
- JP1/IM - Managerは前提製品JP1/Baseと同じ論理ホストで実行します。
(2) 共有ディスク上のファイル構成
論理ホスト環境のJP1/IM - Managerをセットアップすると,共有ディスク上に次のファイルが作成されます。これらは,論理ホストでJP1/IM - Managerを実行するために必要なファイルです。
(a) Windowsの場合
表13-4 共有ディスク上のファイル構成(Windows)
内部コンポーネント 共有ファイルの種別 フォルダ名 JP1/IM - Central Console 定義ファイル 共有フォルダ\jp1cons\conf\ ログファイル 共有フォルダ\jp1cons\log\ 一時ファイル 共有フォルダ\jp1cons\tmp\ 履歴ファイル※ 共有フォルダ\jp1cons\operation\ JP1/IM - Central Scope 定義ファイル 共有フォルダ\jp1scope\conf\ ログファイル 共有フォルダ\jp1scope\log\ 一時ファイル 共有フォルダ\jp1scope\tmp\ データベース 共有フォルダ\jp1scope\database\ 注※ インシデント登録サービスおよび相関イベント発行サービスの処理が履歴として出力されます。
(b) UNIXの場合
表13-5 共有ディスク上のファイル構成(UNIX)
内部コンポーネント 共有ファイルの種別 ディレクトリ名 JP1/IM - Central Console 定義ファイル 共有ディレクトリ/jp1cons/conf/ ログファイル 共有ディレクトリ/jp1cons/log/ 一時ファイル 共有ディレクトリ/jp1cons/tmp/ 履歴ファイル※ 共有ディレクトリ/jp1cons/operation/ JP1/IM - Central Scope 定義ファイル 共有ディレクトリ/jp1scope/conf/ ログファイル 共有ディレクトリ/jp1scope/log/ 一時ファイル 共有ディレクトリ/jp1scope/tmp/ データベース 共有ディレクトリ/jp1scope/database/ 注※ インシデント登録サービスおよび相関イベント発行サービスの処理が履歴として出力されます。
(3) JP1/IM - Managerのサービスおよびプロセス
クラスタ運用でのJP1/IM - Managerは,論理ホストのサービスまたはプロセスを実行します。
(a) Windowsの場合
論理ホスト環境のJP1/IM - Managerをセットアップすると,次のサービスがWindowsに登録されます。このサービスをクラスタソフトに登録して実行します。
表13-6 JP1/IM - Managerのサービス(Windows)
表示名称 サービス名 JP1/Console_論理ホスト名 JP1_Console_論理ホスト名 表示名称の欄は,[コントロールパネル]−[管理ツール]−[サービス]で表示される名前です。また,クラスタソフトからサービスをnetコマンド(net startやnet stop)で制御する場合は,この名前をnetコマンドに指定します。
サービス名の欄は,MSCS(Microsoft Cluster Service)に登録する場合の名前です。これをMSCSの「サービス名」の設定項目に指定します。
(b) UNIXの場合
論理ホストのJP1/IM - Managerを実行すると,論理ホストに対応したプロセスが動作します。
プロセス名は,引数に論理ホスト名が付加された名称になります。プロセス名については,「付録B プロセス一覧」を参照してください。
(4) 通信方式
論理ホストのJP1/IM - Managerをセットアップすると,JP1/IM - Managerの通信方式をIPバインド方式と呼ぶ方式に設定します。IPバインド方式に変更するのは,論理ホストと物理ホストの両方の環境が対象です。
通信方式には,IPバインド方式とANYバインド方式の2種類があります。これは,通信するときに使用するIPアドレスを,内部処理で割り当て(バインド)をする方法をきめます。
通信方式については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」のJP1/Baseの通信方式に関する説明を参照してください。JP1/IM - Managerは,JP1/Baseと同じ通信方式で通信をします。
(5) 共通定義情報の設定
論理ホストのJP1/IM - Managerをセットアップすると,共通定義情報に,論理ホスト用の設定情報が設定されます。
共通定義情報とは,JP1の設定情報を格納するデータベースで,JP1/Baseが管理しています。設定情報のデータは,各サーバのローカルディスク上に,次のような形式で格納されています。
図13-3 共通定義情報
共通定義情報は,物理ホスト(JP1_DEFAULT)および論理ホストごとに分かれて格納されています。物理ホストおよび論理ホスト単位に,jbssetcnfコマンドで設定し,jbsgetcnfコマンドで読み出します。
論理ホストの共通定義情報は,各サーバで同じ内容になるようにします。セットアップ時および設定変更時は,設定をした実行系サーバの共通定義情報を,待機系サーバへコピーして設定します。
なお,共通定義情報は,JP1/IM - Manager,JP1/Base,JP1/AJS2,およびJP1/Power Monitor(06-02以降)が設定情報を格納するために使用しています。
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