JP1/Integrated Management - Manager システム構築・運用ガイド

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3.7.3 JP1/IMのシステム環境で行う通信

JP1/IMでは,システムの運用監視をするために,各ホスト間で通信を行っています。通信には,TCP/IP通信を採用しており,ポート番号とIPアドレスを使用して通信を行っています。JP1/IM,JP1/Baseで使用するポート番号は,インストール時に自動でservicesファイルに登録されます。JP1/IMインストール時に登録されるポート番号については,「付録C ポート番号」を参照してください。JP1/Baseインストール時に登録されるポート番号については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」の付録を参照してください。また,JP1の通信での考え方については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」のJP1/Baseの概要の章の,JP1/Baseの通信方式を参照してください。

<この項の構成>
(1) ビューアー・マネージャー間の通信
(2) マネージャー・認証サーバ間の通信
(3) マネージャー・エージェント間の通信
(4) ローカルホスト内の通信
(5) JP1/IM - Central Information Masterとの通信
(6) JP1/IM - Incident Masterとの通信
(7) JP1/IM - Rule Operationとの通信

(1) ビューアー・マネージャー間の通信

ビューアー・マネージャー間の通信は,通常,JP1/IM - ViewからJP1/IM - Managerにログインするとつながり,ログアウトすると切断されます。ただし,ビューアー・マネージャー間の通信処理に時間が掛かったり,マネージャーがダウンして応答がなくなったりした場合には,JP1/IMで設定されているタイムアウト時間に従って,通信が切断されます(デフォルトでは2,500ミリ秒)。通信タイムアウト時間の設定を変更する場合は,ビューアー(JP1/IM - View)側,マネージャー(JP1/IM - Manager(JP1/IM - Central Console))側それぞれで設定を変更する必要があります。なお,JP1/IM - Manager(JP1/IM - Central Scope)では設定は不要です。

JP1/IM - View,JP1/IM - Manager間の通信で使用するポートは,次表のとおりです。

表3-33 JP1/IM - View,JP1/IM - Manager間の通信で使用するポート

サービス名 ポート番号 説明
jp1imevtcon 20115/tcp JP1/IM - ViewからJP1/IM - Manager(イベントコンソールサービス)への接続で使用
jp1imcmda 20238/tcp JP1/IM - Viewからコマンド実行する際に使用
jp1imcss 20305/tcp JP1/IM - ViewからJP1/IM - Manager(セントラルスコープサービス)への接続で使用

 

なお,JP1/IM - Viewを使用せずに,WWWページ版のJP1/IM - Viewを使用する場合,ビューアー・マネージャー間の通信で使用するポートは,次表のとおりです。

表3-34 WWWページ版のJP1/IM - View使用時にビューアー・マネージャー間の通信で使用するポート

サービス名 ポート番号 説明
http 80/tcp HTTPサーバとの接続で使用(JP1/IM - Managerのconsole_ja.htmlをダウンロードする際に使用)
jp1imevtcon 20115/tcp WWWページ版のJP1/IM - View(WWWブラウザー)からJP1/IM - Manager(イベントコンソールサービス)への接続で使用

注※ HTTPサーバの設定によっては異なる場合があります。


(2) マネージャー・認証サーバ間の通信

マネージャー・認証サーバ間の通信は,JP1/IM - ViewからJP1/IM - Managerにログインするときに発生します。

マネージャー・認証サーバ間の通信で使用するポートは,次表のとおりです。

表3-35 マネージャー・認証サーバ間の通信で使用するポート

サービス名 ポート番号 説明
jp1bsuser 20240/tcp ユーザー認証で使用

(3) マネージャー・エージェント間の通信

マネージャー・エージェント間の通信は,マネージャーからエージェントへの指示が出たときやエージェントからマネージャーに処理結果などを渡すときに発生します。

なお,マネージャー・エージェント間で行われる通信には,JP1/IMのシステム構成で定義した管理階層に応じて行われる通信と,対象ホストと直接やり取りが行われる直接通信の2種類があります。このため,ファイアウォール環境や複数LAN環境でJP1/IM,JP1/Baseを使用する場合は注意が必要です。

図3-91 マネージャー・エージェント間の通信の種類

[図データ]

マネージャー・エージェント間で行う通信をそれぞれに分けて次に示します。

JP1/IMのシステム構成に準じて行われる通信
  • 構成定義の配布
    構成定義ファイルで定義した階層に従って構成定義情報が各ホストに配布されます。
  • JP1/IM - Viewからのコマンド実行
    JP1/IMのシステム構成に応じて下位ホストにコマンド実行指示が転送され,実行結果もシステム構成に応じて上位ホストに転送されます。
  • 自動アクションによるコマンド実行
    JP1/IMのシステム構成に応じて下位ホストにコマンド実行指示が転送され,実行結果もシステム構成に応じて上位ホストに転送されます。
  • JP1イベントの転送
    デフォルト設定の場合,JP1/IMのシステム構成に応じて上位ホストにJP1イベントが転送されます。
JP1/IMのシステム構成に準じて行われる通信で使用されるポートは,次表のとおりです。

表3-36 JP1/IMのシステム構成に準じて行われる通信で使用されるポート

サービス ポート番号 説明
jp1imrt 20237/tcp 構成定義の配布で使用。
jp1imcmdc 20239/tcp 以下の作業をする際に使用。
  • JP1/IM - Viewからのコマンド実行
  • 自動アクションによるコマンド実行
jp1imevt 20098/tcp JP1イベントの転送で使用。

対象ホストとの直接通信
  • イベント検索
    マネージャーホストとイベント検索対象ホストとの間で直接通信が行われます。
  • イベントサービス定義情報の収集と配布
    構成定義ファイルに記載されたホストすべてに対して直接通信を行って定義情報の収集と配布を行います。
  • 監視ツリーの自動生成
    JP1/IM - Manager(JP1/IM - Central Scope)の監視ツリーの自動生成の連携が有効になっているホストすべてに対して,直接通信を行って定義情報の収集を行います。
  • jcochstatコマンド
    コマンドのオプションに指定したホストに対して直接通信を行います。
  • JP1/IM - View操作による自動アクションのキャンセル,jcacancelコマンド
    アクションキャンセル対象ホストに対して直接通信を行います。
  • jcocmdshowコマンド,jcocmddelコマンド
    コマンドのオプションに指定したホストに対して直接通信を行います。
対象ホストとの直接通信で使用されるポートは,次表のとおりです。

表3-37 対象ホストとの直接通信で使用されるポート

サービス ポート番号 説明
jp1imevtapi 20099/tcp イベント検索で使用。
jp1bsplugin 20306/tcp 以下の作業をする際に使用。
  • イベントサービス定義情報の収集と配布
  • 監視ツリーの自動生成
  • JP1/IM - View操作による自動アクションのキャンセル
  • jcacancelコマンド
  • jcocmdshowコマンド,jcocmddelコマンド
jp1imevtcon 20115/tcp jcochstatコマンドで使用。

(4) ローカルホスト内の通信

JP1/IM,JP1/Baseは,ローカルホスト内の通信(プロセス間通信)でもポート番号を使用して通信を行っています。

ローカルホスト内の通信で使用するポートは,次表のとおりです。

表3-38 ローカルホスト内の通信で使用するポート

サービス ポート番号 説明
jp1imevtapi 20099/tcp JP1/BaseからJP1イベントを取得,またはJP1/BaseにJP1イベントを登録する際に使用。
jp1imevtcon 20115/tcp JP1/IM - Managerの内部処理で使用。
jp1imcmda 20238/tcp 自動アクションを実行するときに使用。
jp1imeds 23045/tcp JP1/IM - Manager(インシデント登録サービス)の内部処理で使用。
jp1imegs 20383/tcp JP1/IM - Manager(相関イベント発行サービス)の内部処理で使用。
jp1imcss 20305/tcp JP1/IM - Manager(セントラルスコープサービス)の内部処理で使用。

(5) JP1/IM - Central Information Masterとの通信

JP1/IM - Central Information Masterと連携する場合は,JP1/IM - Manager(JP1/IM - Central Scope)ホストとJP1/IM - Central Information Masterホストとの間で直接通信が行われます。通信が発生するのは,次の場合です。

JP1/IM - Manager(JP1/IM - Central Scope)ホストとJP1/IM - Central Information Masterとの通信で使用するポートは,次表のとおりです。

表3-39  JP1/IM - Manager(JP1/IM - Central Scope)ホストとJP1/IM - Central Information Masterとの通信で使用するポート

サービス ポート番号 説明
jp1bsplugin 20306/tcp 監視ツリーの自動生成で使用。

(6) JP1/IM - Incident Masterとの通信

JP1/IM - Incident Masterと連携する場合は,JP1/IM - Manager(JP1/IM - Central Console)ホストとJP1/IM - Incident Masterホストとの間で直接通信が行われます。通信が発生するのは,次の場合です。

JP1/IM - Manager(JP1/IM - Central Console)ホストとJP1/IM - Incident Masterとの通信で使用するポートは,次表のとおりです。

表3-40 JP1/IM - Manager(JP1/IM - Central Console)ホストとJP1/IM - Incident Masterとの通信で使用するポート

サービス ポート番号 説明
jp1plugin 20306/tcp 以下の作業をする際に使用。
  • インシデント登録定義の反映・取得
  • JP1イベントの対処状況変更
jp1imidm 23044/tcp インシデントの自動登録で使用。

注※ JP1/IM - Managerインストール時にservicesファイルに登録されません。インシデント登録環境定義ファイル(jcdmain.conf.update)で設定する必要があります。


なお,JP1/IM - Viewからインシデントを手動登録する場合は,JP1/IM - ViewホストからJP1/IM - Incident Masterホストに通信が発生します。JP1/IM - View ホストとJP1/IM - Incident Masterホストとの通信で使用するポートは,次表のとおりです。

表3-41 JP1/IM - View ホストとJP1/IM - Incident Masterホストとの通信で使用するポート

サービス ポート番号 説明
http 80/tcp インシデントの手動登録で使用(JP1/IM - Incident Masterが使用するHTTPサーバのポート番号)。

注※ JP1/IM - Incident Masterの設定によっては異なる場合があります。


(7) JP1/IM - Rule Operationとの通信

JP1/IM - Rule Operationと連携する場合は,JP1/IMのシステム構成に従って通信が行われます。通信が発生するのは,次の場合です。

JP1/IM - Manager(JP1/IM - Central Console)ホストとJP1/IM - Rule Operationとの通信で使用するポートは,次表のとおりです。

表3-42 JP1/IM - Manager(JP1/IM - Central Console)ホストとJP1/IM - Rule Operationとの通信で使用するポート

サービス ポート番号 説明
jp1imcmdc 20239/tcp 自動アクションによる,JP1/IM - Rule Operationへのルール起動要求で使用。
jp1imevt 20098/tcp JP1/IM - Rule Operationの発行するJP1イベントの転送で使用。

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