JP1/Integrated Management - Manager システム構築・運用ガイド
JP1イベントを受信すると(後述のパラメーターグループごとに)監視条件が優先度順に判定されて,最初に条件が一致した自動アクションが一つ実行されます。
自動アクションの定義は,JP1/IM - Viewの[アクション設定]画面で定義する方法と,自動アクション定義ファイルを作成してjcachangeコマンドで反映する方法があります。定義できる内容の詳細については,下記参照先で説明します。
- 自動アクションの設定(GUIで設定する場合)
参照先:マニュアル「JP1/Integrated Management - Manager リファレンス 1.3.22 [アクション設定]画面」
- 自動アクションの設定(定義ファイルで設定する場合)
参照先:マニュアル「JP1/Integrated Management - Manager リファレンス 自動アクション定義ファイル(actdef.conf)」(3. 定義ファイル)
- <この項の構成>
- (1) 監視条件として指定できる項目
- (2) 実行条件の優先度
- (3) パラメーターグループとAND条件
(1) 監視条件として指定できる項目
自動アクションを実行する条件として,次の項目が指定できます。
- JP1イベントのID
自動アクションの対象とするJP1イベントをイベントIDで指定します。「すべて」または一つのイベントIDを指定できます。
- メッセージ
JP1イベント内のメッセージを自動アクション実行条件として指定します。判定条件には,正規表現が使えます。
- イベントの基本情報,詳細情報,拡張情報
JP1イベントの,基本情報,詳細情報,および拡張属性の値を判定条件として指定できます。判定条件には,正規表現が使えます。
(2) 実行条件の優先度
受信したJP1イベントが,複数の自動アクション定義の実行条件と一致する場合,(後述のパラメーターグループごとに)最も優先順位の高い自動アクション一つだけが実行されます。自動アクションの優先順位は,次の規則によって決まります。
- イベントIDを指定した自動アクションは,イベントIDの「すべて」を対象にする自動アクションに優先する。
- [アクション設定]の画面で上に表示されている(自動アクション定義ファイルで前に記述されている)自動アクションが優先する。
例えば,次の定義内容(自動アクション定義ファイル)の場合,自動アクションの優先順位は(3),(4),(1),(2)の順番になります。なお,この例では説明のため,それぞれの定義のあとに括弧つきの番号を記載しています。
+0 * ,,,/----ECAE/ :notice_ajs2.bat (1)
+0 * ,,, :notice.bat (2)
+0 $1A00 ,,, :gyoumu_001.bat (3)
+0 $1A01 ,,, :gyoumu_002.bat (4)(1),(2)はイベントIDの「すべて」を対象にする自動アクションであり,(3),(4)はイベントIDを指定した自動アクションであるため,(3),(4)は,(1),(2)よりも優先されます。また,(3)と(4),(1)と(2)では,自動アクション定義ファイルに記載されている順番で自動アクションが優先されるため,優先順位は(3),(4),(1),(2)の順番になります。
(3) パラメーターグループとAND条件
自動アクションでは,パラメーターグループやAND条件の指定によって,複雑な条件を指定した自動アクションにも対応できます。
- パラメーターグループ
パラメーターグループは,自動アクション実行の条件判定をする単位で,10個のパラメーターグループがあります。それぞれの自動アクション定義はどれかのパラメーターグループに属します。
パラメーターグループは,一つのイベントで複数のアクションを実行する場合や,後述のAND条件を指定する場合に使います。
一つのJP1イベントがJP1/IMのマネージャーホストに届くと,パラメーターグループごとに,優先順位の順にアクション定義パラメーターと実行条件と比較します。実行条件が一致する場合ときは,パラメーターグループごとに優先順位の最も高いアクション定義パラメーターが1件だけ実行されます。
パラメーターグループは1桁の数字(0から9)で指定します。パラメーターグループの数字の大小は,実行順序や優先順位とは関係ありません。
なお,パラメーターグループを省略した自動アクションの定義は,0のパラメーターグループに属します。
- AND条件
AND条件とは,複数の実行条件をすべて満たした場合ときにアクションを実行するための設定のことです。
パラメーターグループの指定に,数字ではなく「&」を指定すると,自動アクションの定義で直前(GUIで一つ上の表示,または定義ファイルで一つ上の記述)に定義されている実行条件との組み合わせをAND条件として扱います。最大10個の自動アクション定義をAND条件の組み合わせとして定義できます。
受信したイベントが,AND条件のうちのある実行条件に一致すると,ほかの実行条件に一致するイベントを受信するのを待ちます。AND条件となっている実行条件がすべて成立すると,自動アクションが実行されます。AND条件が成立するのを待つ時間は,ANDイベント保管期限で指定します。ANDイベント保管期限以上にJP1イベントの受信時刻が離れると,AND条件の対象となりません。
なお,自動アクションサービス(jcamainプロセス)が停止すると,AND条件の成立待ちのイベントはすべて破棄されます。プロセス管理機能でプロセス障害時に再起動する場合や,クラスタ運用で再起動をする場合は,注意してください。
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