Groupmax Form Version 6 ユーザーズガイド
伝票に捺印項目を作成しておくと,電子印で捺印できます。捺印対象項目を指定しておけば,捺印すると,その項目のデータは変更できなくなります。こうした捺印機能を使うことで,電子認証業務ができます。
捺印項目の作成については,「第3編 7.2.2(9) 捺印項目の作成」を参照してください。
- <この節の構成>
- (1) 電子印の作成と変更
- (2) 捺印の実行
捺印機能で使用する印を電子印といいます。電子印は,あらかじめユーザごとに作成しておきます。
電子印の種類
捺印時のユーザ認証方式に応じて,次に示す2種類の電子印を作成できます。
- Groupmax Addressと連携しない電子印
電子印に設定されたユーザID及びパスワードによって,ユーザを認証します。Groupmax Addressとは,連携しません。
- Groupmax Addressと連携する電子印
Groupmax Addressと連携して,Groupmaxにログイン中のユーザID及びパスワードによって,ユーザを認証します。電子印には,GroupmaxのユーザIDと同じユーザIDを設定します。パスワードは設定しません。
一つの電子印ファイルには,異なる種類の電子印を定義できません。Groupmax Addressと連携しない電子印ファイルを開いているときは,電子印定義ウィンドウのタイトルに,「電子印定義」と表示されます。Groupmax Addressと連携する電子印ファイルを開いているときは,「電子印定義(Address連携)」と表示されます。
電子印を作成する
電子印は,電子印ファイル(ファイルタイプ「.DMH」)として保存されます。新しい電子印ファイルを作成する場合,開発ウィンドウで[ファイル]−[新規作成...]を選択して,[新規作成]ダイアログボックスで電子印のアイコンを選択します。既存の電子印ファイルを更新する場合は,開発ウィンドウでファイルのアイコンをダブルクリックするか,又はアイコンをクリックしてから[ファイル]−[編集]を選択します。
これらの操作をすると,電子印定義ウィンドウが表示されます。電子印を作成するには,[編集]−[電子印の編集...]を選択して,電子印の利用者のユーザID・パスワード及び印影を指定します。Groupmax Addressと連携する電子印の場合は,パスワードを指定する必要はありません。
電子印の印影は,氏名や日付などのテキストを組み合わせて作成します。あらかじめ作成したビットマップ形式データを,利用することもできます。また,[オプション]−[ファイルから取り込み...]を選択すると,他の電子印ファイルから印影を取り込めます。
電子印を使うには,開発ウィンドウで[オプション]−[電子印ファイル名設定...]を選択して,使用する電子印ファイルを指定します。
なお,ユーザIDなどの情報を格納したCSV形式ファイルを元にして,複数の電子印をまとめて作成できます。作成方法については,「付録D 電子印の一括作成」を参照してください。
電子印を変更する
作成した電子印の印影を変更するには,電子印定義ウィンドウで[編集]−[電子印の編集...]を選択します。また,[編集]−[電子印の削除...]を選択すると,電子印を削除できます。
Groupmax Addressと連携しない電子印に設定したパスワードを変更するには,電子印定義ウィンドウで[オプション]−[パスワードの変更...]を選択して,[パスワードの変更]ダイアログボックスで,変更後のパスワードなどを指定します。Groupmax Addressと連携する電子印は,電子印にパスワードが設定されていないので,パスワードを変更できません。
電子印の種類を変更する
電子印定義ウィンドウで,[オプション]−[Groupmax Address連携...]を選択すると,電子印の種類(認証方式)を変更できます。電子印ファイルに,既に電子印が定義されている場合,すべての電子印の種類が変更されます。
Groupmax Addressと連携しない電子印を,Groupmax Addressと連携する電子印に変更した場合,電子印に設定されたパスワードは,無効になります。Groupmax Addressと連携する電子印を,Groupmax Addressと連携しない電子印に変更した場合,電子印には,ユーザIDと同じパスワードが設定されます。
MS-DOSプロンプトで次に示すコマンドを実行して,電子印の種類を変更することもできます。
- コマンドの形式
STAMPCNV /A|/N 変更前の電子印ファイル名〔変更後の電子印ファイル名〕
(凡例)| :どちらか一方を指定することを示します。
〔 〕:省略できることを示します。
- オペランドの説明
- /A,/N
- Groupmax Addressと連携しない電子印を,Groupmax Addressと連携する電子印に変更する場合は,/Aを指定します。Groupmax Addressと連携する電子印を,Groupmax Addressと連携しない電子印に変更する場合は,/Nを指定します。
- 変更前の電子印ファイル名
- 変更前の電子印ファイルのファイル名を指定します。パス名の指定を省略した場合は,MS-DOSプロンプトのカレントディレクトリが仮定されます。
- 変更後の電子印ファイル名
- 変更後の電子印ファイルのファイル名を指定します。パス名の指定を省略した場合は,MS-DOSプロンプトのカレントディレクトリに,新しい電子印ファイルが作成されます。
- このオペランドを省略した場合,変更前の電子印ファイルが上書きされます。
捺印項目をダブルクリックすることで,捺印したり,捺印を取り消したりできます。Groupmax Addressと連携する電子印を使う場合,捺印の実行時にGroupmax Addressが必要です。また,捺印項目に捺印権限を指定している場合,電子印の種類に関係なく,捺印の実行時にGroupmax Addressが必要です。
捺印する
捺印項目をダブルクリックすると,その項目に捺印できます。
捺印項目を作成するときの,[項目属性]ダイアログボックスでの設定によって,次に示すように,操作や処理が異なります。
- ユーザID及びパスワードの入力
「ログイン中のユーザID・パスワードで捺印する」を指定している場合,Groupmaxにログインしているときは,そのまま捺印されます。Groupmaxにログインしていないときは,ログインするダイアログボックスが表示されるので,GroupmaxのユーザID及びパスワードを入力します。ログイン中のユーザID及びパスワードに対応する電子印がなかった場合は,電子印のユーザID及びパスワードを確認するダイアログボックスが表示さるので,電子印に設定されたユーザID及びパスワードを入力します。
「ログイン中のユーザID・パスワードで捺印する」を指定していない場合,電子印のユーザID及びパスワードを確認するダイアログボックスが表示されるので,電子印に設定されたユーザID及びパスワードを入力します。Groupmaxにログインしているときは,ダイアログボックスにログイン中のユーザID及びパスワードが表示されるので,必要に応じて変更します。
電子印に設定されたパスワードがチェックされるのは,Groupmax Addressと連携しない電子印の場合だけです。Groupmax Addressと連携する電子印の場合,認証にはログイン中のパスワードが使われるので,捺印時にダイアログボックスが表示されたときは,ユーザIDだけを入力します。
- 日付の確認
「捺印日付の確認をする」を指定している場合,日付を確認するダイアログボックスが表示されます。ダイアログボックスには,システムの日付が表示されるので,必要に応じて変更します。
「捺印日付の確認をする」を指定していない場合,システムの日付で捺印されます。
- 捺印権限の指定
捺印権限を指定している場合,Groupmaxにログイン中のユーザIDに従って,権限がチェックされます。Groupmaxにログインしていないときは,ログインするダイアログボックスが表示されるので,GroupmaxのユーザID及びパスワードを入力します。
- 捺印対象項目の指定
捺印対象項目を指定している場合,捺印すると,指定した項目のデータは変更できなくなります。変更できなくなるのは,メール形式ファイルなどで伝票を保存した後,再びその伝票を実行したときからです。[項目属性]ダイアログボックスでの設定によって,捺印直後に捺印対象項目を変更できなくすることもできます。
捺印を取り消す
捺印済みの捺印項目をダブルクリックすると,捺印を取り消せます。捺印を取り消すと,捺印対象項目のデータを変更できるようになります。
伝票を起動したときに,既に捺印されている場合,次に示すように,電子印の種類によって操作や処理が異なります。
- Groupmax Addressと連携しない電子印が使われている場合
電子印のユーザID及びパスワードを確認するダイアログボックスが表示されるので,電子印に設定されたユーザID及びパスワードを入力します。
捺印後にメール形式ファイルとして保存された伝票を起動して,捺印を取り消す場合,ダブルクリックした捺印項目の捺印だけでなく,それ以降に捺印されたすべての捺印が取り消されます。それ以外の場合は,ダブルクリックした捺印項目の捺印だけが取り消されます。例えば,配布されたワークフロー案件を伝票に読み込んで処理している場合,ダブルクリックした捺印項目以外の捺印を取り消すことはできません。
- Groupmax Addressと連携する電子印が使われている場合
電子印のユーザIDと,Groupmaxにログイン中のユーザIDが一致した場合だけ,捺印が取り消されます。
処理定義との関係
処理定義で@捺印や@捺印取消を使うと,捺印項目に捺印したり捺印を取り消したりできます。また,@捺印情報を使って,捺印者のユーザIDや捺印日付を参照できます。
処理定義では,捺印項目の状態を,0又は1の数値で表せます。0は捺印されていないことを,1は捺印されていることを,それぞれ表します。このことを利用して,@判定開始や@分岐値のオペランド(条件文)で捺印項目の状態を判定して,判定結果に従って処理を分岐できます。
@SQL実行を使って,捺印項目とODBCデータベースとの間でデータを入出力する場合,印影と捺印項目の状態のどちらを対象にするかを指定できます。開発ウィンドウで[オプション]−[外部データベースオプション]−[ODBC...]を選択して,[ODBCオプション情報]ダイアログボックスの「電子印の印影」で指定します。
All Rights Reserved, Copyright (C) 2001, Hitachi, Ltd.