Dynamic Link Manager Software ユーザーズガイド(Windows®用)
- HDLM以外のマルチパス管理ソフトウェアはインストールしないでください。 HDLM以外のマルチパス管理ソフトウェアがホストにインストールされている場合は,HDLM以外のマルチパス管理ソフトウェアをアンインストールしてホストを再起動したあとに,HDLMをインストールしてください。
- Windows版のHDLMとVMware版のHDLMを,同一のホスト上で使用することはできません。
- HDLMは,ホストのOSに応じて次のMPIOドライバを使用します。
- Windows Server 2003の場合
HDLMのインストール時に,HDLMのDVDに同梱されたMPIOドライバがインストールされます。MPIOドライバは,mpio.sys,mpspfltr.sys,およびmpdev.sysのファイルで構成されます。- Windows Server 2008およびWindows Server 2012の場合
HDLMのDVDに同梱されたMPIOドライバはインストールされないで,OSに同梱されているMPIOドライバを使用します。- OSがWindows Setver 2003で,HDLMに同梱されたMPIOドライバとバージョンの異なるMPIOドライバがインストールされているホストにHDLMをインストールした場合,MPIOドライバを上書きするかどうかを確認するKAPL09127-Wのメッセージが表示されます。HDLMをアップグレードインストールする場合は,インストールを続行してください。HDLM以外のマルチパス管理ソフトウェアがインストールされている場合は,インストールを中止しそのマルチパス管理ソフトウェアをアンインストールしてください。
- HDLMをインストールした場合に,KAPL09257-WまたはKAPL09258-Eのメッセージが表示されることがあります。この場合,HDLMに同梱されたMPIOドライバよりも新しいバージョンのMPIOドライバがホストにインストールされています。また,HDLM以外のマルチパス管理ソフトウェアをインストールした場合にも,MPIOドライバがインストールされることがあります。インストールされているMPIOドライバのセットアップ情報ファイルをシステムから削除したあとに,HDLMをインストールし直してください。MPIOドライバのセットアップ情報は,mpio.infファイルとmpdev.infファイルに定義されています。これらの2つのファイルは,MPIOドライバのインストール時にoemn.inf(nは任意の数字)という名称でWindowsのインストール先フォルダ\infフォルダに登録されます。また,同じフォルダに2つのoemn.pnfファイルが作成されます。
KAPL09257-WまたはKAPL09258-Eのエラーメッセージが表示された場合,次の手順を実行して,これら2つのoemn.infファイルと2つのoemn.pnfファイルを削除してください。
- KAPL09257-WまたはKAPL09258-Eのメッセージで示された,MPIOドライバのバージョンを確認します。
次に示すメッセージの出力例では,「n.nn.nnnn.nnnn」(nは数字)が目的のMPIOドライバのバージョンになります。
KAPL09257-W MPIOn.nn.nnnn.nnnnがインストールされたシステムへのインストールはサポートしていません。- バージョン番号が記述されたセットアップ情報ファイル(拡張子がinf)を,Windowsの検索機能を使って次に示すフォルダから検索します。
Windowsのインストール先フォルダ\inf
oemn.infという,2つのファイルが該当します。- 該当したoemn.infファイルとインストールされていたバージョンのMPIOドライバのmpio.infファイルおよびmpdev.infファイルが同じファイルであることを確認します。
新しいバージョンのHDLMがインストールされていた場合は,mpio.infファイルおよびmpdev.infファイルは新しいバージョンのHDLMのDVDに同梱されています。- 該当したセットアップ情報ファイルを,Windowsのインストール先フォルダ\infフォルダから削除します。
また,該当したファイルと同じ名前で,拡張子がpnfのファイルも同様に削除してください。
なお,削除対象のセットアップ情報ファイルは,念のため別のフォルダにバックアップしておくことをお勧めします。
- HDLMをWindows Server 2008またはWindows Server 2012にインストールしている場合は,サーバマネージャで「マルチパスI/O」機能を削除しないでください。
- ホストとOracle RACの投票ディスク(Voting Disk)を複数のパスで接続しているとき,それらのパスの一部でI/Oタイムアウトが発生すると通常のパスと同様にHDLMはフェイルオーバ処理を実行します。
ただし,Oracle RACの設定状態によっては,HDLMのフェイルオーバ処理が完了する前にOracle RAC側でノード障害が発生したと見なし,クラスタを再構成してしまうおそれがあります。
したがって,Oracle RACの投票ディスクに接続したパスをHDLMが管理する場合,使用しているOracle RACのバージョンに応じて,次に示す設定値を変更してください。
- Oracle RAC 10g 10.1.0.3.0以降,またはOracle RAC 11gを使用している場合
ストレージシステムの種別に応じて,「MISSCOUNT」の値を変更してください。設定する値は,次に示す表に従って計算してください。算出した値以上に変更してください。
ストレージシステム種別 「MISSCOUNT」に設定する値の計算式
- SANRISE2000シリーズ
- SANRISE9900Vシリーズ
- Hitachi USPシリーズ
- Universal Storage Platform V/VMシリーズ
- Virtual Storage Platformシリーズ
- HUS VM
投票ディスクへ接続するパスの数×60秒
- Hitachi AMS2000/AMS/TMS/WMS/SMSシリーズ
- HUS100シリーズ
- SANRISE9500Vシリーズ
投票ディスクへ接続するパスの数×30秒 - Oracle RAC 10g 10.2.0.2.0以降,またはOracle RAC 11gを使用している場合
上記の「MISSCOUNT」の値の変更に加え,「DISKTIMEOUT」の値も変更してください。「DISKTIMEOUT」に設定する値は,「MISSCOUNT」の値の変更と同様,ストレージシステムの種別に応じて異なります。設定する値は,次に示す表に従って計算してください。算出した値以上に変更してください。
「MISSCOUNT」および「DISKTIMEOUT」の変更方法については,Oracleサポートサービスを契約した会社へお問い合わせください。
ストレージシステム種別 投票ディスクへ接続するパスの数 「DISKTIMEOUT」に設定する値の計算式
- SANRISE2000シリーズ
- SANRISE9900Vシリーズ
- Hitachi USPシリーズ
- Universal Storage Platform V/VMシリーズ
- Virtual Storage Platformシリーズ
- HUS VM
3以下 「DISKTIMEOUT」の値を変更する必要はありません。 4以上 投票ディスクへ接続するパスの数×60秒
- Hitachi AMS2000/AMS/TMS/WMS/SMSシリーズ
- HUS100シリーズ
- SANRISE9500Vシリーズ
6以下 「DISKTIMEOUT」の値を変更する必要はありません。 7以上 投票ディスクへ接続するパスの数×30秒
なお,上記の構成からHDLMをアンインストールする場合,変更した「MISSCOUNT」や「DISKTIMEOUT」の設定値を元の値に戻す必要があるため,変更する前のそれぞれの設定値を控えておいてください。- Oracle Cluster File SystemにOracle RACをインストールする構成はサポートしていません。
- ウイルスチェックプログラムなどの常駐型ソフトウェアが動作しているときにHDLMをインストールすると,正常に動作しないおそれがあります。HDLMをインストールする場合,常駐型ソフトウェアを含むすべてのソフトウェアを停止してから開始してください。
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