Replication Manager Software Application Agent CLI ユーザーズガイド
バックアップ対象がSQL Serverデータベースの場合,ログ配布機能を使用できます。ログ配布機能を使用することで,トランザクションログのバックアップを配布先サーバに継続的にコピーできます。これによって,ソースサーバに障害が発生したときに,配布先サーバを運用サーバとして使用できるようになります。ログ配布機能の詳細については,SQL Serverのマニュアルを参照してください。ここでは,SQL Serverのログ配布機能を使用するときに,ソースサーバのデータベースと配布先サーバのデータベースを同期し,ソースサーバでログ配布を設定する例について説明します。この例では,次の図に示すシステム構成を想定しています。
前提条件は次のとおりです。
- ソースサーバの正ボリュームと配布先サーバのボリュームは,NTFSでフォーマットされていて,DドライブとEドライブにマウントされている。
- ソースサーバの正ボリュームと副ボリュームがミラー構成になっている(ボリューム複製機能およびRAID Managerで設定する)。
- ソースサーバの副ボリュームは,NTFSでフォーマットされていて,アンマウントされている。
- 配布先サーバでdrmsqlinitコマンドを実行している。
- ソースサーバと配布先サーバで同じインスタンスが作成されている。
- FTPサーバが起動している。
- リストア時にシステムデータベース(master,model,msdb)は指定しない。
- ソースサーバでログ配布を設定する。
ログ配布機能を使用するために,ソースサーバのデータベースと配布先サーバのデータベースを同期し,ソースサーバでログ配布を設定する手順について説明します。
ログ配布機能を使用するための準備をするには:
- SQL Serverデータベースを副ボリュームへバックアップします。
SQL Serverデータベースをオンラインバックアップします。バックアップするには,ソースサーバでdrmsqlbackupコマンドを実行します。PROMPT> drmsqlbackup SQL1 KAVX0001-I drmsqlbackupコマンドを開始します。 KAVX1017-I SQL Serverの情報を取得しています。 KAVX1207-I データベースのバックアップ中です。 KAVX0040-I バックアップは以下の内容で取得されています。 バックアップID = 0000000001 KAVX0002-I drmsqlbackupコマンドを終了します。 PROMPT>コマンドを実行すると,ソースサーバのバックアップカタログに,新しいバックアップID(連番で未使用のID)でバックアップ情報が登録されます。ここでは,新しいバックアップIDを「0000000001」とします。- バックアップの実行結果を確認します。
副ボリュームへのバックアップが正常に完了したかを確認します。確認するには,ソースサーバでdrmsqlcatコマンドを実行します。PROMPT> drmsqlcat SQL1 INSTANCE: SQL1 BACKUP-ID: 0000000001 BACKUP-MODE: ONLINE INSTANCE: SQL1 ORIGINAL-ID: 0000000001 START-TIME: 2002/06/01 10:00:00 END-TIME: 2002/06/01 10:03:00 HOSTNAME: SQL1 T DB OBJECT FILE FS DG DEVICE COPY-GROUP M DB1 METAFILE C:\METADIR\Meta1 C: - - - D DB1 DATAFILE D:\SQL\data1 D: - Harddisk1 SQL001,B001 - - - - - - - SQL001,B001 T DB1 TRANSACT E:\SQL\tlog E: - Harddisk2 SQL002,B001 - - - - - - - SQL002,B001 PROMPT>- バックアップ情報を一時ファイルへエクスポートします。
正ボリュームから副ボリュームへのバックアップ操作に関する情報を,配布先サーバにコピーする必要があります。ソースサーバでdrmdbexportコマンドを実行して,バックアップ操作に関する情報を一時ファイル「C:\temp\EX-FILE1.drm」へエクスポートします。PROMPT> drmdbexport 0000000001 -f C:\temp\EX-FILE1.drm KAVX0001-I drmdbexportコマンドを開始します。 KAVX0002-I drmdbexportコマンドを終了します。 PROMPT>- メタファイルおよびエクスポートした一時ファイルをソースサーバから配布先サーバへ転送します。
メタファイル「C:\METADIR\Meta1」およびエクスポートした一時ファイル「C:\temp\EX-FILE1.drm」をソースサーバから配布先サーバに転送します。転送するには,ftpコマンド(ファイル転送プロトコル)を実行します。PROMPT> ftp <配布先サーバ名> ftp> Username: (ログイン名を入力) ftp> password: (パスワードを入力) ftp> binary ftp> put C:\temp\EX-FILE1.drm ftp> put C:\METADIR\Meta1 ftp> quit PROMPT>- バックアップデータをコピーします。
ソースサーバでバックアップした副ボリュームのデータを配布先サーバのボリュームにコピーします。- ソースサーバから転送した一時ファイルを配布先サーバのバックアップカタログへインポートします。
ソースサーバから転送した一時ファイル「C:\temp\EX-FILE1.drm」を配布先サーバのバックアップカタログへインポートします。一時ファイルをインポートするには,配布先サーバでdrmdbimportコマンドを実行します。PROMPT> drmdbimport -f C:\temp\EX-FILE1.drm KAVX0001-I drmdbimportコマンドを開始します。 KAVX0418-I ファイル名で指定されたバックアップ情報をバックアップカタログに追加しました。 インポートされたバックアップID = 0000000001 KAVX0002-I drmdbimportコマンドを終了します。 PROMPT>- インポートの実行結果を確認します。
インポートが正常に完了したかを確認します。確認するには,配布先サーバでdrmsqlcatコマンドを実行します。PROMPT> drmsqlcat SQL1 INSTANCE: SQL1 BACKUP-ID: 0000000001 BACKUP-MODE: ONLINE INSTANCE: SQL1 ORIGINAL-ID: 0000000001 START-TIME: 2002/06/01 10:00:00 END-TIME: 2002/06/01 10:03:00 HOSTNAME: SQL1 T DB OBJECT FILE FS DG DEVICE COPY-GROUP M DB1 METAFILE C:\METADIR\Meta1 C: - - - D DB1 DATAFILE D:\SQL\data1 D: - Harddisk1 SQL001,B001 - - - - - - - SQL001,B001 T DB1 TRANSACT E:\SQL\tlog E: - Harddisk2 SQL002,B001 - - - - - - - SQL002,B001 PROMPT>- 配布先サーバのボリュームへバックアップデータをリストアします。
バックアップデータが配布先サーバのボリュームにコピーされていることを確認したあと,配布先サーバでリストアします。リストアする際,副ボリュームから正ボリュームへバックアップデータの回復処理をしないでバックアップデータにメタファイルを適用し,データベースをスタンバイ状態にします。このようにリストアするには,次のようにdrmsqlrestoreコマンドを実行します。PROMPT> drmsqlrestore 0000000001 -no_resync -undo -nochk_host KAVX0001-I drmsqlrestoreコマンドを開始します。 KAVX1316-I リストアの前処理を実行中です。 KAVX1000-I SQL Serverにログオンしました。 KAVX1300-I リストアを開始します。 KAVX1000-I SQL Serverにログオンしました。 KAVX1301-I リストアを完了しました。 KAVX1318-I リストアの後処理を実行中です。 KAVX1001-I SQL Serverからログオフしました。 KAVX0002-I drmsqlrestoreコマンドを終了します。 PROMPT>- ソースサーバでログ配布の設定をします。
ソースサーバで,配布先サーバの指定,ログを生成する頻度などの設定をします。
ログ配布の設定方法については,SQL Serverのマニュアルを参照してください。
All Rights Reserved. Copyright© 2011, 2014, Hitachi, Ltd.