Replication Manager Software Application Agent CLI ユーザーズガイド
バックアップ時と異なるホストで,SQL Serverデータベースのデータをリストアおよびリカバリする例について説明します。この例では,次の図に示すシステム構成を想定しています。通常はデータベースサーバ1で運用し,データベースサーバ1で障害が発生したときにデータベースサーバ2に運用を切り替えます。
図6-25 バックアップ時と異なるホストでリストアおよびリカバリするためのシステム構成例(バックアップ時)
図6-26 バックアップ時と異なるホストでリストアおよびリカバリするためのシステム構成例(リストア時)
前提条件は次のとおりです。
- 正ボリュームは,NTFSでフォーマットされていて,DドライブとEドライブにマウントされている。また,SQL Serverデータベース用として使用されている。データファイル用ボリュームはログ用のボリュームとは共有できない。
- 正ボリュームと副ボリュームがミラー構成になっている(ボリューム複製機能およびRAID Managerで設定する)。
- メタファイルおよびバックアップカタログが,リストアするサーバにある。
- メタファイルのパス名は,データベースサーバ1とデータベースサーバ2で同じである。
- リストア時にシステムデータベース(master,model,msdb)は指定しない。
- リストアするサーバで,drmsqlinitコマンドを実行している。
- リストアするサーバで,データベースサーバ1と同じインスタンスが作成されている。
- リストアする際,正ボリュームがデータベースサーバ2にマウントされている。
バックアップ時と異なるホストでSQL Serverデータベースのデータをリストアおよびリカバリする手順について説明します。
バックアップ時と異なるホストでSQL Serverデータベースのデータをリストアおよびリカバリするには:
- SQL Serverデータベースを副ボリュームへバックアップします。
SQL Serverデータベースをオンラインバックアップします。バックアップするには,drmsqlbackupコマンドを実行します。PROMPT> drmsqlbackup SQL1 KAVX0001-I drmsqlbackupコマンドを開始します。 KAVX1017-I SQL Serverの情報を取得しています。 KAVX1207-I データベースのバックアップ中です。 KAVX0040-I バックアップは以下の内容で取得されています。 バックアップID = 0000000001 KAVX0002-I drmsqlbackupコマンドを終了します。 PROMPT>コマンドを実行すると,データベースサーバ1のバックアップカタログに,新しいバックアップID(連番で未使用のID)でバックアップ情報が登録されます。ここでは,新しいバックアップIDを「0000000001」とします。- バックアップの実行結果を確認します。
副ボリュームへのバックアップが正常に完了したかを確認します。確認するには,drmsqlcatコマンドを実行します。PROMPT> drmsqlcat SQL1 INSTANCE: SQL1 BACKUP-ID: 0000000001 BACKUP-MODE: ONLINE INSTANCE: SQL1 ORIGINAL-ID: 0000000001 START-TIME: 2002/06/01 10:00:00 END-TIME: 2002/06/01 10:03:00 HOSTNAME: SQL1 T DB OBJECT FILE FS DG DEVICE COPY-GROUP M DB1 METAFILE C:\METADIR\Meta1 C: - - - D DB1 DATAFILE D:\SQL\data1 D: - Harddisk1 SQL001,B001 - - - - - - - SQL001,B001 T DB1 TRANSACT E:\SQL\tlog E: - Harddisk2 SQL002,B001 - - - - - - - SQL002,B001 PROMPT>- バックアップ情報を一時ファイルへエクスポートします。
正ボリュームから副ボリュームへのバックアップ操作に関する情報を,データベースサーバ2にコピーする必要があります。drmdbexportコマンドを実行して,バックアップ操作に関する情報を一時ファイル「C:\temp\EX-FILE1.drm」へエクスポートします。PROMPT> drmdbexport 0000000001 -f C:\temp\EX-FILE1.drm KAVX0001-I drmdbexportコマンドを開始します。 KAVX0002-I drmdbexportコマンドを終了します。 PROMPT>- エクスポートした一時ファイルをデータベースサーバ1からデータベースサーバ2へ転送します。
エクスポートした一時ファイル「C:\temp\EX-FILE1.drm」をデータベースサーバ1からデータベースサーバ2に転送します。転送するには,ftpコマンド(ファイル転送プロトコル)を実行します。PROMPT> ftp <データベースサーバ2の名称> ftp> Username: (ログイン名を入力) ftp> password: (パスワードを入力) ftp> binary ftp> put C:\temp\EX-FILE1.drm ftp> quit PROMPT>- データベースサーバ1から転送した一時ファイルをデータベースサーバ2のバックアップカタログへインポートします。
データベースサーバ1から転送した一時ファイル「C:\temp\EX-FILE1.drm」をデータベースサーバ2のバックアップカタログへインポートします。一時ファイルをインポートするには,データベースサーバ2でdrmdbimportコマンドを実行します。PROMPT> drmdbimport -f C:\temp\EX-FILE1.drm KAVX0001-I drmdbimportコマンドを開始します。 KAVX0418-I ファイル名で指定されたバックアップ情報をバックアップカタログに追加しました。 インポートされたバックアップID = 0000000001 KAVX0002-I drmdbimportコマンドを終了します。 PROMPT>- インポートの実行結果を確認します。
インポートが正常に完了したかを確認します。確認するには,データベースサーバ2でdrmsqlcatコマンドを実行します。PROMPT> drmsqlcat SQL1 INSTANCE: SQL1 BACKUP-ID: 0000000001 BACKUP-MODE: ONLINE INSTANCE: SQL1 ORIGINAL-ID: 0000000001 START-TIME: 2002/06/01 10:00:00 END-TIME: 2002/06/01 10:03:00 HOSTNAME: SQL1 T DB OBJECT FILE FS DG DEVICE COPY-GROUP M DB1 METAFILE C:\METADIR\Meta1 C: - - - D DB1 DATAFILE D:\SQL\data1 D: - Harddisk1 SQL001,B001 - - - - - - - SQL001,B001 T DB1 TRANSACT E:\SQL\tlog E: - Harddisk2 SQL002,B001 - - - - - - - SQL002,B001 PROMPT>- 副ボリュームのデータを正ボリュームへリストアします。
正ボリュームと副ボリュームを再同期することでリストアします。リストアするには,データベースサーバ2でdrmsqlrestoreコマンドを実行します。PROMPT> drmsqlrestore 0000000001 -resync -nochk_host KAVX0001-I drmsqlrestoreコマンドを開始します。 KAVX1316-I リストアの前処理を実行中です。 KAVX1000-I SQL Serverにログオンしました。 KAVX1300-I リストアを開始します。 KAVX1000-I SQL Serverにログオンしました。 KAVX1301-I リストアを完了しました。 KAVX1318-I リストアの後処理を実行中です。 KAVX1001-I SQL Serverからログオフしました。 KAVX0002-I drmsqlrestoreコマンドを終了します。 PROMPT>- SQL Serverデータベースをリカバリします。
SQL Serverデータベースをリカバリします。リカバリするにはデータベースサーバ2でdrmsqlrecoverコマンドまたはdrmsqlrecovertoolコマンドを実行します。コマンドを実行すると,drmsqlrecovertoolダイアログボックスが表示されます。drmsqlrecovertoolダイアログボックスについては,マニュアル「Hitachi Command Suite Replication Manager Software Application Agent CLI リファレンスガイド」のdrmsqlrecovertoolコマンドについての記述を参照してください。
- drmsqlrecoverコマンドを実行する場合
PROMPT> drmsqlrecover SQL1 KAVX0001-I drmsqlrecoverコマンドを開始します。 KAVX1017-I SQL Serverの情報を取得しています。 KAVX1302-I リカバリを開始します。 KAVX1303-I リカバリを完了しました。 KAVX0002-I drmsqlrecoverコマンドを終了します。 PROMPT>- drmsqlrecovertoolコマンドを実行する場合
PROMPT> drmsqlrecovertool SQL1 PROMPT>
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