Replication Manager Software Application Agent CLI ユーザーズガイド
オペレーション定義ファイルは,拡張コマンドを使用するシステムの構成に合わせて作成します。作成したオペレーション定義ファイルは,拡張コマンドを実行する各サーバの次のディレクトリに格納します。
<Application Agentのインストール先>\DRM\script\conf\
オペレーション定義ファイルを所定のディレクトリに格納したあとは,オペレーション定義ファイルチェックツールを実行して,オペレーション定義ファイルの内容のチェックと,拡張コマンド用一時ディレクトリの自動生成をします。
- この項の構成
- (1) オペレーション定義ファイルの配置
- (2) オペレーション定義ファイルの形式
- (3) オペレーション定義ファイルの作成例(クラスタ構成の場合)
オペレーション定義ファイルは,処理の対象となるマウントポイントまたはファイルに対して,同一のファイルを2つ作成します。1つのオペレーション定義ファイルをファイルサーバに配置し,もう1つをバックアップサーバに配置します。ファイルサーバがクラスタ構成の場合は,バックアップ対象となるクラスタリソース(マウントポイントまたはファイル)が定義されているすべてのサーバに,同一のオペレーション定義ファイルを配置します。
オペレーション定義ファイルの配置例を次の図に示します。
図3-11 オペレーション定義ファイルの配置例(クラスタ構成で,バックアップ対象がファイルシステムの場合)
この例では,クラスタを構成するファイルサーバA(サーバ名:FSServer_A)およびファイルサーバB(サーバ名:FSServer_B)で,仮想サーバC(サーバ名:VServer_C)が動作しています。
ファイルサーバAおよびファイルサーバB上には3つのマウントポイント「D:」,「M:」および「N:」が在り,クラスタリソースとして仮想サーバCが定義されています。マウントポイント「M:」および「N:」は,一括して処理の対象とするようにマウントポイントディレクトリ一括定義ファイル「app.txt」で設定されているものとします。
この場合,ファイルサーバAおよびファイルサーバBには,「D:」に関するオペレーション定義ファイルと,「app.txt」に指定されたマウントポイントディレクトリ(M:およびN:)に関するオペレーション定義ファイルを配置します。バックアップサーバ(サーバ名:BKServer)には,「D:」,「M:およびN:」に関するオペレーション定義ファイルを配置します。
オペレーション定義ファイルは,処理の対象を一意に特定するオペレーションIDに対応して,次のような名称で作成します。
<Application Agentのインストール先>\DRM\script\conf\_<オペレーションID>.dat
オペレーション定義ファイルのサンプルは,次の場所にあります。
<Application Agentのインストール先>\DRM\script\sample
オペレーション定義ファイルの指定項目と指定する内容およびデータの最大文字数を次の表に示します。これらの項目の指定は省略できません。
表3-48 オペレーション定義ファイルの指定項目と指定する内容およびデータの最大文字数(バックアップ対象がファイルシステムの場合)
指定項目 指定内容 最大文字数 BACKUP_OBJECT バックアップ対象の種別を示す文字列を指定します。
「FILESYSTEM」と指定します。32 DB_SERVER_NAME ファイルサーバ名を指定します。
クラスタ構成のときは,クラスタリソースに対応する仮想サーバ名を指定します。この仮想サーバ名は,Application Agentの構成定義ファイル(init.conf)の「DRM_DB_PATH=<共有ディスク上のディレクトリ>;<仮想サーバ名>」に定義されている必要があります。128 INSTANCE_NAME マウントポイントディレクトリ名またはマウントポイントディレクトリ一括定義ファイル名を指定します。複数のマウントポイントを指定する場合は,マウントポイントディレクトリ一括定義ファイルを指定してください。
空白を含む場合は引用符(")で囲んで記述します。128 TARGET_NAME この項目については値を入力しないで,「TARGET_NAME=」を指定してください。 値は入力しないでください。 FTP_HOME_DIR FTPサービスのルートディレクトリを指定します。この値はバックアップサーバのIISで指定したFTPサービスのホームディレクトリ名と一致している必要があります。
この値を省略することはできません。128 FTP_SUB_DIR FTPサービスのルートディレクトリの下に作成されるサブディレクトリ名を指定します。※
ここで指定したサブディレクトリの下に一時ディレクトリが作成されます。拡張コマンドは,この一時ディレクトリにファイルをFTP転送します。この値を省略した場合「HPtM」というサブディレクトリが自動生成されます。128 SET_DRM_HOSTNAME クラスタ構成の場合は「1」,クラスタ構成でない場合は「0」を指定します。 1
- 注※
- 指定するサブディレクトリは,次の条件を満たす必要があります。
- ディレクトリ名の文字列の中にディレクトリ区切り文字(\)を含まないこと
- ディレクトリ名がピリオド1つ(.)または2つ(..)だけでないこと
- ルートディレクトリでないこと
(3) オペレーション定義ファイルの作成例(クラスタ構成の場合)
ファイルサーバがクラスタ構成のシステムで,オペレーション定義ファイルを作成する例について,図3-11 オペレーション定義ファイルの配置例(クラスタ構成で,バックアップ対象がファイルシステムの場合)のシステム構成を例として説明します。
前提条件は次のとおりです。
- 2台のファイルサーバと,テープ装置を接続したバックアップサーバの3台を備えている。
- クラスタを構成するファイルサーバA(サーバ名:FSServer_A)およびファイルサーバB(サーバ名:FSServer_B)で,仮想サーバ「VServer_C」が動作している。
- Application Agentの構成定義ファイル(init.conf)に「DRM_DB_PATH=<共有ディスク上のディレクトリ名>;<仮想サーバ名>」が設定されている。
- ディクショナリマップファイル格納ディレクトリにApplication Agentが拡張コマンド用一時ディレクトリを自動作成できる権限がある。
- 拡張コマンド用一時ディレクトリが自動作成されるディスクに,次の一時ファイルが格納できる十分な空き容量がある。
- バックアップID記録ファイル
- バックアップ情報のファイル
- 拡張コマンド用一時ディレクトリの命名規則に従ってディレクトリが自動生成されたときに,ディレクトリの長さがOSの制限を超えない。
- バックアップサーバ(サーバ名:BKServer)上でIISのFTPサービスが設定され,FTPサービスが起動されている。FTPサイトのホームディレクトリは「C:\FTP_ROOT」とする。
- FTPサブディレクトリは「script」とする。
- ファイルサーバAが現用サーバ,ファイルサーバBが待機サーバとして設定されていて,共有ディスクとして「G:」を使用している。
- ファイルサーバAおよびファイルサーバB上には3つのマウントポイント「D:」,「M:」および「N:」が在り,クラスタリソースとして仮想サーバCが定義されている。
- クラスタグループ「FSCG_1」が在り,次の表に示すクラスタリソースが登録されている。
表3-49 クラスタリソースの例(クラスタ構成で,バックアップ対象がファイルシステムの場合)
クラスタグループ名 仮想サーバ マウントポイント FSCG_1 VServer_C D: FSCG_1 VServer_C M:,N: - マウントポイント「M:」および「N:」は,マウントポイントディレクトリ一括定義ファイル「app.txt」で,一括して処理の対象とするように設定されている。
次の表に示すオペレーションIDに対応するオペレーション定義ファイルを作成します。
表3-50 オペレーション定義ファイルを作成するオペレーションID(クラスタ構成で,バックアップ対象がファイルシステムの場合)
オペレーションID 対象ファイルサーバ名 対象マウントポイントまたはファイル Operation_A VServer_C D:の全体 Operation_B VServer_C 「app.txt」に指定されたマウントポイントディレクトリ(M:およびN:) オペレーション定義ファイルを作成するには:
- 現用サーバ(ファイルサーバA)にオペレーション定義ファイルを作成し,必要な項目を設定します。
次の2つのファイルを作成します。
<Application Agentのインストール先>\DRM\script\conf\_Operation_A.dat
<Application Agentのインストール先>\DRM\script\conf\_Operation_B.dat
「<Application Agentのインストール先>\DRM\script\conf\_Operation_A.dat」の記述例を次に示します。「<Application Agentのインストール先>\DRM\script\conf\_Operation_B.dat」の記述例を次に示します。
BACKUP_OBJECT=FILESYSTEM DB_SERVER_NAME=VServer_C INSTANCE_NAME=D: TARGET_NAME= FTP_HOME_DIR=C:\FTP_ROOT FTP_SUB_DIR=script SET_DRM_HOSTNAME=1
BACKUP_OBJECT=FILESYSTEM DB_SERVER_NAME=VServer_C INSTANCE_NAME=app.txt TARGET_NAME= FTP_HOME_DIR=C:\FTP_ROOT FTP_SUB_DIR=script SET_DRM_HOSTNAME=0- 現用サーバ(ファイルサーバA)でオペレーション定義ファイルのチェックツール「EX_DRM_FS_DEF_CHECK」を実行します。
EX_DRM_FS_DEF_CHECK <オペレーションID> -dbオペレーション定義ファイルのチェックが実行されます。また,拡張コマンド用一時ディレクトリが自動生成されます。
エラーがあった場合はファイルの指定内容を修正し,再度チェックツールを実行します。- 現用サーバ(ファイルサーバA)で作成したオペレーション定義ファイルをバックアップサーバにコピーします。
次のディレクトリにコピーします。
<Application Agentのインストール先>\DRM\script\conf\- バックアップサーバ上でオペレーション定義ファイルのチェックツール「EX_DRM_FS_DEF_CHECK」を実行します。
EX_DRM_FS_DEF_CHECK <オペレーションID> -bkオペレーション定義ファイルのチェックが実行されます。また,拡張コマンド用一時ディレクトリが自動生成されます。
エラーがあった場合は,バックアップサーバの構成をオペレーション定義ファイルの内容に合わせて変更するか,オペレーション定義ファイルの内容をバックアップサーバの構成に合わせて変更するかしてください。バックアップサーバの構成を変更する場合は,チェックツールを再度実行します。オペレーション定義ファイルの内容を変更する場合は,ファイルサーバにも同一のファイルを格納し,チェックツールを再度実行します。- 現用サーバ(ファイルサーバA)で作成したオペレーション定義ファイルを待機サーバ(ファイルサーバB)にコピーします。
次のディレクトリにコピーします。
<Application Agentのインストール先>\DRM\script\conf\- 待機サーバ(ファイルサーバB)でオペレーション定義ファイルのチェックツール「EX_DRM_FS_DEF_CHECK」を実行します。
EX_DRM_FS_DEF_CHECK <オペレーションID> -dbオペレーション定義ファイルのチェックが実行されます。また,拡張コマンド用一時ディレクトリが自動生成されます。
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