Replication Manager Software システム構成ガイド
ここでは,Application Agentがサポートする仮想化環境について説明します。
- この項の構成
- (1) VMware ESX/ESXi
- (2) Windows Server Hyper-V
- (3) 日立サーバ論理分割機構Virtage
Application AgentはVMware ESX 4.x,VMware ESXi 4.x,およびVMware ESXi 5.x上のゲストOSでも動作します。ただし,VMware Fault Tolerance(FT)はサポートしていません。
VMwareのライブ・マイグレーション(VMware vMotionなど)とApplication Agentの機能の実行時間が重ならないようにしてください。実行時間が重なると,Application Agentの機能の実行が失敗するおそれがあります。Application Agentの機能の実行が失敗した場合,トラブルシュート情報に表示されるメッセージに従って,障害に対処してください。
Hotfix 940349を含むVSS修正モジュールを適用する場合,VSSを使用するすべてのサーバに適用してください。
VMware ESXi 5.xを使用する場合,ソフトウェアのFCoEアダプターを使用して,ゲストOS上のデータベースサーバ,バックアップサーバ,およびペア管理サーバに,正ボリュームまたは副ボリュームを接続している構成はサポートしていません。
ゲストOSが使用するディスクの接続方式によって,VMware ESX/ESXiのサポート状況は異なります。ゲストOSが使用するディスクの接続方式ごとのサポート状況を次に示します。
表2-31 ゲストOSが使用するディスクの接続方式ごとのVMware ESX/ESXiサポート状況
物理接続 ディスクの接続方式 互換モード サポート状況 FC Rawデバイスマッピング 物理 ○※ 仮想 × 仮想ディスク - × iSCSI Rawデバイスマッピング 物理 ○※ 仮想 × 仮想ディスク - × ゲストOSに直結 - ○
- (凡例)
- ○:サポートしている
- ×:サポートしていない
- -:該当しない
- 注※
- ゲストOS上に構成したデータベースサーバをサポートします。ゲストOS上に構成したバックアップサーバは,次のすべての条件に該当する場合だけサポートします。1つでも該当しない条件がある場合は,バックアップサーバは仮想化環境でないサーバで構成してください。
- バックアップ対象がSQL Serverまたはファイルシステムであること。
- 副ボリュームが1世代だけであること。
- [Application Agentの設定 - <Application Agent名>]ダイアログでバックアップサーバに対して設定する際,[レプリカタスクオプション]の[バックアップサーバがマウントされていないレプリカにアクセスするのを禁止]チェックボックスをオフにしていること(デフォルトの設定)。
Application AgentのCLIで[バックアップサーバがマウントされていないレプリカにアクセスするのを禁止]を無効にするためには,副ボリューム動的認識を無効にする必要があります。副ボリューム動的認識の設定方法については,マニュアル「Hitachi Command Suite Replication Manager Software Application Agent CLI ユーザーズガイド」を参照してください。- VSSを使用してバックアップしないこと。
Application AgentをVMware ESX/ESXiの仮想マシン上で動作させる場合には,その仮想マシンにメモリーを割り当てて,製品の推奨構成と同じになるように構成定義してください。Application AgentをVMware ESX/ESXiの仮想マシン上で動作させる際に必要な仮想メモリー容量については,「(5) Application Agent仮想メモリー容量」を参照してください。
Application Agentは,Windows Server 2008 Hyper-VおよびWindows Server 2012 Hyper-VのゲストOSとして動作するWindows環境に対応しています。
Windows Server Hyper-Vのサポート状況を次に示します。
表2-32 Application AgentがサポートするWindows Server Hyper-VのゲストOS
Windows Server Hyper-Vのバージョン Windows Server Hyper-VのゲストOS データベースの種類 Exchange Server 2003 Exchange Server 2007 Exchange Server 2010 Exchange Server 2013 SQL Server※1 ファイルシステム Windows Server 2008 Hyper-V Windows Server 2003 x86(SP2) × × × × ○ ○ Windows Server 2003 x64(SP2) Windows Server 2003 R2 x86(SP2) Windows Server 2003 R2 x64(SP2) Windows Server 2008 x86(SPなし/SP1,SP2) × × × × ○※2 ○ Windows Server 2008 x64(SPなし/SP1,SP2) × ○ ○ × ○※2 ○ Windows Server 2008 R2(SPなし,SP1) × ○ ○ ○ ○※2※3 ○ Windows Server 2012 Hyper-V Windows Server 2008 R2(SPなし,SP1) × × ○ ○ × × Windows Server 2012(SPなし) × × × ○ ○※2※4 ○
- (凡例)
- ○:サポートしている
- ×:サポートしていない
- 注※1
- Application AgentのCLIを使用する場合に限り,次の条件を満たす環境ではライブ・マイグレーション(Hyper-V Liveマイグレーションなど)をサポートします。
- Windows Server 2008 Hyper-Vを使用する場合,ホストOSがWindows Server 2008 R2であり,かつSQL Serverのバージョンが次のどれかである。
- SQL Server 2005 SP3以降
- SQL Server 2008 SP1以降
- SQL Server 2008 R2
- Windows Server 2012 Hyper-Vを使用する場合,SQL ServerのバージョンがSQL Server 2012である。
- ホストOSをクラスタ構成にしている。
- 仮想コマンドデバイスを使用する構成である。
仮想コマンドデバイスの設定方法については,RAID Managerのマニュアルを参照してください。
データベースサーバにコマンドデバイスを直接接続する構成では,ホストOS上で,ライブ・マイグレーション実行前にゲストOSからコマンドデバイスのドライブを切断し,ライブ・マイグレーション完了後に再接続する必要があります。ホストOS上でコマンドデバイスのドライブをゲストOSから切断したり,再接続したりする方法については,Windows Server Hyper-Vに関するMicrosoft社のドキュメントを参照してください。- ホストOSのWindows Server Failover Clusteringでクラスタシェアードボリューム(CSV)として管理されるドライブ上に,ゲストOSのシステムドライブがVHD形式で配置される構成である。
Windows Server Failover Clusteringの通常の物理ディスクリソースであるドライブ上に配置された構成はサポートしていません。- ライブ・マイグレーションの実行時間とApplication AgentのCLIの実行時間が重なっていない。
それぞれの実行時間が重なると,Application AgentのCLIが失敗することがあります。- 上記以外の条件の場合は,Application AgentをインストールしたゲストOSが,ライブ・マイグレーションの対象にならない環境を構成してください。
- 注※2
- 使用するディスクがiSCSIの直結接続である場合,ゲストOS間でのSQL Serverクラスタ構成をサポートします。
- 注※3
- SQL Server 2005のSP3以降をサポートします。
- 注※4
- SQL Server 2012をサポートします。
ゲストOSへの接続方式によってWindows Server Hyper-Vのサポート状況は異なります。ゲストOSへの接続方式ごとのサポート状況を次に示します。
表2-33 ゲストOSへの接続方式によるWindows Server Hyper-Vサポート状況
物理接続 ゲストOSへの接続方式 ディスク認識 サポート状況 ホストOS ゲストOS FC パススルー RAID
(オフライン)RAID ○※1※2 VHD/VHDX 可変/固定 RAID 非RAID × CSVに登録 RAID 非RAID × 直結 - RAID × iSCSI パススルー RAID
(オフライン)RAID ○※1※2 VHD/VHDX 可変/固定 RAID 非RAID × CSVに登録 RAID 非RAID × 直結 - RAID ○
- (凡例)
- ○:サポートしている
- ×:サポートしていない
- -:該当しない
- 注※1
- 副ボリュームを隠ぺいする構成では,バックアップサーバは仮想化環境での動作をサポートしていません。この場合,バックアップサーバは仮想化環境でないサーバで構成する必要があります。
- 注※2
- VSSを使用したバックアップを実行する場合,バックアップサーバは仮想化環境での動作をサポートしていません。この場合,バックアップサーバは仮想化環境でないサーバで構成する必要があります。
Application AgentをWindows Server Hyper-Vの仮想マシン上で動作させる際に必要な仮想メモリー容量については,「(5) Application Agent仮想メモリー容量」を参照してください。
Application AgentのCLIでは,日立サーバ論理分割機構Virtage(バタージュ)のXeonサーバモジュールVirtageモデルおよびIPFサーバモジュールVirtageモデルをサポートしています。サポートするOSのバージョンを次に示します。
表2-34 Application Agentがサポートする日立サーバ論理分割機構Virtage
日立サーバ論理分割機構VirtageのゲストOS※ XeonサーバモジュールVirtageモデル IPFサーバモジュールVirtageモデル Windows Server 2003 x86(SP2) ○ × Windows Server 2003 IPF(SP2) × ○ Windows Server 2003 x64(SP2) ○ × Windows Server 2003 R2 x86(SP2) ○ × Windows Server 2003 R2 x64(SP2) ○ × Windows Server 2008 x86(SPなし/SP1,SP2) ○ × Windows Server 2008 IPF(SPなし/SP1,SP2) × ○ Windows Server 2008 x64(SPなし/SP1,SP2) ○ × Windows Server 2008 R2(SPなし,SP1) × × Windows Server 2008 R2 IPF(SPなし,SP1) × × Windows Server 2012(SPなし) × ×
- (凡例)
- ○:サポートしている
- ×:サポートしていない
- 注※
- すべて日本語版Windowsが対象です。
Application Agentを日立サーバ論理分割機構Virtageの仮想マシン上で動作させる際に必要な仮想メモリー容量については,「(5) Application Agent仮想メモリー容量」を参照してください。
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