Replication Manager Software システム構成ガイド

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2.1.3 デバイスグループで定義されたコピーグループを管理する場合のシステム構成(オープン系システム)

ホストがオープン系ホストの場合で,デバイスグループで定義されたコピーグループを管理する場合のシステム構成を説明します。

重要
デバイスグループは,ストレージシステムまたはペア管理サーバ(構成定義ファイル)上で定義できます。Replication Managerでは,ストレージシステム上に定義されたデバイスグループについてだけ,コピーグループを管理できます。
この項の構成
(1) 基本的なシステム構成
(2) システムの構成要素
(3) システムの構成要素に含まれるソフトウェア
(4) デバイスグループで定義されたコピーグループを管理する場合の要件
(5) すでに運用を開始しているデバイスグループのコピーペアをReplication Managerで管理する場合の移行手順

(1) 基本的なシステム構成

システム構成例を次の図に示します。

図2-7 デバイスグループで定義されたコピーグループを管理する構成(オープン系システム)

[図]

(2) システムの構成要素

システムの構成要素を次の表に示します。

表2-5 デバイスグループで定義されたコピーグループを管理する場合のシステムの構成要素(オープン系システム)

システムの構成要素 システムの構成要素に含まれるソフトウェア 説明
管理クライアント Webブラウザー 管理クライアントは,ユーザーがWebブラウザーを使って,管理サーバ上で稼働するReplication ManagerのGUIを操作するコンピュータです。
管理サーバ(ペア管理サーバ) Replication Manager
Device Managerサーバ
RAID Manager
Device Managerエージェント
管理サーバは,管理クライアントからの要求に対して管理情報を提供します。Replication Managerとその前提プログラムであるDevice Managerサーバ,RAID ManagerおよびDevice Managerエージェントをインストールします。
デバイスグループで定義されたコピーグループを管理する場合,管理サーバとペア管理サーバは同じマシンである必要があります。
管理サーバが複数のNICを搭載している場合,RAID ManagerとDevice Managerエージェントは同じIPアドレスを利用する必要があります。
管理サーバはUDP経由でSVPに接続されている必要があります。
Device Managerのシステム構成については,マニュアル「Hitachi Command Suite Software システム構成ガイド」を参照してください。
ホスト Device Managerエージェント(任意) 通常,ホストとはアプリケーションプログラムがインストールされるコンピュータです。ホストはストレージシステムを外部記憶装置として使用します。
コピーペアを管理する場合,ホストから正ボリュームおよび副ボリュームがそれぞれ認識されている必要があります。正ボリュームと副ボリュームは,別々のホストに割り当てることをお勧めします。
Device Managerエージェントをインストールするかどうかは任意です。ホストにDevice Managerエージェントをインストールすると,そのホストに関する情報(IPアドレスやマウントポイントなど)をReplication Managerから参照できます。
ストレージシステム マイクロコード
必要に応じて,製品(Universal ReplicatorまたはShadowImageなど)のライセンスを登録してください。
ストレージシステムとは,ホストに接続された外部記憶装置です。

(3) システムの構成要素に含まれるソフトウェア

システムの構成要素に含まれるソフトウェアを次の表に示します。

表2-6 デバイスグループで定義されたコピーグループの管理に必要なソフトウェアの概要(オープン系システム)

ソフトウェア 説明
Replication Manager 大規模なシステム構成でストレージシステムのボリュームの複製を一元管理するために使用します。
Replication Managerには,Hitachi Command Suite製品で共用する機能を集めたHitachi Command Suite共通コンポーネントが含まれています。共通コンポーネントはHitachi Command Suite製品の構成要素としてインストールされ,インストール中に最新バージョンにアップグレードされます。
Device Managerサーバ ストレージシステムのリソースおよびハードウェア構成の統合管理に使用します。複数のストレージシステムで構成されたシステムの運用と管理ができます。
Replication Managerが稼働している管理サーバ上にあるDevice ManagerサーバをローカルDevice Managerと呼びます。Replication Managerが稼働している管理サーバ以外で動作しているDevice ManagerサーバをリモートDevice Managerと呼びます。プライマリーサイトで稼働しているDevice Managerサーバでも,運用している Replication Managerと同じ管理サーバ上になければリモートDevice Managerとなります。
Replication Managerは,Device Managerサーバが管理するストレージシステムのボリュームに対して,コピーペア操作などを実行します。Device Managerサーバについては,マニュアル「Hitachi Command Suite Software システム構成ガイド」を参照してください。
Device Managerエージェント Replication Managerからの要求に応じてコピーペア操作の実行をRAID Managerに指示したり,Device Managerサーバにホスト情報を提供したりします。デバイスグループで定義されたコピーグループを管理する場合,管理サーバには次に示すバージョンのDevice Managerエージェントをインストールする必要があります。
  • Virtual Storage Platformを使用するとき:バージョン7.1以降
  • HUS VMを使用するとき:バージョン7.2.1以降
Device Managerエージェントについては,マニュアル「Hitachi Command Suite Software システム構成ガイド」を参照してください。
従来のReplication Monitorエージェントの機能は,Device Managerエージェントに統合されています。
RAID Manager ホストからストレージシステムへコマンドを発行することでボリューム複製機能(TrueCopyまたはShadowImageなど)を制御するソフトウェアです。ストレージシステムに応じたバージョンのRAID Mangerを使用してください。
Replication ManagerはRAID Managerの構成定義ファイルを使用して,コピーペア構成を変更したり,構成情報を取得したりします。RAID Managerについては,RAID Managerのマニュアルを参照してください。
Replication Managerは,Device Managerエージェントを介してRAID Managerの構成定義ファイルを使用します。詳細については,マニュアル「Hitachi Command Suite Software システム構成ガイド」を参照してください。

(4) デバイスグループで定義されたコピーグループを管理する場合の要件

デバイスグループを使用して定義したコピーグループを管理する場合の要件を次に示します。

注意
管理サーバ上でDevice Managerエージェントのサービスが起動中である場合,RAID Managerから直接ストレージシステムに対して,ユーザー認証のログアウトを実行しないでください。Device Managerエージェントで実行している情報取得などの処理が,正常に終了しなくなるおそれがあります。
手動でログアウトしたい場合は,Device Managerエージェントのサービスを停止してから実施してください。
重要
セカンダリーサイトのストレージシステムに定義されたコピーグループを管理する場合,プライマリーサイトの管理サーバがReplication Managerにペア管理サーバとして認識されていることを確認したあと,セカンダリーサイトのDevice Managerに対して構成情報の更新を実行してください。

デバイスグループで定義されたコピーグループの要件

デバイスグループで定義されたコピーグループの要件を次に示します。

参考
デバイスグループで定義されたコピーグループを管理する場合,物理コマンドデバイスを使用した構成でコピーペアを管理する場合に比べて,RAID Managerのコマンドの応答時間が増加します。その結果,Device Managerエージェントで処理がエラー終了するおそれがあるため,次に示すプロパティの値を事前に変更しておくことをお勧めします。
  • Device Managerエージェントのプロパティ
    • server.propertiesファイルのserver.agent.rm.moduleTimeOutプロパティの値を1800以上に設定してください。
    • agent.propertiesファイルのagent.rm.TimeOutプロパティの値を1800以上に設定してください。
    プロパティの値を変更したあとは,Device Managerエージェントを再起動してください。プロパティファイルの編集方法,およびDevice Managerエージェントの再起動方法については,マニュアル「Hitachi Command Suite Software システム構成ガイド」を参照してください。
  • Replication Managerのプロパティ
    • agentif.propertiesファイルのhdvmagtif.MaxPollingCountプロパティの値を100に設定してください。
    • agentif.propertiesファイルのhdvmagtif.PollingIntervalプロパティの値を60以上に設定してください。
    プロパティの値を変更したあとは,Replication Managerを再起動してください。プロパティファイルの編集方法,およびReplication Managerの再起動方法については,「4.2 Replication Managerの起動と停止」および「4.3 プロパティファイルの設定の変更」を参照してください。

(5) すでに運用を開始しているデバイスグループのコピーペアをReplication Managerで管理する場合の移行手順

すでにデバイスグループを定義して運用している場合,デバイスグループで定義されたコピーペアをReplication Managerで管理できるようにする手順を示します。

  1. 次のどちらかに当てはまる場合は,Storage NavigatorまたはRAID Managerのコマンドを使用して,デバイスグループが含まれるストレージシステムに,コピーグループを定義してください。
    • ストレージシステムにまだコピーグループを定義していない場合
    • コピーペア構成定義ファイル(HORCM_LDEVG)で,すでにコピーグループを定義している場合
    Storage Navigatorで実施する操作については,Storage Navigatorのマニュアルを参照してください。RAID Managerのコマンドの使用方法については,RAID Managerのマニュアルを参照してください。
  2. Device Managerで,デバイスグループが含まれるストレージシステムを登録し,Replication Managerで構成の更新を実行してください。
参考
ボリュームをグループ化するためにデバイスグループを使用して運用している場合もあります。この場合,Hitachi Command Suite製品で同様に管理できるようにするには,すでに定義しているデバイスグループと同じ構成で,Device ManagerのGUIから論理グループを作成してください。
Device ManagerのGUI使用方法については,マニュアル「Hitachi Command Suite Software ユーザーズガイド」を参照してください。

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