Replication Manager Software ユーザーズガイド
Exchange Serverのデータベースのレプリカをリストアする手順について説明します。
- この項の構成
- (1) レプリカのリストアの流れ
- (2) リストアレプリカウィザードの概要
- (3) リストアレプリカウィザードの起動に関する要件
- (4) リストアレプリカウィザードの起動
- (5) レプリカのリストア
Exchange Serverのデータベースのレプリカをリストアするには,リストアレプリカウィザードを使用します。このウィザードを完了するとコピーグループ単位のタスクが自動で登録されます。レプリカのリストアの処理は,即時実行されます。
レプリカのリストアの流れを次の図に示します。
Replication Managerでは,アプリケーションと連携してデータベースのレプリカをリストアするためのリストアレプリカウィザードを提供しています。アプリケーションのリソース(ストレージグループ,インフォメーションストアなど)単位での最新復旧ポイントからのリストア,または,復旧ポイントを指定したリストアによって,データを復旧できます。
リストアレプリカウィザードの起動時には,次に示す要件をすべて満たしている必要があります。
- リストアするためのコピーペアが存在すること。
- リストア対象の副ボリュームがマウントされていないこと。
マウントされている場合は,アプリケーションビューで該当するデータベースサーバの[レプリカ履歴]タブでレプリカを選択し,[アンマウントレプリカ]ボタンをクリックしてアンマウントしておいてください。- DAG構成の場合,対象となるメールボックスデータベースコピーが,アクティブメールボックスデータベースコピーになっていること。
- DAG構成の場合,Primary Active Managerの役割を持ったExchange ServerでMicrosoft Exchange Replication Serviceが起動していること。
- Exchange Server 2013の場合,リストアを実施する前にデータベースサーバのMicrosoft Exchange Search Host Controller Serviceを停止する必要があります。
なお,Microsoft Exchange Search Host Controller Serviceを停止すると次に示す現象が発生するおそれがあります。
- Outlook Web AppまたはOutlook(オンライン モード)では,ユーザーはアイテムを検索できません。Outlook(キャッシュ モード)での検索は利用できます。
- Get-MailboxDatabaseCopyStatusコマンドを実行すると,ContentIndexStateはFailedと表示されます。
- Microsoft Exchange Search Host Controller Serviceを再開したあとは,インデックスの処理が再開されます。このとき,ContentIndexStateはFailed状態からHealthy状態になり,Outlook Web Appなどでメールの検索ができるようになるまで処理に時間が掛かる場合があります。
目的に応じたリストアレプリカウィザードの起動方法を,次の表に示します。
目的 リストアレプリカウィザードの起動方法 最新のレプリカからリストアする Exchange Server 2003
Exchange Server 2007ストレージグループ一覧([ストレージグループ一覧]タブ)から,リストアするストレージグループを選択し,[リストアレプリカ]ボタンをクリックします。
選択したストレージグループを含むすべてのレプリカのうち,最新のレプリカの対象がリストアレプリカウィザードに表示されます。Exchange Server 2010
Exchange Server 2013インフォメーションストア一覧([インフォメーションストア一覧]タブ)から,リストアするインフォメーションストアを選択し,[リストアレプリカ]ボタンをクリックします。
選択したインフォメーションストアを含むすべてのレプリカのうち,最新のレプリカの対象がリストアレプリカウィザードに表示されます。復旧ポイントを選択してリストアする レプリカ履歴一覧([レプリカ履歴]タブ)で作成時刻,対象のストレージグループまたはインフォメーションストア,ラベルなどを確認した上でリストアするレプリカを選択し,[リストアレプリカ]ボタンをクリックします。
選択したレプリカの対象がリストアレプリカウィザードに表示されます。
重要
- リストアレプリカウィザードは,ユーザーごとに設定されたユーザーロールによって実行できる操作が限定されます。ユーザーロールについては,「2.3.6 ユーザーロール」を参照してください。
レプリカのリストア手順を次に示します。
- RAID Managerのインスタンスを起動します。
データベースサーバとバックアップサーバにDevice Managerエージェントをインストールしていない場合(データベースサーバとバックアップサーバがペア管理サーバとしてReplication Managerに認識されていない場合),RAID Managerのインスタンスは自動的に起動しないため,あらかじめ起動しておく必要があります。起動方法については,マニュアル「Hitachi Command Suite Replication Manager Software システム構成ガイド」を参照してください。
重要
- バックアップサーバの再起動時など,RAID Managerのインスタンスが停止状態になっている場合にも,手動で起動しておいてください。
- [エクスプローラ]メニューの[リソース]-[アプリケーション]を選択します。
アプリケーションサブウィンドウが表示されます。- [Exchange]リンクをクリックします。
Exchangeサブウィンドウが表示されます。- リストア対象のデータベースサーバを選択します。
<データベースサーバ名>サブウィンドウが表示されます。- 使用しているアプリケーションに従って次の手順を実行します。
- Exchange Server 2003またはExchange Server 2007の場合
目的に応じて[ストレージグループ一覧]タブまたは[レプリカ履歴]タブを選択します。
最新のレプリカからリストアする場合は[ストレージグループ一覧]タブを,復旧ポイントを選択してリストアする場合は[レプリカ履歴]タブを選択してください。- Exchange Server 2010またはExchange Server 2013の場合
目的に応じて[インフォメーションストア一覧]タブまたは[レプリカ履歴]タブを選択します。
最新のレプリカからリストアする場合は[インフォメーションストア一覧]タブを,復旧ポイントを選択してリストアする場合は[レプリカ履歴]タブを選択してください。- リストア対象のストレージグループ,インフォメーションストア,またはレプリカを選択し,[リストアレプリカ]ボタンをクリックします。
リストアレプリカウィザードの[1. 対象の選択]画面が表示されます。- リストア対象のストレージグループまたはインフォメーションストアを選択します。
- [次へ]ボタンをクリックします。
[2. オプション設定]画面が表示されます。
参考
- リストアはボリューム単位で実施するため,手順7で選択したストレージグループまたはインフォメーションストアを含むボリューム内にほかのストレージグループまたはインフォメーションストアが含まれる場合,それらが自動的に選択された状態で再表示されます。この場合,再度[次へ]ボタンをクリックすると[2. オプション設定]画面が表示されます。
- リストアモードを選択します。
重要
- インフォメーションストアのデータだけをリストアし,トランザクションログを使ってロールフォワードする場合は,[ロールフォワードリストア]を選択してください。
- Exchange Server 2010またはExchange Server 2013の場合は,リストアオプションを設定します。
重要
- DAG構成でシード処理の機能を使用する場合,[同一のデータベース可用性グループ(DAG)に含まれるほかのホストに対してシード処理を実行する]チェックボックスを選択してください。リストアのあとでシード処理を実行したい場合は,[同一のデータベース可用性グループ(DAG)に含まれるほかのホストに対してシード処理を実行する]チェックボックスを選択しないで,リストアしたあとでシード処理を手動で実行してください。
参考
- 一部のホストで障害が発生して,Microsoft Exchange Replication Serviceが稼働していない場合でも,シード処理を実行できます。シード処理を実行するには,リストア対象のデータベースが複数のホストにデータをコピーしている環境で,ほかのホストのMicrosoft Exchange Replication Serviceが稼働している必要があります。
- この場合は,[同一のデータベース可用性グループ(DAG)に含まれるほかのホストに対してシード処理を実行する]チェックボックスを選択して,[Microsoft Exchange Replication Serviceが稼動しているホストにシード処理を実行し,リストア操作を続行する]ラジオボタンを選択してください。シード処理の詳細については,Exchange Server 2010またはExchange Server 2013のマニュアルを参照してください。
- [次へ]ボタンをクリックします。
[3. 確認]画面が表示されます。- 指定した設定項目を確認してから,[確認]ボタンをクリックします。
[4. 完了]画面が表示されます。- [完了]ボタンをクリックします。
ウィザードで指定した設定項目がタスクとして登録されます。タスクの[状態]欄で,リストアレプリカタスクの状態を確認します。タスクを確認するには,[エクスプローラ]メニューの[タスク]-[タスク]を選択します。
重要
- DAG構成の場合,シード処理の機能を使用しないでリストアすると,リストア対象のExchange Serverレプリケーション機能は停止されますが,シード処理は実行されません。リストアしたあと,シード処理とExchange Serverレプリケーション機能を手動で実行してください。
- また,リストアしたあとにExchange Serverレプリケーション機能を正常にするには,シード処理を実行してください。シード処理を実行しない場合,Exchange Serverレプリケーション機能が正常に動作しません。
重要
- DAG構成の場合,Point-in-timeリストアを実行したあとにシード処理を実行しても,コピーキューの長さが0にならないことがあります。この状態でメールボックスデータベースコピーをスイッチオーバーする場合,Exchange Management Shellを使用してスイッチオーバーを実行してください。
- コマンド例:
- Move-ActiveMailboxDatabase <データベース名> -ActivateOnServer <スイッチオーバー先のサーバ名> -SkipLagChecks:$True -MountDialOverride:Besteffort
参考
- タスクは,タスク一覧から選択してキャンセルしたり再実行したりできます。
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