Replication Manager Software ユーザーズガイド
Exchange Serverのデータベースのレプリカの作成手順について説明します。
- この項の構成
- (1) レプリカ作成の流れ
- (2) レプリカ作成ウィザードの概要
- (3) レプリカ作成ウィザードの起動に関する要件
- (4) レプリカ作成ウィザードの起動
- (5) レプリカの作成
Exchange Serverのデータベースのレプリカを作成するには,レプリカ作成ウィザードを使用します。レプリカを作成する日時もスケジューリングできます。
レプリカ作成ウィザードを完了すると自動でタスクが登録されます。登録されたタスクは,編集したりキャンセルしたりできます。
レプリカの作成の流れを次の図に示します。
Replication Managerでは,アプリケーションと連携してデータベースのレプリカを作成するためのレプリカ作成ウィザードを提供しています。このウィザードでは,ボリュームとリソースの関連を意識することなく,アプリケーション視点でレプリカを作成できます。
レプリカ作成ウィザードでは,次の操作を実行できます。
- レプリカ作成タスクの新規作成
- 既存のレプリカ作成タスクのオプションの編集
- 既存のレプリカ作成タスクへのレプリカ対象の追加
- 既存のレプリカ作成タスクからのレプリカ対象の削除
参考
- タスクは,コピーペア構成定義の作成タスクや編集タスク,コピーペア状態を変更するタスク,レプリカ管理のタスクを含め,合計1,000まで登録できます。
レプリカ作成ウィザードの起動時には,次に示す要件をすべて満たしている必要があります。
- レプリカを作成するためのコピーペアが存在すること。
コピーペアが存在していない場合は,コピーペア構成定義ウィザードやRAID Managerなどを使用して作成してください。
重要
- Exchange Serverのデータベースのレプリカ用にコピーペアを作成する場合は,タスク編集ダイアログの[コピーペア操作]タブで[Read disable (secondary)]チェックボックスを選択してください。
- アプリケーションビューからコピーペア構成定義ウィザードを使用してコピーペアを作成した場合に,データベースサーバに最新の構成情報が反映されていること。
アプリケーションビューで該当するデータベースサーバを選択して[ホスト情報更新]ボタンをクリックし,情報を更新しておいてください。- 1つのコンシステンシーグループ内に複数のストレージグループまたはインフォメーションストアが存在する場合,すべてのストレージグループまたはインフォメーションストアをレプリカの作成対象として選択すること。
コンシステンシーグループ内の一部のストレージグループまたはインフォメーションストアだけを選択してレプリカ作成ウィザードを起動した場合,タスクの実行時にエラーが発生します。- レプリカ作成対象の副ボリュームがマウントされていないこと。
- ローカルコピーでマルチターゲット構成になっているコピーペアを使用してレプリカを作成する場合は,世代間のコピーペア数が等しいこと。
- データベースサーバのApplication Agentの設定時に,バックアップサーバを指定済みであること。
- DAG構成でパッシブメールボックスデータベースコピーのレプリカを作成する場合,次に示す要件をすべて満たしていること。
- レプリカ作成の対象となるパッシブメールボックスデータベースコピーに対応するアクティブメールボックスデータベースコピーがマウントされていること。
- レプリカ作成を実行するExchange ServerのMicrosoft Exchange Replication Serviceが起動していること。
- レプリカ作成の対象となるパッシブメールボックスデータベースコピーのExchange Serverレプリケーション機能の状態が,「Healthy」になっていること。
目的に応じたレプリカ作成ウィザードの起動方法を,次の表に示します。
目的 レプリカ作成ウィザードの起動方法 レプリカ作成のタスクを新規に作成する Exchange Server 2003
Exchange Server 2007ストレージグループ一覧から,レプリカを作成するストレージグループを選択し,[レプリカ作成]ボタンをクリックします。 Exchange Server 2010
Exchange Server 2013インフォメーションストア一覧から,レプリカを作成するインフォメーションストアを選択し,[レプリカ作成]ボタンをクリックします。 既存のレプリカ作成タスクのオプションを編集する Exchange Server 2003
Exchange Server 2007ストレージグループ一覧から,編集するレプリカ作成タスクに含まれるストレージグループを選択し,[レプリカ作成]ボタンをクリックします。
指定したストレージグループの属するデータベースサーバが保有する,レプリカ作成タスクがドロップダウンリストに表示されます。編集したいタスクIDを選択して,ウィザードを続行してください。Exchange Server 2010
Exchange Server 2013インフォメーションストア一覧から,編集するレプリカ作成タスクに含まれるインフォメーションストアを選択し,[レプリカ作成]ボタンをクリックします。
指定したインフォメーションストアの属するデータベースサーバが保有する,レプリカ作成タスクがドロップダウンリストに表示されます。編集したいタスクIDを選択して,ウィザードを続行してください。既存のレプリカ作成タスクへレプリカ対象を追加する Exchange Server 2003
Exchange Server 2007ストレージグループ一覧から,追加するストレージグループを選択し,[レプリカ作成]ボタンをクリックします。
指定したストレージグループの属するデータベースサーバが保有する,レプリカ作成タスクがドロップダウンリストに表示されます。編集したいタスクIDを選択して,ウィザードを続行してください。Exchange Server 2010
Exchange Server 2013インフォメーションストア一覧から,追加するインフォメーションストアを選択し,[レプリカ作成]ボタンをクリックします。
指定したインフォメーションストアの属するデータベースサーバが保有する,レプリカ作成タスクがドロップダウンリストに表示されます。編集したいタスクIDを選択して,ウィザードを続行してください。既存のレプリカ作成タスクからレプリカ対象を削除する Exchange Server 2003
Exchange Server 2007ストレージグループ一覧から,削除するストレージグループを選択し,[レプリカ作成]ボタンをクリックします。
指定したストレージグループの属するデータベースサーバが保有する,レプリカ作成タスクがドロップダウンリストに表示されます。編集したいタスクIDを選択して,ウィザードを続行してください。Exchange Server 2010
Exchange Server 2013インフォメーションストア一覧から,削除するインフォメーションストアを選択し,[レプリカ作成]ボタンをクリックします。
指定したインフォメーションストアの属するデータベースサーバが保有する,レプリカ作成タスクがドロップダウンリストに表示されます。編集したいタスクIDを選択して,ウィザードを続行してください。
参考
- 同一の既存レプリカ作成タスクに対するオプションの編集,レプリカ対象の追加,削除は,レプリカ作成ウィザードでまとめて実施できます。
レプリカの作成手順を次に示します。
- RAID Managerのインスタンスを起動します。
データベースサーバとバックアップサーバにDevice Managerエージェントをインストールしていない場合(データベースサーバとバックアップサーバがペア管理サーバとしてReplication Managerに認識されていない場合),RAID Managerのインスタンスは自動的に起動しないため,あらかじめ起動しておく必要があります。起動方法については,マニュアル「Hitachi Command Suite Replication Manager Software システム構成ガイド」を参照してください。
重要
- バックアップサーバの再起動時など,RAID Managerのインスタンスが停止状態になっている場合にも,手動で起動しておいてください。
重要
- データベースサーバでレプリカを作成するときは,あらかじめ副ボリュームをアンマウントしてください。副ボリュームをアンマウントしていないと,予期しないレプリカ作成が実行されることがあります。
- [エクスプローラ]メニューの[リソース]-[アプリケーション]を選択します。
アプリケーションサブウィンドウが表示されます。- [Exchange]リンクをクリックします。
Exchangeサブウィンドウが表示されます。- レプリカの作成対象のデータベースサーバを選択します。
<データベースサーバ名>サブウィンドウが表示されます。- 使用しているアプリケーションに従って次の手順を実行します。
レプリカ作成ウィザードの[1. 対象の選択]画面が表示されます。
- Exchange Server 2003またはExchange Server 2007の場合
[ストレージグループ一覧]タブから,レプリカを作成するストレージグループを選択し,[レプリカ作成]ボタンをクリックします。- Exchange Server 2010またはExchange Server 2013の場合
[インフォメーションストア一覧]タブから,レプリカを作成するインフォメーションストアを選択し,[レプリカ作成]ボタンをクリックします。- 「新規タスク作成」オプションを選択し,レプリカ所在(ローカルまたはリモート)およびレプリカ対象を選択します。
重要
- DAG構成の場合,1つのメールボックスデータベースコピーに対して,アクティブメールボックスデータベースコピーとパッシブメールボックスデータベースコピーのレプリカを同時に作成できません。
- 1つのメールボックスデータベースコピーを対象にしたレプリカ作成のタスクが終了したあとに,ほかのメールボックスデータベースコピーを対象にしたレプリカ作成のタスクを実行する必要があります。
- [次へ]ボタンをクリックします。
[2. オプション設定]画面が表示されます。- レプリカのラベル,およびベーシックオプションやアドバンスドオプションを設定します。
重要
- ベーシックオプションで[リポジトリを更新してタスクを継続]ラジオボタンを選択した場合,アプリケーションの構成変更時には手動でホスト情報を更新する必要があります。
重要
- [Exchange のトランザクションログファイルを削除する]チェックボックスを選択すると,以前作成したレプリカを基にしたロールフォワードリストアができなくなります。
参考
- ローカルのレプリカの世代管理を実施する場合,Replication Managerによって自動でレプリカの作成先の副ボリュームをローテーションさせる方法と,任意の世代識別子を指定して作成先の副ボリュームを限定する方法のどちらかを選んで実施できます。リモートのレプリカを管理する場合は,正ボリュームと副ボリュームは1対1になるため,常に作成先を指定します。
- [次へ]ボタンをクリックします。
[3. スケジュール設定]画面が表示されます。- スケジュールを設定します。
即時実行かスケジュール実行かを選べます。スケジュール実行の場合は,レプリカの作成間隔や開始日などを設定します。
注意
- レプリカ作成後,コピーペアの再同期操作を実施するスケジュールを設定しないでください。レプリカ作成がコピーペア再同期操作の開始時間までに終了しない場合,レプリカ作成中に障害が発生するおそれがあります。レプリカ作成後にコピーペアの再同期操作を実行したい場合は,ユーザースクリプトを使用してコピーペアの再同期操作を実行してください。
重要
- サマータイムによってデータベースサーバのシステム時間が調整される時間帯では,レプリカ作成のスケジュールは次の規則に従って動作します。定期的にレプリカを作成するタスクをスケジュール実行する場合は,レプリカ作成ウィザードのスケジュール設定およびタスク編集ダイアログで,調整される時間帯をタスク実行日時に設定しないようにしてください。
- サマータイムの開始時に飛ばされる時間帯(例 2:00~3:00)にスケジュールされているタスクは,実行されません。
- サマータイムの終了時に重複する時間帯(例 1:00~2:00)にスケジュールされているタスクは,重複して実行されます。
- [次へ]ボタンをクリックします。
[4. 確認]画面が表示されます。- 指定した設定項目を確認してから,[確認]ボタンをクリックします。
[5. 完了]画面が表示されます。- [完了]ボタンをクリックします。
ウィザードで指定した設定項目がタスクとして登録されます。タスクの[状態]欄で,レプリカ作成タスクの状態を確認します。タスクを確認するには,[エクスプローラ]メニューの[タスク]-[タスク]を選択します。
参考
- タスクは,タスク一覧から選択してキャンセルしたり編集したりできます。
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