Tuning Manager - Agent for SAN Switch
ここでは,HTM - Agent for SAN Switchを運用するための,セットアップについて説明します。
は使用する環境によって必要になるセットアップ項目,またはデフォルトの設定を変更する場合のオプションのセットアップ項目を示します。
なお,HTM - Agent for SAN Switchのセットアップを開始する前に,次の項目について検討してください。
Brocade社製スイッチ(B-Model)だけで構成されるファブリックをBrocade(SMI Agent for FOS)に接続して監視する場合
- インスタンスの構築単位
- 監視するファブリック1つに対して1つのインスタンスを構築します。1つのインスタンスで複数のファブリックは監視できません。
- セッション数
- HTM - Agent for SAN Switchのインスタンス1つにつき,SMI Agent for FOSのセッションを1つ使用します。
- Gateway IPアドレスの設定
- 監視対象ファブリック内のすべてのBrocade社製スイッチ(B-Model)にGateway IPアドレスが設定されていることを確認してください。
Brocade社製スイッチ(M-Model)だけで構成されるファブリックをBrocade(SMI Agent for EOS)に接続して監視する場合
- インスタンスの構築単位
- インスタンス環境の構築時に,EFCMまたはDCFMが管理する特定のファブリックだけを監視するのか,複数のファブリックを1つのファブリックとして監視するのかを設定できます。ただし,1つのEFCMまたはDCFMに複数のファブリックを接続する場合,HTM - Agent for SAN Switchの情報取得性能が劣化することがあります。そのため,特定のファブリックだけを監視する構成を推奨します。
- 特定のファブリックだけを監視する場合
Target Switch WWNで指定したスイッチを含むファブリックだけを監視します。- 複数のファブリックを1つのファブリックとして監視する場合
Target Switch WWNでALLを指定することによって,EFCMまたはDCFMが管理するすべてのファブリックを監視します。なお,EFCMまたはDCFMが管理するファブリックにHTM - Agent for SAN Switchがサポートしないスイッチが含まれていると,HTM - Agent for SAN Switchが正しい情報を取得できないおそれがあります。この場合は,サポート対象外のスイッチの情報を監視対象外スイッチ設定ファイルに指定して,監視対象から除外してください。サポート対象外のスイッチの情報を監視対象外スイッチ設定ファイルに指定する方法については,「(10) 監視対象外のスイッチの設定」を参照してください。
- セッション数
- HTM - Agent for SAN Switchのインスタンス1つにつき,SMI Agent for EOSのセッションを1つ使用します。
- インスタンスの構築単位
- インスタンス環境の構築時に,Network Advisor(v11.1.0以降)またはDCFM(v10.4.0以降)が管理する特定のファブリックだけを監視するのか,複数のファブリックを1つのファブリックとして監視するのかを設定できます。ただし,1つのNetwork Advisor(v11.1.0以降)またはDCFM(v10.4.0以降)に複数のファブリックを接続する場合,HTM - Agent for SAN Switchの情報取得性能が劣化することがあります。そのため,特定のファブリックだけを監視する構成を推奨します。
- 特定のファブリックだけを監視する場合
Target Switch WWNで指定したスイッチを含むファブリックだけを監視します。- 複数のファブリックを1つのファブリックとして監視する場合
Target Switch WWNでALLを指定することによって,Network Advisor(v11.1.0以降)またはDCFM(v10.4.0以降)が管理するすべてのファブリックを監視します。なお,Network Advisor(v11.1.0以降)またはDCFM(v10.4.0以降)が管理するファブリックにHTM - Agent for SAN Switchがサポートしないスイッチが含まれていると,HTM - Agent for SAN Switchが正しい情報を取得できないおそれがあります。この場合は,サポート対象外のスイッチの情報を監視対象外スイッチ設定ファイルに指定して,監視対象から除外してください。サポート対象外のスイッチの情報を監視対象外スイッチ設定ファイルに指定する方法については,「(10) 監視対象外のスイッチの設定」を参照してください。
- セッション数
- HTM - Agent for SAN Switchのインスタンス1つにつき,Network Advisor SMI AgentまたはDCFM SMI Agentのセッションを1つ使用します。
- Gateway IPアドレスの設定
- Brocade社製スイッチ(B-Model)だけで構成されるファブリックをBrocade(Network Advisor SMI Agent)またはBrocade(DCFM SMI Agent)に接続して監視する場合,監視対象ファブリック内のすべてのBrocade社製スイッチ(B-Model)にGateway IPアドレスが設定されていることを確認してください。
Cisco社製のスイッチだけで構成されるファブリックをCisco(DCNM-SAN SMI-S Agent)に接続して監視する場合
- インスタンスの構築単位
- インスタンス環境の構築時に,DCNM-SANが管理する特定のファブリックだけを監視するのか,複数のファブリックを1つのファブリックとして監視するのかを設定できます。ただし,1つのDCNM-SANに複数のファブリックを接続する場合,HTM - Agent for SAN Switchの情報取得性能が劣化することがあります。そのため,特定のファブリックだけを監視する構成を推奨します。
- 特定のファブリックだけを監視する場合
Target Switch WWNで指定したスイッチを含むファブリックだけを監視します。- 複数のファブリックを1つのファブリックとして監視する場合
Target Switch WWNでALLを指定することによって,DCNM-SANが管理するすべてのファブリックを監視します。なお,DCNM-SANが管理するファブリックにHTM - Agent for SAN Switchがサポートしないスイッチが含まれていると,HTM - Agent for SAN Switchが正しい情報を取得できないおそれがあります。この場合は,サポート対象外のスイッチの情報を監視対象外スイッチ設定ファイルに指定して,監視対象から除外してください。サポート対象外のスイッチの情報を監視対象外スイッチ設定ファイルに指定する方法については,「(10) 監視対象外のスイッチの設定」を参照してください。
- セッション数
- HTM - Agent for SAN Switchのインスタンス1つにつき,DCNM-SAN SMI-S Agentのセッションを1つ使用します。
Cisco社製のスイッチだけで構成されるファブリックをCisco(Seed Switch)に接続して監視する場合
- インスタンスの構築単位
- 1つのSeed Switchに対してインスタンスを1つ構築します。複数のインスタンス環境を構築する場合は,同一ホストに構築してください。
- セッション数
- HTM - Agent for SAN Switchのインスタンス1つにつき,Seed Switchのセッションを1つ使用します。
- なお,HTM - Agent for SAN SwitchがSeed Switchとセッション確立する場合は,それ以外のセッションをSeed Switchへ確立することはできません。
インスタンス環境の設定については,「(4) インスタンス環境の設定」を参照してください。
- この項の構成
- (1) Javaのインストールパスの設定(UNIXの場合)
- (2) LANG環境変数の設定
- (3) HTM - Agent for SAN Switchの登録
- (4) インスタンス環境の設定
- (5) ネットワークの設定
- (6) ログのファイルサイズ変更
- (7) パフォーマンスデータの格納先の変更
- (8) HTM - Agent for SAN Switchの接続先PFM - Managerの設定
- (9) 動作ログ出力の設定
- (10) 監視対象外のスイッチの設定
- Solarisの場合
- OSにバンドルされているJavaのインストールパスをagtw.propertiesファイルに設定します。
- agtw.propertiesファイルの格納先を次に示します。
- /opt/jp1pc/agtw/agent
- Solaris版HTM - Agent for SAN Switchが前提とするJavaについては,「ソフトウェア添付資料」の機能別/条件付前提ソフトウェアについて説明している個所を参照してください。
- agtw.propertiesファイルを編集して,Solaris版HTM - Agent for SAN Switchが前提とするJavaのインストールパスを絶対パスで設定してください。
- Javaが/usr/jdk/instances/jdk1.5.0ディレクトリにインストールされている場合の設定例を次に示します。
agtw.agent.JRE.location=/usr/jdk/instances/jdk1.5.0
- Linuxの場合
- Oracle Javaを使用したい場合に,あらかじめホストにインストールしたJavaのインストールパスをagtw.propertiesファイルに設定します。
- agtw.propertiesファイルの格納先を次に示します。
- /opt/jp1pc/agtw/agent
- Oracle Javaを使用する場合,Linux版HTM - Agent for SAN Switchが前提とするJavaについては,「ソフトウェア添付資料」の機能別/条件付前提ソフトウェアについて説明している個所を参照してください。
- agtw.propertiesファイルを編集して,Linux版HTM - Agent for SAN Switchが前提とするJavaのインストールパスを絶対パスで設定してください。
- Javaが/usr/local/java/jdk1.6.0_22ディレクトリにインストールされている場合の設定例を次に示します。
agtw.agent.JRE.location=/usr/local/java/jdk1.6.0_22
- 注意
- Oracle Javaは,マルチバイト文字を含まないパス(ASCIIコードだけで指定可能なパス)にインストールする必要があります。
HTM - Agent for SAN Switchで使用できるLANG環境変数を次の表に示します。
なお,これらのLANG環境変数を設定する前に,設定する言語環境が正しくインストールおよび構築されていることを確認しておいてください。正しくインストールおよび構築されていない場合,文字化けが発生したり,定義データが不当に書き換わってしまったりすることがあります。
- 注意
- 共通メッセージログの言語は,サービス起動時やコマンド実行時に設定されているLANG環境変数によって決まります。そのため,日本語や英語など,複数の言語コードの文字列が混在することがあります。
- LC_ALL環境変数で設定されていている値がLANG環境変数の値と異なる場合は,Performance Managementのサービスを起動する際,およびコマンドを実行する際に,LC_ALL環境変数を解除するか,LANG環境変数と同一の値に変更してください。環境変数の変更は,この操作をするシェルでだけ必要です。システム全体で変更する必要はありません。次の設定を追加するとLC_ALL環境変数を解除できます。
unset LC_ALL表3-3 HTM - Agent for SAN Switchで使用できるLANG環境変数
OS 言語種別 LANG環境変数の値 Solaris 日本語 Shift-JISコード ja_JP.PCK EUCコード
- ja
- japanese
英語 C Linux 日本語 UTF-8コード
- ja_JP.UTF-8
- ja_JP.utf8
英語 C
(3) HTM - Agent for SAN Switchの登録
PFM - ManagerおよびPerformance Reporterを使ってPFM - Agentを一元管理するために,PFM - ManagerおよびPerformance ReporterにHTM - Agent for SAN Switchを登録する必要があります。
HTM - Agent for SAN Switchの情報は,Tuning Manager serverのインストール時にPFM - ManagerおよびPerformance Reporterに登録されるため,通常この手順は不要です。ただし,データモデルバージョンがバージョンアップした修正版のHTM - Agent for SAN Switchをインストールした場合は,この手順を実施する必要があります。
HTM - Agent for SAN Switchの登録の流れを次に示します。
図3-2 HTM - Agent for SAN Switchの登録の流れ(UNIXの場合)
注意
- すでにHTM - Agent for SAN Switchの情報が登録されているPerformance Managementシステムに,新たに同じバージョンのHTM - Agent for SAN Switchを追加した場合,HTM - Agent for SAN Switchの登録は必要ありません。
- バージョンが異なるHTM - Agent for SAN Switchを,異なるホストにインストールする場合,古いバージョン,新しいバージョンの順でセットアップしてください。
- PFM - Managerと同じホストにHTM - Agent for SAN Switchをインストールした場合,jpcconf agent setup(jpcagtsetup)コマンドが自動的に実行されます。共通メッセージログに「KAVE05908-I エージェント追加セットアップは正常に終了しました」と出力されるので,結果を確認してください。コマンドが正しく実行されていない場合は,コマンドを実行し直してください。コマンドの実行方法については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドの章を参照してください。
- HTM - Agent for SAN Switchの情報を登録する作業では,Performance Reporterの[レポート階層]タブおよび[アラーム階層]タブに「SAN Switch」という名前のディレクトリが作成されます。[レポート階層]タブで,すでに独自に「SAN Switch」という名前のディレクトリまたはファイルを作成していた場合には,名前を変更してから作業を始めてください。
HTM - Agent for SAN Switchのセットアップファイルをコピーする
HTM - Agent for SAN SwitchをインストールしたホストにあるセットアップファイルをPFM - ManagerおよびTuning Manager serverをインストールしたホストにコピーします。手順を次に示します。
- Performance Reporterが起動されている場合は,停止する。
- HTM - Agent for SAN Switchのセットアップファイルをバイナリーモードでコピーする。
ファイルが格納されている場所およびファイルをコピーする場所を次の表に示します。
HTM - Agent for SAN Switchのセットアップファイル コピー先 プログラム名 OS コピー先ディレクトリ /opt/jp1pc/setup/jpcagtww.EXE PFM - Manager Windows PFM - Managerのインストール先フォルダ\setup\ /opt/jp1pc/setup/jpcagtwu.Z UNIX /opt/jp1pc/setup/ /opt/jp1pc/setup/jpcagtww.EXE Performance Reporter Windows Tuning Manager serverのインストール先フォルダ\PerformanceReporter\setup\ /opt/jp1pc/setup/jpcagtwu.Z UNIX /opt/HiCommand/TuningManager/PerformanceReporter/setup/ PFM - Managerをインストールしたホストで,HTM - Agent for SAN SwitchをPFM - Managerに登録するためのセットアップコマンドを実行します。
jpcconf agent setup -key Switch(jpcagtsetup agtw)ここでは,対話形式の実行例を示していますが,jpcconf agent setupコマンドは非対話形式でも実行できます。jpcconf agent setupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。
注意
- コマンドを実行するローカルホストのPerformance Managementのプログラムおよびサービスが完全に停止していない状態でjpcconf agent setup(jpcagtsetup)コマンドを実行した場合,エラーが発生することがあります。その場合は,Performance Managementのプログラムおよびサービスが完全に停止したことを確認したあと,再度jpcconf agent setup(jpcagtsetup)コマンドを実行してください。
PFM - Managerをインストールしたホストにコピーしたセットアップファイルは,セットアップコマンドを実行したあと,削除してもかまいません。
Performance Reporterのセットアップコマンドを実行する
Tuning Manager serverをインストールしたホストで,HTM - Agent for SAN SwitchをPerformance Reporterに登録するためのセットアップコマンドを実行します。
jpcpragtsetupTuning Manager serverをインストールしたホストにコピーしたセットアップファイルは,セットアップコマンドを実行したあと,削除してもかまいません。
HTM - Agent for SAN Switchで監視するファブリックのインスタンス情報を設定します。インスタンス情報の設定は,PFM - Agentホストで実施します。
設定するインスタンス情報を次の表に示します。セットアップの操作を始める前に,「表3-5 Brocade(Network Advisor SMI Agent)またはBrocade(DCFM SMI Agent)のインスタンス情報(UNIXの場合)」~「表3-9 Cisco(Seed Switch)のインスタンス情報(UNIXの場合)」情報をあらかじめ確認してください。
注意
- 次のどちらかに該当する場合,Cisco(DCNM-SAN SMI-S Agent)に接続してCisco社製のスイッチを監視してください。
- Cisco(Seed Switch)に接続して監視中のCisco社製スイッチが所属するファブリックに対し構成変更する場合
- Cisco社製のスイッチで構成されたファブリックを新たに監視する場合
- ただし,次のCisco社製のスイッチについてはDCNM-SANのサポート対象外となっているため,接続先をCisco(Seed Switch)からCisco(DCNM-SAN SMI-S Agent)へ切り替えることはできません。これらのCisco社製スイッチ監視時に障害が発生した場合,過去事例に基づいての調査だけとなります。
- Cisco MDS 9120
- Cisco MDS 9140
- Cisco MDS 9216A
- Cisco(DCNM-SAN SMI-S Agent)への接続手順については,「3.1.1 インストールとセットアップの前に」の「(10) Cisco(DCNM-SAN SMI-S Agent)への接続手順」を参照してください。
表3-5 Brocade(Network Advisor SMI Agent)またはBrocade(DCFM SMI Agent)のインスタンス情報(UNIXの場合)
項目 説明 Connection Destination 接続先がBrocade(Network Advisor SMI Agent)またはBrocade(DCFM SMI Agent)の場合,「1」を指定する。 IP Address HTM - Agent for SAN SwitchがアクセスするNetwork Advisor SMI AgentまたはDCFM SMI AgentのIPアドレスを15バイト以内の10進数ドット表記で指定する。 Secure Communication HTM - Agent for SAN SwitchがNetwork Advisor SMI AgentまたはDCFM SMI Agentとの通信時,セキュア通信するかどうかを指定する。 デフォルト値は,「N」。
- セキュア通信を使用する場合
「Y」または「y」- セキュア通信を使用しない場合
「N」または「n」Port Number HTM - Agent for SAN SwitchがアクセスするNetwork Advisor SMI AgentまたはDCFM SMI Agentのポート番号を指定する。指定できる値は「5000」~「32767」。
- (例)
- Secure Communicationで「Y」または「y」を選択した場合:「5989」
- Secure Communicationで「N」または「n」を選択した場合:「5988」
Symbolic name of the fabric※1 監視対象のファブリックの名称を1~31バイトの半角英数字で指定する。デフォルト値は,インスタンス名。 Login ID HTM - Agent for SAN SwitchがアクセスするためのNetwork Advisor SMI AgentまたはDCFM SMI AgentのログインIDを1~255バイトの半角英数字で指定する。ログインIDに付与される権限には依存しない。 Login Password HTM - Agent for SAN SwitchがアクセスするためのNetwork Advisor SMI AgentまたはDCFM SMI Agentのパスワードを,250バイト以内の半角文字列(大文字,小文字を区別する)およびスペースで指定する。
この項目を未設定の状態にしたい場合は,スペースだけを指定する。Target Switch WWN※2 Network AdvisorまたはDCFMが管理するファブリックのうち,特定のファブリックだけを監視する場合,そのファブリックを構成するスイッチのWWNを1つ指定する。
Network AdvisorまたはDCFMが管理するすべてのファブリックを監視対象とする場合,「ALL」(大文字,小文字は区別しない)を指定する。デフォルト値は,「0000000000000000」。Store Version※3 使用するStoreバージョンを指定する。Storeバージョンについては「3.4.2 Storeバージョン2.0への移行」を参照のこと。デフォルト値は「2.0」。指定できる値は「1.0」または「2.0」。
- 注※1
- Symbolic name of the fabricは,デフォルト値にインスタンス名が設定されています。インスタンス名が最大長の32バイトに指定されている場合,Symbolic name of the fabricの最大長は31バイトであるため,32バイトのインスタンス名をそのままSymbolic name of the fabricに指定することはできません。この場合,Symbolic name of the fabricには31バイト以内の半角英数字を指定してください。
- 注※2
- Target Switch WWNに指定したファブリックにHTM - Agent for SAN Switchがサポートしないスイッチが含まれていると,HTM - Agent for SAN Switchが正しい情報を取得できないおそれがあります。この場合は,サポート対象外のスイッチの情報を監視対象外スイッチ設定ファイルに指定して,監視対象から除外してください。サポート対象外のスイッチの情報を監視対象外スイッチ設定ファイルに指定する方法については,「(10) 監視対象外のスイッチの設定
」を参照してください。
- 注※3
- Store Versionは新規にインスタンス環境を設定するときだけ指定できる項目です。インスタンス環境を更新するときは指定できません。
表3-6 Brocade(SMI Agent for FOS)のインスタンス情報(UNIXの場合)
項目 説明 Connection Destination 接続先がBrocade(SMI Agent for FOS)の場合,「2」を指定する。 IP Address※1 Proxy SwitchのIPアドレスを15バイト以内の10進数ドット表記で指定する。 Symbolic name of the fabric※2 監視対象のファブリックの名称を1~31バイトの半角英数字で指定する。デフォルト値は,インスタンス名。 Login ID Proxy SwitchにアクセスするためのログインIDを1~255バイトの半角英数字で指定する。ログインIDにはadmin権限を付与する必要がある。 Login Password Proxy Switchにアクセスするためのパスワードを,250バイト以内の半角文字列(大文字,小文字を区別する)およびスペースで指定する。
この項目を未設定の状態にしたい場合は,スペースだけを指定する。Target Switch WWN※3 監視するファブリックに属するスイッチのWWNを1つ指定する。デフォルト値は,「0000000000000000」。 SMI-A IP Address SMI AgentのIPアドレスを15バイト以内の10進数ドット表記で指定する。 SMI-A HTTP Port Number※4 HTM - Agent for SAN SwitchがアクセスするSMI Agent for FOSのポート番号を指定する。指定できる値は「5000」~「32767」。デフォルト値は,「5988」。 SMI-A user※5 SMI Agent for FOSに接続するためのユーザーIDを1~40バイトの半角英数字で指定する。デフォルト値は「smia_user」。
この項目を未設定状態にすることはできない。値を省略した場合またはスペースだけを設定した場合,初回時はデフォルト値が,更新時は前回設定値が設定される。SMI-A user Password※6 SMI Agent for FOSに接続するためのパスワードを,1~127バイトの半角文字列(大文字,小文字を区別する)で指定する。デフォルト値は「smia_password」。
この項目を未設定状態にすることはできない。値を省略した場合またはスペースだけを設定した場合,初回時はデフォルト値が,更新時は前回設定値が設定される。Store Version※7 使用するStoreバージョンを指定する。Storeバージョンについては「3.4.2 Storeバージョン2.0への移行」を参照のこと。デフォルト値は「2.0」。指定できる値は「1.0」または「2.0」。
- 注※1
- SilkWorm 12000,SilkWorm 24000,SilkWorm 48000,Brocade DCXまたはBrocade DCX-4SをProxy Switchに指定する場合,論理スイッチのIPアドレスを指定してください。論理スイッチとは,スイッチのポートの幾つかを束ねて,1つのスイッチとして管理した場合の論理上のスイッチです。HTM - Agent for SAN Switchは,各論理スイッチを独立した1つのスイッチとして扱います。
- 複数の論理スイッチにインスタンス環境を構築する場合は,次のとおり指定してください。
- 論理スイッチ0または論理スイッチ1を使用する場合,対象の論理スイッチのIPアドレスをインスタンス環境構築時に指定する。
- 論理スイッチ0および論理スイッチ1の両方を使用し,それら論理スイッチが同じファブリックに属する場合,論理スイッチ0または論理スイッチ1のどちらかのIPアドレスをインスタンス環境構築時に指定する。
- 論理スイッチ0および論理スイッチ1の両方を使用し,それら論理スイッチが異なるファブリックに属する場合,インスタンス環境をファブリックごとに構築し,それぞれ対象の論理スイッチのIPアドレスを指定する。
- 注※2
- Symbolic name of the fabricは,デフォルト値にインスタンス名が設定されています。インスタンス名が最大長の32バイトに指定されている場合,Symbolic name of the fabricの最大長は31バイトであるため,32バイトのインスタンス名をそのままSymbolic name of the fabricに指定することはできません。この場合,Symbolic name of the fabricには31バイト以内の半角英数字を指定してください。
- 注※3
- Target Switch WWNに指定したファブリックにHTM - Agent for SAN Switchがサポートしないスイッチが含まれていると,HTM - Agent for SAN Switchが正しい情報を取得できないおそれがあります。この場合は,サポート対象外のスイッチの情報を監視対象外スイッチ設定ファイルに指定して,監視対象から除外してください。サポート対象外のスイッチの情報を監視対象外スイッチ設定ファイルに指定する方法については,「(10) 監視対象外のスイッチの設定
」を参照してください。
- 注※4
- ポート5988 はOS が使用していることがあります。そのため,SMI-A HTTP Port NumberにはSMI Agent for FOS に設定したポート番号を指定してください。
- 注※5
- この項目は,SMI Agent for FOSでユーザー認証機能を使用している場合に設定が必要です。ユーザー認証機能で使用するユーザーIDを指定してください。SMI Agent for FOSでユーザー認証機能を使用しない場合には,任意の文字列を指定できます。
- SMI Agent for FOSのユーザー認証機能には,ローカルホストのアカウント認証機能を使用します。使用している認証機能については,SMI Agent for FOSの「Brocade SMI Agent Configuration Tool」の設定を確認してください。SMI Agent for FOSのユーザー認証機能の詳細については,SMI Agent for FOSのマニュアルを参照してください。
- 注※6
- この項目は,SMI Agent for FOSでユーザー認証機能を使用している場合に設定が必要です。ユーザー認証機能で使用するパスワードを指定してください。
- SMI Agent for FOSのユーザー認証機能には,ローカルホストのアカウント認証機能を使用します。使用している認証機能については,SMI Agent for FOSの「Brocade SMI Agent Configuration Tool」の設定を確認してください。SMI Agent for FOSのユーザー認証機能の詳細については,SMI Agent for FOSのマニュアルを参照してください。
- 注※7
- Store Versionは新規にインスタンス環境を設定するときだけ指定できる項目です。インスタンス環境を更新するときは指定できません。
表3-7 Brocade(SMI Agent for EOS)のインスタンス情報(UNIXの場合)
項目 説明 Connection Destination 接続先がBrocade(SMI Agent for EOS)の場合,「3」を指定する。 IP Address HTM - Agent for SAN Switch がアクセスするSMI Agent for EOS のIP アドレスを15 バイト以内の10 進数ドット表記で指定する。 Symbolic name of the fabric※1 監視対象のファブリックの名称を1~31バイトの半角英数字で指定する。デフォルト値は,インスタンス名。 Login ID SMI Agent for EOS にアクセスするためのログインIDを1~255 バイトの半角英数字で指定する。ログインIDに付与される権限には依存しない。 Login Password SMI Agent for EOS にアクセスするためのパスワードを,250 バイト以内の半角文字列(大文字,小文字を区別する)およびスペースで指定する。
この項目を未設定の状態にしたい場合は,スペースだけを指定する。Target Switch WWN※2 EFCM またはDCFM が管理するファブリックのうち特定のファブリックだけを監視する場合,そのファブリックを構成するスイッチのWWN を1つ指定する。
EFCM またはDCFM が管理するすべてのファブリックを監視対象とする場合,「ALL」(大文字,小文字は区別しない)を指定する。デフォルト値は,「0000000000000000」。HTTP Port Number※3 HTM - Agent for SAN Switch がアクセスするSMI Agent for EOS のポート番号を指定する。指定できる値は「5000」~「32767」。デフォルト値は,「5988」。 Store Version※4 使用するStoreバージョンを指定する。Storeバージョンについては「3.4.2 Storeバージョン2.0への移行」を参照のこと。デフォルト値は「2.0」。指定できる値は「1.0」または「2.0」。
- 注※1
- Symbolic name of the fabricは,デフォルト値にインスタンス名が設定されています。インスタンス名が最大長の32バイトに指定されている場合,Symbolic name of the fabricの最大長は31バイトであるため,32バイトのインスタンス名をそのままSymbolic name of the fabricに指定することはできません。この場合,Symbolic name of the fabricには31バイト以内の半角英数字を指定してください。
- 注※2
- Target Switch WWNに指定したファブリックにHTM - Agent for SAN Switchがサポートしないスイッチが含まれていると,HTM - Agent for SAN Switchが正しい情報を取得できないおそれがあります。この場合は,サポート対象外のスイッチの情報を監視対象外スイッチ設定ファイルに指定して,監視対象から除外してください。サポート対象外のスイッチの情報を監視対象外スイッチ設定ファイルに指定する方法については,「(10) 監視対象外のスイッチの設定
」を参照してください。
- 注※3
- ポート5988 はOS が使用していることがあります。そのため,HTTP Port Number にはSMI Agent for EOS に設定したポート番号を指定してください。
- 注※4
- Store Versionは新規にインスタンス環境を設定するときだけ指定できる項目です。インスタンス環境を更新するときは指定できません。
表3-8 Cisco(DCNM-SAN SMI-S Agent)のインスタンス情報(UNIX の場合)
項目 説明 Connection Destination 接続先がCisco(DCNM-SAN SMI-S Agent)の場合,「4」を指定する。 IP Address HTM - Agent for SAN SwitchがアクセスするDCNM-SAN SMI-S AgentのIPアドレスを15バイト以内の10進数ドット表記で指定する。 Secure Communication※1 HTM - Agent for SAN SwitchがDCNM-SAN SMI-S Agentとの通信時,セキュア通信するかどうかを指定する。 デフォルト値は,「N」。
- セキュア通信を使用する場合
「Y」または「y」- セキュア通信を使用しない場合
「N」または「n」Symbolic name of the fabric※2 監視対象のファブリックの名称を1~31バイトの半角英数字で指定する。デフォルト値は,インスタンス名。 Login ID HTM - Agent for SAN SwitchがアクセスするためのDCNM-SAN SMI-S AgentのログインIDを1~255 バイトの半角英数字で指定する。ログインIDに付与される権限には依存しない。 Login Password HTM - Agent for SAN SwitchがアクセスするためのDCNM-SAN SMI-S Agentのパスワードを,250 バイト以内の半角文字列(大文字,小文字を区別する)およびスペースで指定する。
この項目を未設定の状態にしたい場合は,スペースだけを指定する。Target Switch WWN※3 DCNM-SANが管理するファブリックのうち,特定のファブリックだけを監視する場合,そのファブリックを構成するスイッチのWWNを1つ指定する。
DCNM-SANが管理するすべてのファブリックを監視対象とする場合,「ALL」(大文字,小文字は区別しない)を指定する。デフォルト値は,「0000000000000000」。Store Version※4 使用するStoreバージョンを指定する。Storeバージョンについては「3.4.2 Storeバージョン2.0への移行」を参照のこと。デフォルト値は「2.0」。指定できる値は「1.0」または「2.0」。
- 注※1
- 「Y」または「y」を選択した場合は,監視対象となるCisco MDS NX-OSが5.2より前のスイッチではCIMサーバのHTTPSプロトコルを有効にしておく必要があります。詳細については,Cisco社のマニュアルを参照してください。
- 注※2
- Symbolic name of the fabricは,デフォルト値にインスタンス名が設定されています。インスタンス名が最大長の32バイトに指定されている場合,Symbolic name of the fabricの最大長は31バイトであるため,32バイトのインスタンス名をそのままSymbolic name of the fabricに指定することはできません。この場合,Symbolic name of the fabricには31バイト以内の半角英数字を指定してください。
- 注※3
- Target Switch WWNに指定したファブリックにHTM - Agent for SAN Switchがサポートしないスイッチが含まれていると,HTM - Agent for SAN Switchが正しい情報を取得できないおそれがあります。この場合は,サポート対象外のスイッチの情報を監視対象外スイッチ設定ファイルに指定して,監視対象から除外してください。サポート対象外のスイッチの情報を監視対象外スイッチ設定ファイルに指定する方法については,「(10) 監視対象外のスイッチの設定
」を参照してください。
- 注※4
- Store Versionは新規にインスタンス環境を設定するときだけ指定できる項目です。インスタンス環境を更新するときは指定できません。
表3-9 Cisco(Seed Switch)のインスタンス情報(UNIXの場合)
項目 説明 Connection Destination 接続先がCisco(Seed Switch)の場合,「5」を指定する。 IP Address Seed Switch のIP アドレスを15 バイト以内の10 進数ドット表記で指定する。 Secure Communication※1 HTM - Agent for SAN SwitchがSeed Switchとの通信時,セキュア通信するかどうかを指定する。 デフォルト値は,「N」。
- セキュア通信を使用する場合
「Y」または「y」- セキュア通信を使用しない場合
「N」または「n」Symbolic name of the fabric※2 監視対象のファブリックの名称を1~31バイトの半角英数字で指定する。デフォルト値は,インスタンス名。 Login ID Seed Switch にアクセスするためのログインID を1~255 バイトの半角英数字で指定する。ログインID に付与される権限には依存しない。 Login Password Seed Switch にアクセスするためのパスワードを,250バイト以内の半角文字列(大文字,小文字を区別する)およびスペースで指定する。
この項目を未設定の状態にしたい場合は,スペースだけを指定する。Store Version※3 使用するStoreバージョンを指定する。Storeバージョンについては「3.4.2 Storeバージョン2.0への移行」を参照のこと。デフォルト値は「2.0」。指定できる値は「1.0」または「2.0」。
- 注※1
- 「Y」または「y」を選択した場合は,スイッチ側でCIMサーバのHTTPSプロトコルを有効にしておく必要があります。詳細については,Cisco社のマニュアルを参照してください。
- 注※2
- Symbolic name of the fabricは,デフォルト値にインスタンス名が設定されています。インスタンス名が最大長の32バイトに指定されている場合,Symbolic name of the fabricの最大長は31バイトであるため,32バイトのインスタンス名をそのままSymbolic name of the fabricに指定することはできません。この場合,Symbolic name of the fabricには31バイト以内の半角英数字を指定してください。
- 注※3
- Store Versionは新規にインスタンス環境を設定するときだけ指定できる項目です。インスタンス環境を更新するときは指定できません。
- 注意
- インスタンス環境を設定していない場合,HTM - Agent for SAN Switchのサービスを起動できません。
- jpcconf inst setup(jpcinssetup)コマンドを使用してインスタンス環境を構築する際,インスタンス項目に誤りのある値を指定した場合でもコマンドは正常に終了します。しかし,その後レコードの収集を開始すると,エラーとなりパフォーマンスデータが収集されません。
- 1つの監視対象を複数のPFM - Agentのインスタンスから重複して監視することはできません。
インスタンス環境を構築するには,jpcconf inst setup(jpcinssetup)コマンドを使用します。
次に,jpcconf inst setup(jpcinssetup)コマンドの実行手順を,対話形式の場合と非対話形式の場合に分けて説明します。jpcconf inst setup(jpcinssetup)コマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。
- サービスキーおよびインスタンス名(32バイト以内の半角英数字で構成されるユニークな値)を指定して,jpcconf inst setup(jpcinssetup)コマンドを実行する。
例えば,HTM - Agent for SAN Switchのインスタンス名FAB01のインスタンス環境を構築する場合,次のように指定してコマンドを実行します。jpcconf inst setup -key Switch -inst FAB01(jpcinssetup agtw -inst FAB01)ネットワーク上のすべてのPFM - Agentのインスタンスで,ユニークなインスタンス名を使用してください。- 監視対象のファブリックのインスタンス情報を設定する。
「表3-5 Brocade(Network Advisor SMI Agent)またはBrocade(DCFM SMI Agent)のインスタンス情報(UNIXの場合)」~「表3-9 Cisco(Seed Switch)のインスタンス情報(UNIXの場合)」に示した項目を,コマンドの指示に従って入力してください。各項目とも省略はできません。デフォルトで表示されている値を,項目の入力とする場合はリターンキーだけを押してください。
監視対象のファブリックは,インスタンス情報の指定内容によって,次のとおり設定されます。
Connection Destinationで1を指定した場合
- 特定のファブリックだけを監視するとき
IP Addressで指定したNetwork Advisor SMI AgentまたはDCFM SMI AgentがアクセスするNetwork AdvisorまたはDCFMが管理しているファブリックのうち,Target Switch WWNで指定した特定のファブリック。- 複数のファブリックを1つのファブリックとして監視するとき
IP Addressで指定したNetwork Advisor SMI AgentまたはDCFM SMI AgentがアクセスするNetwork AdvisorまたはDCFMが管理しているすべてのファブリック。
この場合,複数のファブリックを1つのファブリックとして認識します。Connection Destinationで3を指定した場合
- Connection Destinationで2を指定した場合
- IP Addressで指定したProxy SwitchにアクセスするSMI Agent for FOSが管理しているファブリックのうち,Target Switch WWNで指定した特定のファブリック。
Connection Destinationで4を指定した場合
- 特定のファブリックだけを監視するとき
IP Addressで指定したSMI Agent for EOSがアクセスするEFCMまたはDCFMが管理しているファブリックのうち,Target Switch WWNで指定した特定のファブリック。- 複数のファブリックを1つのファブリックとして監視するとき
IP Addressで指定したSMI Agent for EOSがアクセスするEFCMまたはDCFMが管理しているすべてのファブリック。
この場合,複数のファブリックを1つのファブリックとして認識します。
- 特定のファブリックだけを監視するとき
IP Addressで指定したDCNM-SAN SMI-S AgentがアクセスするDCNM-SANが管理しているファブリックのうち, Target Switch WWNで指定した特定のファブリック。- 複数のファブリックを1つのファブリックとして監視するとき
IP Addressで指定したDCNM-SAN SMI-S AgentがアクセスするDCNM-SANが管理しているすべてのファブリック。
この場合,複数のファブリックを1つのファブリックとして認識します。複数のインスタンスで稼働させる場合は,1および2の手順を繰り返し,各インスタンスについて設定してください。
- Connection Destinationで5を指定した場合
- IP Addressで指定したSeed Switchが属するファブリック。
- jpcconf inst setupコマンドで,定義ファイルのテンプレートを作成する。
次のようにコマンドを実行します。jpcconf inst setup -key Switch -noquery -template 定義ファイル名インスタンス環境の設定項目に対応するセクションおよびラベルが定義ファイルに出力されます。なお,[Instance Definitions]セクションのラベルに対応する値は,空白のままです。- 手順1で作成した定義ファイルのテンプレートを編集する。
インスタンス環境に合わせてテンプレートの設定値を編集します。定義ファイルで指定するプロダクト固有のラベルについては,「表3-5 Brocade(Network Advisor SMI Agent)またはBrocade(DCFM SMI Agent)のインスタンス情報(UNIXの場合)」~「表3-9 Cisco(Seed Switch)のインスタンス情報(UNIXの場合)」を参照してください。- jpcconf inst setupコマンドで,監視対象のファブリックのインスタンス情報を設定する。
インスタンス名を「FAB01」とするインスタンス環境を設定する場合のコマンド実行例を次に示します。インスタンス名には,32バイト以内の半角英数字で構成されるユニークな値を指定します。-inputオプションには,手順2で編集した定義ファイルを指定します。jpcconf inst setup -key Switch -inst FAB01 -noquery -input 定義ファイル名監視対象のファブリックは,インスタンス情報の指定内容によって,次のとおり設定されます。
Connection Destinationで1を指定した場合
- 特定のファブリックだけを監視するとき
IP Addressで指定したNetwork Advisor SMI AgentまたはDCFM SMI AgentがアクセスするNetwork AdvisorまたはDCFMが管理しているファブリックのうち,Target Switch WWNで指定した特定のファブリック。- 複数のファブリックを1つのファブリックとして監視するとき
IP Addressで指定したNetwork Advisor SMI AgentまたはDCFM SMI AgentがアクセスするNetwork AdvisorまたはDCFMが管理しているすべてのファブリック。
この場合,複数のファブリックを1つのファブリックとして認識します。Connection Destinationで3を指定した場合
- Connection Destinationで2を指定した場合
- IP Addressで指定したProxy SwitchにアクセスするSMI Agent for FOSが管理しているファブリックのうち,Target Switch WWNで指定した特定のファブリック。
Connection Destinationで4を指定した場合
- 特定のファブリックだけを監視するとき
IP Addressで指定したSMI Agent for EOSがアクセスするEFCMまたはDCFMが管理しているファブリックのうち,Target Switch WWNで指定した特定のファブリック。- 複数のファブリックを1つのファブリックとして監視するとき
IP Addressで指定したSMI Agent for EOSがアクセスするEFCMまたはDCFMが管理しているすべてのファブリック。
この場合,複数のファブリックを1つのファブリックとして認識します。
- 特定のファブリックだけを監視するとき
IP Addressで指定したDCNM-SAN SMI-S AgentがアクセスするDCNM-SANが管理しているファブリックのうち, Target Switch WWNで指定した特定のファブリック。- 複数のファブリックを1つのファブリックとして監視するとき
IP Addressで指定したDCNM-SAN SMI-S AgentがアクセスするDCNM-SANが管理しているすべてのファブリック。
この場合,複数のファブリックを1つのファブリックとして認識します。
- Connection Destinationで5を指定した場合
- IP Addressで指定したSeed Switchが属するファブリック。
重要
- 定義ファイルにパスワードなどの秘匿情報が含まれる場合,定義ファイルはセキュリティを確保した安全な場所に保存し,使用後は削除するようにしてください。また,定義ファイルをホスト間で転送したいときには,SFTP(SSHトンネル経由のFTP)など,盗聴のおそれがない安全な方法を使用することをお勧めします。
複数のインスタンスで稼働させる場合は,1から3の手順を繰り返し,各インスタンスについて設定してください。
すべての入力が終了すると,インスタンス環境が構築されます。
構築されるインスタンス環境を次に示します。
- インスタンス環境のディレクトリ構成
次のディレクトリ下にインスタンス環境が構築されます。
物理ホストの場合:/opt/jp1pc/agtw
論理ホストの場合:環境ディレクトリ/jp1pc/agtw
構築されるインスタンス環境のディレクトリ構成を次に示します。表3-10 インスタンス環境のディレクトリ構成(UNIXの場合)
注※
ディレクトリ名・ファイル名 説明 agent インスタンス名 jpcagt.ini Agent Collectorサービス起動情報ファイル jpcagt.ini.model※ Agent Collectorサービス起動情報ファイルのモデルファイル log Agent Collectorサービス内部ログファイル格納ディレクトリ store インスタンス名 *.DAT データモデル定義ファイル backup 標準のデータベースバックアップ先ディレクトリ dump 標準のデータベースエクスポート先ディレクトリ import 標準のデータベースインポート先ディレクトリ(Storeバージョン2.0の場合) jpcsto.ini Agent Storeサービス起動情報ファイル jpcsto.ini.model※ Agent Storeサービス起動情報ファイルのモデルファイル log Agent Storeサービス内部ログファイル格納ディレクトリ partial 標準のデータベース部分バックアップ先ディレクトリ(Storeバージョン2.0の場合) STPD PDレコードタイプのパフォーマンスデータ格納先ディレクトリ(Storeバージョン2.0の場合) STPI PIレコードタイプのパフォーマンスデータ格納先ディレクトリ(Storeバージョン2.0の場合)
インスタンス環境を構築した時点の設定値に戻したいときに使用します。- インスタンス環境のサービスID
インスタンス環境のサービスIDは次のようになります。プロダクトID 機能ID インスタンス番号 インスタンス名 [ホスト名]HTM - Agent for SAN Switchの場合,インスタンス名にはjpcconf inst setup(jpcinssetup)コマンドで指定したインスタンス名が表示されます。
サービスIDについては,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,付録に記載されている命名規則を参照してください。
Performance Managementを使用するネットワーク構成に応じて行う設定です。
ネットワークの設定には次の2つの項目があります。
- IPアドレスを設定する
Performance Managementを複数のLANに接続されたネットワークで使用するときに設定します。複数のIPアドレスを設定するには,jpchostsファイルにホスト名とIPアドレスを定義します。設定したjpchostsファイルはPerformance Managementシステム全体で統一させてください。
詳細についてはマニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。- ポート番号を設定する
Performance Managementが使用するポート番号を設定できます。Name ServerサービスおよびStatus Serverサービスに設定するポート番号については,Performance Managementシステム内の全ホストで同じ番号にする必要があります。ほかのPerformance Managementのサービスについても運用での混乱を避けるため,ポート番号とサービス名は,Performance Managementシステム全体で統一させてください。
ポート番号の設定の詳細についてはマニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
Performance Managementの稼働状況を,Performance Management独自のログファイルに出力します。このログファイルを「共通メッセージログ」と呼びます。共通メッセージログのファイルサイズを設定する手順の詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
HTM - Agent for SAN Switchで管理されるパフォーマンスデータを格納するデータベースの保存先,バックアップ先,エクスポート先またはインポート先のディレクトリを変更したい場合に,必要な設定です。
パフォーマンスデータは,デフォルトで,次の場所に保存されます。
- 保存先:/opt/jp1pc/agtw/store/インスタンス名/
- バックアップ先:/opt/jp1pc/agtw/store/インスタンス名/backup/
- 部分バックアップ先:/opt/jp1pc/agtw/store/インスタンス名/partial/
- エクスポート先:/opt/jp1pc/agtw/store/インスタンス名/dump/
- インポート先:/opt/jp1pc/agtw/store/インスタンス名/import/
- 注意
- 論理ホストで運用する場合のデフォルトの保存先については,「/opt/jp1pc」を「環境ディレクトリ/jp1pc」に読み替えてください。
詳細については,「3.4.1 パフォーマンスデータの格納先の変更」を参照してください。
(8) HTM - Agent for SAN Switchの接続先PFM - Managerの設定
PFM - Agentがインストールされているホストで,そのPFM - Agentを管理するPFM - Managerを設定します。接続先のPFM - Managerを設定するには,jpcconf mgrhost define(jpcnshostname)コマンドを使用します。
注意
- 同一ホスト上に,複数のPFM - Agentがインストールされている場合でも,接続先に指定できるPFM - Managerは,1つだけです。PFM - Agentごとに異なるPFM - Managerを接続先に設定することはできません。
- PFM - AgentとPFM - Managerが同じホストにインストールされている場合,PFM - Agentの接続先PFM - ManagerはローカルホストのPFM - Managerとなります。この場合,接続先のPFM - ManagerをほかのPFM - Managerに変更できません。
手順を次に示します。
- Performance Managementのプログラムおよびサービスを停止する。
セットアップを実施する前に,ローカルホストでPerformance Managementのプログラムおよびサービスが起動されている場合は,すべて停止してください。サービスの停止方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,Performance Managementの起動と停止について説明している章を参照してください。
jpcconf mgrhost define(jpcnshostname)コマンド実行時に,Performance Managementのプログラムおよびサービスが起動されている場合は,停止を問い合わせるメッセージが表示されます。- 接続先のPFM - Managerホストのホスト名を指定して,jpcconf mgrhost define(jpcnshostname)コマンドを実行する。
例えば,接続先のPFM - Managerがホストhost01上にある場合,次のように指定します。jpcconf mgrhost define -host host01(jpcnshostname -s host01)ここでは,対話形式の実行例を示していますが,jpcconf mgrhost defineコマンドは非対話形式でも実行できます。jpcconf mgrhost defineコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。
アラーム発生時に動作ログを出力したい場合に必要な設定です。動作ログとは,システム負荷などのしきい値オーバーに関するアラーム機能と連動して出力される履歴情報です。
設定方法については,「付録I. 動作ログの出力」を参照してください。
ここでは,サポート対象外のスイッチまたはサポート対象外のファームウェアバージョンのスイッチを含むファブリックを監視する方法について説明します。
デフォルトの設定では,HTM - Agent for SAN Switchは,監視対象ファブリックに含まれるすべてのスイッチの情報を収集します。そのため,監視対象ファブリックにサポート対象外のスイッチやサポート対象外のファームウェアバージョンのスイッチが含まれる場合,不正なデータが収集されます。
監視対象外スイッチ設定ファイル(excsw.txt)にサポート対象外のスイッチおよびサポート対象外のファームウェアバージョンのスイッチの情報を設定すると,設定したスイッチを監視対象から除外して,HTM - Agent for SAN Switchがサポートするスイッチの情報だけを収集できます。
なお,Cisco(Seed Switch)に接続してCisco社製スイッチを監視する場合は,監視対象外スイッチ設定ファイルにスイッチを指定できません。
監視対象外スイッチ設定ファイルは,インスタンス単位で作成します。監視対象外スイッチ設定ファイルを作成して,設定を有効にする手順を次に示します。
- HTM - Agent for SAN Switchのサービスを起動する。
HTM - Agent for SAN Switchを示すサービスキーを指定して,jpcspm start(jpcstart)コマンドを実行します。例えば,インスタンス名がFAB01の場合は,次のように指定します。jpcspm start -key Switch -inst FAB01(jpcstart agtw inst=FAB01)クラスタシステムでHTM - Agent for SAN Switchを運用する場合は,クラスタソフトからの操作で実行系ノードのHTM - Agent for SAN Switchのサービスを起動してください。- Performance ReporterでSwitch List Statusレポートを表示する。
Switch List Statusレポートは,監視対象外スイッチの構成情報を表示するソリューションセットのレポートです。Switch List Statusレポートの詳細については,「5. ソリューションセット」を参照してください。- Switch List Statusレポートの内容をCSV出力し,次のディレクトリにexcsw.txtという名称で保存する。
物理ホスト環境:/opt/jp1pc/agtw/agent/インスタンス名
論理ホスト環境:環境ディレクトリ/jp1pc/agtw/agent/インスタンス名
レポートの内容をCSV出力する方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の稼働分析のためのレポートの作成について説明している章を参照してください。- テキストエディターでexcsw.txtを開き,編集する。
サポート対象のスイッチの情報を示す行を削除し,監視対象外としたいスイッチの情報を示す行とヘッダだけを残してください。監視対象外スイッチ設定ファイルの記述規則および記述例については,「監視対象外スイッチ設定ファイルの形式」を参照してください。- excsw.txtを上書き保存し,テキストエディターを終了する。
- HTM - Agent for SAN Switchのサービスを再起動する。
HTM - Agent for SAN Switchを示すサービスキーを指定して,jpcspm stop(jpcstop)コマンドおよびjpcspm start(jpcstart)コマンドを実行します。例えば,インスタンス名がFAB01の場合は,次のように指定します。jpcspm stop -key Switch -inst FAB01(jpcstop agtw inst=FAB01) jpcspm start -key Switch -inst FAB01(jpcstart agtw inst=FAB01)クラスタシステムでHTM - Agent for SAN Switchを運用する場合は,クラスタソフトからの操作で実行系ノードのHTM - Agent for SAN Switchのサービスを再起動してください。- Performance ReporterでSwitch List Statusレポートを表示する。
監視対象外スイッチ設定ファイルの設定内容が反映されていることを確認してください。監視対象外スイッチ設定ファイルの記述規則および記述例について次に説明します。
- 監視対象外スイッチ設定ファイルの記述規則
- ヘッダは編集できません。ヘッダを編集すると,HTM - Agent for SAN Switchの起動に失敗するおそれがあります。
- 「#」(シャープ)で始まる行は,コメントとして扱われます。
- ヘッダ以外の部分は行単位に編集できます。行の追加または削除,行のコメント化,およびコメント行の追加ができます。
- 改行コードは,\nです。
- 1行に定義できるスイッチは1つです。
- 定義できるスイッチの最大数は128です。
- 空行は無視されます。
- 内容にコンマが含まれる場合,列が「"」(ダブルクォート)で囲まれますが,その場合の「"」は無視されます。
- 注意
- 監視対象外スイッチ設定ファイルは,テキストエディターで編集してください。テキストエディター以外のアプリケーションで編集すると,監視対象外スイッチ設定ファイルの内容が不正になるおそれがあります。監視対象外スイッチ設定ファイルの内容が不正になった場合,監視対象外スイッチ設定ファイルを再作成してください。
- 監視対象外スイッチ設定ファイルの記述例
- 監視対象外スイッチ設定ファイルの記述例を次に示します。
図3-3 監視対象外スイッチ設定ファイルの記述例(UNIXの場合)
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