Tuning Manager - Agent for RAID

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2.1.1 インストールとセットアップの前に

HTM - Agent for RAIDをインストールおよびセットアップする前に確認しておくことを説明します。

この項の構成
(1) 前提OS
(2) 監視対象ストレージシステム
(3) ネットワークの環境設定
(4) インストールに必要なOSユーザー権限について
(5) 前提プログラム
(6) クラスタシステムでのインストールとセットアップについて
(7) 仮想化システムでのインストールとセットアップについて
(8) インストール済みのHTM - Agent for RAIDのバージョンを確認する
(9) セキュリティ関連プログラムの有無を確認する
(10) 障害発生時の資料採取の準備
(11) 注意事項

(1) 前提OS

HTM - Agent for RAIDの前提OSについては,「ソフトウェア添付資料」の適用OSについて説明している個所を参照してください。

(2) 監視対象ストレージシステム

HTM - Agent for RAIDの監視対象ストレージシステムを次の表に示します。それぞれの監視対象ストレージシステムの前提マイクロコードバージョンについては,「ソフトウェア添付資料」のシステム内前提ソフトウェアについて説明している個所を参照してください。なお,前提マイクロコードよりも古いバージョンのストレージシステムを監視対象とする場合は,マイクロコードのアップデートが必要です。

表2-1 監視対象ストレージシステム(Windowsの場合)

製品名称
SANRISE9500Vシリーズ※1
  • SANRISE9580V
  • SANRISE9585V
Hitachi AMSシリーズ※1
  • Hitachi AMS200
  • Hitachi AMS500
Hitachi AMS1000
BR150
Hitachi WMSシリーズ※1 Hitachi WMS100
BR50
Hitachi AMS2000シリーズ※1
  • Hitachi AMS2100(H/W Rev. 0100)
  • Hitachi AMS2300(H/W Rev. 0100)
  • BR1600
Hitachi AMS2500(H/W Rev. 0100)
  • Hitachi AMS2100(H/W Rev. 0200)
  • Hitachi AMS2300(H/W Rev. 0200)
  • Hitachi AMS2500(H/W Rev. 0200)
  • BR1600S
  • BR1600E
Hitachi AMS2010
Hitachi SMSシリーズ※1 Hitachi SMS100
HUS100シリーズ※1
  • HUS150
  • HUS130
  • HUS110
  • BR1650E
  • BR1650S
SANRISE9900Vシリーズ※2,※3,※4
  • SANRISE9970V
  • SANRISE9970V-e
  • SANRISE9980V
  • SANRISE9980V-e
Hitachi USP※2,※3,※4
  • Hitachi USP100
  • Hitachi USP600
  • Hitachi USP1100
Hitachi NSC55
SANRISE Hシリーズ※2,※3,※4
  • SANRISE H1024
  • SANRISE H128
H12000
H10000
Universal Storage Platform V/VMシリーズ※2,※3,※4
  • USP V
  • USP VM
  • H24000
  • H20000
Virtual Storage Platformシリーズ※3,※4,※5
  • VSP
  • VP9500
HUS VM※2,※3,※4

注※1
HTM - Agent for RAIDを使用するには,ホストとストレージシステムがLANで接続されている必要があります。

注※2
HTM - Agent for RAIDを使用するには,ホストとストレージシステムがFibre Channelで接続されている必要があります。また,各ストレージシステム内の1つの論理ユニットをコマンドデバイスに割り当てる必要があります。

注※3
HTM - Agent for RAIDが監視をサポートしているメインフレームストレージ環境は,IBM社製メインフレームが接続された環境だけです。

注※4
メインフレームが接続されたストレージシステムを監視する場合,HTM - Agent for RAIDが使用するコマンドデバイスとしてオープンシステム用のエミュレーションタイプの論理デバイスをストレージシステムに準備する必要があります。

注※5
HTM - Agent for RAIDを使用するには,ホストとストレージシステムがFibre ChannelまたはFCoEで接続されている必要があります。また,各ストレージシステム内の1つの論理ユニットをコマンドデバイスに割り当てる必要があります。
なお,FCoEで接続する場合の前提OSについては,「ソフトウェア添付資料」のホストとストレージシステムの接続方法について説明している個所を参照してください。

HUS100シリーズ,Hitachi AMS2000/AMS/WMS/SMSシリーズおよびSANRISE9500Vシリーズで使用する場合の注意事項

HTM - Agent for RAID とほかのプログラムを同時に使用する場合の注意事項
「パスワードプロテクション制御機能」を有効にしている場合,次に示すプログラムからストレージシステムにログインしている間は,別のホスト上のHTM - Agent for RAIDはデータ収集に失敗してKAVF18616-Wメッセージが出力されます。
  • Storage Navigator Modular
  • ディスクアレイ管理プログラム,統合ディスクアレイ管理プログラム
  • ディスクアレイユティリティ,ディスクアレイユティリティ for Web
  • Device Manager
KAVF18616-Wメッセージの詳細については,「9. メッセージ」を参照してください。

ストレージシステムが使用するポート番号について
HTM - Agent for RAIDは,HUS100シリーズ,Hitachi AMS2000/AMS/WMS/SMSシリーズおよびSANRISE9500VシリーズのストレージシステムとTCP/IPで通信します。これらのストレージシステムが通信に使うポート番号を,デフォルト値から別の番号に変更した場合,HTM - Agent for RAIDをインストールしたマシンのservicesファイルに変更後のポート番号を設定する必要があります。ポート番号のデフォルト値を次に示します。

HTM - Agent for RAIDとHUS100シリーズ,Hitachi AMS2000シリーズおよびHitachi SMSシリーズの間でセキュア通信を使用する場合:
28355

それ以外の場合:
2000
servicesファイルの設定を変更しないでHTM - Agent for RAIDを起動すると,データの収集に失敗します。ストレージシステムが使用するポート番号の確認方法,servicesファイルの設定方法およびポート番号を変更する場合の注意事項については,ご使用になられているストレージシステムのマニュアルを参照してください。

VP9500,H24000/H20000およびSANRISE Hシリーズで使用する場合の注意事項

HTM - Agent for RAIDをインストールするマシンには,RAID Manager LIB XP もインストールする必要があります。

(3) ネットワークの環境設定

Performance Managementが動作するためのネットワーク環境について説明します。

IPアドレスの設定

PFM - Agentのホストは,ホスト名でIPアドレスが解決できる環境を設定してください。IPアドレスを解決できない環境では,PFM - Agentは起動できません。

監視ホスト名(Performance Managementシステムのホスト名として使用する名前)には,実ホスト名またはエイリアス名を使用できます。

監視ホスト名の設定については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」のインストールとセットアップについて説明している章を参照してください。

ホスト名とIPアドレスは,次のどれかの方法で設定してください。

注意
  • 監視ホスト名は,ドメイン名を除いて指定してください。Performance Management は,DNS環境でも運用できますが,FQDN形式のホスト名には対応していません。
  • Performance Managementは,DHCPによる動的なIPアドレスが割り振られているホスト上では運用できません。Performance Managementを導入するすべてのホストに,固定のIPアドレスを設定してください。
  • 複数のLAN環境で使用する場合は,jpchostsファイルでIPアドレスを設定してください。詳細は,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
  • 名前解決を実施するホスト名のIPアドレスにループバックアドレスは設定できません。
  • hostsファイルにlocalhostとしてループバックアドレスの設定が必要です。
  • HTM - Agent for RAIDとHUS100シリーズ,Hitachi AMS2000シリーズおよびHitachi SMSシリーズの間でIPv6通信を使用する場合,HTM - Agent for RAIDのインストール先ホストにはIPv4アドレスとIPv6アドレスを設定しておく必要があります。また,IPv4とIPv6の両方で通信できるようにOSを設定してください。

Performance Managementでは,ネットワーク構成がIPv4環境だけでなくIPv6環境にも対応しています。そのため,IPv4環境とIPv6環境が混在するネットワーク構成でも,Performance Managementを運用できます。IPv4環境とIPv6環境が混在するネットワーク構成でのPerformance Managementの運用については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,ネットワークの構成について説明している個所,およびインストールとセットアップについて説明している章を参照してください。

ポート番号の設定

Performance Managementプログラムのサービスは,デフォルトで次の表に示すポート番号が割り当てられています。これ以外のサービスまたはプログラムに対しては,サービスを起動するたびに,そのときシステムで使用されていないポート番号が自動的に割り当てられます。また,ファイアウォール環境で,Performance Managementを使用するときは,ポート番号を固定してください。ポート番号の固定の手順については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」のインストールとセットアップについて説明している章を参照してください。

表2-2 デフォルトのポート番号とPerformance Managementプログラムのサービス(Windowsの場合)

機能 サービス名 パラメーター ポート番号 備考
サービス構成情報管理機能 Name Server jp1pcnsvr 22285 PFM - ManagerのName Serverサービスで使用されるポート番号。
Performance Managementのすべてのホストで設定される。
NNM連携機能 NNM Object Manager jp1pcovsvr 22292 PFM - ManagerおよびPFM - BaseのNNM連携機能で,マップマネージャとオブジェクトマネージャの間の通信で使用されるポート番号。
PFM - ManagerおよびPFM - Baseがインストールされているホストで設定される。
サービス状態管理機能 Status Server jp1pcstatsvr 22350 PFM - ManagerおよびPFM - BaseのStatus Serverサービスで使用されるポート番号。
PFM - ManagerおよびPFM - Baseがインストールされているホストで設定される。

これらのPFM - Agentが使用するポート番号で通信できるように,ネットワークを設定してください。

(4) インストールに必要なOSユーザー権限について

HTM - Agent for RAIDをインストールするときは,必ず,Administrators権限を持つアカウントで実行してください。

(5) 前提プログラム

HTM - Agent for RAIDを管理するためのプログラムおよびストレージシステムにインストールされている必要があるプログラムについては,「ソフトウェア添付資料」の同一装置内前提ソフトウェアまたはシステム内前提ソフトウェアについて説明している個所を参照してください。また,仮想化システムで運用する場合に必要な製品については,「ソフトウェア添付資料」の機能別/条件付前提ソフトウェアについて説明している個所を参照してください。

(6) クラスタシステムでのインストールとセットアップについて

クラスタシステムでのインストールとセットアップは,前提となるネットワーク環境やプログラム構成が,通常の構成のセットアップとは異なります。また,実行系ノードと待機系ノードでの作業が必要になります。詳細については,「4. クラスタシステムでの運用」を参照してください。

(7) 仮想化システムでのインストールとセットアップについて

仮想化システムでのHTM - Agent for RAIDのインストール手順およびセットアップ手順は,非仮想化システムの場合と同じです。インストール手順については「2.1.3 インストール手順」を,セットアップ手順については「2.1.4 HTM - Agent for RAIDのセットアップ手順」を参照してください。

ただし,HUS VM,Virtual Storage Platformシリーズ,Universal Storage Platform V/VMシリーズ,Hitachi USP,SANRISE Hシリーズ,およびSANRISE9900Vシリーズを監視する場合は,仮想化システムのゲストOSからコマンドデバイスにアクセスできるようにするための設定が必要です。設定方法については,各仮想化システムのマニュアルを参照してください。仮想化システム別の設定例については,「2.1.4 HTM - Agent for RAIDのセットアップ手順」の「(1) HUS VM,Virtual Storage Platformシリーズ,Universal Storage Platform V/VMシリーズ,Hitachi USP,SANRISE Hシリーズ,およびSANRISE9900Vシリーズのセットアップ」の「ゲストOSからコマンドデバイスにアクセスできるように設定する」を参照してください。

(8) インストール済みのHTM - Agent for RAIDのバージョンを確認する

インストール済みのHTM - Agent for RAIDのバージョンを確認する方法について説明します。

Windows Server 2003の場合
Tuning Managerシリーズのv6.0以降では,HTM - Agent for RAIDのバージョンを[コントロールパネル]の[プログラムの追加と削除]から確認できます。製品のサポート情報へのリンクをクリックして表示されるダイアログを確認してください。ダイアログが表示されない場合は,jpctminfoコマンドで確認してください。

Windows Server 2008およびWindows Server 2012の場合
HTM - Agent for RAIDのバージョンを[コントロールパネル]の[プログラムと機能]から確認できます。製品を選択して,[整理]-[レイアウト]-[詳細ペイン]または[詳細ウィンドウ]に表示される製品バージョンを確認してください。または,jpctminfoコマンドで確認してください。

jpctminfoコマンドは,実行ホストにインストールされたHTM - Agent for RAIDの製品情報を表示するコマンドです。このコマンドを使用すると,バージョンおよび修正パッチ履歴情報を確認できます。

コマンドの格納先フォルダを次に示します。

   インストール先フォルダ\tools\

HTM - Agent for RAIDのバージョンを確認したい場合,次のように指定してコマンドを実行します。

   jpctminfo agtd

コマンドを実行すると,次の例のように,製品のバージョンが表示されます。

(例)

   PRODUCT  Hitachi Tuning Manager - Agent for RAID
   VERSION  7.0.0-00(07-00-00)

また,修正パッチ履歴情報を付加して製品情報を表示したい場合,次のように-pオプションを指定してコマンドを実行します。

   jpctminfo agtd -p

修正パッチがインストールされている場合,-pオプションを指定してコマンドを実行すると,次の例のように,修正パッチのバージョンとインストール日が表示されます。

(例)

   PRODUCT  Hitachi Tuning Manager - Agent for RAID
   VERSION  7.0.0-02(07-00-02)
   PATCH    DATE
   070001   2010/01/31
   070002   2010/02/28

修正パッチがインストールされていない場合,-pオプションを指定してコマンドを実行すると,次の例のように,修正パッチのインストール履歴がないことを示すメッセージが表示されます。

(例)

   PRODUCT  Hitachi Tuning Manager - Agent for RAID
   VERSION  7.0.0-00(07-00-00)
   KAVF24903-I 修正パッチの履歴情報はありません

(9) セキュリティ関連プログラムの有無を確認する

次に示すプログラムがインストールされていないかどうか確認してください。インストールされている場合,次の説明に従って対処してください。

(10) 障害発生時の資料採取の準備

トラブルが発生した場合にメモリーダンプ,クラッシュダンプ,ユーザーモードプロセスダンプなどが必要になることがあります。トラブル発生時にこれらのダンプを採取する場合は,あらかじめダンプが出力されるように設定してください。

Windows Server 2003の場合の設定方法

Windows Server 2008またはWindows Server 2012の場合の設定方法

(11) 注意事項

ここでは,Performance Managementをインストールおよびセットアップするときの注意事項を説明します。

環境変数に関する注意事項

Performance Managementが使用しているため,JPC_HOSTNAMEを環境変数として設定しないでください。設定した場合は,Performance Managementが正しく動作しません。

同一ホストにPerformance Managementプログラムを複数インストール,セットアップするときの注意事項

Performance Managementは,同一ホストにPFM - ManagerとPFM - Agentをインストールすることもできます。その場合の注意事項を次に示します。

参考
システムの性能や信頼性を向上させるため,PFM - ManagerとPFM - Agentをそれぞれ別のホストで運用することをお勧めします。

バージョンアップの注意事項

古いバージョンのPFM - Agentからバージョンアップする場合の注意事項を次に示します。

なお,バージョンアップについての詳細は,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の付録を参照してください。

HTM - Agent for RAIDのインストール先ホストについての注意事項

HTM - Agent for RAIDは,「(2) 監視対象ストレージシステム」で示す接続でストレージシステムにアクセスしているホストにインストールする必要があります。

その他の注意事項

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