Tuning Manager Software 運用管理ガイド

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6.1.8 Agent-lessモードでホストを監視するための運用手順

Tuning Manager serverがAgent-lessモードでホストを監視する場合の運用手順について説明します。なお,Device Managerの操作方法およびDevice Manager CLIの詳細については,Device Managerのマニュアルを参照してください。

参考
この項では,次の呼称を使って監視対象のホストを区別しています。
Tuning Manager serverがAgent-lessモードで監視するホストの呼称:Agent-lessホスト
Tuning Manager serverがAgentモードで監視するホストの呼称:Agentホスト
この項の構成
(1) ホストをAgent-lessホストとして監視対象に追加する手順
(2) Agent-lessホストの情報をリフレッシュする手順
(3) 本番稼働後の性能問題発生時および構成変更時の運用手順
(4) ホストの監視モードを切り替える手順
(5) Agent-lessホストを監視対象外にする手順
(6) ホスト名にエイリアスを設定している場合の運用手順

(1) ホストをAgent-lessホストとして監視対象に追加する手順

Agent-lessホストとストレージシステムとの関連を確認したい場合は,次の手順に従って,監視対象のAgent-lessホストおよび関連するストレージシステムをDevice Managerに登録してください。

  1. Device ManagerのGUIまたはAddStorageArrayコマンドを使ってディスカバリを実施し,Device Managerに監視対象のAgent-lessホストと関連するストレージシステムを登録します。Device Managerにすでに登録されているストレージシステムの場合は,登録された情報が更新されます。
  2. Device ManagerのGUIを使ってディスカバリを実施し,Device Managerに監視対象のAgent-lessホストを登録します。
  3. Tuning Manager serverを使って,手動でポーリングを実行します。
    Tuning Manager serverの[ポーリング設定]画面でDevice Managerがポーリング対象であることを確認して,手動でポーリングを実行します。
  4. Tuning Manager serverの画面に監視対象のAgent-lessホストが表示されていることを確認します。
    Tuning Manager serverのリソースツリーからHosts以下を参照して,監視対象として追加したAgent-lessホストが表示されることを確認します。

注意
Device ManagerのGUIまたはCLIを使って,Device Managerに手動で登録したホストは,Tuning Manager serverの監視対象には含みません。
ホストの情報は,Device ManagerのGUIのホスト管理画面でホストの一覧を表示して確認してください。

(2) Agent-lessホストの情報をリフレッシュする手順

Agent-lessホストおよびAgent-lessホストに関連するストレージシステムの情報をリフレッシュする手順を次に示します。

  1. Device ManagerのGUIまたはRefreshStorageArraysコマンドを使って,監視対象のAgent-lessホストに関連するストレージシステムのリフレッシュを実行します。
  2. Device ManagerのGUIまたはAddHostRefreshコマンドを使って,監視対象のAgent-lessホストのリフレッシュを実行します。
  3. Tuning Manager serverを使って,手動でポーリングを実行します。
    Tuning Manager serverの[ポーリング設定]画面でDevice Managerがポーリング対象であることを確認して,手動でポーリングを実行します。
  4. Tuning Manager serverの画面に監視対象のAgent-lessホストが表示されていることを確認します。
    Tuning Manager serverのリソースツリーからHosts以下を参照して,監視対象のAgent-lessホストが表示されていることを確認します。

(3) 本番稼働後の性能問題発生時および構成変更時の運用手順

システムの本番稼働後に性能問題が発生した場合,問題が発生したと想定されるホスト,または関連するストレージシステムのどちらに要因があるかを切り分けたいときや,監視対象のAgent-lessホストに構成変更があったときは,次の手順に従って,Device ManagerおよびTuning Manager serverが保持する構成情報を更新します。

  1. 性能問題が発生したストレージシステム,または構成変更をしたAgent-lessホストのリフレッシュを実行します。
    リフレッシュの詳細については,「(2) Agent-lessホストの情報をリフレッシュする手順」の手順1および手順2を参照してください。
  2. Tuning Manager serverを使って,手動でポーリングを実行します。
    Tuning Manager serverの[ポーリング設定]画面でDevice Managerがポーリング対象であることを確認して,手動でポーリングを実行します。
  3. Tuning Manager serverの画面に監視対象のAgent-lessホストが表示されていることを確認します。
    Tuning Manager serverのリソースツリーからHosts以下を参照して,性能問題が発生したストレージシステムまたは構成変更のあったAgent-lessホストが表示されていることを確認します。

(4) ホストの監視モードを切り替える手順

ホストの監視モードの切り替えは,AgentモードとAgent-lessモードの相互でできます。その場合,ホストの情報は引き継がれます。ただし,ポーリングスケジュールの設定および過去データ収集期間の設定については,引き継がれません。

Tuning Manager serverが監視するホストの監視モードを切り替える手順を次に示します。

ホストの監視モードの判別

Tuning Manager serverで監視対象となっているホストがどちらの監視モードで監視されているか判別する方法を次に示します。

  1. PFM - Managerのjpctool service list(jpcctrl list)コマンドを使って,サービスの構成および状態を表示します。
  2. 表示されたサービスのうち,次の要件を満たすサービスがそれぞれ存在するかどうか確認します。
    表示されるサービスの種別および状態は問いません。

    1. サービスIDがEで始まる。
    2. サービスIDがTまたはUで始まる。
  3. 確認した結果,次の判断によってTuning Manager serverが監視するホストの監視モードを判別できます。
    • 要件aを満たすサービスと要件bを満たすサービスがそれぞれ存在する場合:Agentモード
    • 上記以外の場合:Agent-lessモード
    注※ 同一ホストに対し,Agentモード,Agent-lessモード両方が有効になる条件を満たしている場合,ホスト名に実ホストを使用しているときはAgentモードが適用されます。このときは,Agent-lessモードを無効にする必要はありません。
    ホスト名にエイリアスを使用しているときはAgentモード,Agent-lessモード両方が適用され,Tuning Manager serverのGUIにエイリアス,実ホストそれぞれが監視対象のホストとして表示されます。この事象を回避するため,Agent-lessモードでの監視を抑止する必要があります。詳細については,「(6) ホスト名にエイリアスを設定している場合の運用手順」を参照してください。

Agent-lessモードからAgentモードへの切り替え

Tuning Manager serverで監視対象となっているホストの監視モードを,Agent-lessモードからAgentモードに切り替える方法を次に示します。

  1. ホストの監視モードを切り替えるホストにHTM - Storage Mapping AgentおよびPFM - Agent for Platformをインストールし,Tuning Manager serverの監視対象にAgentホストとして追加します。
    Tuning Manager serverとAgentホストが別ホストの場合は,Agentホストの接続先をTuning Manager serverホストに設定してください。エージェントの接続先を設定する方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」を参照してください。
  2. Tuning Manager serverを使って,手動でポーリングを実行します。
    Tuning Manager serverの[ポーリング設定]画面の[エージェント一覧]に,HTM - Storage Mapping AgentおよびPFM - Agent for PlatformをインストールしたAgentホストが表示されていることを確認してください。
    [ポーリング設定]画面では,[リフレッシュ]ボタンをクリックし,画面の表示内容を最新の情報に更新してから確認してください。
    確認したあと,Agentホストをポーリング対象に設定して,手動でポーリングを実行します。ただし,HTM - Storage Mapping AgentおよびPFM - Agent for Platformの起動後1時間以上経過してから実行してください。
  3. Tuning Manager serverの画面に監視対象のAgentホストが表示されていることを確認します。
    Tuning Manager serverのリソースツリーからHosts以下を参照して,監視対象として追加したAgentホストが表示されることを確認します。

注意
同一ホストに対し,Agentモード,Agent-lessモード両方が有効になる条件を満たしている場合,ホスト名に実ホストを使用しているときはAgentモードが適用されます。このときは,Agent-lessモードを無効にする必要はありません。
ホスト名にエイリアスを使用しているときはAgentモード,Agent-lessモード両方が適用され,Tuning Manager serverのGUIにエイリアス,実ホストそれぞれが監視対象のホストとして表示されます。この事象を回避するため,Agent-lessモードでの監視を抑止する必要があります。詳細については,「(6) ホスト名にエイリアスを設定している場合の運用手順」を参照してください。

AgentモードからAgent-lessモードへの切り替え

Tuning Manager serverで監視対象となっているホストの監視モードを,AgentモードからAgent-lessモードに切り替える方法を次に示します。

なお,ホストの監視モードをAgentモードからAgent-lessモードに切り替えた場合,Tuning Manager serverのデータベースに蓄積された過去の構成情報は参照できますが,エージェントのリアルタイム監視による性能情報,エージェントのデータベースに蓄積された過去の性能情報,および容量情報は参照できなくなります。

AgentモードとAgent-lessモードの切り替えによる表示情報の詳細については,マニュアル「Hitachi Command Suite Tuning Manager Software ユーザーズガイド」のAgent-lessモードで監視しているホストの情報表示について説明している個所を参照してください。

  1. ホストの監視モードを切り替えるホストにインストールされているHTM - Storage Mapping AgentおよびPFM - Agent for Platformのデータをバックアップしてから,アンインストールします。
    バックアップ手順の詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」のバックアップとリストアについて説明している章を参照してください。
  2. ホストの監視モードを切り替えるホストのHTM - Storage Mapping AgentおよびPFM - Agent for Platformに関する構成情報を,PFM - Managerから削除します。
    手順1でアンインストールしたHTM - Storage Mapping AgentおよびPFM - Agent for Platformに関するサービス情報をPFM - Managerから削除します。削除する手順の詳細については,「5.2 エージェントの接続設定」を参照してください。
  3. ホストの監視モードを切り替えるホストを,Tuning Manager serverの監視対象にAgent-lessホストとして追加します。
    Tuning Manager serverの監視対象にAgent-lessホストを追加する手順の詳細については,「(1) ホストをAgent-lessホストとして監視対象に追加する手順」の手順1および手順2を参照してください。
  4. Tuning Manager serverの[ポーリング設定]画面の[エージェント一覧]に,アンインストールしたHTM - Storage Mapping AgentおよびPFM - Agent for PlatformのサービスIDが表示されていないことを確認してください。
    Tuning Manager serverの[ポーリング設定]画面では,[リフレッシュ]ボタンをクリックし,画面の表示内容を最新の情報に更新してから確認してください。

(5) Agent-lessホストを監視対象外にする手順

監視対象のAgent-lessホストをTuning Manager serverの監視対象から外す場合,次の手順に従って,Device ManagerおよびTuning Manager serverが保持する構成情報を更新します。

  1. Device ManagerのGUIまたはDeleteHostコマンドを使って,Agent-lessホストをDevice Managerの管理対象から外します。
  2. Tuning Manager serverを使って,手動でポーリングを実行します。
    Tuning Manager serverの[ポーリング設定]画面でDevice Managerがポーリング対象であることを確認して,手動でポーリングを実行します。
  3. Tuning Manager serverの画面に監視対象外としたホストが表示されないことを確認します。
    Tuning Manager serverのリソースツリーからHosts以下を参照して,監視対象から外したホストが表示されないことを確認します。

(6) ホスト名にエイリアスを設定している場合の運用手順

Tuning Manager serverは,ホスト名とOS種別をキーに監視対象のホストを認識します。このため,次の条件で監視している場合,監視対象のホストがTuning Manager serverのMain Console画面にエイリアスと実ホストの両方で表示されます。

上記状態で運用した場合,Main Console画面でホスト数が二重カウントされるなど,運用に影響が出るため,次の手順でこの事象を回避してください。

  1. Tuning Manager serverのサービスを停止します。
    サービスの停止方法については,「1.5 サービスの停止」を参照してください。
  2. 除外ホスト定義ファイル(exhosts.txt)にPFM - Agent for PlatformおよびHTM - Storage Mapping Agentで監視するホストの実ホスト名を設定します。
    除外ホスト定義ファイル(exhosts.txt)にPFM - Agent for PlatformおよびHTM - Storage Mapping Agentで監視するホストの実ホスト名を設定することでAgent-lessホストとしての情報収集を抑止します。
  3. Tuning Manager serverのサービスを起動します。
    サービスの起動方法については,「1.4 サービスの起動」を参照してください。

除外ホスト定義ファイル(exhosts.txt)について次に説明します。

除外ホスト定義ファイル(exhosts.txt)

Agent-lessホストとしての情報収集から除外したいホストを定義します。なお,除外ホスト定義ファイル(exhosts.txt)は,ユーザーが作成し,所定のフォルダに格納する必要があります。

格納先
Windowsの場合:<Tuning Manager server のインストール先フォルダ>\conf\
Solarisの場合:/opt/HiCommand/TuningManager/conf/
Linuxの場合:<Tuning Manager serverのインストール先ディレクトリ>/conf/

形式
<ホスト名1>
<ホスト名2>
・・・
ファイルの末尾は,改行で終わっていなくてもかまいません。また,改行コードは,Tuning Manager serverが稼働するホストのOSでのデフォルトの改行コードとしてください。

定義例
AgentlessHost001
AgentlessHost002
AgentlessHost003

注意
・PFM - Agent for PlatformおよびHTM - Storage Mapping Agentをインストールしたホストにエイリアス名を設定している場合は,除外ホスト定義ファイルにはエイリアス名でなく,実ホスト名を指定します。実ホスト名は,Windowsの場合hostnameコマンド,SolarisおよびLinuxの場合uname -nコマンドで取得されるホスト名です。
・除外ホスト定義ファイルは,Tuning Manager serverが起動するときに読み込まれます。
・ホスト名の大文字,小文字は区別しません。
・ホスト名に使用できない文字のチェックは実施しません。
・空行含め最大1,000行まで読み込み,以降の行は無視されます。
・Device Managerに登録されていないホスト名は無視されます。
・ホスト名と同じ行にタブや空白文字がある場合,タブや空白を含んだ文字列がホスト名として識別されます。

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