Hitachi Command Suite Software システム構成ガイド(Web Version)
Device Managerでは,次の構成の仮想マシンを管理できます。
- 仮想マシンごとにHBAが割り当てられている構成
- 複数の仮想マシンでHBAを共有している構成
- 仮想マシンごとに仮想HBAが割り当てられている構成(NPIV HBAを使用している場合)
Host Data CollectorまたはDevice Managerエージェントで管理する場合,Device Managerへの登録前に各仮想マシンでの環境設定が必要です。
- この項の構成
- (1) 仮想マシンの前提環境(Host Data Collectorで管理する場合)
- (2) 仮想マシンの前提環境(Device Managerエージェントで管理する場合)
- (3) 仮想マシンにボリュームを割り当てるための操作フロー
- (4) 仮想WWNをDevice Managerに登録する(createnpivinfoコマンド)
- (5) 仮想マシンの構成変更時に必要な作業
(1) 仮想マシンの前提環境(Host Data Collectorで管理する場合)
Host Data Collectorで管理するためには,Host Data Collectorのインストール後,それぞれの仮想マシンで環境設定が必要です。
図1-6 仮想マシンの前提環境(Host Data Collectorで管理する場合)
Host Data Collectorは,管理サーバにインストールするHitachi Command Suiteに同梱されているほか,管理サーバ以外のマシンにインストールすることもできます。
また,仮想マシンでは,Device Managerに登録する前に,次の環境設定を済ませておく必要があります。UNIXホストを管理する場合,ホストをDevice Managerに登録する時に使用するUNIXアカウントによって,それぞれのUNIXホストで必要になる環境設定が異なります。
- Host Data Collectorのサービス(Host Data Collector Base Service)の実行ユーザーにAdministrator権限を持つユーザーが割り当てられている。
- admin$がネットワーク共有されている。
Windowsのnet shareコマンドで確認できます。ただし,セキュリティ監視プログラムが仮想マシンにインストールされていると,Host Data Collectorではホスト情報を収集できないことがあります。- Windowsのファイアウォールの設定で,[ファイルとプリンタの共有]が例外として登録されている。
- 仮想マシンごとに仮想HBAが割り当てられている構成の場合(NPIV HBAを使用している場合),次の環境設定が完了している。
- 同一の物理環境で稼働する仮想化サーバのDevice Managerへの登録
- 管理対象の各仮想マシンへのVMware Toolsのインストール(仮想化ソフトウェアにVMware ESXを使用している場合)
- Device Managerへの仮想WWNの登録(仮想化サーバをvMAで管理する場合)
UNIXホストを管理する場合(rootアカウントでホストの情報を収集するとき)
- SSHが有効になっている。
- リモートからrootでパスワード認証によるSSHログインができるように設定されている。
- 仮想マシンごとに仮想HBAが割り当てられている構成の場合(NPIV HBAを使用している場合),次の環境設定が完了している。
- 同一の物理環境で稼働する仮想化サーバのDevice Managerへの登録
- 管理対象の各仮想マシンへのVMware Toolsのインストール
- Device Managerへの仮想WWNの登録(仮想化サーバをvMAで管理する場合)
重要
- rootアカウントでDevice Managerに登録したホストを,一般ユーザーアカウントを使って二重に登録しないでください。
UNIXホストを管理する場合(一般ユーザーアカウントでホストの情報を収集するとき)
- SSHが有効になっている。
- ホスト登録時に使用するユーザーアカウントがHost Data Collector専用に作成されている(推奨)。
- /tmpディレクトリに更新権限(rwx)が設定されている。
- sudoコマンドが実行できるように環境変数PATHに設定されている。
- sudoコマンドを実行できるように,/etc/sudoersファイルに設定されている。
sudoコマンドを実行できるようにするには,次の定義を追加してください。<登録対象のホスト>には,IPアドレス,ホスト名またはALLを指定します。
<ホスト登録時に使用するユーザー名> <登録対象のホスト>=(<実行ユーザー名のエイリアス>)NOPASSWD:/tmp/FsDataGatherLauncher.Unix.sh
<実行ユーザー名のエイリアス>には,ALLまたはrootを指定します。- 仮想マシンごとに仮想HBAが割り当てられている構成の場合(NPIV HBAを使用している場合),次の環境設定が完了している。
- 同一の物理環境で稼働する仮想化サーバのDevice Managerへの登録
- 管理対象の各仮想マシンへのVMware Toolsのインストール
- Device Managerへの仮想WWNの登録(仮想化サーバをvMAで管理する場合)
重要
- 一般ユーザーアカウントでDevice Managerに登録したホストを,rootアカウントを使って二重に登録しないでください。
- 12. Host Data Collectorのセットアップ
- 仮想化サーバの登録方法:マニュアル「Hitachi Command Suite Software ユーザーズガイド」またはマニュアル「Hitachi Command Suite Software CLI リファレンスガイド」
(2) 仮想マシンの前提環境(Device Managerエージェントで管理する場合)
Device Managerエージェントで管理するためには,仮想マシンにDevice Managerエージェントをインストールし,管理サーバの情報やHiScanコマンドの実行周期などを設定する必要があります。
HBAの構成によって,前提環境が異なります。
図1-7 仮想マシンの前提環境(Device Managerエージェントで管理する場合)
- 仮想マシンごとにHBAが割り当てられている構成
- 仮想マシンごとにDevice Managerエージェントをインストールしてください。
- 仮想マシンのOSがAIXの場合,環境変数ODMDIRを設定してください。
- 複数の仮想マシンでHBAを共有している構成
- 仮想マシンのうち,どれか1台にだけDevice Managerエージェントをインストールしてください。
- 仮想マシンのOSがAIXの場合,環境変数ODMDIRを設定してください。
- 仮想マシンごとに仮想HBAが割り当てられている構成(NPIV HBAを使用している場合)
- 仮想マシンごとにDevice Managerエージェントをインストールしてください。
- 仮想化ソフトウェアにVMware ESXを使用している場合は,仮想マシンごとにVMware Tools をインストールしてください。
- 同一の物理環境で稼働する仮想化サーバもDevice Managerに登録してください。
Device Managerへの仮想化サーバの登録は,vMA経由でもHost Data Collector経由でもかまいません。ただし,仮想化サーバをvMAで管理する場合は,Device Managerへの仮想WWNの登録が必要になります。- 仮想マシンのOSがAIXの場合,環境変数ODMDIRを設定してください。
- Device Managerエージェントのセットアップ方法:マニュアル「Hitachi Command Suite Software インストールガイド」
HBAの構成によって,ホストの登録方法やボリュームの割り当て方法などが異なります。
図1-8 仮想マシンにボリュームを割り当てるための操作フロー(仮想マシンごとにHBAが割り当てられている構成)
- ボリュームの使用状況を管理したい各仮想マシンを通常ホストとしてDevice Managerに登録します。
同一の物理環境で稼働する仮想化サーバは,Device Managerに登録しないでください。- 仮想マシン(WWN)ごとにボリュームのLUNパスを割り当て,割り当てたボリュームを仮想マシンにRAWデバイスとして認識させます。
データストアを構成しているボリュームは,Device Managerでは認識されません。図1-9 仮想マシンにボリュームを割り当てるための操作フロー(複数の仮想マシンでHBAを共有している構成)
- 仮想マシンがHBAを共有している仮想マシンのうち1台だけを通常ホストとしてDevice Managerに登録します。
同一の物理環境で稼働する仮想化サーバは,Device Managerに登録しないでください。- Device Managerに登録された仮想マシン(WWN)にボリュームのLUNパスを割り当て,割り当てたボリュームを仮想マシンにRAWデバイスとして認識させます。
データストアを構成しているボリュームは,Device Managerでは認識されません。
重要
- HBAを共有している別の仮想マシンにボリュームを割り当てたい場合も,Device Managerでは,Device Managerの管理対象になっている仮想マシンにLUNパスを割り当てる必要があります。ボリュームが実際にはどの仮想マシンに割り当てられているかを,LUNパスの割り当て後にDevice Managerで識別できるように,各ボリュームにラベルを設定しておくことをお勧めします。
仮想マシンごとに仮想HBAが割り当てられている構成(NPIV HBAを使用している場合)
図1-10 仮想マシンにボリュームを割り当てるための操作フロー(仮想マシンごとに仮想HBAが割り当てられている構成)
- ボリュームの使用状況を管理したい仮想マシンが稼働する仮想化サーバをDevice Managerに登録します。
- vMAで仮想化サーバを管理する場合は,createnpivinfoコマンドを実行し,各仮想HBAに割り当てられた仮想WWNをDevice Managerに登録します。
- ボリュームの使用状況を管理したい各仮想マシンをDevice Managerに通常ホストとして登録します。
- 仮想化サーバ(物理WWN)と仮想マシン(仮想WWN)の両方にボリュームのLUNパスを割り当て,RAWデバイスとしてボリュームを認識させます。
データストアを構成しているボリュームは,Device Managerでは認識されません。
- 仮想化サーバの登録方法:マニュアル「Hitachi Command Suite Software ユーザーズガイド」またはマニュアル「Hitachi Command Suite Software CLI リファレンスガイド」
(4) 仮想WWNをDevice Managerに登録する(createnpivinfoコマンド)
NPIV HBAが使用されている仮想化サーバをvMAで管理している場合,createnpivinfoコマンドを実行して,各仮想マシンに割り当てられた仮想WWNをDevice Managerに登録しておく必要があります。
- 管理対象にする仮想マシンの起動
- VMware Toolsの起動
- Device Managerへの仮想化サーバの登録
詳細は,マニュアル「Hitachi Command Suite Software ユーザーズガイド」またはマニュアル「Hitachi Command Suite Software CLI リファレンスガイド」を参照してください。- Administrator 権限(Windowsの場合)またはroot権限(SolarisまたはLinuxの場合)でのログイン
- 仮想化サーバ,または仮想化サーバを管理しているVMware vCenter Serverのホスト名またはIPアドレス
- 仮想化サーバ,または仮想化サーバを管理しているVMware vCenter ServerのユーザーID
- 仮想化サーバ,または仮想化サーバを管理しているVMware vCenter Serverのパスワード
仮想WWNをDevice Managerに登録するには:
- 管理サーバで次のコマンドを実行して,仮想WWNの情報をDevice Managerに登録します。
- Windowsの場合:
- <Device Managerサーバのインストールフォルダ>\HiCommandServer\tools\createnpivinfo [-v] [<ホスト名またはIPアドレス> <ユーザーID> <パスワード>]
- SolarisまたはLinuxの場合:
- <Device Managerサーバのインストールディレクトリ>/HiCommandServer/tools/createnpivinfo [-v] [<ホスト名またはIPアドレス> <ユーザーID> <パスワード>]
仮想マシンのホスト名と仮想WWNがnpivmapping.propertiesファイルに出力されます。
- -v
コマンドの実行結果の詳細を標準出力に表示する場合に指定します。
- Windowsの場合:
- <Device Managerサーバのインストールフォルダ>\HiCommandServer\config\npivmapping.properties
- SolarisまたはLinuxの場合:
- <Device Managerサーバのインストールディレクトリ>/HiCommandServer/config/npivmapping.properties
仮想マシンごとに仮想HBAが割り当てられている(NPIV HBAを使用している)構成の場合,仮想マシンの構成が変更になったら,Device Managerに仮想マシンの情報を反映する必要があります。
- 仮想マシンを別の仮想化サーバに移動した場合
- 移動元と移動先の仮想化サーバの情報をDevice Managerで更新(リフレッシュ)する必要があります。移動元の仮想化サーバにボリュームが割り当てられていない状態になるときには,Device Managerから移動元の仮想化サーバの情報を手動で削除してください。
- 仮想WWNを追加または変更した場合
- createnpivinfoコマンドを実行し,仮想WWNをDevice Managerに登録する。
仮想化サーバがvMAで管理されている場合に必要な作業です。- Device Manager GUI/CLIで,Device Managerに登録された仮想マシンおよび仮想化サーバの情報をリフレッシュする。
- コマンドデバイスを設定または解除した場合
- 仮想化サーバを再起動してください。
- ホスト名を変更した場合,または仮想マシンを撤去した場合
- npivmapping.propertiesファイルを手動で更新してください。
- Windowsの場合:
- <Device Managerサーバのインストールフォルダ>\HiCommandServer\config\npivmapping.properties
- SolarisまたはLinuxの場合:
- <Device Managerサーバのインストールディレクトリ>/HiCommandServer/config/npivmapping.properties
- 仮想マシンおよび仮想化サーバのリフレッシュ方法:マニュアル「Hitachi Command Suite Software ユーザーズガイド」またはマニュアル「Hitachi Command Suite Software CLI リファレンスガイド」
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