Hitachi Command Suite Software CLI リファレンスガイド

[目次][索引][前へ][次へ]


4.6.3 AddReplication(Thin Imageの場合)

AddReplicationコマンドは,コピーペアを作成します。 ここでは,Thin Imageのコピーペアを作成する場合について説明します。

Thin Image以外のコピーペアを作成する場合は,「4.6.2 AddReplication」を参照してください。

重要
  • このコマンドは,Virtual Storage PlatformおよびHUS VMでだけ使用できます。
  • Device Manager CLIでは,コンシステンシーグループに対する操作はできません。
  • フォーマット済みのLDEVを必ず指定してください。未フォーマットのLDEVを指定したとき,コピーペアは作成されません。フォーマット済みかどうか確認するには,GetStorageArrayコマンドで確認してください。
  • ペアボリュームの状態はPAIRになったあとPSUSになります。
  • LUSEボリュームに対して,コピーペアの作成はできません。
  • ShadowImageの副ボリューム(S-VOL)をThin Imageの正ボリューム(P-VOL)としてカスケード構成にする場合,ShadowImageのコピーペアの状態をSplitにしてから,Thin Imageのコピーペアを作成してください。コピーペアの状態がPairだと,Thin Imageのコピーペアの作成に失敗します。

コピーペアの作成には,次の2とおりの方法があります。

パラメーター

表4-104 AddReplicationコマンドのパラメーター(Thin Imageの場合)

パラメーター名 指定のレベル 説明
hostid 任意 操作対象ホストのID
hostidまたはhostnameのどちらか一方を指定してください。
hostname 任意 操作対象ホストの名前
hostidまたはhostnameのどちらか一方を指定してください。パラメーターhostidを指定している場合,このパラメーターは無視されます。
pvolarraytype 必須 P-VOLを含むストレージシステムのモデル
pvolserialnum 必須 P-VOLを含むストレージシステムのシリアル番号
pvoldevnum 必須 P-VOLのデバイス番号
10進数,またはコロンで区切った16進数「ww:xx:yy」で指定します。wwはLDKC番号,xxはCU番号,yyはLDEV番号です。ここで,wwは省略できます。wwを省略した場合,LDKC番号は0と見なされます。
実行結果は10進数で出力されます。
pvolpoolid 任意 P-VOLの差分データを格納するプールのプールID
Thin ImageのP-VOLとして使用しているデバイス番号をパラメーターpvoldevnumに指定する場合,このパラメーターを省略してください。
そのほかの場合,このパラメーターは必ず指定してください。
svoldevnum 必須 S-VOLのデバイス番号
10進数,またはコロンで区切った16進数「ww:xx:yy」で指定します。wwはLDKC番号,xxはCU番号,yyはLDEV番号です。ここで,wwは省略できます。wwを省略した場合,LDKC番号は0と見なされます。
実行結果は10進数で出力されます。
snapshotgroupid 任意 スナップショットグループのID
方法1の場合,snapshotgroupidまたはsnapshotgroupnameのどちらか一方を指定してください。
方法2の場合,このパラメーターは指定しないでください。このパラメーターを指定すると,方法1と見なされます。
snapshotgroupname 任意 スナップショットグループ名
グループ名には最大32バイト指定できます。ハイフン(-)から始まるグループ名は指定できません。
グループ名に使用できる文字は,RAID Managerでの規則に従ってください。
パラメーターsnapshotgroupidを指定している場合,このパラメーターは無視されます。
replicationfunction 必須 コピーペアで実行される操作のタイプ
ThinImageを指定します。

事前に取得するパラメーター値

hostid
GetHostコマンドのパラメーターhostnameに,次のホスト名を指定して実行します。
  • 通常構成でコピーペアを管理している場合
    P-VOLを管理するRAID Manager(raidcomコマンド)がインストールされているホストを指定します。
    GetHostコマンドの実行結果には,An instance of Hostの配下にhostID値が表示されます。hostIDを,パラメーターhostidの値として指定してください。
  • 一括管理構成でコピーペアを管理している場合
    一括で管理しているホストを指定します。
    GetHostコマンドの実行結果には,An instance of Hostの配下にhostID値が表示されます。hostIDを,パラメーターhostidの値として指定してください。

pvoldevnumおよびsvoldevnum
GetHostコマンドのパラメーターsubtargetに「LogicalUnit」を,パラメーターhostnameにP-VOLまたはS-VOLを認識するホストのホスト名を指定して実行します。
GetHostコマンドの実行結果には,An instance of LogicalUnitの配下にobjectID値(論理ユニットのオブジェクトID)とdevNum値が表示されます。
P-VOLを認識するホストを指定した場合,P-VOLとなるAn instance of LogicalUnitdevNumをパラメーターpvoldevnumの値として指定してください。このとき,そのobjectID値を控えておいてください。
S-VOLを認識するホストを指定した場合,S-VOLとなるAn instance of LogicalUnitdevNumをパラメーターsvoldevnumの値として指定してください。

pvolarraytypeおよびpvolserialnum
GetStorageArray (subtarget=LogicalUnit)コマンドのパラメーターsubtargetに「LogicalUnit」を,パラメーターobjectIDにP-VOLとなる論理ユニットのオブジェクトID(pvoldevnumを取得したときに控えたobjectID値)を指定して実行します。
GetStorageArray (subtarget=LogicalUnit)コマンドの実行結果には,指定したobjectIDAn instance of LogicalUnitに表示されています。objectIDが表示されているAn instance of LogicalUnitを含むAn instance of StorageArray配下のarrayType値,displayArrayType値,およびserialNumber値を参照してください。
arrayTypeまたはdisplayArrayTypeをパラメーターpvolarraytypeの値として指定してください。同様にserialNumberをパラメーターpvolserialnumの値として指定してください。このとき,パラメーターpvolarraytypeおよびpvolserialnumの値を控えておいてください。

pvolpoolid
GetStorageArray(subtarget=Pool)コマンドのパラメーターsubtargetに「Pool」を,pvolarraytypeおよびpvolserialnumを取得したときに控えたpvolarraytypeをパラメーターmodelの値に,pvolserialnumをパラメーターserialnumの値として指定して実行します。
GetStorageArray(subtarget=Pool)コマンドの実行結果には,An instance of Pool配下にpoolFunction値およびpoolID値が表示されます。poolFunction値が6(Thin Image)のpoolIDをパラメーターpvolpoolidの値として指定してください。

コマンド実行例1

この例では,既存のスナップショットグループ(スナップショットグループ番号:5)にコピーペアを作成します。正ボリューム(P-VOL)については,ストレージシステム(モデル:VSP,シリアル番号:10001)にLDEV番号5の論理デバイスを指定します。副ボリューム(S-VOL)については,ストレージシステム(モデル:VSP,シリアル番号:10001)にLDEV番号10の論理デバイスを指定します。

HiCommandCLI AddReplication -o "D:\logs\AddReplication.log" "hostid=5" "pvolarraytype=VSP" "pvolserialnum=10001" "pvoldevnum=5" "pvolpoolid=7" "svoldevnum=10" "snapshotgroupid=5" "replicationfunction=ThinImage"

コマンド実行結果1

RESPONSE:
An instance of Host
  objectID=HOST.5
  name=bs5205-2
  hostID=5
  ipAddress=10.197.76.123
  ipv6Address=fec0:0:0:7076:b036:e7e8:bdd9:9e34%1
  capacityInKB=408,103,872
  hostType=-1
  managedBy=2
  osType=Windows
  statusOfDBUpdating=0
  List of 1 SnapshotGroup elements:
    An instance of SnapshotGroup
      objectID=SNAPSHOTGROUP.R700.10001.5
      arrayType=R700
      serialNumber=10001
      groupID=5
      groupName=test5
      replicationFunction=ThinImage
      ctGrp=NotCTG
      List of 1 ReplicationInfo elements:
        An instance of ReplicationInfo
          objectID=REPINFO.10001.5.10001.10
          pvolSerialNumber=10001
          pvolArrayType=R700
          pvolDevNum=5
          displayPvolDevNum=00:00:05
          pvolPoolID=7
          svolSerialNumber=10001
          svolArrayType=R700
          svolDevNum=10
          displaySvolDevNum=00:00:0A
          svolPoolID=7
          replicationFunction=ThinImage
          status=16
          muNumber=6
          copyTrackSize=-1
          splitTime=1,385,028,155
          remotePathGroupID=-1
          pvolMngAreaPoolID=-1
          svolMngAreaPoolID=-1
          snapshotGroupID=5

コマンド実行例2

この例では,新規にスナップショットグループ(スナップショットグループ名:test1)を作成し,そのスナップショットグループにコピーペアを作成します。正ボリューム(P-VOL)については,ストレージシステム(モデル:VSP,シリアル番号:10001)にLDEV番号5の論理デバイスを指定します。副ボリューム(S-VOL)については,ストレージシステム(モデル:VSP,シリアル番号:10001)にLDEV番号10の論理デバイスを指定します。

HiCommandCLI AddReplication -o "D:\logs\AddReplication.log" "hostid=5" "pvolarraytype=VSP" "pvolserialnum=10001" "pvoldevnum=5" "pvolpoolid=7" "svoldevnum=10" "snapshotgroupname=test1" "replicationfunction=ThinImage"

コマンド実行結果2

RESPONSE:
An instance of Host
  objectID=HOST.5
  name=bs5205-2
  hostID=5
  ipAddress=10.197.76.123
  ipv6Address=fec0:0:0:7076:b036:e7e8:bdd9:9e34%1
  capacityInKB=408,103,872
  hostType=-1
  managedBy=2
  osType=Windows
  statusOfDBUpdating=0
  List of 1 SnapshotGroup elements:
    An instance of SnapshotGroup
      objectID=SNAPSHOTGROUP.R700.10001.1
      arrayType=R700
      serialNumber=10001
      groupID=1
      groupName=test1
      replicationFunction=ThinImage
      ctGrp=NotCTG
      List of 1 ReplicationInfo elements:
        An instance of ReplicationInfo
          objectID=REPINFO.10001.5.10001.10
          pvolSerialNumber=10001
          pvolArrayType=R700
          pvolDevNum=5
          displayPvolDevNum=00:00:05
          pvolPoolID=7
          svolSerialNumber=10001
          svolArrayType=R700
          svolDevNum=10
          displaySvolDevNum=00:00:0A
          svolPoolID=7
          replicationFunction=ThinImage
          status=16
          muNumber=6
          copyTrackSize=-1
          splitTime=1,385,028,155
          remotePathGroupID=-1
          pvolMngAreaPoolID=-1
          svolMngAreaPoolID=-1
          snapshotGroupID=1

[目次] [前へ] [次へ]


All Rights Reserved. Copyright© 2010, 2014, Hitachi, Ltd.