Hitachi

インメモリデータグリッド Hitachi Elastic Application Data Store ユーザーズガイド


13.1.2 原因の調査方法

統計情報を使用した性能の確認方法について説明します。

〈この項の構成〉

(1) APの性能を確認する

統計情報を使用してAPの性能を確認する手順を次の図に示します。また,詳細の手順を以降に示します。

図13‒2 APの性能を確認する手順

[図データ]

(a) 平均性能の傾向を確認する

次の表に示す統計情報の項目から,平均性能の傾向を確認します。

統計情報の種類

項目

列名称

統計情報

(eads_stats.csv)

リクエスト処理時間の平均値

RequestProcessingAverageTime

(b) 性能劣化の要因を切り分ける

次の表に示す統計情報の項目を確認して,性能劣化の要因を切り分けます。

統計情報の種類

項目

列名称

統計情報

(eads_stats.csv)

内部処理時間の平均値

InternalProcessingAverageTime

(c) 性能劣化の要因を分析する

それぞれの要因に応じて,性能劣化の要因を分析します。

■ EADSサーバが要因の場合

EADSサーバが要因と考えられる場合は,次のことを確認してください。

  • 次の表に示す統計情報の項目を確認し,EADSサーバに対するアクセスが集中していないか確認してください。

    統計情報の種類

    項目

    列名称

    統計情報

    (eads_stats.csv)

    リクエスト受付数(put,create,update,replace,get,remove)

    RequestCount

  • JavaログからGCが発生していないか確認してください。

  • ノンブロッキングI/O通信制御を使用している場合,次の表に示す統計情報の項目を確認し,EADSサーバに対するアクセスが集中していないか確認してください。または,問題があった項目の関連パラメタが適切な指定値になっているか確認してください。

    統計情報の種類

    項目

    列名称

    ノンブロッキングI/O通信制御の統計情報

    (eads_nonblocking_stats.csv)

    リクエスト処理スレッドでの実行を待っているリクエスト数

    WaitingRequests

    リクエスト処理スレッドで実行しているリクエスト数

    ProcessingRequests

    滞留中I/Oデータ流量制御による退避中リクエスト数

    EvacuatingRequestsByStayingDataFlow

    キャッシュ操作同時実行制御退避中リクエスト数

    EvacuatingRequestsByCacheConcurrency

  • OSの情報(CPUの利用率やメモリの使用量など)を確認してください。

■ ネットワークが要因の場合

ネットワークが要因と考えられる場合は,次のことを確認してください。

  • 次の表に示す統計情報の項目を確認し,通信量を確認してください。

    統計情報の種類

    項目

    列名称

    統計情報

    (eads_stats.csv)

    EADSクライアント・EADSサーバ間の受信データの最大サイズ

    CSReadMaxSize

    EADSクライアント・EADSサーバ間の受信データの合計サイズ

    CSReadTotalSize

    EADSクライアント・EADSサーバ間の送信データの最大サイズ

    CSWriteMaxSize

    EADSクライアント・EADSサーバ間の送信データの合計サイズ

    CSWriteTotalSize

    EADSサーバ間の受信データの最大サイズ

    SSReadMaxSize

    EADSサーバ間の受信データの合計サイズ

    SSReadTotalSize

    EADSサーバ間の送信データの最大サイズ

    SSWriteMaxSize

    EADSサーバ間の送信データの合計サイズ

    SSWriteTotalSize

  • ネットワークの状態を確認してください。

(2) ユーザファンクションの性能を確認する

統計情報を使用してユーザファンクションの性能を確認する手順を次の図に示します。また,詳細の手順を以降に示します。

図13‒3 ユーザファンクションの性能を確認する手順

[図データ]

(a) 平均性能の傾向を確認する

次の表に示す統計情報の項目から,平均性能の傾向を確認します。

統計情報の種類

項目

列名称

ユーザファンクションの統計情報

(eads_function_stats.csv)

ユーザファンクション実行時間の平均値

FunctionExecuteAverageTime

(b) 性能劣化の要因を切り分ける

次の表に示す統計情報の項目を比較して,性能劣化の要因を切り分けます。

統計情報の種類

項目

列名称

ユーザファンクションの統計情報

(eads_function_stats.csv)

ユーザファンクションの内部処理時間の平均値

FunctionInternalProcessingAverageTime

ユーザファンクションのユーザプログラムの処理時間の平均値

UserProgramProcessingAverageTime

(c) 性能劣化の要因を分析する

それぞれの要因に応じて,性能劣化の要因を分析します。

■ EADSサーバが要因の場合

EADSサーバが要因と考えられる場合は,次のことを確認してください。

  • 次の表に示す統計情報の項目を確認し,EADSサーバに対するアクセスが集中していないか確認してください。

    統計情報の種類

    項目

    列名称

    ユーザファンクションの統計情報

    (eads_function_stats.csv)

    ユーザファンクションの実行回数

    FunctionExecuteCount

  • JavaログからGCが発生していないか確認してください。

  • ノンブロッキングI/O通信制御を使用している場合,次の表に示す統計情報の項目を確認し,EADSサーバに対するアクセスが集中していないか確認してください。または,問題があった項目の関連パラメタが適切な指定値になっているか確認してください。

    統計情報の種類

    項目

    列名称

    ノンブロッキングI/O通信制御の統計情報

    (eads_nonblocking_stats.csv)

    リクエスト処理スレッドでの実行を待っているリクエスト数

    WaitingRequests

    リクエスト処理スレッドで実行しているリクエスト数

    ProcessingRequests

    滞留中I/Oデータ流量制御による退避中リクエスト数

    EvacuatingRequestsByStayingDataFlow

    ファンクション同時実行数制御およびユーザファンクション単位ファンクション同時実行数制御による退避中リクエスト数

    EvacuatingRequestsByFunctionConcurrency

  • OSの情報(CPUの利用率やメモリの使用量など)を確認してください。

■ ユーザファンクションのユーザプログラムが要因の場合

ユーザファンクションのユーザプログラムが要因と考えられる場合は,各ユーザファンクションの統計情報を確認し,要因となっているユーザファンクションを特定してください。

■ ネットワークが要因の場合

ネットワークが要因と考えられる場合は,次のことを確認してください。

  • 次の表に示す統計情報の項目を確認し,通信量を確認してください。

    統計情報の種類

    項目

    列名称

    統計情報

    (eads_stats.csv)

    EADSクライアント・EADSサーバ間の受信データの最大サイズ

    CSReadMaxSize

    EADSクライアント・EADSサーバ間の受信データの合計サイズ

    CSReadTotalSize

    EADSクライアント・EADSサーバ間の送信データの最大サイズ

    CSWriteMaxSize

    EADSクライアント・EADSサーバ間の送信データの合計サイズ

    CSWriteTotalSize

    EADSサーバ間の受信データの最大サイズ

    SSReadMaxSize

    EADSサーバ間の受信データの合計サイズ

    SSReadTotalSize

    EADSサーバ間の送信データの最大サイズ

    SSWriteMaxSize

    EADSサーバ間の送信データの合計サイズ

    SSWriteTotalSize

  • ネットワークの状態を確認してください。