ストリームデータ処理基盤 uCosminexus Stream Data Platform - Application Framework システム構築・運用ガイド
アダプタートレースとは,アダプターの処理状況が出力されるトレースファイルです。Stream Data Platform - AFの運用前のテスト段階で,各コールバックの処理状況を把握するために使用します。
アダプタートレースは,アダプターのスループットに影響するため,デフォルトでは出力しない設定になっています。使用するためには,アダプタートレース定義のtrace属性に「ON」を指定します。また,実運用の前には,アダプタートレースを出力しない設定に戻してください。アダプタートレース定義については,「9.6.2 アダプタートレース定義」を参照してください。
アダプタートレースは,アダプターごとに作成され,1ファイル当たり2メガバイト分のトレース情報がラップアラウンドで出力されます。
アダプタートレースは,次の名称で出力されます。
adp_<種別>-<アダプターグループ名>-<アダプター名>_<通番>
ファイル名中の各項目について,次に示します。
なお,アダプター起動時にアダプタートレースファイルがすでに存在していた場合,ファイル名は「ファイル名.bk」に変換されます。
アダプター用定義ファイルについては,「9. アダプター用定義ファイル」を参照してください。
アダプタートレースは,CSV形式で出力されます。出力形式を次に示します。
<No>,<Date>,<Time>,<Thread>,<Event>
それぞれの出力項目について,次の表に示します。
表6-6 アダプタートレースの出力項目
項番 | 項目 | 説明 |
---|---|---|
1 | No | 4けたの通番です。9999に達すると,0001に戻ります。 |
2 | Date | トレースを採取した日付です。 YYYY/MM/DDの形式で出力されます。 |
3 | Time | トレースを採取した時刻です。 hh:mm:ss.fffの形式で出力されます。 |
4 | Thread | アダプター名(アダプター定義のname属性で指定した値)が出力されます。 |
5 | Event | コールバック名および詳細情報が次の形式で出力されます。<コールバック名>△{entry|exit}
|
出力例を次に示します。1行目がヘッダーで,2行目以降がレコードです。
No,Date,Time,Thread,Event 0001,2010/10/15,02:08:41.173,OutputAdaptor1,receiver entry 0002,2010/10/15,02:08:41.173,OutputAdaptor1,receiver exit 0003,2010/10/15,02:08:41.188,OutputAdaptor1,editor1 entry 0004,2010/10/15,02:08:41.188,OutputAdaptor1,editor1 exit 0005,2010/10/15,02:08:41.188,OutputAdaptor1,editor3 entry 0006,2010/10/15,02:08:41.204,OutputAdaptor1,editor3 exit 0007,2010/10/15,02:08:41.204,OutputAdaptor1,outputer entry 0008,2010/10/15,02:08:41.204,OutputAdaptor1,outputer exit 0009,2010/10/15,02:08:41.204,OutputAdaptor1,receiver entry 0010,2010/10/15,02:08:41.204,OutputAdaptor1,receiver exit 0011,2010/10/15,02:08:41.204,OutputAdaptor1,editor1 entry 0012,2010/10/15,02:08:41.204,OutputAdaptor1,editor1 exit 0013,2010/10/15,02:08:41.204,OutputAdaptor1,editor3 entry 0014,2010/10/15,02:08:41.204,OutputAdaptor1,editor3 exit 0015,2010/10/15,02:08:41.204,OutputAdaptor1,outputer entry 0016,2010/10/15,02:08:41.204,OutputAdaptor1,outputer exit :
各コールバックの処理でレコードを破棄する場合,コールバックの実行ごとに,実行終了直前に破棄したレコードの総数がアダプタートレースに出力されます。
この場合,「表6-6 アダプタートレースの出力項目」の出力項目のEventが,次の形式で出力されます。
<コールバック名>△execute delete△<詳細情報>
表6-7 コールバックごとのアダプタートレースの詳細情報(レコードを破棄する場合)
コールバック種別 | 詳細情報 | 関連するアダプター構成定義ファイルの定義 |
---|---|---|
HTTPパケット入力コネクター |
|
「9.10.2 HTTPパケット入力コネクター定義」のinputタグのbuffersize属性 |
フィルター |
|
「9.11.3 フィルター定義」のfieldタグ |
レコード抽出 |
|
「9.11.4 レコード抽出定義」のtargetrecordタグ |
|
− | |
|
「9.11.4 レコード抽出定義」のextractionタグのtimelimit属性 | |
|
「9.11.4 レコード抽出定義」のextractionsタグのsize属性 | |
|
− | |
ダッシュボード出力コネクター |
|
「9.10.4 ダッシュボード出力コネクター定義」のRecordHoldTimeタグ |
|
「9.10.4 ダッシュボード出力コネクター定義」のDashboardOutputConnectorDefinitionタグのMaxNum属性 | |
|
「9.10.4 ダッシュボード出力コネクター定義」のDashboardOutputConnectorDefinitionタグのReadRecordRemoveFlag属性 |
各コールバックのアダプタートレースの出力例を示します。
3288,2010/10/15,10:16:11.223,InputAdaptor1,inputer entry 3289,2010/10/15,10:16:11.223,InputAdaptor1,inputer execute delete record overflow 50 3290,2010/10/15,10:16:11.223,InputAdaptor1,inputer exit
3291,2010/10/15,10:16:11.223,InputAdaptor1,filter1 entry 3292,2010/10/15,10:16:11.223,InputAdaptor1,filter1 execute delete condition R1 100 3293,2010/10/15,10:16:11.223,InputAdaptor1,filter1 exit
3294,2010/10/15,10:16:11.223,InputAdaptor1,extract1 entry 3295,2010/10/15,10:16:11.223,InputAdaptor1,extract1 execute delete condition conditionE2 10 3296,2010/10/15,10:16:11.223,InputAdaptor1,extract1 exit
3288,2010/10/15,10:16:11.223,OutputAdaptor1,outputer entry 3289,2010/10/15,10:16:11.223,OutputAdaptor1,outputer execute delete numoverflow 20 3290,2010/10/15,10:16:11.223,OutputAdaptor1,outputer exit
HTTPパケット入力コネクターの処理でHTTPパケット,またはHTTPメッセージを破棄する場合,HTTPパケット入力コネクターの処理ごとに,処理終了直前に破棄したHTTPパケット,またはHTTPメッセージの総数がアダプタートレースに出力されます。
この場合,「表6-6 アダプタートレースの出力項目」の出力項目のEventが,次の形式で出力されます。
<コールバック名>△execute delete△<詳細情報>
表6-8 アダプタートレースの詳細情報(HTTPパケットまたはHTTPメッセージを破棄する場合)
コールバック種別 | 詳細情報 | 関連するアダプター構成定義ファイルの定義 |
---|---|---|
HTTPパケット入力コネクター |
|
「9.10.2 HTTPパケット入力コネクター定義」のinputタグのbuffersize属性 |
|
「9.10.2 HTTPパケット入力コネクター定義」のinputタグのassemblingtime属性 |
次の場合のアダプタートレースの出力例を示します。
3288,2010/10/15,10:16:11.223,InputAdaptor1,inputer entry 3289,2010/10/15,10:16:11.223,InputAdaptor1,inputer execute delete packet overflow 20 3291,2010/10/15,10:16:11.223,InputAdaptor1,inputer exit
3288,2010/10/15,10:16:11.223,InputAdaptor1,inputer entry 3290,2010/10/15,10:16:11.223,InputAdaptor1,inputer execute delete httpmessage timeout 5 3291,2010/10/15,10:16:11.223,InputAdaptor1,inputer exit
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