uCosminexus DocumentBroker Version 3 Standard GUI 操作ガイド

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1.1 DocumentBroker Standard GUIとは

DocumentBroker Standard GUIは,Webブラウザを介して文書を管理するシステムを提供するECMパッケージ製品です。業務や業種に依存しない標準的な企業の文書管理システムを提供します。

DocumentBroker Standard GUIは,文書を審査・承認後に公開する仕組み,公開する文書に電子署名や承認日時を付与する機能などを文書管理システムに取り込むことで,コンプライアンスや情報セキュリティへの対応を実現します。

DocumentBroker Standard GUIの特長について説明します。

<この節の構成>
(1) 文書の改ざんを防止できます
(2) 文書やフォルダにアクセスできるユーザを制限できます
(3) 文書の同時更新を防止できます
(4) 文書の関連を管理できます
(5) 文書のプロパティを独自に定義できます
(6) 文書番号を採番して文書に設定できます
(7) キーワードや更新日などの条件で文書を検索できます
(8) フォルダの使用量を制限できます
(9) 文書をストレージシステムにアーカイブできます
(10) 監査証跡ログを参照できます
(11) 英語版のGUIを使用できます

(1) 文書の改ざんを防止できます

文書の審査・承認を受けることによって,文書を公開できます。審査・承認完了時,文書に対して最終承認者の電子署名,またはタイムスタンプを付与できます。

図1-1 文書の改ざんを防止

[図データ]

電子署名を付与することによって,『誰によって承認された文書か』,『文書が改ざんされていないか』を保証します。また,タイムスタンプを付与することによって,『いつ承認された文書か』を保証します。

『誰によって承認された文書か』,『いつ承認された文書か』,『文書が改ざんされていないか』を保証することによって,文書が改ざんされていないことを証明できます。

また,DocumentBroker Standard GUIでは,公開された文書が改ざんされていないかどうかを確かめるために,原本性を検証する機能も提供します。

(2) 文書やフォルダにアクセスできるユーザを制限できます

ユーザ,組織,グループごとに,文書,およびフォルダに対してアクセス権を設定することによって,文書やフォルダへのアクセスを制限できます。そのため,権限のないユーザ,組織,グループが文書を参照することはありません。

図1-2 文書やフォルダへのアクセスの制限

[図データ]

(3) 文書の同時更新を防止できます

文書を更新するときは,文書をチェックアウトします。チェックアウトしている間は,チェックアウトしたユーザだけが文書を更新でき,ほかのユーザは更新できません。そのため,1つの文書を複数のユーザが同時に更新することはありません。

図1-3 文書の同時更新を防止

[図データ]

(4) 文書の関連を管理できます

(5) 文書のプロパティを独自に定義できます

文書のプロパティを,文書種別マスタとして独自に定義できます。文書種別マスタに定義されたプロパティは,文書の登録時に文書種別マスタを選択することで文書に追加できます。

図1-6 文書のプロパティを独自に定義

[図データ]

文書の内容に合わせて文書種別マスタを準備することで,文書の分類に一貫性を持たせられるとともに,文書の検索性を高められます。

図1-7 文書種別マスタを指定した文書の検索

[図データ]

(6) 文書番号を採番して文書に設定できます

規則に従って採番した一意の番号を,文書番号として文書に設定できます。

文書番号を一意に設定することで,文書を特定しやすくなります。また,文書番号の形式の一部は,文書の種類に合わせてシステム管理者が自由に決められます。文書の種類に合わせて文書番号の形式を決めておくことで,一定の規則性を持たせて文書を管理できます。

図1-8 文書の種類に合わせた文書番号の採番

[図データ]

(7) キーワードや更新日などの条件で文書を検索できます

文書中に含まれるキーワードや,文書が更新された日などを検索条件に指定して,DocumentBroker Standard GUIに登録されている文書を検索できます。検索した結果から文書を操作できます。

図1-9 文書の検索

[図データ]

(8) フォルダの使用量を制限できます

最上位の階層にあるフォルダに対して,使用できる容量の上限を設定できます。フォルダの作成時に上限を設定し,フォルダのプロパティの変更時に上限を変更できます。

容量の上限を設定すると,ユーザは上限の容量までしかファイルを登録できません。また,フォルダの使用済み容量が表示されるようになります。

フォルダごとの使用状況を確認することで,ファイルが登録され過ぎてデータベースの容量が圧迫されたり,特定のユーザにだけ偏ってフォルダを使用されたりすることが防げます。

例えば,フォルダ管理者が定期的にフォルダの使用済み容量を確認する運用にすれば,データベース容量の管理に役立ちます。

なお,容量制限の対象になるのは一般文書および一般文書の更新履歴です。ただし,PDF形式に変換された文書のPDFファイルは対象になりません。

図1-10 フォルダの使用量の制限

[図データ]

(9) 文書をストレージシステムにアーカイブできます

DocumentBroker Standard GUIでは,ストレージシステムであるHitachi Content Archive Platformに文書をアーカイブできます。Hitachi Content Archive Platformはデータの改ざんを防止する機能を持つため,文書を長期間保管する必要がある場合などは,アーカイブしておくことで文書を安全に保管できます。

また,ストレージシステムにアーカイブした文書は,アーカイブされているかどうかを意識することなく,DocumentBroker Standard GUIで参照したり,ダウンロードしたりできます。

文書のアーカイブはシステム管理者が実施します。文書のアーカイブの流れを次に示します。

図1-11 文書のアーカイブの流れ

[図データ]

  1. DocumentBroker Standard GUIのGUI画面で,アーカイブする文書が登録されているフォルダに対して,アーカイブの指示を実行します。
    DocumentBrokerサーバのリファレンスファイル管理機能を使用してアーカイブするため,アーカイブを指示することをリファレンスファイル文書化指示といいます。
  2. DocumentBroker Standard GUIのコマンドを実行します。
    文書がストレージシステムにアーカイブされます。

なお,アーカイブした文書に対して次の操作はできません。

ただし,文書の削除,および文書の更新履歴の削除は,ストレージシステムの設定によっては操作できます。

(10) 監査証跡ログを参照できます

フォルダや文書などに対するユーザの操作を記録した履歴を監査証跡ログといいます。DocumentBroker Standard GUIでは,操作を実行したユーザのIDや操作日時などの条件をGUI上で指定して,監査証跡ログを参照できます。監査証跡ログを参照することで,システムの使用状況や不正なアクセスがないかどうかを確認できます。

図1-12 監査証跡ログの参照

[図データ]

(11) 英語版のGUIを使用できます

DocumentBroker Standard GUIでは,英語版のGUIを使用できます。英語版のGUIでは,日本語版のGUIと同じ操作ができます。なお,英語版のGUIを使用していても,フォルダ名や文書名など,ユーザが設定する項目に日本語を使用している場合は,日本語で表示されます。

英語版のGUIを使用するかどうかは,システム管理者が設定できます。

図1-13 英語版のGUI画面

[図データ]