JP1/Cm2/Network Element Configuration 機能・構築ガイド

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1.5.1 VLANを管理する場合のシステム構成例

JP1/Cm2/NCを使用してVLANを管理する場合のシステム構成例について説明します。VLANの管理では,VLAN環境を構築するためにまずVLAN管理ドメインを設定します。「VLAN管理ドメイン」とは,複数のVLANをまとめて管理する単位です。VLANを管理する場合のシステム構成例を説明する前に,まずVLAN管理ドメインについて説明します。

<この項の構成>
(1) VLAN管理ドメイン
(2) 基本的な構成例
(3) 各拠点にアダプターサーバを配置した構成例
(4) 複数のVLAN管理ドメインを管理する場合の構成例

(1) VLAN管理ドメイン

VLANを管理するとき,同じVLAN-IDを共有し,相互接続された一つまたは複数のスイッチを単位に,複数のVLANをまとめて管理することがあります。JP1/Cm2/NCでは,この単位を「VLAN管理ドメイン」と呼びます。VLAN管理ドメインは,レイヤー2ネットワーク(ブロードキャストパケットが中継される範囲)です。一つのスイッチが所属できるVLAN管理ドメインは一つだけです。VLAN管理ドメインが異なると,同じVLAN-IDを持つVLANでも別々のVLANとして認識されます。JP1/Cm2/NCでは,1台のJP1/Cm2/NC - Managerで複数のVLAN管理ドメインを管理できます。

VLAN管理ドメインは,JP1/Cm2/NCのデフォルトで一つ用意されています。これをデフォルトドメインといいます。VLAN管理ドメインが一つしかない場合は,デフォルトドメインを使用することをお勧めします。

VLAN管理ドメインについて次の図に示します。

図1-4 VLAN管理ドメインが一つの場合

[図データ]

図1-5 VLAN管理ドメインが複数の場合

[図データ]

図1-4では,同じVLAN-IDを持つVLANが同じVLAN管理ドメインに所属しているので,同じVLANと認識されます。したがって,ブロードキャストパケットが中継されます。しかし,図1-5では,同じVLAN-IDを持つVLANが異なるVLAN管理ドメインに所属しているので,同じVLAN-IDを持つVLANでも異なるVLANと認識されます。したがって,ブロードキャストパケットは中継されません。

次に,JP1/Cm2/NCを使用してVLANを管理するシステム構成例を示します。

(2) 基本的な構成例

JP1/Cm2/NCを使用してVLANを管理する基本的なシステム構成例を次の図に示します。

図1-6 システム構成例(VLAN管理・基本)

[図データ]

図1-6では,JP1/Cm2/NCの基本構成どおり,管理端末,マネージャーサーバ,およびアダプターサーバを各1台ずつ使用してVLANを管理しています。アダプターサーバが1台でも負荷に問題がない場合に,この構成例を使用できます。

(3) 各拠点にアダプターサーバを配置した構成例

各拠点にアダプターサーバを配置したシステム構成例を次の図に示します。

図1-7 システム構成例(VLAN管理・各拠点にアダプターサーバを配置した場合)

[図データ]

図1-7では,各拠点にアダプターサーバを配置し,各拠点でスイッチの情報を収集および反映させています。拠点が複数ある場合,各拠点を単位にアダプターサーバを配置すると,各アダプターサーバの負担を軽減できます。

(4) 複数のVLAN管理ドメインを管理する場合の構成例

複数のVLAN管理ドメインを管理する場合の構成例を次の図に示します。

図1-8 システム構成例(VLAN管理・複数のVLAN管理ドメインを管理する場合)

[図データ]

図1-8では,VLAN管理ドメインを単位にアダプターサーバを配置し,各VLAN管理ドメインでスイッチの情報を収集および反映させています。複数のVLAN管理ドメインを管理する場合,VLAN管理ドメインを単位にアダプターサーバを配置するとVLANを管理しやすく,また各アダプターサーバの負荷を軽減できます。

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