JP1/NETM/DM Client(UNIX(R)用)

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6.8.2 動作環境設定用ファイルの設定項目

<この項の構成>
(1) メッセージの言語環境
(2) 1グループ当たりのパッケージ数
(3) システム構成の自動登録
(4) 処理結果送信の再試行回数
(5) 日時指定組み込み監視時間間隔
(6) ソケットによるTCP/IP通信常駐サーバ起動失敗時リトライ回数およびリトライ間隔
(7) 通信での無応答監視時間
(8) コンソール出力メッセージの抑止
(9) 保管庫へパッケージを保管時に,同一パッケージが保管済みの場合の「保管済み」をログ出力
(10) ソケットによるTCP/IP通信常駐サーバの機能停止を検出する時間
(11) すべての定期実行指令の実行
(12) 資源登録・収集時のパス名の制限の解除
(13) 他社ソフトウェアインストールログファイルのサイズ
(14) 送受信用ソケットバッファサイズの設定の解除
(15) 自システムのホスト名
(16) 自システムのIPアドレス
(17) ホスト識別子を使用してクライアントを管理
(18) システム構成と連動して指令を削除
(19) プロセスの監視時間間隔
(20) JP1/NETM/DMのシステム構成を使用してアドレス解決
(21) サーバ通知ファイルの送信タイミング
(22) システム変更時にインベントリ情報を上位システムへ通知
(23) ソフトウェア情報の他社ソフトウェアをファイルセット単位で通知
(24) システム構成の自動登録時にインベントリ情報を上位システムへ通知
(25) メッセージ通知ジョブによるメッセージの言語種別
(26) メッセージダイアログの起動間隔

(1) メッセージの言語環境

JP1/NETM/DM Clientが出力するメッセージの言語環境として,言語種別と時刻(タイムゾーン)を設定します。これらは,環境変数LANGおよびTZに設定します。設定例を次に示します。

LANG=ja_JP.SJIS
TZ=JST-9
export LANG TZ

なお,この項目はOSがLinux以外の場合,デフォルトで日本語環境が設定されています。OSがLinuxの場合は,デフォルトで英語環境が設定されています。デフォルトとは異なる環境に変更する場合に設定してください。また,syslogへのメッセージ出力は英語で出力され,出力する言語を変更することはできません。

(2) 1グループ当たりのパッケージ数

資源保管庫に格納できる1グループ当たりのパッケージ数は,環境変数MAXRSCに次のように設定します。

MAXRSC=グループ内のパッケージ数の上限

パッケージ数の上限は,256〜5,000個の範囲で指定します。MAXRSCで値を指定しない場合は,1グループ当たりのパッケージ数の最大値に256個が仮定されます。

(3) システム構成の自動登録

中継システムまたはエンドWSの場合,システム構成を自動登録するには,環境変数SYSCNSに次のように設定します。「export SYSCNS」などの記述は必要ありません。

SYSCNS=YES

サンプルファイルには「#SYSCNS=YES」と記述されているので,先頭の「#」を削除して設定値を有効にしてください。

なお,次のどれかに該当する場合,この項目の設定は不要です。どれにも該当しない場合は設定することを推奨します。

中継システム,配布先システムのセットアップ後に自動登録を設定すると,システム構成は配布管理システムに通知されません。この場合,システム構成を自動登録するには,次の作業を実行してください。

●中継システムの場合

中継システムの自動登録
  • HP-UX以外のとき
    rdssnd -q
    /NETMRDS/COM/rdskillsrv
    rm /NETMRDS/rdsprm/NS000000
    /NETMRDS/COM/rdsstart
    rdsft -a
  • HP-UXのとき
    /opt/NETMDMW/bin/rdssnd -q
    /opt/NETMDMW/lbin/rdskillsrv
    rm /var/opt/NETMDMW/rdsprm/NS000000
    /opt/NETMDMW/lbin/rdsstart
    /opt/NETMDMW/bin/rdsft -a

配布先システムの自動登録
配布管理システムから中継システムに対して「システム構成情報の収集指令」を実行します。

●エンドWSの場合
  • HP-UX以外のとき
    /NETMRDS/COM/rdssnde -q
    /NETMRDS/COM/rdskillsrv
    rm /NETMRDS/rdsprm/NS000000
    /NETMRDS/COM/rdsstart
    rdsft -a
  • HP-UXのとき
    /opt/NETMDMW/lbin/rdssnde -q
    /opt/NETMDMW/lbin/rdskillsrv
    rm /var/opt/NETMDMW/rdsprm/NS000000
    /opt/NETMDMW/lbin/rdsstart
    /opt/NETMDMW/bin/rdsft -a

(4) 処理結果送信の再試行回数

配布管理システムへの処理結果の送信に失敗したとき,送信を再試行する回数を設定します。処理結果送信の再試行回数は,次のように設定します。「export SNDCNT」などの記述は必要ありません。なお,設定ファイルのWorkstationTypeに「CLIENT」を設定している場合,この項目は設定しないでください。

SNDCNT=処理結果送信の再試行回数

再試行回数は,0〜9の範囲で指定します。指定を省略すると,送信が完了するまで再試行します。送信の再試行は,エンドWSの場合は1分間隔,それ以外の場合はJP1/NETM/DM Clientの設定ファイルのWatchTimeofStatusに指定した時間間隔で実施します。

再試行回数を超えると,KDDM0541-Wメッセージをsyslog,および基本機能のMAIN.LOGFログファイルに出力します。要因を取り除いたあと,以下のどちらかを実行してください。その場合の再試行も,1分間隔,またはJP1/NETM/DM Clientの設定ファイルのWatchTimeofStatusに指定した時間間隔で実施します。値に2以上を指定すると,試行回数となります。

配布管理システムからの処置
中継システムまたはエンドWSに対して指令を実行します。

中継システムまたはエンドWSでの処置
  • HP-UX以外の場合
    rdsft -a〔-hホストファイル名またはホスト名〕
  • HP-UXの場合
    /opt/NETMDMW/bin/rdsft -a〔-hホストファイル名またはホスト名〕

(5) 日時指定組み込み監視時間間隔

組み込み日時に達したパッケージを監視する時間間隔を,環境変数GFAUTOに次のように設定します。「export GFAUTO」などの記述は必要ありません。

GFAUTO=監視時間間隔

監視時間間隔は,分単位で1〜32,757の範囲で指定してください。指定を省略すると,日時指定組み込みの監視は実行されません。

設定した値はシステムの再起動後に有効になります。監視時間間隔を長く設定すると,指定された組み込み日時と実際に組み込まれる日時の差が大きくなりますので,注意してください。

(6) ソケットによるTCP/IP通信常駐サーバ起動失敗時リトライ回数およびリトライ間隔

ソケットによるTCP/IP通信常駐サーバ起動失敗時リトライ回数,およびリトライ間隔を次のように指定します。

BINDRETRY=リトライ回数
BINDRETRYINTERVAL=リトライ間隔

リトライ回数は,1〜256回の範囲で指定します。値を省略した場合は,20が仮定されます。リトライ間隔は,1〜300秒の範囲で指定します。値を省略した場合は,60秒が仮定されます。

(7) 通信での無応答監視時間

中継システムとクライアントの通信中の時間を監視します。この監視時間は,次のように指定します。

COMWAT=監視時間

監視時間は,0〜2,147,483,647秒の範囲で指定します。値に0を指定すると,監視は行われません。値を省略した場合は,60秒が仮定されます。

(8) コンソール出力メッセージの抑止

JP1/NETM/DM Clientが標準出力へのメッセージ出力に失敗したときは,コンソールにメッセージを出力します。このメッセージを抑止するには,次のように指定します。

CONSOLEMSG=NO

サンプルファイルには「#CONSOLEMSG=NO」と記述されているので,先頭の「#」を削除して設定値を有効にしてください。「export CONSOLEMSG」などの記述は必要ありません。値を省略した場合は「YES」が仮定されます。

この設定が未設定の場合,コンソールロックによりJP1/NETM/DM Clientの処理が滞る場合があるため,設定しておくことを推奨します。

設定している場合にも,基本機能のメッセージログファイルやsyslogファイルにメッセージの内容は出力されます。

(9) 保管庫へパッケージを保管時に,同一パッケージが保管済みの場合の「保管済み」をログ出力

保管庫へパッケージを保管時に,同一パッケージが保管済みの場合は「保管済み」をログ出力するには,次のように指定します。

KPMSG=YES

設定値がひな形で提供されていますので,この行をコメントとしている先頭の「#」を削除し,設定値を有効にしてください。「export KPMSG」などの記述は必要ありません。値を省略した場合は「NO」が仮定されます。

(10) ソケットによるTCP/IP通信常駐サーバの機能停止を検出する時間

ソケットによるTCP/IP通信常駐サーバの機能停止を検出する時間を設定するには,次のように指定します。

SOCKETLOOP=検出時間

検出時間は300〜65,535秒の範囲で指定します。値を省略した場合は,300秒が仮定されます。

(11) すべての定期実行指令の実行

上位システムを変更した場合でも,元の上位システムから受信した定期実行指令は,そのまま配布先システムに残ります。その場合にも,現在の上位システムから受信した定期実行指令だけが実行されるよう,設定されています。

どの上位システムから受信したかに関係なく,すべての定期実行指令を実行させるには,次のように指定します。

REGULARJOB_NOSERVER_NOEXEC=NO

サンプルファイルには「#REGULARJOB_NOSERVER_NOEXEC=NO」と記述されているので,先頭の「#」を削除して設定値を有効にしてください。「export REGULARJOB_NOSERVER_NOEXEC」などの記述は必要ありません。値を省略した場合は「YES」が仮定され,設定ファイルのManagingHostで指定した上位システムの定期実行指令だけを実行します。

クライアントWSの上位中継システムがVersion 7i以前のWindows版JP1/NETM/DM SubManagerの場合は,この設定項目に「YES」を指定できません。

(12) 資源登録・収集時のパス名の制限の解除

デフォルトでは,次のパス名は資源登録および収集時に使用できません。

これらのパス名を使用できるようにするには,次のように指定します。

PROHIBITPATH=NO

サンプルファイルには「#PROHIBITPATH=NO」と記述されているので,先頭の「#」を削除して設定値を有効にしてください。「export PROHIBITPATH」などの記述は必要ありません。値を省略した場合は「YES」が仮定され,上記のパス名は資源登録および収集に使用できなくなります。

(13) 他社ソフトウェアインストールログファイルのサイズ

他社ソフトウェアを配布すると,インストール情報が他社ソフトウェアインストールログファイル(ISVSOFT.LOGF)に出力されます。このファイルのサイズは,次のように設定します。

MAXSIZE_ISV_LOGF=他社ソフトウェアインストールログファイルのサイズ

サイズは10,240〜2,097,152キロバイトの範囲で指定します。指定を省略すると,10,240キロバイトが仮定されます。

ISVSOFT.LOGFファイルのサイズが設定値を超えると,既存の情報はバックアップファイルISVSOFT.LOGF.bakに出力され,新しい情報がISVSOFT.LOGFに出力されます。

(14) 送受信用ソケットバッファサイズの設定の解除

JP1/NETM/DMでは,システム内の通信で使用する送信用と受信用のソケットバッファサイズをそれぞれ設定しています。送受信用ソケットバッファサイズの設定を解除するには,次のように指定します。

OSがAIXの場合,この設定は必ず設定してください。

設定の解除は,ご使用の環境で性能検証を実施して,性能劣化がないことを確認したあとで実施してください。

送受信用ソケットバッファサイズのデフォルト値は,32,768バイトが設定されています。設定を解除した場合は,OSのデフォルト値に従います。HP-UX以外のデフォルト値は,次のチューニングパラメータに該当します。

OS 用途 チューニングパラメータ
Solaris 送信用 tcp_xmit_hiwat
受信用 tcp_recv_hiwat
AIX 送信用 tcp_sendspace
受信用 tcp_recvspace
Linux 送信用 /proc/sys/net/core/wmem_default
受信用 /proc/sys/net/core/rmem_default

(15) 自システムのホスト名

システム構成の自動登録機能で通知する自システムのホスト名を,次のように指定します。

DMHOSTNAME=ホスト名

ホスト名には,アドレス解決できるホスト名を指定してください。ホスト名は,半角の英数字,ハイフン,アンダーバー,およびピリオドを用いた32文字以内の文字列で指定します。指定を省略した場合や指定値が不正の場合は,hostnameコマンドで求められるホスト名が仮定されます。

この設定は,実行中の指令がないことを確認してから変更してください。

(16) 自システムのIPアドレス

システム構成の自動登録機能で通知する自システムのIPアドレスを次のように指定します。

DMIPADDR=IPアドレス

IPアドレスには,通信可能なIPアドレスを指定してください。

指定を省略したときは,次のように処理されます。

この設定は,実行中の指令がないことを確認してから変更してください。

(17) ホスト識別子を使用してクライアントを管理

Windows版JP1/NETM/DM Managerでホスト識別子を使用する設定にした環境では,クライアントのホスト名,IPアドレスが重複しても,ホスト識別子を使用してジョブを中継できます。ホスト識別子を使用してジョブを中継するには,次のように指定します。

CLIENT_KEY=HOSTID

指定を省略すると,08-10より前のバージョンのJP1/NETM/DM SubManagerと同様に,クライアントのホスト名,IPアドレスが重複しない環境を前提として,ホスト名またはIPアドレスを使用してジョブを中継します。新規にJP1/NETM/DM Clientを導入する場合は,この項目を設定してください。既存環境でホスト識別子を使用する設定にした場合は,必ずrdssysmigコマンドを実行して,中継システム上のシステム構成を移行してください。

この設定は,実行中の指令がないことを確認してから変更してください。

(18) システム構成と連動して指令を削除

システム構成からクライアントを削除するときに,中継システムにある削除対象のクライアントあての指令を削除できます。削除対象のクライアントあての指令を削除するには,次のように指定します。

CLIENT_CMD=DELETE

指定を省略すると,削除対象のクライアントあての指令を削除しません。

(19) プロセスの監視時間間隔

rdsregularプロセスの生存確認を行う時間間隔を次のように指定します。

PROCESSCHKINTERVAL=監視時間間隔

監視時間間隔は,秒単位で0〜65,535の範囲で指定します。0を指定すると,rdsregularプロセスの監視は行われません。値を省略した場合は,10秒が仮定されます。監視間隔には,10秒の誤差があります。

(20) JP1/NETM/DMのシステム構成を使用してアドレス解決

下位システム起動時に,JP1/NETM/DMのシステム構成を使用してアドレス解決するには,次のように指定します。この場合,OSによるアドレス解決は行いません。

RESOLVE_BY_SYSCNS=YES

指定を省略すると,OSによりアドレス解決します。この場合,JP1/NETM/DMのシステム構成によるアドレス解決は行いません。

(21) サーバ通知ファイルの送信タイミング

下位システムから通知ファイルを受信した時点で,上位システムに送信するには,次のように指定します。指令の実行結果をすぐに確認したい場合に指定してください。

SEND_RESULT=IMMEDIATE

指定を省略した場合や,本指定による送信に失敗した場合は,設定ファイルのWatchTimeofStatusに指定した時間間隔で定期送信します。

(22) システム変更時にインベントリ情報を上位システムへ通知

システムの変更を検知し,システム情報およびソフトウェア情報を上位システムに自動通知するには,次のように指定します。

REALTIME_INVENTORY=YES

指定を省略した場合は「NO」が仮定され,システムの変更を検知しません。

この指定を「YES」にする場合は,あわせて次の指定をする必要があります。

(23) ソフトウェア情報の他社ソフトウェアをファイルセット単位で通知

AIXで,ソフトウェア情報の他社ソフトウェアをファイルセット単位で通知するには,次のように指定します。

FILESET_MANAGEMENT=YES

指定を省略した場合は「NO」が仮定され,パッケージ単位で通知します。この指定は,AIXの場合だけ有効です。

この指定を変更すると,ファイルセットとパッケージの情報が混在します。混在させたくない場合は,配布管理システム上のソフトウェア情報を削除してから,設定を変更してください。

(24) システム構成の自動登録時にインベントリ情報を上位システムへ通知

システム構成を自動登録する際,システム情報およびソフトウェア情報も上位システムに通知するには,次のように指定します。

INVENTORY_UPLOAD=YES

指定を省略した場合は「NO」が仮定され,システム情報およびソフトウェア情報を通知しません。また,REALTIME_INVENTORYが「YES」の場合,この指定は無視されます。

この指定を「YES」にする場合は,あわせて次の指定をする必要があります。

(25) メッセージ通知ジョブによるメッセージの言語種別

メッセージ通知ジョブで配布されたメッセージの言語種別を,次のように指定します。

MSG_REPORT_LANG=ja_JP.UTF-8

指定を省略した場合は,OSの定義ファイルの環境変数LANGの値が仮定されます。

この指定は,Linuxの場合だけ有効です。

(26) メッセージダイアログの起動間隔

メッセージ通知ジョブで配布されたメッセージを表示するメッセージダイアログの起動間隔を,次のように指定します。

MSG_DISPLAY_INTERVAL=メッセージダイアログの起動間隔

起動間隔は,秒単位で0〜2,147,483,647の範囲で指定します。値を省略した場合は,5秒が仮定されます。

この指定は,Linuxの場合だけ有効です。

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