JP1/NETM/DM Client(UNIX(R)用)
パッケージングの方法には,コマンドを使用する方法と,GUIを使用する方法があります。
- コマンドでソフトウェアを登録する方法
- 登録するソフトウェアの名称や配布時の組み込み方法などの属性情報(資源属性)を指定したファイル(登録ファイル)を作成して登録します。
- また,登録する対象が共用資源の場合は,Windowsマシンへのソフトウェア組み込み手順を記述したインストールスクリプトファイルをあらかじめ作成しておき,登録する必要があります。インストールスクリプトファイルは,配布管理システムでも作成または編集できます。配布管理システムでインストールスクリプトファイルを作成する場合は,パッケージング時に作成する必要はありません。
- 日立プログラムプロダクト,および登録元と同じOSのマシンに配布するユーザデータ・ユーザプログラムを登録する場合は,rdsftコマンドを使用します。他社ソフトウェア,OSパッチ,および登録元と異なるOSのマシンに配布するユーザデータ・ユーザプログラムを登録する場合は,rdscmコマンドを使用します。登録元と同じOSのマシンに配布するユーザデータ・ユーザプログラムを,rdscmコマンドで登録することもできます。
- 日立プログラムプロダクトおよび他社ソフトウェアは,登録元と同じOSのマシンにだけ配布できます。
- GUIでソフトウェアを登録する方法
- GUI操作だけでソフトウェアを登録できます。ただし,共用資源として登録するかどうかは選択できません。ユーザデータおよびユーザプログラムは,共用資源として登録されます。
この項は,コマンドを使用してソフトウェアを登録する手順について説明します。GUIを使用したパッケージングの操作については,「第3編 11. 資源登録GUIの操作」を参照してください。
- <この項の構成>
- (1) 日立プログラムプロダクトの登録
- (2) 他社ソフトウェアの登録
- (3) ユーザデータおよびユーザプログラムの登録
日立プログラムプロダクトを登録する方法について説明します。
(a) 登録方法
日立プログラムプロダクトはrdsftコマンドで登録します。
より詳細な条件で登録したい場合は,事前に登録ファイルに記述しておき,コマンドオプションにその登録ファイルの名称を指定します。登録ファイルの作成方法は,「2.2.4(1) 登録ファイルの作成」を参照してください。また,一部の項目は,基本機能の設定ファイルでデフォルト値を設定できます。
各項目の指定可否を表2-1に示します。重複して指定した項目は,rdsftコマンド,登録ファイル,設定ファイルの順に指定内容が優先されます。
表2-1 日立プログラムプロダクトを登録する場合に指定する項目
項目指定方法
省略時の仮定値rdsftコマンド 登録ファイル 設定ファイル -kパスワード ○ − − −※1 -Cスペシャルファイル名※2 ○ − − − -sまたは-S登録PP形名※2 ○ − − − グループ名1※2 ○ ○ − − -mマネージングホスト名 ○ − − −※3 -Q ○ − − −※4 ホストファイル名 ○ ○ − 設定ファイルの値 登録ファイル名 ○ − − − PPName※5 − ○ − − APafterGeneration − ○ − − APWatchTimer − ○ − 300秒 InstallTiming − ○ − EXECUTE Compress − ○ ○ NO LifeofResource − ○ ○ 1日 Recover − ○ − NO BackupDataKeep − ○ − 0日
- (凡例)
- ○:指定できる。
- −:指定できない,または該当しない。
- 注※1
- パスワードの入力を要求されます。
- 注※2
- 必ず指定してください。
- 注※3
- -mマネージングホスト名は,中継システムを2台以上経由して登録する場合は,配布管理システムに直結の中継システムのホスト名を指定します。エンドWS,配布管理システムに直結の中継システムおよびこの中継システムに接続しているUNIXマシンから登録する場合は指定する必要はありません。
- 注※4
- ユーザからの応答待ちになります。
- 注※5
- rdsftコマンドで-sを指定する場合は,必ず指定してください。
また,システムで標準提供していないスペシャルファイルを使って日立プログラムプロダクトを登録するときは,そのスペシャルファイルをスペシャルファイル定義ファイルに定義する必要があります。スペシャルファイル定義ファイルの作成については,「2.2.4(3) スペシャルファイル定義ファイルの作成」を参照してください。
(b) 登録時の注意
登録コマンド(rdsftコマンド)実行後はパッケージングを中止できません。確実にソフトウェアを登録するには,登録ファイル作成後にrdslstコマンドを実行して,指定した日立プログラムプロダクトを確認してください。
また,rdslstコマンドでは,媒体に格納されている日立プログラムプロダクトを確認できます。例えば,CD-ROMの中には使用契約をしていない日立プログラムプロダクトが格納されている可能性も考えられるので,登録前にrdslstコマンドで格納されている日立プログラムプロダクトを確認してください。rdslstコマンドは,アンマウントした状態で実行してください。また,パッケージングもCD-ROMをアンマウントした状態で実行してください。
配布できる他社ソフトウェアの形式と,他社ソフトウェアを登録する方法について説明します。
(a) 配布できる他社ソフトウェアの形式
JP1/NETM/DMで配布できる他社ソフトウェアの形式を表2-2に示します。
表2-2 配布できる他社ソフトウェアの形式
OS ソフトウェアの形式 ソフトウェアの形式の例 HP-UX swinstallコマンドの-sオプションで指定できるファイル形式 depot Solaris pkgaddコマンドの-dオプションで指定できるファイル形式 Solarisパッケージ形式 AIX geninstallコマンドの-dオプションで指定できるファイル形式 bff Linux rpmコマンドで指定できるファイル形式 rpm OSのコマンドで指定できれば,ディレクトリも指定できます。
なお,次に示す他社ソフトウェアは配布できません。
- OSの動作モードの一つである,シングルユーザモードでのインストールが前提の他社ソフトウェア
- インストール時にOSの再起動が必要な他社ソフトウェア
(b) 登録方法
他社ソフトウェアは,rdscmコマンドの-ISVSOFTオプションを指定して登録します。登録前に,必要に応じて次のファイルを作成してください。
- 登録ファイルの作成
- 資源名やグループ名などの属性はコマンドオプションで指定できますが,より詳細な属性を指定するときは,登録ファイルを作成します。登録ファイルの作成方法については,「2.2.4(1) 登録ファイルの作成」を参照してください。
- レスポンスファイルの作成
- インストール時にユーザ応答が必要な他社ソフトウェアを配布する場合は,パッケージング時にレスポンスファイルを指定する必要があります。ユーザ応答を記述しているファイルを,レスポンスファイルまたは応答ファイルと呼びます。
- レスポンスファイルは,HP-UXおよびSolarisの場合だけ指定できます。それぞれ,次のコマンドを使用してレスポンスファイルを作成しておいてください。
- HP-UXの場合:swask -c
- Solarisの場合:pkgask -r
- レスポンスファイルについての詳細は,各OSのマニュアルを参照してください。
- インストール管理ファイルの作成
- Solaris版の他社ソフトウェアを配布する場合は,パッケージング時にインストール管理ファイルを指定します。インストール管理ファイルとは,インストール時に必要な情報を記述したファイルで,例えば強制的に配布するといった指定ができます。
- インストール管理ファイルの作成については,OSのマニュアルを参照してください。
他社ソフトウェアを登録する際に,コマンドオプションまたは登録ファイルで指定できる項目を表2-3に示します。一部の項目は,基本機能の設定ファイルでデフォルト値を設定できます。重複して指定した項目は,コマンド,登録ファイル,設定ファイルの順に指定内容が優先されます。
項目指定方法
省略時の仮定値rdscmコマンド 登録ファイル 設定ファイル -ISVSOFT※1 ○ − − − -kパスワード ○ − − −※2 -dユーザ資源パス※1 ○ − − − グループ名※1 ○ ○ − − 資源名 ○ ○ − 自動生成 プログラム名 ○ ○ − 空白文字※3 バージョン/リビジョン ○ ○ − 000000※3 世代番号 ○ ○ − 0000 ホストファイル名 ○ ○ ○ 設定ファイルの値 -mマネージングホスト名 ○ − − −※4 -Q ○ − − −※5 登録ファイル名 ○ − − − -Nサービス名 ○ − − − -REBOOT ○ − − − -ISVRESレスポンスファイル名※6 ○ − − − -ISVADMインストール管理ファイル名※7 ○ − − pkgaddコマンドが規定するパス UserName − ○ − 空白文字 Compress − ○ ○ 設定ファイルの値 APbeforeGeneration − ○ − − APafterGeneration − ○ − − APWatchTimer − ○ − 300秒 LifeofResource − ○ ○ 設定ファイルの値 InstallTiming − ○ − EXECUTE Recover※8 − ○ − NO Encode − ○ ○ 設定ファイルの値
- (凡例)
- ○:指定できる。
- −:指定できない,または該当しない。
- 注※1
- 必ず指定してください。
- 注※2
- パスワードの入力を要求されます。
- 注※3
- 資源名を省略した場合は,自動生成されます。
- 注※4
- 中継システムを2台以上経由して登録する場合は,配布管理システムに直結の中継システムのホスト名を指定します。エンドWS,配布管理システムに直結の中継システム,およびこの中継システムに接続しているUNIXマシンから登録する場合は指定する必要はありません。
- 注※5
- ユーザからの応答待ちになります。
- 注※6
- HP-UXおよびSolaris版の他社ソフトウェアの場合だけ指定できます。
- 注※7
- Solaris版の他社ソフトウェアの場合だけ指定できます。
- 注※8
- HP-UX版の他社ソフトウェアの場合だけ指定できます。
他社ソフトウェアを登録するとき,資源名を省略すると,ソフトウェア情報を取得するOSのコマンドが実行され,資源名が自動生成されます。また,資源名の省略時に,プログラム名およびバージョン/リビジョンも省略した場合,プログラム名およびバージョン/リビジョンも自動生成されます。
ソフトウェア情報を取得するOSのコマンドは,表2-4に示すディレクトリに格納しておく必要があります。
OS コマンド コマンドが存在するディレクトリ HP-UX swlist /usr/sbin Solaris pkginfo /bin AIX geninstall /usr/sbin Linux rpm /bin 資源名,プログラム名,およびバージョン/リビジョンは,OSのコマンドで取得したソフトウェアの簡易名称,ソフトウェアの詳細名称,およびバージョンの情報で自動生成されます。その際,次の規則に基づいて変換されます。
- 資源名
- 先頭に「WUA-」が付加されます。
- 「.」(ピリオド)および「_」(アンダーバー)は「-」(ハイフン)に変換されます。
- 英小文字は英大文字に変換されます。
- 44文字を超える場合,42文字を超える部分は削除され,末尾に「--」が付加されます。
- プログラム名
- 「.」(ピリオド)および「_」(アンダーバー)は「-」(ハイフン)に変換されます。
- 英小文字は英大文字に変換されます。
- 50文字を超える場合,48文字を超える部分は削除され,末尾に「--」が付加されます。
- バージョン/リビジョン
- ピリオドは削除されます。
- 7文字以下の場合は,7文字になるまで0で埋められます。
- 7文字を超える部分は削除されます。
(a) 登録方法
ユーザデータおよびユーザプログラムは,rdsftコマンドで登録します。共用資源は,rdscmコマンドで登録します。また,登録前に,必要に応じて次のファイルを作成してください。
- 登録ファイルの作成
- 資源名やグループ名などの属性はコマンドオプションで指定できますが,より詳細な属性を指定するときは,登録ファイルを作成します。登録ファイルの作成方法については,「2.2.4(1) 登録ファイルの作成」を参照してください。
- ユーザ資源パス記述ファイルの作成
- ユーザデータおよびユーザプログラムを登録するソフトウェアの,ディレクトリやファイルをユーザ資源パスといいます。異なるディレクトリにあるソフトウェアをまとめて一つのソフトウェアとして登録する場合は,ユーザ資源パスをユーザ資源パス記述ファイルに指定しておきます。ユーザ資源パス記述ファイルの作成については,「2.2.4(2) ユーザ資源パス記述ファイルの作成」を参照してください。
- インストールスクリプトファイルの作成
- 共用資源を登録するときは,インストールスクリプトファイルを作成しておきます。インストールスクリプトファイルの作成については,「2.2.4(4) インストールスクリプトファイルの作成」を参照してください。
ユーザデータおよびユーザプログラムを登録する際に,コマンドオプションまたは登録ファイルで指定できる項目を表2-5に示します。また,一部の項目は,基本機能の設定ファイルでデフォルト値を設定できます。重複して指定した項目は,コマンド,登録ファイル,設定ファイルの順に指定内容が優先されます。
表2-5 ユーザデータ,ユーザプログラムを登録する場合に指定する項目
項目指定方法
Windowsマシン配布時の指定項目の引き継ぎ
省略時の仮定値rdsftまたはrdscmコマンド 登録ファイル 設定ファイル -kパスワード ◎ − − − パスワード入力を要求される -dユーザ資源パス,または-Dユーザ資源パス記述ファイル名 ◎ − − − /NETMRDS/UPUPL/hd下のディレクトリ※1 グループ名※2 ◎ ◎ − ○ − 資源名※2 ◎ ◎ − ○ − プログラム名 ◎ ◎ − ○ 空白文字 -mマネージングホスト名 ◎ − − − −※3 -Lインストールモード※4 ◎ − − ○ B -Q ◎ − − − ユーザからの応答待ちが発生 -Pインストールスクリプトファイル名※4 ◎ − − − インストールスクリプトファイルは登録されない ホストファイル名 ◎ ◎ − − 設定ファイルの値 登録ファイル名 ◎ − − − /NETMRDS/UPUPL/AC000000※5 バージョン/リビジョン ◎ ◎ − ○ 000000 前提バージョン/リビジョン ◎ ◎ − × 空白文字 世代番号 ◎ ◎ − ○ 0000 所有者名 − ◎ − × 空白文字 Generator − ◎ − × STANDARD APbeforeGeneration − ◎ − × − APafterGeneration − ◎ − × − APWatchTimer − ◎ − × 300秒 Comments − ◎ − × 空白文字 InstallDirectory − ◎ − × /(ルートディレクトリ) OwnerofInstallDirectory − ◎ − × ユーザ番号 0 GroupofInstallDirectory − ◎ − × グループ番号 3 ModeofInstallDirectory − ◎ − × 755 InstallTiming − ◎ − ○※6 EXECUTE Compress − ◎ ◎ × NO LifeofResource − ◎ ◎ ○ 1日 Recover − ◎ − × NO BackupDataKeep − ◎ − × 0日 UAPBackupList − ◎ − × 配布されたパッケージと同一名称のファイル※7 Encode − ◎ ◎ − NO
- (凡例)
- ◎:指定できる。
- −:指定しない,該当しない,または登録時だけに使われる値。
- ○:Windowsマシンに引き継がれる。
- ×:Windowsマシンには引き継がれない。
- 注※1
- HP-UXの場合は/var/opt/NETMDMW/UPUPL/hd下です。
- 注※2
- 必ず指定します。
- 注※3
- 中継システムを2台以上経由して登録する場合は,配布管理システムに直結の中継システムのホスト名を指定します。エンドWS,配布管理システムに直結の中継システムおよびこの中継システムに接続しているUNIXマシンから登録する場合は指定する必要はありません。
- 注※4
- rdscmコマンドで指定します。
- 注※5
- 登録ファイル名,ユーザ資源パスおよびユーザ資源パス記述ファイルの指定を省略すると仮定されます。HP-UXの場合は/var/opt/NETMDMW/UPUPL/AC000000です。
- 注※6
- Windowsの配布先システムでは,システム停止時の組み込みは実行されません。
- 注※7
- 上書きされるファイルおよびディレクトリのバックアップが取得されます。
配布先システムに共用資源を引き継ぐ場合,次に示すファイル属性を引き継げます。
- ファイル名
- ファイルの更新日時
- ファイルを所有するユーザ名
- ファイルを所有するグループ名
- ファイルを所有するユーザのアクセス権限(読み取り,書き込みおよび実行)
- ファイルを所有するグループのアクセス権限(読み取り,書き込みおよび実行)
- その他ユーザおよびグループのアクセス権限(読み取り,書き込みおよび実行)
資源登録システムと配布先システムのディレクトリ構成を図2-2に示します。
図2-2 資源登録システムと配布先システムのディレクトリの構成
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