JP1/NETM/DM 運用ガイド2 (Windows(R)用)

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付録F.3 EURを使った帳票の作成方法

帳票は,JP1/NETM/DM Managerの[CSV出力ユティリティ]またはCSV出力コマンドが出力したCSV形式ファイルを,EURが提供する帳票定義ファイル(*.fms)に入力して作成します。帳票を作成するためには大きく分けて次の作業を実施する必要があります。

次にJP1/NETM/DMのCSV出力ユティリティを使ったCSV形式ファイルの作成方法を示します。

JP1/NETM/DMのdcmcsvuコマンドを使ったCSV形式ファイルの作成方法については,「4.5 dcmcsvu.exe(CSV出力)」を参照してください。

<この項の構成>
(1) CSV出力ユティリティでのCSV形式ファイルの出力
(2) EURによる帳票の作成

(1) CSV出力ユティリティでのCSV形式ファイルの出力

JP1/NETM/DMのCSV出力ユティリティを使って出力したい帳票に対応したテンプレートと項目を指定して,CSV形式ファイルを作成します。

注意
UnicodeのCSV形式ファイルを作成した場合は,このファイルに対してBOM(Byte Order Mark)を追加してください。
UnicodeのCSV形式ファイルにBOMを追加するスクリプトの例を次に示します。
Dim inFileName
inFileName = "instld_pkg.csv" '入力ファイル名
Dim outFileName
outFileName = "BOM_" + inFileName '出力ファイル名
 
Dim strm
Set strm = CreateObject("ADODB.Stream")
strm.type = 2
strm.charset = "utf-8"
strm.open
strm.LoadFromFile inFileName
strm.SaveToFile outFileName
strm.Close
このスクリプト例では,JP1/NETM/DMが出力したUnicodeのCSV形式ファイル(instld_pkg.csv)を入力ファイルとし,BOMを追加したUnicodeのCSV形式ファイル(BOM_instld_pkg.csv)を出力します。

CSV出力ユティリティの使用方法を次に示します。

(a) テンプレートの設定

Windowsの[スタート]メニューから[プログラム]−[JP1_NETM_DM Manager]グループの[CSV出力ユティリティ]アイコンをクリックすると,[テンプレートの設定]ダイアログボックスが表示されます。

図F-2 [テンプレートの設定]ダイアログボックス

[図データ]

このダイアログボックスの[テンプレート名称]に,作成したい帳票に対応するCSV出力ユティリティのテンプレートの名称を選択してください。

(b) 出力情報の設定

ファイルに出力する項目を設定します。このダイアログボックスは,テンプレートに「システム情報」または「インストール済みパッケージ情報」を選択した場合に表示されます。

図F-3 [出力情報の設定]ダイアログボックス

[図データ]

このダイアログボックスの[項目]で,各帳票に必要な項目にチェックし,不要な項目のチェックを外してください。

なお,「システム情報」を選択して,かつ次の帳票定義ファイルを作成する場合,ファイルに出力する項目のうち,「ディスク詳細情報」のチェックは必ず外してください。

(c) 出力項目の条件設定

ファイルに出力する情報の出力条件を設定します。このダイアログボックスは,テンプレートに「システム情報」または「インストール済みパッケージ情報」を選択した場合に表示されます。

図F-4 [出力項目の条件設定]ダイアログボックス

[図データ]

(d) ホストの出力範囲の設定

特定のあて先グループ,IDまたはシステム構成に属するホストだけを出力対象にする場合に設定します。このダイアログボックスは,テンプレートに「システム情報」,「インストール済みパッケージ情報」,「ソフトウェアインベントリ」を選択した場合に表示されます。

図F-5 [ホストの出力範囲の設定]ダイアログボックス

[図データ]

一度に多くのホストの情報を出力すると,出力に時間が掛かり,管理も複雑になります。このため,出力範囲は300件程度に絞り込んでください。

(e) CSV形式ファイルの出力

出力するファイルの名称を設定します。

図F-6 [出力ファイルの設定]ダイアログボックス

[図データ]

名称を設定して[完了]ボタンをクリックすると,CSV形式ファイルが作成されます。作成したCSV形式ファイルを使って,EURで帳票を作成します。

(2) EURによる帳票の作成

EURを使った帳票の作成方法には,次の種類があります。

次に,それぞれについて説明します。

(a) EUR Viewerによる帳票の表示と印刷方法

EUR Viewerは,JP1/NETM/DMのCSV出力ユティリティで作成したCSV形式ファイルを呼び出して帳票形式に表示し,印刷するプログラムです。

次にEUR Viewerによる帳票の表示と印刷方法を示します。

  1. EUR Viewerのapgrptコマンドで使用する「オプション記述ファイル」を作成する。
    apgrptコマンドと「オプション記述ファイル」の詳細については,マニュアル「帳票作成機能 EUR EUR 帳票出力」を参照してください。
  2. テキストエディタを起動して,[Hitachi EUR]セクションの[MappingDataFile]エントリに作成したCSV形式ファイルのファイルパスを記述して,適当なフォルダに保存する。
    「オプション記述ファイル」の記述例を次に示します。
    [Hitachi EUR]
    MappingDataFile="c:\temp\SystemInfo.csv"
  3. EUR Viewerのインストール先フォルダ下のPROGRAMフォルダのapgrptコマンド(apgrpt.exe)を実行して帳票を表示する。
  4. 帳票に対応した帳票定義ファイル(*.fms)のパス,/lオプションに「view」と,/kオプションに手順1.で作成した「オプション記述ファイル」のパスを指定して実行する。
    apgrptコマンドの実行例を次に示します。
    > apgrpt.exe c:\forms\SystemInfo.fms /l view /k c:\temp\option.ini
    apgrptコマンドを実行したEUR Viewerに帳票が表示されます。

表示した帳票を印刷するには,EUR Viewerの[ファイル]メニューから[印刷]を選択して[印刷]ダイアログボックスから実行します。また,apgrptコマンドの/lオプションに「print」を指定し,/pオプションにプリンタ名を指定すると,プリンタに直接印刷することもできます。

(b) EUR Professional Editionによる帳票の表示と印刷方法

EUR Professional Edition は,帳票を設計し,帳票の表示および出力もできるプログラムです。

次にEUR Professional Editionを使って帳票を表示して印刷する方法について示します。

  1. EUR Professional Editionを起動して,[ファイル]メニューから[開く]を選択する。
  2. [ファイルを開く]ダイアログボックスの「ファイルの種類」の「フォームシートファイル(*.fms)」を選択して,帳票に対応した帳票定義ファイル(*.fms)を開く。
  3. [表示]メニューから[マッピングデータウィンドウ]を選択する。
    [マッピングデータ]ウィンドウがアクティブになります。
  4. [データ]メニューから[データファイル指定]を選択し,[データファイルの指定]ダイアログボックスからJP1/NETM/DMで作成したCSV形式ファイルを開く。
    このとき,[データのプロパティ]ダイアログボックスの[区切り情報]パネルで,「1行目のデータをフィールド名として扱う」がチェックされていることを確認してください。また,データウィンドウのフィールド定義で,フィールド名の変更やフィールド属性などを設定してください。

EUR Professional Editionに帳票が表示されたら,[ファイル]メニューの[印刷]を選択して,表示された[印刷]ダイアログボックスから帳票を印刷できます。

なお,EUR Professional Editionでは上記の方法以外に,「(a) EUR Viewerによる帳票の表示と印刷方法」と同様にapgrptコマンドで帳票を表示および印刷することもできます。

EUR Professional Editionによる帳票の表示と印刷方法の詳細については,マニュアル「帳票作成機能 EUR EUR 帳票設計」を参照してください。

(c) EUR Print Serviceによる帳票の印刷方法

EUR Print Serviceは,大量データの帳票を出力するためのプログラムです。帳票のデータ量(レコード件数)が増えてもメモリが増加することなく,大量の帳票を出力できます。

EUR Print Serviceを使って帳票を印刷する方法を次に示します。

  1. EUR Print Serviceのインストール先フォルダ下の「PROGRAM」フォルダのeurpsコマンド(eurps.exe)を実行して帳票を印刷する。
    /pオプションにプリンタ名を指定し,帳票に対応した帳票定義ファイル(*.fms)のパスと,JP1/NETM/DMで作成したCSV形式ファイルのパスをコンマ「,」で区切って指定し,実行してください。
    次にeurpsコマンドの実行例を示します。
    > eurps.exe /p printer c:\forms\SystemInfo.fms,c:\temp\SystemInfo.csv

EUR Print Serviceによる帳票の印刷方法の詳細については,マニュアル「帳票作成機能 EUR EUR Print Service 帳票出力」を参照してください。