JP1/NETM/DM 運用ガイド2 (Windows(R)用)

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付録C.8 Windows CE版JP1/NETM/DM Clientでのマルチポーリング

Windows CE版JP1/NETM/DM Clientにも,上位接続先に障害が発生した場合,あらかじめ登録しておいた別の中継システムへ接続し直す機能があります。この機能をマルチポーリングと呼びます。Windows CE版JP1/NETM/DM Clientでのマルチポーリングの概要を次の図に示します。

図C-9 Windows CE版JP1/NETM/DM Clientでのマルチポーリング

[図データ]

マルチポーリングの接続方式には次の2種類があります。

マルチポーリングでのWindows CE版JP1/NETM/DM Clientの動作を次の表に示します。

表C-10 マルチポーリングでのWindows CE版JP1/NETM/DM Clientの動作

設定 動作
マルチポーリングを使う ホットスタンバイ 復旧ポーリングの指定無し ポーリング対象システムからポーリングする。接続に失敗した場合,優先順位に従ってポーリングする。
復旧ポーリングの指定有り ポーリング対象システムからポーリングする。接続に失敗した場合,優先順位に従ってポーリングする。
ジョブ終了後,現在のポーリング対象システムより優先順位の高い接続先がある場合は,そのシステムへポーリングする。接続に成功した場合,ポーリング対象システムを変更する。
マルチホスト 設定されたすべての接続先へポーリングする。
マルチポーリングを使わない 一つの接続先だけへポーリングする。

次にそれぞれの方式について説明します。

<この項の構成>
(1) ホットスタンバイ
(2) マルチホスト
(3) マルチポーリング使用時のシステム構成の自動登録
(4) マルチポーリングの設定方法
(5) マルチポーリング環境での注意事項

(1) ホットスタンバイ

複数の上位接続先のうち,最も優先順位を高く設定した上位接続先を「ポーリング対象システム」と呼びます。

障害発生によってポーリング対象システムに接続できなくなった場合,優先順位の高い順の上位接続先へポーリングし,接続ができた経路の上位接続先が新しいポーリング対象システムとして設定されます。

Windows CE版JP1/NETM/DM Clientのクライアントは非常駐であるため,ジョブ実行処理後に,現在のポーリング対象システムより優先順位の高い上位接続先が存在する場合,順位設定に従ってポーリングし,接続できた接続先を新しいポーリング対象システムとして切り替えます。

このポーリング対象システムを切り替える機能はセットアップ情報ファイルの設定によって,使用するかどうかを設定できます。項目名称は,復旧ポーリング(RecoveryPolling)です。

(2) マルチホスト

設定されている複数の上位接続先のすべてに対してポーリングします。ポーリングの順序は設定された優先順位に従います。

(3) マルチポーリング使用時のシステム構成の自動登録

システム構成の自動登録は,ホットスタンバイおよびマルチホストのどちらの場合でも,最も優先順位の高い上位接続先に対してだけ有効になります。システム構成の自動登録が実行される契機を次に示します。

(4) マルチポーリングの設定方法

セットアップ情報ファイルで設定します。ポーリング方法の選択,複数の上位接続先の情報(接続先名称,接続先の種別,優先順位など)を設定できます。設定の詳細については,「付録C.5(6) セットアップ情報ファイルの設定方法」を参照してください。

接続できる上位接続先の最大数は,8台です。また,上位接続先の設定および上位接続先の種別の優先順位は,間に抜けがあっても無視されます。

(5) マルチポーリング環境での注意事項

マルチポーリング環境で運用する場合の注意事項を次に示します。