JP1/NETM/DM 運用ガイド2 (Windows(R)用)
6.7.4 Asset Information Manager Limitedのトラブルの主な要因と対処
(1) Asset Information Manager Limitedのデータベース作成時のトラブル
Asset Information Manager Limitedのデータベースの作成時に想定されるトラブルと,その主な要因および対処を次に示します。
(a) 「環境情報に設定した値が正しくありません。」といったメッセージが出力される
[サーバセットアップ]ダイアログでの設定が実行されていないおそれがあります。[サーバセットアップ]ダイアログで設定を実行してください。
(b) 「資産管理システムの初期データの作成に失敗しました。」といったメッセージが出力される
logフォルダに次のような内容のASTCIMn.LOGファイル,またはASTMESn.LOGファイルが出力されます。
- 「データソース名および指定された既定のドライバが見つかりません。」(Microsoft SQL ServerまたはEmbedded RDBの場合)
- 「サービス名を解決できませんでした。」(ORACLEの場合)
これは,[サーバセットアップ]ダイアログの「データベース情報」の「サービス名」が正しく設定されていないおそれがあります。
データベース接続の設定を確認してください。また,[サーバセットアップ]ダイアログの「サービス名」に次を指定してください。
- Microsoft SQL Serverの場合
データソースまたはネット・サービスの作成で指定したデータソース名
- Embedded RDBの場合
Asset Information Manager Limitedのデータベースを初回に作成したときにサーバセットアップで指定したサービス名
- ORACLEの場合
ネット・サービス名
(c) 「資産管理システムの初期データの作成に失敗しました。」といったメッセージが出力される
logフォルダに次のような内容のASTMESn.LOGファイルが出力されます。
- 「SQL Serverが存在しないか,アクセスが拒否されました。」(Microsoft SQL Serverの場合)
- 「リスナーがありません。」(ORACLEの場合)
次に示す内容を確認してください。
- データベース接続の設定時に作成したサービスが正しく作成されていないおそれがあります。
サービスが正しく作成されているか確認してください。また,テスト機能で接続を確認してください。
- DBMSが起動していないおそれがあります。
DBMSを起動してください。
(d) 「資産管理システムの初期データの作成に失敗しました。」といったメッセージが出力される
logフォルダに次のような内容のASTCIMn.LOGファイル,またはASTMESn.LOGファイルが出力されます。
- 「ユーザーxxxx※はログインできませんでした。」(Microsoft SQL Serverの場合)
注※ ユーザ名
- 「Invalid password for authorization identifier HiRDB」(Embedded RDBの場合)
- 「invalid username/password; logon denied」(ORACLEの場合)
これは,[サーバセットアップ]ダイアログの「データベース情報」の「ログインID」とパスワードが正しく設定されていないおそれがあります。[サーバセットアップ]ダイアログの「データベース情報」の「ログインID」とパスワードを正しく設定してください。
(e) 「すでにキーが存在したため追加できません。」といったメッセージが出力される
すでにデータベースが作成されているおそれがあります。
Asset Information Manager Limitedのデータベースの作成を一度実行したあとで再度実行した場合にこのメッセージが出力されますが,データベースに影響はありません。テーブルを再作成する場合は,テーブルおよびビューをすべて削除してから,Asset Information Manager Limitedのデータベースの作成を実行してください。
(f) エラーが発生して終了してしまう(Embedded RDBの場合)
データベース作成時に指定したEmbedded RDBの容量が満杯になっているおそれがあります。
Asset Information Manager Limitedをアンインストールしてから再度インストールしてください。インストールするディスクには,インストール時に設定したデータベース容量に加えて,Embedded RDBが自動的に割り当てる管理領域分の容量が必要です。管理領域の容量はリリースノートを参照してください。
(2) Asset Information Manager Limitedへのログイン時のトラブル
Asset Information Manager Limitedへのログイン時に想定されるトラブルと,その主な要因および対処を次に示します。
(a) ログイン画面が表示されない
- Asset Information Manager Limitedのインストール後にMicrosoft Internet Information Servicesをインストールしたおそれがあります。
Microsoft Internet Information Servicesのインストール後,再度Asset Information Manager Limitedをインストールしてください。
- World Wide Web Publishing ServiceまたはWorld Wide Web Publishingが起動していないおそれがあります。World Wide Web Publishing ServiceまたはWorld Wide Web Publishingが起動しているかどうかを確認してください。
- Microsoft Internet Explorerの設定で,「アクティブスクリプト」が「無効にする」になっているおそれがあります。インターネットオプションの「セキュリティ」タブで,[レベルのカスタマイズ]ボタンをクリックすると表示される[セキュリティの設定]ダイアログの「アクティブスクリプト」の設定を確認してください。
- Windows Server 2012,Windows Server 2008またはWindows Server 2003をAsset Information Managerのサーバとして使用している場合,Asset Information Manager Limitedをインストールすると作成されるjp1assetという名前のWebサービス拡張を誤って削除してしまったおそれがあります。jp1assetという名前のWebサービス拡張がないときは,再度作成してください。Webサービス拡張の作成方法については,「(4) Webサービス拡張「jp1asset」の再作成」を参照してください。
(b) 「サーバが起動中のためしばらくしてからログインしてください。」といったメッセージが出力され,しばらくしても同じ状態のままである
- DBMSに接続できないおそれがあります。DBMSの稼働状態を確認してください。
- 次の三つの要因が考えられます。
- Asset Information Manager Limitedのデータベースが作成されていない。
- Asset Information Manager Limitedのデータベースに接続できない。
- Microsoft SQL Serverの場合に,データソースを「ユーザDSN」で作成している。
Asset Information Manager Limitedのデータベースが作成されていることを確認してください。また,接続時に指定したユーザIDまたはパスワードが正しいかを確認してください。さらに,Microsoft SQL Serverの場合は,データソースを「システムDSN」で作成してください。
- Microsoft Internet Information Servicesの設定に誤りがあるおそれがあります。インターネットインフォメーションサービスマネージャから仮想ディレクトリの設定内容を確認してください。
(c) ログイン画面が表示されるが,ログインできない
- Asset Information Manager LimitedのサーバがAsset Information Manager Limitedのデータベースと接続できていないおそれがあります。データベースの接続に必要なデータソースまたはネット・サービスの作成については,マニュアル「構築ガイド」の「10.3.8 データソースまたはネット・サービスを作成する」を参照してください。
- Microsoft Internet Explorerの設定で,「セッションごとのCookieの使用許可」または「暗号化されていないフォームデータの送信」が,「無効にする」になっているおそれがあります。インターネットオプションで,「セッションごとのCookieの使用許可」または「暗号化されていないフォームデータの送信」の設定を確認してください。
- Embedded RDBの場合,Asset Information Manager Limitedのデータベースが作成されていないおそれがあります。
必ず,事前に[サーバセットアップ]ダイアログを起動して,「データベース情報」の「ログインID」と「パスワード」を入力して,[OK]ボタンをクリックしてください。ログインIDやサービス名は,予約語を避けてください。予約語はJP1/NETM/DM Managerのインストール先フォルダ\jp1assetに格納されているRESWORDS.TXTを参照してください。そのあとで,Asset Information Manager Limitedのデータベースを作成してください。
(d) ユーザ認証に失敗する
- DBMSに接続できないおそれがあります。DBMSの稼働状態を確認してください。
- ユーザIDおよびパスワードが登録されていないおそれがあります。ユーザIDおよびパスワードを登録してください。
- ユーザIDおよびパスワードの入力ミスのおそれがあります。正しいユーザIDおよびパスワードを入力してください。
(e) 「製品バージョンとデータベースバージョンが異なるため,ログインに失敗しました。」といったメッセージが出力される
Asset Information Manager Limitedのデータベースを移行していないおそれがあります。Asset Information Manager Limitedのデータベースをアップグレードしてください。
(f) 「利用ユーザ数の上限に達しました。」といったメッセージが出力される
Asset Information Manager Limitedを同時に利用できるログインユーザ数の上限を超えたおそれがあります。Asset Information Manager Limitedを利用していないユーザをログアウトさせるか,[サーバセットアップ]ダイアログの「セッション情報の設定」の「同時利用ログイン数」で設定した値を変更してください。
(3) Asset Information Manager Limited操作時のトラブル
Asset Information Manager Limitedにログインしたあとの操作中に想定されるトラブルと,その主な要因および対処を次に示します。
(a) 操作画面から[CSV]ボタンまたは[PDF]ボタンをクリックしても,何も出力されない
- Microsoft Internet Information Servicesのロックダウンツールを適用した場合,中間ファイルを作成するフォルダへのアクセス権が変更されているおそれがあります。
Asset Information Manager Limitedのサーバの仮想ディレクトリ\csvのアクセス権の設定を確認して,「Web Anonymous Users」に「書き込み」権限を与える設定にしてください。Asset Information Manager Limitedのサーバの仮想ディレクトリは,デフォルトではC:\Program Files\Hitachi\NETMDM\jp1asset\wwwrootです。
- Windows Server 2012,Windows Server 2008またはWindows Server 2003の場合,ダウンロードするファイルの拡張子が,MIME登録されていないおそれがあります。ダウンロードするファイルの拡張子をMIME登録してください。仮想ディレクトリの設定方法については,マニュアル「構築ガイド」の「10.4 仮想ディレクトリを設定する」を参照してください。
(b) 業務メニュー「ログ一覧」からファイル名のアンカーをクリックしても,何も出力されない
Windows Server 2012,Windows Server 2008またはWindows Server 2003の場合,拡張子「.log」がMIME登録されていないおそれがあります。再度,Microsoft Internet Information Servicesに,Asset Information Managerの仮想ディレクトリを設定してください。仮想ディレクトリの設定方法については,マニュアル「構築ガイド」の「10.4 仮想ディレクトリを設定する」を参照してください。
(4) Webサービス拡張「jp1asset」の再作成
Windows Server 2012,Windows Server 2008またはWindows Server 2003上でAsset Information Manager Limitedのサーバを運用する場合,Asset Information Managerをインストールすると,自動的にjp1assetという名前でWebサービス拡張が登録されます。誤ってこのWebサービス拡張を削除してしまった場合は,Webサービス拡張「jp1asset」を再作成したあと,アプリケーションプールを作成してください。アプリケーションプールの作成手順については,次に示す説明個所を参照してください。
- Microsoft Internet Information Services 6.0を使用する場合
マニュアル「構築ガイド」の「10.6.1(1) アプリケーションプールの作成」
- Microsoft Internet Information Services 7.0を使用する場合
マニュアル「構築ガイド」の「10.6.2(2) アプリケーションプールの作成」
Windows Server 2003の場合を例に,Webサービス拡張「jp1asset」の作成手順を次に示します。
- インターネットインフォメーションサービスマネージャを起動する。
- Asset Information Manager Limitedのサーバの「Webサービス拡張」を選択する。
- 「拡張」タブが選択されていることを確認して,「新しいWebサービス拡張を追加」を選択する。
[新しいWebサービス拡張]ダイアログが表示されます。
- 「拡張名」に任意の名称を指定する。
「拡張名」には,例えば「aim」のような名称を指定します。
- [追加]ボタンをクリックする。
[ファイルの追加]ダイアログが表示されます。
- [参照]ボタンをクリックすると表示されるダイアログで,ファイルを指定して,[開く]ボタンをクリックする。
Asset Information Manager Limitedのサーバの仮想ディレクトリに格納された次のファイルをすべて追加してください。
- jamwscript.dll
- bin\jamlogin.dll
- jamenter.dll
- jamfile.dll
- jamhtmlfile.dll
Asset Information Manager Limitedのサーバの仮想ディレクトリは,デフォルトではC:\Program Files\Hitachi\NETMDM\jp1asset\wwwrootです。
- 「拡張の状態を許可済みに設定する」のチェックボックスをチェックする。
- [OK]ボタンをクリックする。
[新しいWebサービス拡張]ダイアログが閉じて,「Webサービス拡張」一覧に,任意に指定した拡張名でWebサービスが追加されます。
Windows Server 2012,Windows Server 2008でのWebサービス拡張「jp1asset」の作成手順については,マニュアル「構築ガイド」の「10.6.2(4) ISAPIの制限の設定」を参照してください。
(5) 仮想ディレクトリの再設定
Microsoft Internet Information Servicesを再構築した場合,仮想ディレクトリを再設定する必要があります。仮想ディレクトリの設定方法については,マニュアル「構築ガイド」の「10.4 仮想ディレクトリを設定する」を参照してください。
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