JP1/NETM/DM 運用ガイド2 (Windows(R)用)

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6.4.1 ログファイルの確認

トラブルが発生した場合は,JP1/NETM/DM Client(クライアント)にログが取得されます。ログの内容を確認して対処してください。ログの内容はPCごとに確認できます。

JP1/NETM/DM Client(クライアント)に取得されるログは,次の5種類です。

Windows NTのイベントログは,Windows NTのイベントビューアから確認します。それ以外のログファイルは,JP1/NETM/DM Clientのインストール先ディレクトリ\LOG下に保存されますので,それらを確認する場合はテキストエディタを使用してください。

次に,各ログについて説明します。

<この項の構成>
(1) クライアントの基本ログ
(2) JP1/NETM/DM Client(クライアント)全体のログ
(3) インストールスクリプト関連のログ
(4) インストールスクリプトのLogFile関数出力のログ
(5) 接続先の自動変更関連のログ

(1) クライアントの基本ログ

クライアントの動作に関する基本的なログメッセージは,PCごとにUSER_CLT.LOGファイルに出力されます。クライアントの動作を確認する場合は,まずこのファイルを参照することをお勧めします。このファイルには,各処理の開始や終了についての簡単なメッセージが出力されます。処理が失敗した場合は,エラーの原因も出力されます。

USER_CLT.LOGファイルへの出力対象となる動作を次に示します。

ファイル形式の詳細とメッセージ内容については,「7.2 クライアントの基本ログメッセージ一覧」を参照してください。

(2) JP1/NETM/DM Client(クライアント)全体のログ

JP1/NETM/DM Client(クライアント)全体のログは,Windows NTのイベントログと,MAIN.LOGファイルに取得されます。

(a) Windows NTのイベントログを確認する

OSがWindows NTの場合,JP1/NETM/DM Client(クライアント)の使用中に取得されたイベントログは,イベントビューアを使って表示できます。イベントビューア中のソース欄に,「NETM/DM/P」と表示されるイベントを確認してください。イベントビューアの[ログ]メニューから[コンピュータの選択]を選ぶことで,Windows NTが動作しているほかのPCのイベントも確認できます。イベントビューアの詳しい操作方法については,Windows NTのマニュアルまたはヘルプを参照してください。

イベントビューアのイベント欄に表示される数字(イベントID)は,メッセージIDに相当します。数字の意味は,次のとおりです。

表6-15 イベントIDとその意味(JP1/NETM/DM Client(クライアント)の場合)

イベントID 内容
0〜 999 Windows NTとのインターフェース
1000〜 1999 TCP/IP関連
5000〜 5999 セットアップ関連
6000〜 6999 パッケージング関連
7000〜 7999 インストール関連
60000〜 ユーザ出力

また,イベントビューアのウィンドウで各イベントをダブルクリックすると,イベントごとの詳しい説明が表示されます。この説明は,Windows NTの言語環境に合わせて日本語か英語で表示されます。

イベントによっては,イベントの詳細の中でメモリダンプ情報が出力される場合があります。JP1/NETM/DM Client(クライアント)のエラーに関して,弊社にお問い合わせのときは,この情報もお知らせください。

なお,JP1/NETM/DMが出力するイベントログメッセージについては,「7.1 イベントログメッセージ一覧」を参照してください。

(b) MAIN.LOGファイルを確認する

JP1/NETM/DM Client(クライアント)は,PCごとにMAIN.LOGファイルにもログを取得します。ファイルの形式を次に示します。

図6-8 MAIN.LOGファイルの形式

[図データ]

MAIN.LOGファイル中に表示される「メッセージ種別」および「機能種別」の意味は次のとおりです。

表6-16 MAIN.LOGファイルのメッセージ種別(JP1/NETM/DM Client(クライアント)の場合)

メッセージ種別 意味
Informational 情報メッセージ
Warning 警告メッセージ
Error エラーメッセージ

表6-17 MAIN.LOGファイルの機能種別(JP1/NETM/DM Client(クライアント)の場合)

機能種別 意味
Package パッケージング中(JP1/NETM/DM Client内でのエラー)
Install インストール中(JP1/NETM/DM Client内でのエラー)
Setup GUIインストールモードでのインストール中(JP1/NETM/DM Client内でのエラー)
TCP/IP TCP/IPとのインターフェース
System Windows NTとのインターフェース
User ユーザログ(インストールスクリプトのLogFile関数からの出力)
Server 中継中(JP1/NETM/DM Client内でのエラー)

(3) インストールスクリプト関連のログ

インストールスクリプトおよびコレクトスクリプトの,文法エラーや実行時のエラーは,PCごとにSCRIPT.LOGファイルに取得されます。このログの内容は,JP1/NETM/DM Client(クライアント)全体のログ(MAIN.LOGファイル)にも出力されるので,JP1/NETM/DM Client(クライアント)のログとの関連を調べるときはMAIN.LOGファイルの方を参照してください。SCRIPT.LOGファイルの形式は次のとおりです。

●スクリプトの文法チェックの開始メッセージ

図6-9 SCRIPT.LOGファイルの形式(スクリプトの文法チェックの開始メッセージ)

[図データ]

●スクリプトの実行開始メッセージ

図6-10 SCRIPT.LOGファイルの形式(スクリプトの実行開始メッセージ)

[図データ]

●スクリプトの文法エラーメッセージ

図6-11 SCRIPT.LOGファイルの形式(スクリプトの文法エラーメッセージ)

[図データ]

(4) インストールスクリプトのLogFile関数出力のログ

ユーザが,インストールスクリプトのLogFile関数を使ってログを出力すると,その内容はPCごとにUSER.LOGファイルに取得されます。このログの内容は,JP1/NETM/DM Client(クライアント)全体のログ(MAIN.LOGファイル)にも出力されるので,JP1/NETM/DM Client(クライアント)のログとの関連を調べるときはMAIN.LOGファイルの方を参照してください。USER.LOGファイルの形式は次のとおりです。

図6-12 USER.LOGファイルの形式

[図データ]

(5) 接続先の自動変更関連のログ

上位接続先情報ファイルによってクライアントの接続先が自動的に設定・変更されると,PCごとにログがUSER.LOGファイルに取得されます。USER.LOGファイルの形式を次に示します。

図6-13 USER.LOGファイルの形式

[図データ]

メッセージ中に表示される「メッセージテキスト」とその意味は次のとおりです。

メッセージ 意味
Match [最小のIPアドレス]-[最大のIPアドレス]:Change [旧接続先:旧接続先の製品種別]->[新接続先:新接続先の製品種別] クライアントの接続先が,正常に変更されました。
Match [最小のIPアドレス]-[最大のIPアドレス]:No Changed [既存の接続先: 既存の接続先種別] すでに設定されている接続先は,上位接続先情報ファイルの定義と一致しています。接続先は変更しません。
No Match IP Address List, No Changed [既存の接続先: 既存の接続先製品種別] クライアントのIPアドレスは,上位接続先情報ファイルの定義範囲内にありません。接続先は変更しません。
Not exist No.[項目の順番] Value: LineNo[行番号] 上位接続先情報ファイルの[行番号]行目で,[項目の順番]番目の項目が指定されていません。この行の定義は無効です。
IP Address is not available:"[指定値]" :LineNo[行番号] 上位接続先情報ファイルの[行番号]行目に,無効な値のIPアドレスが指定されています。この行の定義は無効です。
Higher manager value is over 64 character:"[指定値]" :LineNo[行番号] 上位接続先情報ファイルの[行番号]行目に,接続先として半角65文字以上の値が指定されています。この行の定義は無効です。
Connection type value is not "netmdm" or "netmdmw":"[指定値]" :LineNo[行番号] 上位接続先情報ファイルの[行番号]行目に,接続先の製品種別として「netmdm」および「netmdmw」以外の値が指定されています。この行の定義は無効です。
Match [最小のIPアドレス]-[最大のIPアドレス]:Change Multicast IP Address [旧マルチキャストアドレス]->[新マルチキャストアドレス] クライアントのマルチキャストアドレスが,正常に変更されました。
Match [最小のIPアドレス]-[最大のIPアドレス]:No Changed Multicast IP Address [マルチキャストアドレス] すでに設定されているマルチキャストアドレスは,上位接続先情報ファイルの定義と一致しています。マルチキャストアドレスは変更しません。
Multicast IP Address is not available:"[マルチキャストアドレス]":LineNo[行番号] 上位接続先情報ファイルの[行番号]行目に,無効な値のマルチキャストアドレスが指定されています。この行の定義は有効ですが,マルチキャストアドレスの設定だけ無効になります。
Multicast IP Address is under 224.0.0.0:"[指定値]":LineNo[行番号] 上位接続先情報ファイルの[行番号]行目に,224.0.0.0より小さい値のマルチキャストアドレスが指定されています。この行の定義は有効ですが,マルチキャストアドレスの設定だけ無効になります。
Multicast IP Address is over 239.255.255.255:"[指定値]":LineNo[行番号] 上位接続先情報ファイルの[行番号]行目に,239.255.255.255より大きい値のマルチキャストアドレスが指定されています。この行の定義は有効ですが,マルチキャストアドレスの設定だけ無効になります。
Use Option "MultiBoard Environment": Not Execution クライアントセットアップで「複数のネットワークアダプタを設定する」を選択しているため,接続先の自動変更はできません。
Use Option "Auto Change higher manager by instructions to execute job": Not Execution クライアントセットアップで「実行要求を送信した上位システムを接続先として自動設定する」を選択しているため,接続先の自動変更はできません。