JP1/NETM/DM 導入・設計ガイド(Windows(R)用)

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6.5.3 クライアントのマルチポーリング環境

配布先の構成は,システム構成情報で定義されているため,クライアントへのジョブは,あらかじめ決められた経路で実行されます。また,クライアントから接続する中継システムも,システム構成情報で定義された一つの中継システムだけです。

配布経路を複数設定したり,クライアントから複数の中継システムへ接続したりする構成にする場合は,マルチポーリングの環境を作成します。クライアントが接続する中継システムは,接続時の優先順位を付けて設定できます。マルチポーリング環境で運用すれば,中継システムでトラブルが発生しても,別の中継システムを経由して目的のクライアントに対しジョブを実行できます。また,クライアントから中継システムに接続する場合,接続時の優先順位に従って,複数の中継システムに接続できます。

<この項の構成>
(1) マルチポーリング環境の設定
(2) マルチポーリング環境でのポーリング方法の選択
(3) マルチポーリング環境での注意事項

(1) マルチポーリング環境の設定

クライアントのセットアップ時に[上位システムの設定]ダイアログボックスで,接続する複数の上位システムに優先順位を付けて設定します。

図6-18 [上位システムの設定]ダイアログボックス

[図データ]

[追加]ボタン
接続先の上位システムを追加します。上位システムは最大8個まで設定できます。[上位システムの追加・変更]ダイアログボックスで,追加する上位システムの製品種別,ホスト名またはIPアドレスを設定してください。
[変更]ボタン
選択されている上位システムの情報を変更します。表示される[上位システムの追加・変更]ダイアログボックスで,製品種別,ホスト名またはIPアドレスを変更してください。
[削除]ボタン
上位システム一覧の中から選択されている上位システムを削除します。
[上へ移動]ボタン
選択されている上位システムの優先順位を一つ上げます。
[下へ移動]ボタン
選択されている上位システムの優先順位を一つ下げます。

設定が終了したら[OK]ボタンをクリックしてください。[接続先]パネルに戻ります。

(2) マルチポーリング環境でのポーリング方法の選択

クライアントは,自システムあてのジョブがあるかどうかを,上位の中継システムにポーリングすることで確認しています。中継システムとのポーリング方法は,クライアントのセットアップ時に,[クライアント常駐・ポーリング]パネルで設定します。ポーリング方法には次の二つがあります。

ホットスタンバイ
ホットスタンバイでは,ポーリング対象の中継システムは一つです。通常は,[上位システムの設定]ダイアログボックスで設定した,優先順位が1位の中継システムにポーリングします。この中継システムに接続できない場合は,優先順位が2位の中継システムにポーリングします。優先順位が2位の中継システムに接続できない場合は,接続できるまで優先順位が高い中継システムから順番にポーリングしていき,接続に成功した中継システムにポーリングし続けます。
マルチホスト
マルチホストでは,[上位システムの設定]ダイアログボックスで設定した複数の中継システムすべてにポーリングします。優先順位が1位の中継システムから順番にポーリングしていきます。

(3) マルチポーリング環境での注意事項

マルチポーリング環境で運用する場合の注意事項を次に示します。