JP1/NETM/DM 導入・設計ガイド(Windows(R)用)
接続先を決定するための情報をクライアントに配布しておくと,各クライアントPCのIPアドレスから適切な接続先の上位システムを判断して,自動的に設定できます。クライアントPCのIPアドレスが変更されると接続先も自動的に変更されるため,クライアントPCが移動した場合に便利です。ここでは,クライアントの接続先の自動変更について説明します。
この機能は,JP1/NETM/DM Client(クライアント)で使用できます。
接続先の上位システムを自動的に設定・変更するには,あらかじめ上位接続先情報ファイル(dmhost.txt)を作成し,クライアントに配布します。配布後の特定のタイミングで,接続先が自動的に再設定されます。
上位接続先情報ファイルは,接続する上位システムを決定するためのファイルです。このファイルは,クライアントPCのIPアドレスの範囲と対応する接続先上位システムの組み合わせを定義しています。例えば,IPアドレス「172.16.22.1〜172.16.22.255」のクライアントPCの接続先は東京支部のPC,IPアドレス「172.17.22.1〜172.17.22.255」のクライアントPCの接続先は名古屋支部のPC,というように定義します。作成方法の詳細については,「(2) 上位接続先情報ファイル(dmhost.txt)の作成」を参照してください。
作成した上位接続先情報ファイルを,各クライアントPCの次のディレクトリに格納します。
JP1/NETM/DMのインストール先ディレクトリ\MASTER\DB
「パッケージのインストール」ジョブを使用すると,一度に多数のクライアントに格納できます。上位接続先情報ファイル(dmhost.txt)を次の設定でパッケージして,配布してください。
なお,上位接続先情報ファイルは,JP1/NETM/DM Client - Delivery FeatureがインストールされていないJP1/NETM/DM Client - Baseへも配布できます。
クライアントがJP1/NETM/DMシステムに接続していない場合は,手動で格納してもかまいません。
上位接続先情報ファイルをクライアントPCに格納したあと,ポーリングを実行するかまたはクライアントPCのOSを再起動してください。上位接続先情報ファイルの内容に従って,クライアントが接続する上位システムが設定されます。
クライアントの接続先を自動変更するポーリングは次の3種類です。
一度設定したあとでも,次の操作をしたあとにポーリングを実行するかまたはOSを再起動すると接続先が再設定されます。
クライアントPCを移動してIPアドレスを変更した場合,ポーリングを実行するかまたはOSを再起動するだけで適切な上位システムに接続先が変更されます。エンドユーザは接続先の変更を意識する必要はありません。
上位接続先情報ファイルによってクライアントの接続先の自動設定・変更が起きると,ログがPCごとにインストール先フォルダ\LOG\USER.LOGファイルに取得されます。ログの詳細については,マニュアル「運用ガイド2」の「6.4.1 ログファイルの確認」を参照してください。
なお,上位接続先情報ファイルによって接続先を自動設定したあとに,クライアントセットアップから手動で接続先を変更した場合,ポーリングを実行するかまたはOSを再起動しても手動で設定した接続先が有効になります。
上位接続先情報ファイルを使用した接続先の自動変更は,JP1/NETM/DMの他機能と併用できない場合があります。次の点に注意してください。
上位接続先情報ファイルは,dmhost.txtという名称のテキストファイルです。作成方法を次に説明します。
上位接続先情報ファイルには,クライアントPCのIPアドレスの範囲と対応する接続先の組み合わせを,1行につき1件定義します。1行の文字数は,半角で255文字以内です。各項目間は「,」(コンマ)で区切ってください。行の先頭に「;」(セミコロン)を付けると,その行はコメントと見なされます。
ファイルの形式を次に示します。
最小のIPアドレス,最大のIPアドレス,接続先,接続先の製品種別,接続先のマルチキャストアドレス
上位接続先情報ファイルの作成例を次に示します。
図6-19 上位接続先情報ファイルの作成例
クライアントのIPアドレスが「172.17.13.6」の場合,2行目の「172.17.13.1〜172.17.13.250」の範囲に該当するため,接続先の上位システムが「dmman01」に自動的に変更されます。
なお,上位接続先情報ファイルの最終行に,すべてのIPアドレスを範囲とする「0.0.0.0〜255.255.255.254」を定義しておくと,該当するIPアドレスがなかったクライアントの接続先の上位システムは,「dmman02」に変更されます。
上位接続先情報ファイルをクライアントに配布して接続先を自動変更したあとで,接続先ホストのIPアドレスを変更するときは,それまで適用していた上位接続先情報ファイルをクライアントから削除しておいてください。接続先の自動変更は,IPアドレスの変更を契機に動作します。
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