JP1/NETM/DM 導入・設計ガイド(Windows(R)用)

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2.13.1 配布されたソフトウェアのインストール

配布管理システムで「パッケージのインストール」ジョブが実行されると,クライアントは,指示されたソフトウェアを自動的にダウンロードし,自システムにインストールします。ソフトウェアのダウンロードとインストールがすべて自動的に実行されるため,各クライアントで「いつ」「何を」インストールするかを意識する必要はありません。

なお,すべてを自動的に実行させる運用が,クライアントのユーザにとって不都合な場合には,(1),(2)に示すような回避策があります。また,クライアントユーザが手動でソフトウェアを選択してインストールする(3)のような運用方法もあります。

<この項の構成>
(1) クライアントを停止する
(2) ジョブの実行タイミングのコントロール
(3) ソフトウェアを選択してインストールする

(1) クライアントを停止する

クライアントは,Windows起動時に自動的に起動しますが,クライアントマネージャを使用すると,手動で停止させることができます。またJP1/NETM/DM Clientのセットアップでは,クライアントの非常駐を設定できます。

クライアントが未起動または非常駐の状態では,配布管理システムからのジョブを受けられないため,インストールは実行されません。クライアントユーザの都合の良い時間に,[ジョブ実行]アイコンを起動してジョブを実行できます。クライアントを停止する場合の運用については,マニュアル「運用ガイド1」の「11.1.2 クライアントの起動状態とジョブの実行」を参照してください。

(2) ジョブの実行タイミングのコントロール

通常,パッケージのダウンロード,インストールなどのジョブのタイミングは,上位のサーバ(配布管理システム)によって決定されていて,クライアント側で意識する必要はありません。クライアントは,配布管理システムからパッケージが転送されたり,ソフトウェアが自動的にインストールされたりするのを待つだけです。

しかし,このような運用では,クライアントでの業務の最中に突然インストールが始まるなどの不都合が起こることも考えられます。クライアントのユーザは,クライアントの都合を無視して一方的にジョブが実行されるのを防いだり,クライアントの都合に合わせてジョブの実行を指示したりできます。

クライアント側で,ジョブの実行タイミングをコントロールするには,次の二つの方法があります。

(a) ジョブの保留とキャンセル機能を使用する

上位サーバからの一方的なジョブの実行を防ぐ方法として,ジョブの保留・キャンセル機能があります。この機能を使用すると,サーバからジョブが転送されたときに,[JP1/NETM/DM 保留・キャンセル]ダイアログボックスが表示され,ユーザが,そのジョブを実行するかどうかを選択できます。ジョブを即時に実行したくない場合にジョブの実行を一時的に保留したり,ジョブそのものをキャンセルしたりできます。

図2-59 [JP1/NETM/DM 保留・キャンセル]ダイアログボックス

[図データ]

ジョブの保留・キャンセル機能の使用は,クライアントのセットアップで設定します。[ジョブオプション]パネルで,「ジョブを保留する」チェックボックスをオンにしてください。

なお,保留・キャンセルの対象となるのは,次の2種類のジョブだけです。ただし,実行日時(パッケージのインストール日時またはジョブの実行日時)が指定されている場合は保留・キャンセルはできません。

ジョブを保留したり,キャンセルしたりする方法については,マニュアル「運用ガイド1」の「11.3.1 ジョブの保留・キャンセルの方法」を参照してください。

(b) 任意のタイミングでジョブを実行する

JP1/NETM/DM Client(クライアント)では,[ジョブ実行]アイコンを起動することで,任意のタイミングでジョブを実行することができます。

[ジョブ実行]アイコンを使用すると,クライアント側から上位システムと接続して未処理のジョブがないかどうかを確認(ポーリング)し,あればそのジョブを実行します。ジョブ実行の保留・キャンセル機能を使用して一時的に保留したジョブを実行する場合も,[ジョブ実行]アイコンを使用します。

また,セットアップ時に,クライアントを常駐させない設定にしておくと,[ジョブ実行]アイコン起動時だけジョブを実行することになり,クライアントユーザの都合に合わせてジョブを実行できます。

(3) ソフトウェアを選択してインストールする

配布管理システムから「クライアントユーザによるインストール」ジョブを使用して配布されたソフトウェアは,自動的にはインストールされないで,インストールの許可だけが与えられた状態になっています。このようなソフトウェアについては,クライアントユーザが,必要なソフトウェアを選択してインストールします。インストールできるソフトウェアの一覧を表示し,ソフトウェアを選択してインストールするには,クライアントのサブコンポーネントであるパッケージセットアップマネージャを使用します。

図2-60 [Package Setup Manager]ウィンドウ

[図データ]

ユーザ情報を設定していないクライアントは,サーバの設定によって,パッケージセットアップマネージャを使用できないことがあります。また,複数の一般ユーザがパッケージセットアップマネージャを共用することはできません。

パッケージセットアップマネージャの使用方法については,マニュアル「運用ガイド1」の「11.4 パッケージセットアップマネージャを操作する」を参照してください。