JP1/NETM/DM 導入・設計ガイド(Windows(R)用)

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2.10.4 システム構成情報のメンテナンス

システム構成を運用していく上で,システム構成情報のメンテナンスが必要になります。ここでは,新しく追加されたホストを検索してあて先グループに登録したり,重複して登録されているホストを検索して不要なものを削除したりする方法について説明します。また,一定期間インベントリ情報またはソフトウェア稼働情報に更新が見られないホストや,重複して登録されているホストを自動的に削除する方法についても説明します。さらに,あらかじめ作成しておいた条件によって,新しくシステム構成に追加されたホストを,あて先グループやIDに自動的に振り分けて追加する方法についても説明します。

<この項の構成>
(1) システム構成情報の手動メンテナンス
(2) システム構成情報の自動メンテナンス
(3) あて先グループの自動メンテナンス
(4) IDの自動メンテナンス
(5) ディレクトリ情報の自動メンテナンス

(1) システム構成情報の手動メンテナンス

JP1/NETM/DM Managerの[システム構成]または[あて先]ウィンドウから,一定の条件を満たすあて先を検索できます。検索には次の3種類があります。

これらの検索機能を利用して,検索結果のホストを[あて先]ウィンドウにコピーしたり,システム構成情報から削除したりして,システム構成情報をメンテナンスできます。

なお,日付をキーにした検索および重複ホストの検索を実行できるのは,[システム構成]ウィンドウからだけです。

検索機能を利用してシステム構成情報を手動でメンテナンスする方法については,マニュアル「構築ガイド」の「9.1 システム構成情報の手動メンテナンス」を参照してください。

(2) システム構成情報の自動メンテナンス

不要なホストを検知して,システム構成情報,あて先グループ,およびIDから自動的に削除することで,システム構成情報をメンテナンスできます。この機能をシステム構成情報の自動メンテナンスと呼びます。システム構成情報の自動メンテナンスには,次の2種類があります。

削除の処理は毎日1回,指定した時間から開始されます。ただし,次に示すホストは,システム構成情報の自動メンテナンスの対象外となるため,削除されません。

システム構成情報からクライアントが自動的に削除された際に同時に削除される情報は,システム構成情報の手動メンテナンスと同じです。詳細については,マニュアル「構築ガイド」の「9.1.5 検索したホストをシステム構成情報から削除する」を参照してください。

なお,システム構成情報の自動メンテナンスを運用するには,JP1/NETM/DMシステムに次の前提条件が必要です。

(3) あて先グループの自動メンテナンス

一度作成したあて先グループをメンテナンスする方法としては,[あて先]ウィンドウからの編集や,ファイルからのインポートなどがあります。しかし,数千台規模のホストを管理するシステムの場合などは,システム管理者が定期的にあて先グループを追加・削除するのは負荷が掛かり過ぎます。

JP1/NETM/DMでは,リレーショナルデータベースを使用している場合に,システム構成情報を監視することで新たに追加されたホストや移設されたホストを自動的に検知し,あらかじめ作成しておいたグルーピング条件(ポリシー)に従ったあて先グループに自動的に振り分けることができます。このような運用をあて先グループの自動メンテナンスと呼びます。あて先グループの自動メンテナンスは,次に示すタイミングで実行されます。

あて先グループの自動メンテナンスの概要を次の図に示します。

図2-54 あて先グループの自動メンテナンスの概要

[図データ]

また,クライアントから情報が通知されたタイミング以外に,任意のタイミングであて先グループをメンテナンスすることもできます。これによって,作成したポリシーに従って,システム構成情報に登録されているホストを任意の時点で一括してあて先グループに振り分けられます(ポリシーの一括反映)。

あて先グループにポリシーを一括反映する方法については,マニュアル「構築ガイド」の「9.3.2 あて先グループにポリシーを一括反映する」を参照してください。

なお,ポリシーはファイルから作成できます。また,ファイルを入出力することで,既存のポリシーをバックアップしたり,ポリシーを切り替えたりできます。ポリシーをファイルから作成する場合は,マニュアル「構築ガイド」の「9.5 ポリシーをファイルから作成する」を参照してください。

(4) IDの自動メンテナンス

作成したIDに対してどのIDに所属するかは,基本的にはクライアントが決めます。配布管理システムで所属するクライアントを決めたい場合,一定の条件に一致したクライアントを自動的にIDに登録させることができます。[あて先]ウィンドウやファイルのインポートでメンテナンスする方法より効率良く,確実にクライアントをIDに登録できます。

このように,IDに一定の条件(ポリシー)を設定して,クライアントを自動的にIDに登録する運用を,IDの自動メンテナンスと呼びます。

IDの自動メンテナンスのポリシーには次の2種類があります。

IDの自動メンテナンスの概要を次の図に示します。

図2-55 IDの自動メンテナンスの概要

[図データ]

IDの自動メンテナンスを利用する方法については,マニュアル「構築ガイド」の「9.4 IDの自動メンテナンス」を参照してください。

なお,あて先グループの自動メンテナンスと同様に,ファイルからポリシーを作成できます。ポリシーをファイルから作成する場合は,マニュアル「構築ガイド」の「9.5 ポリシーをファイルから作成する」を参照してください。

また,IDの自動メンテナンスを利用してジョブを実行するには,あらかじめIDに対してジョブを実行しておく必要があります。

例えば,PC初期導入時に必ず実行したいジョブがある場合,あらかじめIDに対してジョブを実行しておき,そのIDに新規に追加されたクライアントをポリシーとして設定することで,新規に追加されたクライアントへ自動的にジョブを実行できます。

ID自動メンテナンスを利用したジョブの流れを次の図に示します。

図2-56 ID自動メンテナンスを利用したジョブの流れ

[図データ]

(5) ディレクトリ情報の自動メンテナンス

ディレクトリ情報をメンテナンスするには,Active Directoryから最新情報を取得します。Active Directoryの情報を更新するタイミングで,ディレクトリ情報を取り込むように運用してください。

ディレクトリ情報は,ディレクトリ情報の取得コマンド(dcmadsync.exe)を実行して取得します。このディレクトリ情報の取得コマンドを,Windowsのタスクスケジューラにタスクとして登録することで,定期的にActive Directoryから最新情報を取り込むことができます。また,JP1/AJSと連携して,定期的にディレクトリ情報の取得コマンドを実行することもできます。