JP1/NETM/DM 導入・設計ガイド(Windows(R)用)
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規模の大きいシステムでは,ジョブの実行対象として個々のシステムを指定するよりも,何らかのグループを指定する方が便利です。あて先をグループ化したものには,「あて先グループ」,「ID」および「ディレクトリ情報」があります。また,配布管理システムを階層化している場合,マネージャからは,あて先として「全あて先」を指定できます。それぞれの特長を次に示します。
- あて先グループ
- 部署や担当業務など任意の条件で,配布先を階層的にグルーピングしたものです。グループの作成だけでなく,各グループにどのクライアントが所属するかということも,配布管理システムで指定して管理します。ウィンドウ上で,あて先の論理的な階層構造を簡単に把握できるので,あて先を管理しやすくするためにも,何らかのあて先グループを作成しておくことをお勧めします。
- ジョブのあて先として,あて先グループを指定すると,そのグループに属するすべてのクライアントに対してジョブが実行されます。
- 部署ごとにグルーピングして管理する一方で,各部署のクライアントをプロジェクト別にグルーピングすることもできます。このため,次の図のように,部署ごとのグルーピングとプロジェクトごとのグルーピングを重複して設定できます。
- あて先グループの概念を次の図に示します。
図2-43 あて先グループの概念
![[図データ]](FIGURE/FUN0520.GIF)
- ID
- IDでは,所属するクライアントをシステム管理者側から登録するだけでなく,クライアント側からもIDを選択して登録できます。また,IDに対して実行したジョブは,その後,そのIDに新しくクライアントが登録されるたびに自動的に実行されるため,配布管理システムがソフトウェアを再度配布する必要はありません。OSやマシンの用途など変動しやすい項目で分類しても,クライアント側から所属するIDを変更するだけで済むので,システム管理者の負担を軽減できます。
- IDの概念を次の図に示します。
図2-44 IDの概念
![[図データ]](FIGURE/FUN0530.GIF)
- ディレクトリ情報
- ディレクトリ情報は,Active Directoryで管理している情報を配布管理システムに取り込んだものです。Active Directoryで管理している情報をそのまま利用できるので,新たにグルーピングする必要はありません。部署をあて先にしてジョブを実行するような場合は,ディレクトリ情報を使用すると便利です。
- また,新しくコンピュータが追加された場合なども,Active Directoryから最新情報を取得するだけでディレクトリ情報を更新できるため,メンテナンスの作業も軽減できます。
- ディレクトリ情報の概念を次の図に示します。
図2-45 ディレクトリ情報の概念
![[図データ]](FIGURE/FUN0532.GIF)
- 全あて先
- 中継マネージャ配下のすべてのクライアントをあて先としたい場合に指定するもので,グルーピングのための事前作業は必要ありません。配布管理システムを階層化している場合に,マネージャから指定できます。
- マネージャから中継マネージャに対して全あて先を指定してジョブを実行すると,ジョブを受け取った中継マネージャが,配下のすべてのクライアントに対してそのジョブを実行します。
- 全あて先の概念を次の図に示します。
図2-46 全あて先の概念
![[図データ]](FIGURE/FUN0535.GIF)
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