JP1/File Transmission Server -全銀TCP
ファイル情報の定義では,ファイル伝送でやり取りするファイルの情報(実ファイル名,伝送ファイル名,ファイルアクセスキーなど)を定義します。ファイル情報の定義には,remote_file_define文を使用します。
remote_file_define文には,次のオペランドがあります。
表3-5 ファイル情報(remote_file_define)のオペランド
定義内容 | オペランド | 設定の条件 |
---|---|---|
ファイルラベル名 | label | 必須 |
起動UAP名 | exec | 任意 |
ファイル送受信モード | mode | 必須 |
受信ファイル書き込みモード | file_mode | 受信用ファイルの場合は必須 |
実ファイル名 | real_file_name | 必須 |
二重伝送チェック | duplicate_check | 必須 |
伝送ファイル名 | trans_file_name | 必須 |
ファイルアクセスキー | accesskey | 必須 |
ファイルレコード形式 | record_type | 必須 |
レコード長 | record_len | 固定長ファイルの場合は必須 |
最大伝送テキスト長 | max_text_len | 必須 |
圧縮モード | cmp_mode | 必須 |
ファイル名補助情報 | sub_trans_file_name | 任意 |
区切り文字 | divide | 任意 |
0件ファイルの扱い | nullfile | 任意 |
再送電文送信モード | resend_mode | 任意 |
各オペランドについて説明します。
ファイル伝送でやり取りするファイル情報のラベル名を設定します。ファイルラベル名は重複しないように設定してください。同じ名称のファイル情報は複数定義できません。
なお,JP1/全銀TCPでは,ここで設定するファイルラベル名を指定してファイル伝送を実行します。
label remotefile1
ファイルの伝送が完了したときに起動させるプログラム,およびそのプログラムに渡す引数を指定します。プログラムに渡す引数は,定義文の引数2以降に指定するUAP起動オプションに従って組み立てられます。UAP起動オプションは,最大25個の起動オプションを指定できます。
項目 | キーワード | 出力形式 |
---|---|---|
相手局ラベル名 | REMOTELBL | 文字列 |
局種別 | STATION | 1:一次局 2:二次局 |
伝送形態 | TRNMODE | 1:送信 2:受信 |
レコード長 | RECLEN | 数字の文字列 |
通番 | REQNO | 9けたの数字を表す文字列 |
終了状態 | RRTN | 0:正常終了 0以外:異常終了 |
伝送ファイル名 | FILE | 文字列※1 |
ファイル情報ラベル | FILELBL | 文字列 |
相手センタ確認コード | RCNTCODE | 文字列※2 |
当方センタ確認コード | HCNTCODE | 文字列※2 |
開局要求パスワード | OREQPW | 文字列※2 |
開局回答パスワード | ORSPPW | 文字列※2 |
閉局要求パスワード | CREQPW | 文字列※2 |
閉局回答パスワード | CRSPPW | 文字列※2 |
モード変更要求パスワード | MREQPW | 文字列※2 |
モード変更回答パスワード | MRSPPW | 文字列※2 |
相手局のIPアドレスまたは相手ホスト名 | IPADDR | 文字列※2 |
サイクル番号 | CYCLE※3 | 2けたの数字を示す文字列 |
実ファイル名 | REALFILE | 文字列 |
伝送開始時間 | STARTTIME | 文字列(YYYY/MM/DD hh:mm:ss)※4 |
伝送終了時間 | STOPTIME | 文字列(YYYY/MM/DD hh:mm:ss)※4 |
exec /tmp/UAP1 REMOTELBL RRTN
送信用のファイル情報であるか,受信用のファイル情報であるかを指定します。送信用ファイルの定義であれば"snd"または"SND"を,受信用ファイルの定義であれば"rcv"または"RCV"を指定してください。
mode snd
ファイルを受信したときの書き込みモードを指定します。受信データをファイルの最後に追加したい場合は"a"または"A"を,ファイルの最初から上書きしたい場合は"w"または"W"を指定してください。
file_mode a
実ファイル名をフルパスで指定します。実ファイル名の指定方法は,ファイルをサイクル管理する場合と,しない場合とで異なります。
実ファイル名のフルパスを1〜255バイトの文字列で指定します。
引数1に実ファイル名のフルパスを指定します。引数2に"n"または"N"を指定した場合,または引数2を指定しない場合は,引数1で指定したファイル名を実ファイル名として扱います。引数2に"a"または"A"を指定した場合は,引数1で指定したファイル名にサイクル番号(01〜99)を付けたものを実ファイル名として扱います。引数2に"n"または"N"を指定した場合,または引数2を指定しない場合は,引数1に最大255バイトの文字列を指定できます。引数2に"a"または"A"を指定した場合,引数1には最大253バイトの文字列を指定できます。
real_file_name /tmp/sendfile1
二次局としてのファイル伝送で,二重伝送のチェックをするかどうかについて指定します。二重伝送をチェックする場合は"true"または"TRUE"を,しない場合は"false"または"FALSE"を指定してください。なお,ファイルをサイクル管理する場合は本オペランドの指定に関わらず,二重伝送をチェックします。
duplicate_check false
伝送ファイル名を設定します。ここに設定した伝送ファイル名を相手局との通信時に使用します。伝送ファイル名の設定方法は,ファイルをサイクル管理する場合と,しない場合とで異なります。
伝送ファイル名を設定します。12バイトの文字列または24けたの16進数で設定してください。伝送ファイル名を文字列で設定した場合,設定した文字列はEBCDICコードに変換後,伝送ファイル名として使用します。
trans_file_name 0x353032303030303130313031
伝送ファイル名を設定します。ファイル名を8バイトの文字列または16けたの16進数で設定し,そのあとにサイクル番号をカウントアップする上限値(1〜99)を設定してください。伝送ファイル名を文字列で設定した場合,設定した文字列はEBCDICコードに変換後,伝送ファイル名として使用します。
trans_file_name 50200001 99
ファイルアクセスキーを設定します。6バイトの文字列または12けたの16進数で指定します。ファイルアクセスキーを文字列で指定した場合,指定した文字列はEBCDICコードに変換後,ファイルアクセスキーとして使用します。
accesskey 111101
ファイルレコード形式を指定します。固定長形式の場合は"fix"または"FIX"を,可変長形式の場合は"flex"または"FLEX"を指定してください。なお,ファイルレコード形式を固定長とした場合は,必ずレコード長を指定してください。
record_type fix
ファイルレコード形式で固定長を指定している場合は,ファイルのレコード長を指定します。レコード長は,全銀協手順(TCP/IP)の拡張仕様である拡張Z手順を使用すると,32,767バイトまで拡大できます。レコード長の指定方法は,拡張Z手順を使用する場合と,使用しない場合で異なります。なお,ファイルレコード形式で可変長ファイルを指定している場合は無効になります。
ファイルのレコード長を指定します。1〜32,767の値で任意の数値(10進数)を指定してください。
record_len 32767
ファイルのレコード長を指定します。1〜2,043の値で任意の数値(10進数)を指定してください。
record_len 2043
最大伝送テキスト長を指定します。最大伝送テキスト長は,全銀協手順(TCP/IP)の拡張仕様である拡張Z手順を使用すると,43,700バイトまで拡大できます。最大伝送テキスト長の指定方法は,拡張Z手順を使用する場合と,使用しない場合で異なります。最大伝送テキスト長は,「TTC(伝送テキストコントロール部)+情報部の長さ」です。
最大伝送テキスト長を指定します。7〜43,700の値で任意の数値(10進数)を指定してください。なお,ファイルレコード形式として固定長を指定している場合,圧縮しないで伝送するときは7〜43,700,圧縮して伝送するときは10〜43,700の値で指定してください。一方,ファイルレコード形式として可変長を指定している場合,圧縮しないで伝送するときは8〜43,700,圧縮して伝送するときは12〜43,700の値で指定してください。
max_text_len 43700
最大伝送テキスト長(全銀協手順(TCP/IP)で定義する伝送テキストの最大長)を指定します。7〜2,048の値で任意の数値(10進数)を指定してください。なお,ファイルレコード形式として固定長を指定している場合,圧縮しないで伝送するときは7〜2,048,圧縮して伝送するときは10〜2,048の値で指定してください。一方,ファイルレコード形式として可変長を指定している場合,圧縮しないで伝送するときは8〜2,048,圧縮して伝送するときは12〜2,048の値で指定してください。
max_text_len 2048
圧縮モードを指定します。ファイルを圧縮して伝送する場合は"true"または"TRUE"を,圧縮しないで伝送する場合は"false"または"FALSE"を指定してください。なお,このオペランドは一次局としてのファイル伝送の場合に有効になります。二次局としてのファイル伝送では,相手局の指示に従って圧縮(送信),拡張(受信)します。
cmp_mode true
パソコン手順を使用している場合は,必要に応じてファイル名補助情報を指定します。ファイル名補助情報を指定した場合,この文字列に対して伝送ファイル名と同様のチェックがされます。17バイトの文字列または16進数34けたで指定してください。
sub_trans_file_name abcdeabcdeabcdeab
ファイルレコード形式で可変長を指定している場合は,区切り文字までを1レコードとしてファイル伝送を実行します。区切り文字を指定する場合は,引数1に2けたの16進数で指定し,引数2には伝送時の区切り文字の扱いについて指定してください。引数2に"r"または"R"を指定した場合,送信時は区切り文字を除いて送信し,受信時には区切り文字が付けられてファイルに書き出されます。引数2に"n"または"N"を指定した場合,送信時は区切り文字を付けたまま送信し,受信時には受け取ったテキストがそのままファイルに書き出されます。なお,区切り文字を指定しない場合は,"0x0a n"を仮定して動作します。
divide 0x0a r
0件ファイル(ファイルが存在しない,またはファイルサイズが0バイトのファイル)の扱いについて指定します。引数1に"ok"または"OK"を指定した場合は,0件ファイルを正常として扱います(OK指定)。引数1に"ng"または"NG"を指定した場合は,0件ファイルをエラーとして扱います(NG指定)。0件ファイルの扱いについて指定しない場合は,"nullfile ok"を仮定して動作します。
nullfile ng
ファイル伝送でデータを受信する際に異常が発生した場合の,再送データの受信方法を指定します。ファイル伝送の再開時,ファイルの先頭から受信し直す場合は"all"または"ALL"を,受信済みのテキスト以降から受信する場合は"next"または"NEXT"を指定してください。なお,パソコン手順によるファイル伝送の場合は,ファイルの先頭からの再受信となります。このオペランドは,伝送ファイルを受信するときだけ有効になります。
resend_mode next
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