JP1/Advanced Shell

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2.8 ジョブネットを定義して実行する

JP1/AJSでジョブの実行を自動化する場合,登録したカスタムジョブをJP1/AJS - Viewでジョブネットに定義し,ジョブネットを実行します。JP1/AJS - Viewの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 操作ガイド」または「JP1/Automatic Job Management System 2 操作ガイド」のジョブ定義の説明を参照してください。なお,JP1/AJSで使用するアイコンの説明を次に示します。

表2-12 JP1/AJSで使用するアイコンの説明

アイコン 名称 ファイル名 説明
[図データ]  Windowsで実行されるジョブアイコン CUSTOM_PC_ADSHPC.gif JP1/AJS - Viewのジョブネットエディタ上で使用するWindowsのカスタムジョブのアイコンです。[ジョブネットエディタ]ウィンドウでの[カスタムジョブ]タブで表示されます。
[図データ]  UNIXで実行されるジョブアイコン CUSTOM_PC_ADSHUX.gif JP1/AJS - Viewのジョブネットエディタ上で使用するUNIXのカスタムジョブのアイコンです。[ジョブネットエディタ]ウィンドウでの[カスタムジョブ]タブで表示されます。
[図データ]  JP1/Advanced Shell(実行定義)のアイコン adshctmj.exe JP1/AJSとカスタムジョブ連携を行う定義プログラムです。

JP1/AJS3 - Viewでのジョブネットを定義して実行する手順を次に示します。

  1. Windowsの[スタート]メニューから,[すべてのプログラム]−[JP1_Automatic Job Management System 3 - View]−[ジョブシステム運用]を選択する。
    [ログイン]画面が表示されます。
  2. ユーザー名,パスワード,および接続ホスト名を指定してログインする。
    [JP1/AJS3 - View]ウィンドウが表示されます。
  3. [編集]−[新規作成]−[ジョブネット]を選択する。
    [詳細定義]−[ジョブネット]ダイアログボックスが表示されます。
  4. ジョブネットに属性などを定義して,[OK]ボタンをクリックする。
    運用環境に応じて,[実行エージェント]に適切な内容を指定してください。省略することもできます。JP1/AJSの項目については,JP1/AJSのマニュアルを参照してください。
    ジョブネットが作成され,リストエリアに表示されます。

    [図データ]

  5. 作成したジョブネットをダブルクリックする。
    [ジョブネットエディタ]ウィンドウが表示されます。

    [図データ]

  6. ジョブを定義したり関連づけたりするときにほかのユーザーがアクセスできないように,[排他編集]をチェックする。
  7. アイコンリストから必要なカスタムジョブのアイコンをマップエリアへドラッグする。

    [図データ]

    [詳細定義-[Custom Job]]ダイアログボックスが表示されます。
  8. [詳細定義-[Custom Job]]ダイアログボックスでジョブに属性などを定義する。
    JP1/AJSのマニュアルに従って,[定義]タブを指定した場合と[属性]タブを指定した場合の両方に適切な内容を指定します。また,運用環境に応じて,[実行エージェント]に適切な内容を指定してください。省略することもできます。
    なお,WindowsまたはLinuxで,adshexecコマンドの-sオプションおよび環境ファイルのOUTPUT_STDOUTパラメーターにSPOOLを指定して,定義タブで[標準出力ファイル名]を指定したときは,空のファイルが出力されます。標準出力の内容はJP1/Advanced Shellのジョブコントローラで別ファイルに出力していて,JP1/AJSに返す標準出力には何も出力していないためです。

    [図データ]

  9. [定義]タブを選択して[詳細]ボタンをクリックする。
    カスタムジョブの種類に対応した,[実行定義]ダイアログボックスが表示されます。WindowsとUNIXの場合の表示を次に示します。
    • Windowsの場合

      [図データ]

    • UNIXの場合

      [図データ]

  10. [実行定義]ダイアログボックスにJP1/Advanced Shellの実行に必要な情報を設定して[OK]ボタンをクリックする。
    • ジョブ定義スクリプトファイル名〜<パス名>Windowsの場合:((1〜247バイト)),UNIXの場合:((1〜1023バイト))
      ジョブ定義スクリプトファイル名を指定します。省略できません。
    • 実行時パラメーター〜<ASCII文字列>((0〜1022バイト))
      ジョブ定義スクリプトファイルの実行時に渡すパラメーターを定義します。複数のパラメーターを定義する場合は,スペースで区切って指定します。
    • 環境ファイル名〜<パス名>Windowsの場合:((0〜247バイト)),UNIXの場合:((0〜1023バイト))
      環境ファイル名を指定します。環境ファイル名に指定がある場合は,JP1/Advanced Shellのジョブコントローラの環境で環境変数ADSH_ENVが定義されていても,環境ファイル名に指定した値を優先して使用して実行します。環境ファイル名に指定がなく,JP1/Advanced Shellのジョブコントローラの環境で環境変数ADSH_ENVが定義されている場合は,環境変数ADSH_ENVの値を使用して実行します。環境ファイル名に指定がなく,環境変数ADSH_ENVの指定もない場合,環境ファイルの指定はないものとして実行します。省略できます。JP1/AJSが起動したJP1/Advanced Shellのジョブコントローラは,使用した環境ファイルのパスを環境変数ADSH_ENVに設定してから,ジョブの実行を開始します。子孫プロセスとして別のジョブコントローラを起動する場合,それらのジョブコントローラは環境変数ADSH_ENVの値を使用します。したがって,ジョブ実行中に環境変数ADSH_ENVの値を再設定していない場合,JP1/AJSが起動したJP1/Advanced Shellのジョブコントローラと同一の環境ファイルを使用します。ジョブ実行中に環境変数ADSH_ENVの値を再設定している場合,再設定した値の環境ファイルを使用します。
    • 事前チェック
      ジョブの内容を事前にチェックするかどうかを指定します。事前チェックのチェックボックスにチェックして実行した場合,ジョブ定義スクリプトファイルを実行しないでジョブ定義スクリプトファイルの内容をチェックします。
  11. [詳細定義-[Custom Job]]ダイアログボックスに戻ってから[OK]ボタンをクリックする。
    ジョブネットにジョブが定義されます。必要に応じて,同様の手順で,ジョブを定義してください。
  12. ジョブ同士を実行順序に従って関連づける。
    ジョブネットが定義されます。JP1/AJS - Viewでのジョブの定義例を次に示します。

    [図データ]

  13. JP1/AJSの操作によってジョブネットを実行する。
    JP1/Advanced Shellのジョブコントローラの終了コードを,JP1/AJSにジョブの終了コードとして返します。

注意事項
  • カバレージの指定
    カスタムジョブからカバレージを有効にしたい場合は,環境ファイルにカバレージ採取の一括有効化機能を指定してください。
  • JP1/AJSからJP1/Advanced Shellのジョブコントローラを起動したときの実行時ディレクトリ
    JP1/AJSからJP1/Advanced Shellのジョブコントローラを起動した場合の実行時ディレクトリは,JP1/AJS - Agent(またはJP1/AJS - Manager)がJP1/Advanced Shellのジョブコントローラを起動するときの実行時ディレクトリになります。JP1/AJS - Agent(またはJP1/AJS - Manager)がJP1/Advanced Shellのジョブコントローラを起動するときの実行時ディレクトリについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド1」または「JP1/Automatic Job Management System 2 セットアップガイド」を参照してください。実行時ディレクトリは,JP1/AJSのマニュアルでは,ワークパス(ワークディレクトリ)と表記されています。
  • JP1/AJSからJP1/Advanced Shellのジョブコントローラを起動したときの環境変数
    JP1/AJSからWindowsのJP1/Advanced Shellのジョブコントローラを起動した場合,通常JP1/AJSサービス起動時にはシステム環境変数の設定を有効にし,ユーザー環境変数は読み込まれません。詳細はJP1/AJSのマニュアルを参照してください。

補足
手順9と手順10の実行定義の設定について,JP1/AJSのajsdefineコマンドのユニット定義およびJP1/AJS - Definition Assistantのジョブの定義で定義することもできます。ユニット定義の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 2」または「JP1/Automatic Job Management System 2 コマンドリファレンス」を参照してください。JP1/AJS - Definition Assistantについては,「JP1/Automatic Job Management System 3 - Definition Assistant」または「JP1/Automatic Job Management System 2 - Definition Assistant」を参照してください。
ユニット定義およびJP1/AJS - Definition Assistantで記述する環境変数とパラメーターの詳細を次に記載します。
  • JP1/Advanced Shellの[実行定義]ダイアログボックスで設定する環境変数
    ADSH_AJS_SCRF:ジョブ定義スクリプトファイル名
    ADSH_AJS_ENVF:環境ファイル名
    ADSH_AJS_GCHE:事前チェック
  • JP1/Advanced Shellのジョブコントローラに渡す環境変数
    ユニット定義ファイルのenvパラメーターとして環境変数を定義します。JP1/Advanced Shellのジョブコントローラに渡す環境変数の設定項目を次の表に示します。

    表2-13 JP1/Advanced Shellのジョブコントローラに渡す環境変数の設定項目

    項目名 説明
    入力範囲 環境変数の値として指定できる文字列("="の後ろの文字列)のバイト数(Shift-JIS)
    設定値 定義できる文字の種類
    文字列:制御文字(0x00〜0x1f,0x7f)以外の文字
    初期値 新規作成ジョブとしてカスタムジョブを起動したときに読み込む値
    省略 値を省略できないものは,JP1/Advanced Shellのジョブコントローラでエラーとなります。
JP1/Advanced Shellのジョブコントローラに渡す環境変数の設定項目の入力範囲と設定値を,次の表に示します。

表2-14 JP1/Advanced Shellのジョブコントローラに渡す環境変数の設定項目の入力範囲と設定値

環境変数 入力範囲 設定値 初期値 省略
ADSH_AJS_SCRF PCジョブ:1〜247バイト
UNIXジョブ:1〜1,023バイト
文字列 空文字列 できない
ADSH_AJS_ENVF PCジョブ :0〜247バイト
UNIXジョブ:0〜1,023バイト
文字列 空文字列 できる
ADSH_AJS_GCHE 0〜2バイト -c,空文字列 空文字列 できる
AJS_BJEX_STOP 4バイト "TERM" "TERM" できない
  • JP1/Advanced Shellのジョブコントローラに渡すパラメーターの詳細
    次の実行時パラメーターを,ユニット定義ファイルのprmパラメーターとして定義します。
    実行時パラメーター:入力範囲(1〜1,023バイト),設定値(文字列),
      初期値(空文字列),省略できる
    注意
    • チェックボックスの値
      ADSH_AJS_GCHE(事前チェック)では,チェックありの場合は,"-c"を,チェックがない場合は空文字列を指定してください。
    • 実行時パラメーターの値
      実行時パラメーターの情報はユニット定義のprmで指定し,JP1/Advanced Shellのジョブコントローラに対するパラメーターとして渡します。
      実行時パラメーターでは,[実行定義]ダイアログボックスの指定の空文字列と同等の定義をする場合は,ユニット定義ファイルのprmパラメーターにスペース1バイト分を定義してください。
      また,prmパラメーターに1,023バイトまで入力できるのはスペースだけの文字列だけになっています。スペース以外の文字列を入力する場合は1,022バイトまでで指定してください。prmパラメーターにスペースだけの文字列を指定した場合,[実行定義]ダイアログボックスの[実行時パラメーター]のテキストボックスにスペースを1バイト分削除して表示します。
    • 定義情報の削除
      ユニット定義ファイルで定義情報を削除する場合は,envパラメーターは環境変数の値(「=」の後ろの文字列)を削除するか,envパラメーターの指定そのものを削除してください。また,prmパラメーターはprmの値に1バイト分のスペースを指定するか,prmパラメーターの指定を削除してください。

ユニット定義の例を次に示します。

unit=ユニット名,,実行ユーザー,;
{
        ty=cpj;
        cty="ADSHUX";
        sc="/opt/jp1as/bin/adshexec";
        env="AJS_BJEX_STOP=TERM";                               →1.
        env="ADSH_AJS_SCRF=/tmp/JP1AS/scr/samplescrfile.ash";   →2.
        prm="param1 param2";                                    →3.
        env="ADSH_AJS_ENVF=/tmp/JP1AS/env/sampleenvfile";       →4.
        env="ADSH_AJS_GCHE=-c";                                 →5.
        tho=0;
}

  1. AJS_BJEX_STOP:AJS_BJEX_STOP環境変数はシステムで使用するため,設定値にTERMを指定して必ず定義してください。
  2. ADSH_AJS_SCRF:ジョブ定義スクリプトファイル名を指定します。
    ADSH_AJS_SCRF環境変数は必ず定義してください。
  3. ユニット定義ファイルのprmパラメーターを指定します。
  4. ADSH_AJS_ENVF:環境ファイル名を指定します。
  5. ADSH_AJS_GCHE:事前チェックを実施する場合,-cを指定し,実施しない場合,何も指定しません。

ユニットファイルを作成したあと,JP1/AJSのajsdefineコマンドおよびJP1/AJS3 Definition Assistantでジョブを定義できます。

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