JP1/Base 運用ガイド

[目次][用語][索引][前へ][次へ]


付録H 通信設定の変更対応

06-71以降のJP1/Baseは,さまざまなネットワーク構成に応じて通信設定を変更できます。ネットワークの構成や運用方法によっては,通信方式を設定する必要があります。JP1/Baseの通信設定の変更に関するファイルおよびパラメーターを次に示します。

<この節の構成>
(1) jp1hosts定義ファイル
(2) 通信方式設定ファイル
(3) イベントサーバ設定ファイル(conf)のportsパラメーター
(4) イベントサーバ設定ファイル(conf)のclient-bindパラメーター
(5) イベントサーバ設定ファイル(conf)のremote-serverパラメーター
(6) API設定ファイル(api)のserverパラメーター
(7) API設定ファイル(api)のclientパラメーター

(1) jp1hosts定義ファイル

JP1/Base独自のhosts情報を設定しておくファイルです。OSの名前解決ができない場合,複数LAN接続の環境で特定のLANを使用する場合,クラスタシステムで自ホストが複数の受信用IPアドレスを使用する場合などに設定します。

hosts情報を設定していないホスト名に対しては,OSの名前解決を利用します。ネットワーク構成によっては,通信方式設定ファイルの設定が必要な場合があります。jp1hosts定義ファイルの詳細については,「14. 定義ファイル」の「jp1hosts定義ファイル」を参照してください。

設定変更が必要となる場合の例
  • OSの名前解決で,接続先ホストが名前解決できない場合,または優先IPアドレスとして取得できない場合
  • クラスタシステムかつ複数LAN接続の環境で,複数のLANを使用して受信する場合
  • 複数LAN接続の環境で,特定のLANだけを使用して受信する場合
  • Windows環境で,同一ホスト上で物理ホストと論理ホストのサービスを起動する場合
  • 複数LAN接続の環境で,特定のLANを使用して送信する場合

(2) 通信方式設定ファイル

クラスタシステムで送信設定をANYバインド方式に変更する場合や,複数LAN接続の環境で特定のLANを使用する場合に設定します。なお,名前解決するためには,jp1hosts定義ファイルの設定が必要な場合があります。通信方式設定ファイルの詳細については,「4.3.3 通信方式を変更する」を参照してください。

設定変更が必要となる場合の例
  • クラスタシステムかつ複数LAN接続の環境で,複数のLANを使用して通信する場合
  • 複数LAN接続の環境で,特定のLANだけを使用して通信する場合
  • クラスタシステムから論理ホストを削除し,物理ホストだけの環境にする場合

(3) イベントサーバ設定ファイル(conf)のportsパラメーター

JP1イベントを受信する際に,イベントサーバが使用するIPアドレスを設定します。イベントサーバ設定ファイルのclient-bindパラメーターを省略した場合は,送信元イベントサーバのIPアドレスに設定されます。イベントサーバ設定ファイルの詳細については,「14. 定義ファイル」の「イベントサーバ設定ファイル」を参照してください。

設定変更が必要となる場合の例
  • クラスタシステムでのセットアップ時
  • クラスタシステムかつ複数LAN接続の環境で,複数のLANを使用して受信する場合
  • 複数LAN接続の環境で,特定のLANだけを使用して通信する場合

(4) イベントサーバ設定ファイル(conf)のclient-bindパラメーター

JP1イベントを転送する際に,イベントサーバが使用するIPアドレスを設定します。client-bindパラメーターを省略した場合,イベントの送信元IPアドレスは,portsパラメーターに指定されたアドレスが使用されます。設定していないイベントサーバ名に関しては,OSの名前解決を利用します。イベントサーバ設定ファイルの詳細については,「14. 定義ファイル」の「イベントサーバ設定ファイル」を参照してください。

設定変更が必要となる場合の例
  • クラスタシステムかつ複数LAN接続の環境で,複数のLANに対してイベントを送信する場合(0.0.0.0を指定)
  • 複数LAN接続の環境で,特定のLANだけを使用して送信する場合

(5) イベントサーバ設定ファイル(conf)のremote-serverパラメーター

JP1イベントを転送する際に,転送先のイベントサーバ名の名前解決をする場合に設定します。イベント転送先イベントサーバのportsパラメーターで指定しているアドレスを指定します。イベントサーバ名を設定していない場合は,OSの名前解決を利用します。イベントサーバ設定ファイルの詳細については,「14. 定義ファイル」の「イベントサーバ設定ファイル」を参照してください。

設定変更が必要となる場合の例
  • OSの名前解決で,イベント転送先イベントサーバ名が名前解決できない場合
  • 優先IPアドレスとして取得できない場合

(6) API設定ファイル(api)のserverパラメーター

アプリケーションプログラムからイベントサーバにイベントを登録する際の,自ホスト内での名前解決や,他ホストのイベントを検索する際に名前解決する場合に設定します。このパラメーターを設定していないホストに関しては,OSの名前解決を利用します。API設定ファイルの詳細については,「14. 定義ファイル」の「API設定ファイル」を参照してください。

設定変更が必要となる場合の例
  • イベントサーバ設定ファイルのportsパラメーターに,OSの名前解決で優先的に付与される任意のIPアドレス以外のIPアドレスを指定している場合
  • OSの名前解決で,JP1/IM - Viewのイベント検索で指定したイベントサーバ名が名前解決できない場合
  • 優先IPアドレスとして取得できない場合

(7) API設定ファイル(api)のclientパラメーター

アプリケーションプログラムから,イベントサーバへ接続するときに使用するIPアドレスを設定します。このパラメーターを省略した場合は,OSが自動的にIPアドレスを割り当てます。イベントサーバ設定ファイルの詳細については,「14. 定義ファイル」の「API設定ファイル」を参照してください。

設定変更が必要となる場合の例
複数LAN接続の環境で,特定のLANだけを使用して送信する場合

通信設定の詳細については,「4. ネットワーク構成に応じたJP1/Baseの通信設定」を参照してください。

JP1/Baseが提供する各機能の通信設定への対応状況を次の表に示します。設定を変更した場合は,再起動が必要です。

表H-1 各機能の通信設定への対応状況

機能 通信設定
jp1hosts定義ファイル 通信方式設定ファイル confファイル API設定ファイル
ユーザー管理 ユーザー認証
ユーザーマッピング
起動管理 起動順序制御
終了順序制御
イベントサービス
イベント変換 ログファイルトラップ
イベントログトラップ
SNMPトラップ変換
イベントサービスの定義情報の収集と配布
プロセス管理機能
ヘルスチェック
ローカルアクション
ISAMユーティリティコマンド
統合トレース(HNTRLib2)
JP1/Baseの機能を拡張してユーザーが作成したプログラム

(凡例)
○:使用する
−:使用しない

[目次][前へ][次へ]


[他社商品名称に関する表示]

All Rights Reserved. Copyright (C) 2009, 2011, Hitachi, Ltd.