JP1/Performance Management - Agent Option for Service Response
PFM - Agent for Service Responseは,Internet Explorerで操作してからWebページの表示が完了するまでの時間を取得し,Internet Explorerを使用しているときに体感する応答性能を計測します。Internet Explorerでの複数の操作から成る一連の作業を,一つのIEシナリオとして定義し,計測できます。PFM - Agent for Service Responseでは,IEシナリオの応答時間を,秒単位で小数点第3位(0.001秒の位)まで計測できます。
IEシナリオ計測の概要を次の図に示します。
PFM - Agent for Service ResponseのIE Probe Daemonは,起動時に次の三つのファイルを読み込みます。計測結果は,計測条件ごとにいったんレポートファイルに出力され,一定の間隔でAgent Collectorによって収集されます。
- Probe動作条件定義ファイル(esp.conf)
PFM - Agent for Service ResponseのIEプローブの計測多重度やレポートファイルのサイズ上限などの起動オプションを定義するファイルです。詳細については,「7.2 Probe動作条件定義ファイル(esp.conf)」を参照してください。
- 計測条件登録ファイル(esptask.xml)
計測対象のサービスタイプや,ホスト名,計測間隔などの計測条件を定義するファイルです。PFM - Web Consoleから設定します(直接編集することもできます)。PFM - Web Consoleからの設定については,「3.7 PFM - Web Consoleからの計測条件の定義」を参照してください。計測条件登録ファイルの詳細については,「7.3 計測条件登録ファイル(esptask.xml)」を参照してください。
- IEシナリオファイル
Internet Explorerで実行した操作情報を記録してIEシナリオとして定義するファイルです。IEシナリオは,IE Recorderで定義できます。IE Recorderでは,Internet Explorerの画面をウィンドウに呼び出し,ウィンドウ上で実行するInternet Explorerの操作を記録することによってIEシナリオを定義できます。
IEシナリオの計測では,IEシナリオファイルの定義に従って,Internet Explorerの操作を再生し,再生の所要時間などを計測します。
計測結果は,IEシナリオを再生した全体の計測結果が出力されます。また,IEシナリオの任意の操作を計測した結果についても同様に出力されます。計測結果となる稼働性能情報については,「9. レコード」の「IE Scenario(PI_IES)」「IE Scenario Overview(PI_IESO)」を参照してください。
- <この項の構成>
- (1) 任意の操作の応答性能計測
- (2) レスポンス判定
- (3) タグの特定
任意の操作の応答性能を計測できます。任意の操作の応答性能を計測する場合は,操作の範囲をスコープとして定義します。スコープは16個まで定義できます。スコープとして定義する操作の範囲は,ほかのスコープで定義した範囲と重複してもかまいません。スコープの定義例を次の図に示します。
上記の例の場合,各スコープの計測項目は次のようになります。
- IEシナリオ全体
ログイン画面の取得から,ログイン後のメイン画面の表示完了,操作画面1の表示完了,操作画面2の表示完了までのIEシナリオの再生に要した時間
- スコープ1
ログイン画面の取得から,ログイン後のメイン画面の表示完了までのIEシナリオの再生に要した時間
- スコープ2
ログイン画面の取得から,ログイン後のメイン画面の表示完了,操作画面1の表示完了までのIEシナリオの再生に要した時間
- スコープ3
メイン画面で操作画面1を選択してから,操作画面1の表示完了までのIEシナリオの再生に要した時間
- スコープ4
操作画面1で操作画面2を選択してから,操作画面2の表示完了までのIEシナリオの再生に要した時間
このように,一つのIEシナリオについて,スコープを定義することによって各処理の性能を計測できます。
レスポンス判定情報を定義することによって,取得したHTMLの応答内容をチェックし,計測対象の異常を検知できます。
ログイン失敗を通知する画面が表示された場合を計測の失敗と扱いたいときは,レスポンス判定情報を定義して,応答内容をチェックしてください。応答内容のチェックでは,画面のHTMLファイルに含まれる文字列だけをチェックの対象とします。
IEシナリオを記録したあとで,計測対象サイトの画面のレイアウト変更などを行ったために,HTMLファイル中の操作対象となるタグの属性や記述位置などが変更されることがあります。そのような場合に,IEシナリオを記録し直さなくてもIEシナリオの計測ができるように,操作対象となるタグの絞り込み方法を指定できます。
操作対象となるタグの特定方法を次に示します。
- インナーテキスト
- 開始タグと終了タグに囲まれたインナーテキストから,操作対象となるタグを特定します。インナーテキストを指定すると,IEシナリオの再生時に,指定したインナーテキストを含むタグが選択され,実行されます。指定したテキストを含むタグが複数ある場合,HTMLファイルで最初に記述されているタグが選択されます。
- 属性
- タグに含まれる属性の値から,操作対象となるタグを特定します。
- 属性を指定すると,IEシナリオの再生時に,指定した属性の値を含むタグが選択され,実行されます。指定した属性の値を含むタグが複数ある場合,最初に記述されているタグが選択され,実行されます。
- タグの位置
- インナーテキストや属性の値が同じタグのうち,HTMLファイルの先頭から数えて何番目にあるかというタグの位置から,操作対象となるタグを特定します。タグの位置を指定すると,IEシナリオの再生時に,指定した位置に記述されたタグが選択され,実行されます。
- 操作対象となるタグの特定方法を指定する方法については,「6.2.2 [操作の設定]画面」を参照してください。
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