JP1/Performance Management - Agent Option for Service Response

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6.2.2 [操作の設定]画面

記録した操作に関する設定を行う画面です。タイトルバーには,画面のタイトルと現在編集している操作名が表示されます。[IE Recorder](メイン)画面で[編集]−[操作の設定]を選択すると表示されます。[操作の設定]画面には,次の三つのタブがあります。

それぞれのタブごとに,表示項目について説明します。

<この項の構成>
(1) [待ち時間]タブ
(2) [操作対象]タブ
(3) [レスポンス判定]タブ

(1) [待ち時間]タブ

操作が再生されるまでの待ち時間を設定する画面です。

図6-4 [操作の設定]画面([待ち時間]タブ)

[図データ]

表示項目について説明します。

[この操作の再生を待つ]チェックボックス
操作が再生されるまでの待ち時間を設定する場合にチェックします。デフォルトはチェックされていません。

[待ち時間]
待ち時間を1〜600秒の範囲で指定します。
[この操作の再生を待つ]がチェックされていない場合は,0秒に設定されます。なお,小数を指定した場合は,小数点以下が切り捨てられます。未入力の場合は,前回の入力値に戻します。
[待ち時間]は,前の操作完了から,この操作の再生を実行するまでの時間を指定したい場合に設定します。待ち時間を設定することで,ページ遷移が完了しないページや,完了を検出できないページを監視できることがあります。
例えば,IE Recorderの計測テストやIEプローブの再生のデフォルトでは,ページの表示が完了した直後に次の操作を実行します。しかし,実際の操作では,ページ表示完了から次の動作までにタイムラグがあるため,ユーザーがIEシナリオを操作した時間と,計測テストやIEプローブの再生に掛かる時間との間に大きな差があります。この場合,クリック操作などに[待ち時間]を設定することで,より実際のユーザー操作時間に近い計測ができるようになります。
デフォルトの[待ち時間]タブの各項目の状態を次の表に示します。

表6-6 デフォルトの[待ち時間]タブの各項目の状態

項番 操作 項目 状態
1 HTML操作 この操作の再生を待つ
待ち時間 T1
自動的にページ遷移が発生した場合すぐに次の操作に移る
2 ブラウザ操作 アドレス入力 この操作の再生を待つ
3 待ち時間 T1
4 自動的にページ遷移が発生した場合すぐに次の操作に移る
5 進む/戻る この操作の再生を待つ
6 待ち時間 T1
7 自動的にページ遷移が発生した場合すぐに次の操作に移る
8 更新 この操作の再生を待つ
9 待ち時間 T1
10 自動的にページ遷移が発生した場合すぐに次の操作に移る
11 ナビゲーション この操作の再生を待つ
12 待ち時間 T1+10
13 自動的にページ遷移が発生した場合すぐに次の操作に移る
14 タブを閉じる この操作の再生を待つ
15 待ち時間 T1
16 自動的にページ遷移が発生した場合すぐに次の操作に移る
17 ダイアログ操作 ポップアップダイアログ この操作の再生を待つ 非活性
18 待ち時間 非活性
19 自動的にページ遷移が発生した場合すぐに次の操作に移る 非活性

(凡例)
○:デフォルトで選択されている
−:デフォルトでは選択されていない
T1:記録時に操作の実行にかかった時間

注※
[この操作の再生を待つ]を活性状態にしたとき初期の状態。[この操作の再生を待つ]が非活性の場合は,設定値は無効です。

[自動的にページ遷移が発生した場合すぐに次の操作に移る]チェックボックス
再生されるまでの待ち時間にページ遷移が発生した場合,その時点で待ち時間の設定を解除するときにチェックします。ナビゲーション以外の操作では非活性です。

(2) [操作対象]タブ

操作対象となるタグの特定方法を設定する画面です。IEシナリオを記録したあとで,計測対象サイトの画面のレイアウト変更などを行ったために,HTMLファイル中の操作対象となるタグの属性や記述位置などが変更されることがあります。そのような場合に,IEシナリオを記録し直さないで変更に対応できるようにします。また,デフォルトの特定方法ではタグの特定ができないために,意図どおりの再生ができない場合にも使用します。なお,HTML操作以外の操作については,このタブの各項目は非活性になります。

図6-5 [操作の設定]画面([操作対象]タブ)

[図データ]

表示項目について説明します。

[絞り込み条件]
記録した操作を再生するときの操作対象になるタグの絞り込み条件を指定します。[インナーテキスト]と[属性]のどちらか一方を指定した場合は,指定した条件を満たす操作を再生します。[インナーテキスト]と[属性]の両方を指定した場合は,指定した条件の両方を満たす操作を再生します。

[タグ名]
選択した操作のタグ名が表示されます。編集できません。

[インナーテキスト]チェックボックス
開始タグと終了タグに囲まれたテキストが一致しているタグを操作対象とする場合にチェックします。タグ名が「a」の場合は,デフォルトで[インナーテキスト]がチェックされています。

[属性]チェックボックス
操作対象とするタグに含まれる属性を選択する場合にチェックします。デフォルトはチェックされていません。リストには,操作を記録したときのタグに含まれている属性が表示されます。属性の値が一致するタグを操作対象とします。複数の属性を選択した場合は,すべての属性の値が一致するタグを操作対象とします。また,HTMLファイルに定義されていない属性であってもデフォルト値がある属性については表示されることがあります。

[タグの位置]
タグの位置を1〜2,147,483,647の範囲で指定します。HTMLファイル内で指定した位置に出現したタグを操作対象とします。デフォルトは,操作を記録したときのタグの位置が設定されています。最大値より大きい値を入力した場合は最大値が,最小値より小さい値を入力した場合は最小値が設定されます。なお,小数が入力された場合は,小数点以下を切り捨てます。未入力の場合は,前回の入力値に戻します。
デフォルトの値は,[タグ名]が「a」の場合とそれ以外の場合で異なります。
  • [タグ名]が「a」の場合
    操作したタグと同じインナーテキストを持つタグの中から,HTMLファイルの先頭から数えた位置となります。
  • [タグ名]が「a」以外の場合
    操作したタグと同じ名前のタグの中から,HTMLファイルの先頭から数えた位置となります。
また,[絞り込み条件]の設定によって操作対象とするタグが異なります。
  • [絞り込み条件]が選択されていない場合
    [タグ名]に表示されているタグの中から[タグの位置]に指定した位置に出現したものを操作対象とします。
  • [絞り込み条件]で[インナーテキスト]が選択されている場合
    記録した操作のタグ名と名前が同じで,同じインナーテキストを持つタグの中から[タグの位置]に指定した位置に出現したものを操作対象とします。
  • [絞り込み条件]で[属性]が選択されている場合
    記録した操作のタグと名前が同じで,同じ属性の値を持つタグの中から,[タグの位置]に指定した位置に出現したタグを操作対象とします。
  • [絞り込み条件]で[インナーテキスト]と[属性]の両方が選択されている場合
    記録した操作のタグと名前が同じで,同じインナーテキストと属性の値を持つタグの中から,[タグの位置]に指定した位置に出現したタグを操作対象とします。
タグの特定方法の組み合わせによる動作を次の表に示します。

表6-7 タグの特定方法の組み合わせによる動作

指定できる組み合わせ 動作 適用ケース
インナーテキスト 属性値 タグの位置
インナーテキストと属性値が一致する同一タグの中での相対位置が,「タグの位置」番目のタグを操作対象とする。 下記のどの組み合わせでも,操作対象を特定できない場合に有効。
× 属性値が一致する同一タグの中での相対位置が,「タグの位置」番目のタグを操作対象とする。 操作対象がインナーテキストを持たず,かつ属性値が一意に識別できるページの場合に有効。同じ属性値を持つタグが多く,かつそれらの個数が変動するようなページでは,操作対象タグを特定できなくなるおそれがある。
× インナーテキストが一致する同一タグの中での相対位置が,「タグの位置」番目のタグを操作対象とする。 <A>タグを記録した場合のデフォルト設定。操作対象のインナーテキストが一意に識別できるページの場合に有効。同じインナーテキストを持つタグが多く,かつそれらの個数が変動するようなページでは,操作対象タグを特定できなくなるおそれがある。
× × 同一タグの中での相対位置が,「タグの位置」番目のタグを操作対象とする。 <A>タグ以外のタグを記録した場合のデフォルト設定。内容が変化しないページを監視する場合に有効。同一タグの個数が変動するようなページでは,操作対象タグを特定できなくなるおそれがある。

(凡例)
○:特定方法として指定する。
×:特定方法として指定しない。

[タグの位置]は,必ずタグの特定方法として使用されます(使用しない設定はできません)。
なお,[タグの位置]は,[インナーテキスト]および[属性値]の指定によって特定されるタグの中での相対位置となります。したがって,タグの特定方法の組み合わせを変更すると,[インナーテキスト]および[属性値]が一致するタグの個数が変化するため,併せて「タグの位置」も見直す必要があります。具体例を次に示します。

図6-6 記録時のページ

[図データ]
図6-6のように,同一のインナーテキストが複数存在しているページに対して,メンテナンス情報更新の「こちら」のリンクをクリックした場合,次に示す情報が記録されます。

図6-7 記録される情報

[図データ]
しかし,このページが次に示す図のように変更された場合,メンテナンス情報更新の「こちら」は,タグ位置が3番目となってしまうため,そのままでは再生に失敗します。

図6-8 再生時のページ

[図データ]
このようなケースでは,次に示すどれかの対応によって正しく再生できるようになります。なお,(2)(3)の対応方法は,記録済み操作の情報を修正することになるため,HTMLソースを解析できる程度の知識が必要です。HTMLソースを解析できない場合は,(1)のIEシナリオを記録し直すか,または監視対象サイト(ページ)の管理者から設定に必要な情報を取得する必要があります。

(1) IEシナリオを記録し直す
変更後のページに対する操作を,すべて記録し直します。操作ごとに変化する情報を意識する必要なく対応できます。

(2) タグの位置を変更する
タグの種類とインナーテキストに変更がないため,記録した操作のタグの位置を変更することによって対応します。

図6-9 タグの位置を変更する場合の変更個所

[図データ]

(3) 特定方法とタグの位置を修正する
記録した操作に対するタグの特定方法を,インナーテキストでの特定から,属性値による特定に変更して対応します。図6-6および図6-8で示した例では,ページ変更前後でhref属性が変化しないため,この情報を使用してタグを特定できます。この方法は,今後href属性の値(URL)が一意に識別できる同じインナーテキストが増えることが予想されるページに対しては,次回以降変更する必要がなくなるため,特に有効です。ただし,その場合,タグの位置で示される相対位置の基準となる特定条件を変更しているため,タグの位置も合わせて変更する必要があります。

図6-10 特定方法とタグの位置を修正する場合の変更個所

[図データ]

操作の特定方法
絞り込み条件を変更したときの操作対象を確認する方法を次に示します。

  1. 絞り込み条件を確認する操作にブレークポイントを設定し,再生する。
  2. 絞り込み条件を確認する操作までステップ再生する。
    次に再生される操作対象に色がついた状態となります。
  3. 次に再生される操作を選択し,[操作の設定]画面−[操作対象]タブを開く。
  4. [操作対象]タブで[絞り込み条件]や[タグの位置]を変更する。
  5. 変更を完了した後[OK]をクリックする。
    変更した絞り込み条件が反映された後の操作対象に色がつきます。

これにより,絞り込み条件を変更したときの操作対象を確認することができます。

(3) [レスポンス判定]タブ

IEシナリオ監視の際に,正当なレスポンスかどうかを判定するための条件を設定する画面です。レスポンスの判定情報は,操作ごとに定義します。各操作に対応して受信したすべてのページに対して判定します。レスポンス判定の対象は,HTMLテキストに限ります。

図6-11 [操作の設定]画面([レスポンス判定]タブ)

[図データ]

表示項目について説明します。

[レスポンス判定を行う]チェックボックス
レスポンス判定を行う場合にチェックします。デフォルトはチェックされていません。「判定条件1」および「判定条件2」の二つの判定条件を設定できます。

かつ
「判定条件1」および「判定条件2」の両方を満たす場合を,正当なレスポンスと判定させるときにチェックします。「判定条件1」および「判定条件2」のどちらか一方を満たさない場合には,計測が終了します。

または
「判定条件1」および「判定条件2」のどちらか一方を満たす場合を,正当なレスポンスと判定させるときにチェックします。「判定条件1」および「判定条件2」のどちらも満たさない場合には,計測が終了します。

[文字列]
判定対象となる文字列を1,024文字以内で指定します。設定できる文字の種類に制限はありません。何も設定しない場合は,判定条件は設定されません。

[判定]
[文字列]で指定した文字列について「含む」または「含まない」のどちらかを設定します。デフォルトは「含む」が選択されています。

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