uCosminexus 電子フォームワークフロー 解説

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付録C.4 共通クラスの補足情報

ここでは,BLCTraceクラス,BLCCommonクラス,BLCSTRPortalクラス,およびBLCRequestDataクラスの補足情報を説明します。

<この項の構成>
(1) BLCTraceクラス
(2) BLCCommonクラス
(3) BLCSTRPortalクラス
(4) BLCRequestDataクラス

(1) BLCTraceクラス

このクラスは,トレース情報を初期化および出力するメソッドを提供します。

BLCで取得するトレースには5種類のトレースレベルがあり,トレースレベルはBLCプロパティファイルのTraceLevelキーで設定します。
−1:トレース出力なし
10:例外情報だけ出力
20:例外情報およびコールトレース
30:例外情報,主要なコールトレースおよび内部トレース
40:例外情報,すべてのコールトレースおよび内部トレース
注意事項
レベル30で出力する主要なトレースとは,次の処理をするメソッドです。
  • BLC初期化をするメソッド
  • DBアクセスをするメソッド
  • 他プログラム呼び出しをするメソッド
  • Servlet固有のオブジェクト参照および更新をするメソッド
  • 上記メソッドを呼び出すメソッド

(2) BLCCommonクラス

このクラスは,BLC共通情報を取得および設定するメソッドを提供します。主に,数値変換や日付変換などのBLCクラス共通部品を扱います。

BLCで扱う日付時刻の取得とフォーマット機能を共通インタフェースで提供します。

BLCでは,日付時刻をGMT(グリニッジ標準時間)でデータ格納します。したがって,データ格納の際,または格納データを使用する際に,タイムゾーンによる時差でローカル時刻へ変換してエンドユーザに表示する必要があります。

注意事項

(3) BLCSTRPortalクラス

このクラスは,ストリングリソースファイル(BLCstringResourcePortal.properties)をプロパティリソースとして,メモリにローディングして管理するメソッドを提供します。

各BLCクラス,および各BLCページで,エンドユーザ表示用文字列を使用言語に合わせてカスタマイズしやすいようにソースコーディング上から切り離すことを目的としています。

日本語の文字コードを含む場合はUnicode文字コーディング変換されていることが必要です。

ストリングリソースプロパティリソースは,Propertiesクラスによるプロパティリストです。構成を次に示します。

BLCSTRPortalクラスオブジェクトは,実行プロセスで一つです。

BLCでは,共通クラスのBLCProcessInit.initBLC()メソッドで排他制御され,オブジェクトが生成されます。ストリングリソースファイルのローディングは,上記の制御の延長で行われ,プロパティリストは静的オブジェクトとして保持されます。このため,ストリングリソースファイルの内容を変更した場合は,実行プロセスの再起動が必要です。

(4) BLCRequestDataクラス

このクラスは,ページへのリクエストデータをエンコードし,保持するメソッドを提供します。

簡単なJSPページでは,キーと値は更新する用途でこのオブジェクトを使用し,ページ表示時のHIDDENタグの重複出力を防止するために利用します。

複雑なデータ処理を伴うページでは,このオブジェクトの更新はリクエストポリシーにかかわる内容だけに限定し,ほかにBLCValDicクラスオブジェクトをインタフェースとしてデータ処理をする必要があります。

保持するリクエストデータは,BLCプロパティファイルのRequestDataEncodeキーで指定された値で,エンコードされます。RequestDataEncodeキーの指定がない場合,エンコードされません。