EUR Form連携帳票の場合，帳票のデータを更新しなくても作業完了の処理ができるようにカスタマイズできます。この処理は，分業で帳票データを更新するべきノードと，更新するべきでないノードがあるようなビジネスプロセスに利用できます。ビジネスプロセスの例を次に示します。

図8-4　データの更新を伴わない作業完了処理が有効なビジネスプロセスの例

このビジネスプロセスでは次の作業が実行されます。

1. 帳票データを更新するノードAの作業者が帳票を開きます。
2. 帳票データを更新しないノードBの作業者が帳票を開きます。なお，1.と2.の順序は逆でもかまいません。
3. ノードAで作業者が帳票データを変更し，承認（作業完了）します。
   データベース上の帳票データが，変更したデータに更新されます。
   
4. ノードBで作業者が帳票データを変更しないで，承認（作業完了）します。
   データベース上の帳票データが，変更していないデータで更新されます。
   

上記の作業では，3.で更新された帳票データが，4.の更新によって変更前の帳票データに戻ってしまいます。

このような場合に，ノードBの処理を帳票のデータを更新しなくても作業完了の処理ができるようにカスタマイズします。これによって，4.で承認（作業完了）しても帳票データが更新されないため，3.で変更した帳票データが失われることはありません。

カスタマイズ方法

帳票のデータを更新しなくても作業完了の処理ができるようにする方法を上記のビジネスプロセスを例に示します。次の方法でカスタマイズすると，カスタマイズの量を低減できます。

1. EUR Form帳票を作成します。ノードBでの承認ボタンをノードAでの承認ボタンとは別に用意します。
2. BLCEURProcessSample.jspを次のようにカスタマイズします。
   

   ノードBで承認ボタンがクリックされたときの処理

   setCompleteModeメソッドで作業完了モードを「帳票データを更新しないモード」に設定してから，作業完了API（BLCEURFormProcess.complete）を呼び出すようにします。

   ノードAで承認ボタンがクリックされたときの処理

   通常の作業完了API（BLCEURFormProcess.complete）を呼び出すようにします。ただし，作業完了モードのデフォルトは「更新する」モードであるため，指定する必要はありません。

例に示したビジネスプロセスのほか，分業で，審議ルートとは別にデータを参照するだけの回覧ルートがあるようなビジネスプロセスにも上記の方法を利用できます。