uCosminexus 電子フォームワークフロー 解説

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5.8.5 案件の引き戻しと差し戻しBLCWFWIBackwardクラス

案件を次のノードから引き戻したり,一つ前のノードへ差し戻したりするようカスタマイズできます。引き戻し機能および差し戻し機能について,次に説明します。

<この項の構成>
(1) 引き戻し
(2) 差し戻し

(1) 引き戻し

引き戻し機能とは,案件の申請または承認処理を実行したユーザが,次の業務ステップへ遷移した案件を引き戻す機能です。

ただし,申請ノード「@Source」は業務ステップではないため,申請者が申請ノードに案件を引き戻すことはできません。

また,次に示す場合,案件の引き戻しはできません。

なお,引き戻しが正しく動作する構造については,マニュアル「uCosminexus Service Coordinator Interactive Workflow システム構築・運用ガイド」を参照してください。

実装例
引き戻し機能の実装例を次に示します。
[図データ]
引き戻し機能のメッセージ
引き戻し機能でエラーが発生した場合に表示されるメッセージとその対処について,次に示します。
引き戻しに失敗しました。案件名=<案件名>,案件ID=<案件ID>,詳細情報=<詳細情報>
要因
指定した案件が,次の条件のどちらかに該当します。
  • 指定した案件は引き戻し処理中に削除されました。
  • 指定した案件のレコードがBLC_INBOX_Tテーブルに存在しません。
対処
指定した案件が引き戻しできる状態かどうか確認してください。
引き戻しできませんでした。案件名=<案件名>
要因
指定した案件が,次の条件のどちらかに該当します。
  • 指定した案件は引き戻しできない次のノードへ遷移済みです。
  • 指定した案件は差し戻し済みです。
対処
指定した案件が引き戻しできる状態かどうか確認してください。
必要な項目が指定されていません。項目名=<項目名>
要因
次の項目のどれかが指定されていません。
  • 申請ID
  • 案件ID
  • 作業ID
  • ボタンID
対処
上記はすべて必須項目です。すべての項目が指定されているかどうか確認してください。
uCosminexus Service Coordinator Interactive Workflowの案件情報がありません。案件名=<案件名>
要因
指定した案件は削除されています。
対処
案件の状態を確認して,引き戻しできる条件かどうか確認してください。
注意事項
  • 案件を承認したユーザが申請者に開示したくない内容を追記した場合は,案件の引き戻し時に情報が見えないように実装する必要があります。
  • 一度しか実行しない承認処理(DB処理など)を実装している場合,引き戻し処理によって2回目の承認処理が実行されないように実装してください。
  • BLSGで指定した業務完了指示作業で案件を開くと,BLCValDicクラスの「BLC_PIStatus」が「完了」になります。APIで案件の業務ステップを変更する場合は,ボタンDB更新前処理でBLCValDicクラスの「BLC_PIStatus」に値を設定する必要があります。
  • 引き戻し,差し戻し,または承認処理が競合した場合,先着した処理以外は例外が発生します。

(2) 差し戻し

差し戻し機能とは,案件を保持しているユーザが処理済みの業務ステップへ案件を差し戻す機能です。

ただし,申請ノード「@Source」は業務ステップではないため,申請ノードに案件を差し戻すことはできません。この場合は,申請者が作業者となる再申請などの業務ステップをあらかじめ作成しておくことで,申請された案件を差し戻せます。

なお,差し戻しが正しく動作する構造については,マニュアル「uCosminexus Service Coordinator Interactive Workflow システム構築・運用ガイド」を参照してください。

実装例
差し戻し機能の実装例を次に示します。
[図データ]
差し戻し機能のメッセージ
差し戻しでエラーが発生した場合に表示されるメッセージとその対処について,次に示します。
差し戻しに失敗しました。案件名=<案件名>,案件ID=<案件ID>,詳細情報=<詳細情報>
要因
指定した案件が,次の条件のどれかに該当します。
  • 指定した案件は差し戻しできない次のノードへ遷移済みです。
  • 指定した案件は引き戻し済みです。
  • 指定した案件は差し戻し処理中に削除されました。
  • 指定した案件のレコードがBLC_INBOX_Tテーブルに存在しません。
対処
指定した案件が差し戻しできる状態かどうか確認してください。
必要な項目が指定されていません。項目名=<項目名>
要因
次の項目のどれかが指定されていません。
  • 申請ID
  • 案件ID
  • 作業ID
  • ボタンID
  • 差し戻し先の業務ステップ定義名
  • forward先URL
対処
上記はすべて必須項目です。すべての項目が指定されているかどうか確認してください。
uCosminexus Service Coordinator Interactive Workflowの案件情報がありません。案件名=<案件名>
要因
指定した案件は削除されています。
対処
案件の状態を確認して,差し戻しできる条件かどうか確認してください。
注意事項
  • 一度しか実行しない承認処理(DB処理など)を実装している場合,差し戻し処理によって2回目の承認処理が実行されないように実装してください。
  • BLSGで指定した業務完了指示作業で案件を開くと,BLCValDicクラスの「BLC_PIStatus」が「完了」になります。APIで案件の業務ステップを変更する場合は,ボタンDB更新前処理でBLCValDicクラスの「BLC_PIStatus」に値を設定する必要があります。
  • 引き戻し,差し戻し,または承認処理が競合した場合,先着した処理以外は例外が発生します。