uCosminexus 電子フォームワークフロー 解説

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5.1.3 クライアント側のユーザ追加処理で行うカスタマイズ

クライアント側のユーザ追加処理で,帳票ボタン処理などをカスタマイズするためには,JavaScript関数を追加します。JavaScriptは,BLCとは別のファイルに記述し,JavaScriptを含むファイル名を帳票ジェネレータ(BLSG)機能で指定します。なお,該当のファイルは,必ずnative2asciiでエンコードしたファイルを利用してください。

追加できるJavaScript関数を次に示します。

表5-4 追加できるJavaScript関数

関数の種類 JavaScript関数名 説明
OnLoadイベント ufcl_OnLoad 帳票ページの開始時にコールされます。
帳票モジュールチェック ufcl_checkModule_<帳票モジュールID> 申請ボタンおよび承認ボタンがクリックされたときにコールされます。
この関数を定義した場合,帳票ジェネレータ(BLSG)機能の画面およびダイアログで定義した,入力必須・入力チェック処理を実行しないで,この関数に切り替えます。
帳票チェック ufcl_checkForm 帳票モジュールチェック実行後にコールされます。
ボタンチェック ufcl_checkButtons 入力チェック後に,申請ボタンや承認ボタンなどのボタンが,帳票を送信する直前でコールされます。

 

帳票チェック処理の指定例を次に示します。

図5-4 帳票チェック処理の指定例

[図データ]

<この項の構成>
(1) 追加できるJavaScript関数の詳細
(2) JavaScript関数でアクセスできる項目

(1) 追加できるJavaScript関数の詳細

ユーザが追加できるJavaScript関数の詳細な内容を説明します。

(a) ufcl_OnLoad

JavaScript関数ufcl_OnLoadの詳細を次に示します。

表5-5 ufcl_OnLoadの詳細

関数名 ufcl_OnLoad
格納ファイル <ユーザ追加スクリプトファイル>
機能 帳票のOnLoad関数から呼び出されます。
書式 ufcl_OnLoad()
引数 なし
戻り値 ロードOK時:true
エラー時:false
備考 戻り値がfalseの場合,呼び出し元で表示エラーダイアログを出力します。
使用例 function ufcl_OnLoad(){
return true;
}
(b) ufcl_checkModule_<帳票モジュールID>

JavaScript関数ufcl_checkModule_<帳票モジュールID>の詳細を次に示します。

表5-6 ufcl_checkModule_<帳票モジュールID>の詳細

関数名 ufcl_checkModule_<帳票モジュールID>
格納ファイル <ユーザ追加スクリプトファイル>
機能 帳票モジュールの入力チェック関数を置き換えます。
書式 ufcl_checkModule_<帳票モジュールID>()
引数 なし
戻り値 チェックOK時:true
チェックエラー時:false
備考
  • 戻り値がfalseの場合,申請・承認の実行を中断します。
  • この関数を定義した場合,帳票ジェネレータ(BLSG)機能の画面およびダイアログで定義した入力必須・入力チェック処理を実行しないで,この関数だけを呼び出します。
使用例 function ufcl_checkModule_<帳票モジュールID>(){
alert('帳票モジュール入力エラー');
return false;
}
(c) ufcl_checkForm

JavaScript関数ufcl_checkFormの詳細を次に示します。

表5-7 ufcl_checkFormの詳細

関数名 ufcl_checkForm
格納ファイル <ユーザ追加スクリプトファイル>
機能 帳票の入力チェック処理を追加する関数です。
書式 ufcl_checkForm()
引数 なし
戻り値 チェックOK時:true
チェックエラー時:false
備考
  • 戻り値がfalseの場合,申請・承認の実行を中断します。
  • この関数を定義した場合,各帳票モジュールの入力チェックを実行したあとに呼び出されます。
使用例 function ufcl_checkForm(){
alert('帳票全体の入力エラー');
return false;
}
(d) ufcl_checkButtons

JavaScript関数ufcl_checkButtonsの詳細を次に示します。

表5-8 ufcl_checkButtonsの詳細

関数名 ufcl_checkButtons
格納ファイル <ユーザ追加スクリプトファイル>
機能 帳票のボタンクリック関数から呼び出されます。
書式 ufcl_checkButtons(strButtonName, strButtonID)
引数 strButtonName:ボタン名
strButtonID:ボタンID
ボタン名とボタンIDの対応を次に示します。
左側がボタン名,右側がボタンIDです。
・申請:ID_APPLY
・再申請:ID_REAPPLY
・破棄:ID_DESTRUCTION
・確認:ID_CONFIRM
・受付:ID_RECEPTION
・却下:ID_REJECT
・承認:ID_WICOMPLETE
・申請書表示※1:ID_APPLYFORM
・読込※2:ID_DBIN
・更新※2:ID_UPDATEWIN
戻り値 チェックOK時:true
チェックエラー時:false
備考 エラー時は,呼び出し元の帳票でボタンによるsubmit処理を中断します。
使用例 function ufcl_checkButtons(strButtonName, strButtonID){
alert(strButtonName + ':' + strButtonID);
return true;
}
注※1
カスタム申請のソース帳票だけで使用します。
注※2
DBアクセス専用帳票だけで使用します。

(2) JavaScript関数でアクセスできる項目

ユーザが追加できるJavaScript関数で参照または設定できる項目を次に示します。

表5-9 JavaScript関数でアクセスできる項目

項目名 変数名 内容 設定の
可否
ビジネスプロセス名 BLC_BpName ビジネスプロセス名
作業名 BLC_NodeName
  • "業務ステップ定義名"+"-"(半角ハイフン)+"作業定義名"
  • 申請時は"@Source"
完全作業名 BLC_NodeInstName
  • "業務ステップ名"+"-"(半角ハイフン)+"作業名"
  • 申請時は"@Source"
処理モード BLC_ProcMode
  • 0:
    帳票一覧から起票します。
  • 1:
    受信ボックスから起票します。
  • 3:
    送信ログから起票します。
  • そのほかの値:
    今後の拡張用に予約済みです。
案件ID BLC_PIID
  • CSCIWの案件ID
  • 申請時は空文字列
申請ID BLC_PIName
  • CSCIWの案件名
  • 申請時だけCSCIWのシステムでユニークになるようなユーザ指定値に設定できます。
作業ID BLC_WIID
  • CSCIWの作業ID
  • 申請時は空文字列
帳票ID BLC_FormID 帳票ID
申請作業者
ID
BLC_ApplyUID 申請をしたユーザID
帳票
モジュール
表示種別
BLC_show_<帳票モジュールID>
  • True:
    帳票モジュールを表示します。
  • False:
    帳票モジュールを表示しません。
案件状態 BLC_PIStatus 申請時は"処理中",帳票ジェネレータ(BLSG)機能の業務完了指示作業で"完了"を設定します。
ユーザ追加処理で設定できます。
宛先ユーザ BLC_SendToData
  • 宛先選択ドロップダウンが表示されるときは,HTML項目種別が"select"。
  • 宛先選択ドロップダウンが表示されないときは,HTML項目種別が"hidden"となります。
  • 値を設定する場合は,BLC_USER_Vビューに存在するユーザのユーザIDを設定する必要があります。
(凡例)
−:ユーザが追加できるJavaScript関数で,参照だけできます。
○:ユーザが追加できるJavaScript関数で,参照と設定ができます。

項目「作業名」を,JavaScript関数alertで表示する場合の指定例を次に示します。

図5-5 作業名をJavaScript関数alertで表示する場合の指定例

[図データ]