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7.4.2 パーツ別設定ファイル(csv)の作成

配布先分割では,印刷ジョブおよびPDFファイルの分割をするだけでなく,分割単位(以降,パーツ単位)で次の設定内容を変更できます。

パーツ単位で設定内容を変更する場合は,パーツのパーツ識別文字列と,そのパーツに適用する設定情報を対応づけたパーツ別設定ファイル(csvファイル)をあらかじめ作成しておく必要があります。

〈この項の構成〉

(1) パーツ別設定ファイル(csv)の設定方法

パーツ別設定ファイル(csv)とは,パーツ識別文字列とパーツ別情報を対応づけたファイルです。メモ帳などを利用して,次の形式で作成してください。

パーツ別設定ファイルの形式

"パーツ識別文字列用ヘッダ","パーツ情報用ヘッダ"〔,"パーツ情報用ヘッダ"〔,…〕〕

"パーツ識別文字列","パーツ情報"〔,"パーツ情報"〔,…〕〕

"パーツ識別文字列","パーツ情報"〔,"パーツ情報"〔,…〕〕

"パーツ識別文字列","パーツ情報"〔,"パーツ情報"〔,…〕〕

  :

(凡例)

斜体の文字列:可変の文字列を示します。

〔 〕:省略できます。

…:繰り返し指定できます。

注1 文字コードにはシフトJISまたはUTF-8を使用してください。

注2 空白行やコメント行など,不要な定義はしないでください。

注3 1行の終わりは必ず改行コード(0D0A)16にしてください。行の終わりが改行コードではない場合,その行は無視されます。

注4 コンマ(,)および引用符(")を含む項目は,引用符で囲んでください。含まない項目は,引用符で囲んでも囲まなくてもかまいません。

  引用符で項目を囲む場合は,引用符の外側に文字列を指定しないでください。

  誤った例と正しい例を次に示します。なお,△はスペースを示します。

  <誤った例>△"TOKYO"△,1"234"5

  <正しい例>"TOKYO","12345"

注5 項目中に引用符(")を使用する場合は,「""」と指定します。

注6 項目中に改行コード(0D0A)16や(0A)16は指定しないでください。

パーツ別設定ファイルの設定項目の詳細を次に示します。

表7‒47 パーツ別設定ファイルの設定項目

項目名

内容

入力規則

パーツ識別文字列用ヘッダ

1列目がパーツ識別文字列であることを示すためのヘッダ情報です。

パーツ別設定ファイルの文字コードに応じて以下を設定してください。

  • シフトJIS

    "PARTSID"固定

  • UTF-8

    "PARTSID_UTF8"固定

パーツ識別文字列

パーツを一意に識別するためのキーです。

40けた以内で指定してください。

パーツ情報用ヘッダ

同列が,次のうちのどのパーツ情報であるかを示すためのヘッダ情報です。

  • 出力フォルダ名

  • HOPSS3/AS REV/OSE配布先コード

  • セキュリティポリシーID

  • 出力フォルダ名

    "OUTFOLDER"固定

  • HOPSS3/AS REV/OSE配布先コード

    "HOPSSFOLDER"固定

  • セキュリティポリシーID

    "SECURITYPOLICYID"固定

パーツ情報

パーツ情報用ヘッダによって,次のように設定内容が異なります。

  • 出力フォルダ名

  • HOPSS3/AS REV/OSE配布先コード

  • セキュリティポリシーID

  • 出力フォルダ名

    , ; * ? “ < > | 以外のシフトJIS範囲内の文字を使用して,255けた以内のフルパスまたは相対パスで指定します。

  • HOPSS3/AS REV/OSE配布先コード

    英数字,半角カタカナ,'@','\','#','-','.','/','!','$','(',')','+','`','{','}','~' を使用して,16けた以内で指定します。

  • セキュリティポリシーID

    外字は使用できません。40けた以内で指定します。

(凡例)

英数字:'A'〜'Z','0'〜'9'。

(2) パーツ別設定ファイル(csv)の設定例

パーツ別設定ファイル(csv)の設定例を次に示します。

(a) 分割単位にフォルダを分けてPDFファイル出力

変換種別がPDFでファイル出力時に,配布先分割機能を使用することで,PDFファイルを分割できます。さらに分割した単位で出力先フォルダを分けて出力できます。ただし,フォルダは事前に作成しておく必要があります(分類フォルダと併用する場合も事前にフォルダを作成しておく必要があります)。

分割単位にフォルダを分けてPDFファイル出力する場合の手順を説明します。

  1. パーツ別設定ファイルを作成し,パーツごとに出力フォルダ名を定義します。

    出力フォルダ名は絶対パスまたは相対パスで指定します。出力フォルダ名に相対パスを指定した場合は,環境設定ユティリティの[出力先設定]タブの[フォルダ設定]で指定した出力先フォルダからの相対パスとなるので,相対パス指定をする場合は,出力先フォルダ下のフォルダ名を指定してください。

    分割した単位で出力先フォルダを分けてPDFファイルを出力する場合のパーツ別設定ファイル(csv)の設定例を次に示します。

    "PARTSID","OUTFOLDER"
    "東京","\\Tokyo\Outfile\"
    "大阪","Osaka"
    "愛知",""
  2. パーツ分割されなかった場合,またはパーツ別設定ファイルに一致するパーツ識別文字列がなかった場合に使用する出力先フォルダを設定します。

    出力フォルダは,環境設定ユティリティの[出力先設定]タブの[フォルダ設定]で指定します。パーツ別設定ファイルで出力フォルダ名を相対パス指定したときは,ここで指定したフォルダからの相対パスとなります。

  3. 配布先分割機能の設定を行います。

    配布先分割機能の設定については,「7.4.1(2) 配布先分割機能の設定方法」を参照してください。

    [出力先設定]タブの[分割設定]−[分割詳細設定]画面の[パーツ別設定ファイル名]には,手順1.で作成したパーツ別設定ファイルを設定します。詳細については,「7.2.2(9) 分割設定の詳細」を参照してください。

(b) 分割単位に配布先コードを分けてHOPSS3/AS REV/OSE登録

変換種別がPDFでHOPSS3/AS REV/OSE連携している場合に,帳票を分割して,さらにその分割単位で配布先コードを分けてHOPSS3/AS REV/OSE登録できます。

分割単位に配布先コードを分けてHOPSS3/AS REV/OSE登録する場合の手順を説明します。

  1. パーツ別設定ファイルを作成し,パーツごとに配布先コードを定義します。

    分割した単位で配布先コードを分けてHOPSS3/AS REV/OSE登録する場合のパーツ別設定ファイル(csv)の設定例を次に示します。

    "PARTSID","HOPSSFOLDER"
    "東京","HOPSSTOKYO"
    "大阪","HOPSSOSAKA"
    "愛知","HOPSSAICHI"

    分割してHOPSS3/AS REV/OSE登録する場合は,すべてのパーツがそれぞれ別のHOPSS3/AS REV/OSE配布先コードに割り当たるようにパーツ別設定ファイルを作成してください。一つの帳票から生成されるパーツはすべて同じ帳票コードとなるため,配布先コードを分けていないと,あとのパーツによって上書きされます。

    これによって,分割後の帳票はすべて帳票コードが同じとなるため,HOPSS3/AS REV/OSEの串刺し検索機能を利用して,同一帳票コードを持つ帳票に対して横断的な検索ができます。

  2. HOPSS3/AS REV/OSE連携の設定を行います。

    HOPSS3/AS REV/OSE連携の設定については,「11.3 HOPSS3/AS REV/OSEへのPDFファイルの登録」を参照してください。

    また,パーツ分割されなかったとき,またはパーツ別設定ファイルに一致するパーツ識別文字列がなかったときに使用する配布先コードを,環境設定ユティリティの[連携設定]タブ−[連携機能]−[HOPSS3/AS REV/OSE詳細設定]画面の[配布先コード]に設定してください。詳細については,「7.2.15(3) HOPSS3/AS REV/OSE詳細設定」を参照してください。

  3. 配布先分割機能の設定を行います。

    配布先分割機能の設定については,「7.4.1(2) 配布先分割機能の設定方法」を参照してください。

    [出力先設定]タブの[分割設定]−[分割詳細設定]画面の[パーツ別設定ファイル名]には,手順1.で作成したパーツ別設定ファイルを設定します。詳細については,「7.2.2(9) 分割設定の詳細」を参照してください。

(c) 分割単位にPDFセキュリティを分けて設定

変換種別がPDFでPDE - Access Control Option連携時に,配布先分割機能を使用することで,分割された各PDFファイルにPDFセキュリティを付けられます。さらに分割した単位でセキュリティの内容(セキュリティポリシーID)を変更できます。

分割単位にPDFセキュリティを分けて設定する場合の手順を説明します。

  1. パーツ別設定ファイルを作成し,パーツごとにセキュリティポリシーIDを定義します。

    分割された各PDFファイルにPDFセキュリティを付ける場合のパーツ別設定ファイル(csv)の設定例を次に示します。

    "PARTSID","SECURITYPOLICYID"
    "東京","SECURITYTOKYO"
    "大阪","SECURITYOSAKA"
    "愛知","SECURITYAICHI"
  2. PDFセキュリティの設定を行います。

    PDFセキュリティの設定については,「12. PDE - Access Control Option」を参照してください。

    また,パーツ分割されなかったとき,またはパーツ別設定ファイルに一致するパーツ識別文字列がなかったときに使用するセキュリティポリシーIDを,環境設定ユティリティの[連携設定]タブのPDFセキュリティの詳細設定で設定してください。

  3. 配布先分割機能の設定を行います。

    配布先分割機能の設定については,「7.4.1(2) 配布先分割機能の設定方法」を参照してください。

    [出力先設定]タブの[分割設定]−[分割詳細設定]画面の[パーツ別設定ファイル名]には,手順1.で作成したパーツ別設定ファイルを設定します。詳細については,「7.2.2(9) 分割設定の詳細」を参照してください。

(d) 分割単位にPDFセキュリティを分けて設定し,フォルダを分けて出力

分割した単位でPDFセキュリティの内容(セキュリティポリシーID)とPDFの出力先を変更できます。

分割された各PDFファイルのPDFセキュリティの内容(セキュリティポリシーID)とPDFの出力先を設定する場合の,パーツ別設定ファイル(csv)の設定例を次に示します。

"PARTSID","SECURITYPOLICYID","OUTFOLDER"
"東京","SECURITYTOKYO","\\Tokyo\Outfile\"
"大阪","SECURITYOSAKA","\\Osaka\Outfile\"
"愛知","SECURITYAICHI","\\Aichi\Outfile\"