SEWB+/CONSTRUCTION アプリケーション開発ガイド

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付録J 用語解説

C/Sシステム
クライアントサーバシステムの略称です。サービスを提供するサーバと,サービスを要求するクライアントから構成されます。一つの処理をネットワーク上のクライアントとサーバに分散させる業務形態です。
COBOL開発マネージャ
ソースプログラムや画面定義ファイルなど,関連する一連のファイルをプロジェクトという単位で管理し,効率の良いAP開発を支援するツールです。
CORBACommon Object Request Broker Architecture)
OMG(Object Management Group)が標準化を進めている,ORBの標準仕様です。
CSVファイルComma Separated Valuesファイル)
リレーショナルデータベースで扱えるテキストデータを格納しているファイルです。データの区切りをコンマ(,),レコードの区切りを改行で表します。レコードは可変長形式になります。
DAMファイルDirect Access Methodファイル)
OpenTP1が提供するファイルサービスの一つで,障害発生時にジャーナル情報からトランザクションの回復ができます。ファイル内の相対位置を指定し,ブロック単位でダイレクトアクセスができる直接編成ファイルです。OpenTP1専用のユーザファイルとして使用できます。DAMファイルにアクセスする場合,オフライン上では物理ファイルに,オンライン上では論理ファイルにアクセスします。
OpenTP1
分散トランザクション処理システムを実現するために,日立が提供している製品です。アプリケーションをネットワーク上に分散し,DBを管理するためのサーバを設ける分散システムでは,DBMSの機能だけを利用していたのでは,実現できるクライアントサーバシステムにも限界があります。そこで,複数のWSやPC(クライアント)とサーバを連携し,信頼性とパフォーマンスに優れたシステムを実現するために,オンライントランザクション処理技術が必要になってきます。OpenTP1は,RPC機能のほかにも,複数マシンにわたるデータ更新などの一連の処理の整合性を確保できるトランザクショナルRPC機能,クライアントからのサービス要求を処理するスケジューリング機能,障害発生時にジャーナル情報からトランザクションの回復ができるファイルサービスなどを提供します。
RPCRemote Procedure Call)
RPCは,同一LAN内や,またWANでつながれたLANといった水平分散上のクライアントとサーバ間で,サブプログラムの呼び出しと同じような簡単な手続きで通信ができる機能です。クライアントのプログラムがサービス提供プログラム(SPP)に対してサービス要求するときは,サービス要求に必要なRPCの項目を指定します。
SEWB+/RECORD DEFINER
SEWB+ 基本開発環境のレコード設計支援機能のことです。
SEWB+/REPOSITORYの辞書情報を使用して,レコード情報を定義できます。
SEWB+/REPORT MANAGER
SEWB+で定義した情報の印刷を支援するツールです。SEWB+/CONSTRUCTIONと連携してプログラム処理概要図を,SEWB+/REPOSITORYと連携してインパクトレポートやデータ項目または業務ルールの定義内容などを,SEWB+/RECORD DEFINERと連携してレコード定義を印刷できます。これらのドキュメントを定義内容の確認や保守作業に役立てられます。
SEWB+/REPOSITORY
SEWB+ 基本開発環境のリポジトリ管理機能のことです。
SEWB+/REPOSITORYは,リポジトリに格納された資源(ドキュメントと辞書),およびその資源間の関連をサーバ上で統合管理します。また,SEWB+/REPOSITORYとSEWB+/REPOSITORY-BROWSERを合わせてSEWB+/REPOSITORYと呼ぶこともあります。
SEWB+/REPOSITORY-BROWSER
SEWB+ 基本開発環境のリポジトリブラウザ機能のことです。
SEWB+/REPOSITORY-BROWSERを使うと,リポジトリのシステム開発資源を,クライアントでビジュアルに操作できます。SEWB+/REPOSITORY-BROWSERでは,リポジトリへ辞書やドキュメントを登録したり,目的の資源を検索したり,資源間の関連を手がかりにブラウジングしたりできます。
SEWB+ 基本開発環境
次に示す機能を一つに統合したツールです。
  • リポジトリ管理機能(SEWB+/REPOSITORY)
  • リポジトリブラウザ機能(SEWB+/REPOSITORY-BROWSER)
  • プログラム構築支援機能(SEWB+/CONSTRUCTION)
  • レコード設計支援機能(SEWB+/RECORD DEFINER)
SEWB+ 基本開発環境セット
SEWB+ 基本開発環境とGroupmax ObjectServerから構成されるプログラムプロダクトです。
SEWB+ツール
PCを使った分散開発環境で,システム開発を支援するSEWB+シリーズのツールの総称です。
SPPService Providing Program)
クライアントプログラム(サービス利用プログラム:SUP)やメッセージ処理プログラム(MHP),またはほかのSPPからのRPCによって呼び出され,要求されたサービスを処理し,結果を返すサービス提供プログラムです。
SUPService Using Programの略称です。)
サービス提供プログラム(SPP)に対してRPCを発行し,サービスを要求するクライアントプログラム(サービス利用プログラム)です。
TAMテーブルTable Access Methodテーブル)
OpenTP1が提供するファイルサービスの一つで,障害発生時にジャーナル情報からトランザクションの回復ができます。OpenTP1専用のユーザファイルとして使用でき,直接編成ファイルへ高速にアクセスできます。ファイルを構成するレコードがメモリにロードされているため,実際のファイルではなくメモリへキーアクセスします。そのためアプリケーションからの高速アクセスを実現できます。
TPモニタ
トランザクション処理の監視,および制御をするソフトウェアのことです。オンラインシステムを構築するための基盤になる機能を提供しています。主な機能として,通信機能,スケジュール機能および障害発生時の回復機能があります。
UOCUser Own Coding)
詳細は,「ユーザ追加処理」を参照してください。
UOCリバース機能
ソースファイルで直接編集されたUOC(ユーザ追加処理)を,プログラム定義ファイルのUOCに取り込む機能です。
WorkCoordinator Definer
ビジネスプロセスを定義,管理および運用するプログラムプロダクトのことです。WorkCoordinator Definerは,ビジネスプロセス管理および案件運用操作で構成されます。
XMAP3
基幹業務で利用する画面や帳票を作成するためのツールです。XMAP3では,画面や帳票の作成から,表示・印刷までを一貫して支援しています。なお,XMAP3で開発した表示・印刷のAPは,PCやWSのスタンドアロン環境のほかに,C/Sシステム環境やホストと連携した環境でも運用できます。
XML(eXtensible Markup Languageの略称です)
XMLはHTMLと同様の言語で,タグとテキストで構成されたデータ構造を階層化して表現できるという特徴があります。また,XMLでは,作成者自身がタグを定義できます。SEWB+/CONSTRUCTIONでは,このような特徴を持つXMLで記述された文書を,プログラム生成のためのパラメタとして利用することができます。
可変記号
テンプレート中で使用される仮の名称です。可変記号には,ソースプログラム生成時にプログラム定義ウィンドウで定義した値が設定されます。可変記号にどのような値を設定するか,プログラム作成者は定義ウィンドウ上に表示される説明文を参照します。テンプレート作成者は,定義ウィンドウ上に表示する説明文を作成します。
関連
ソースファイルとテンプレート,データ定義とデータ項目といったように,資源間に付けられた関係をいいます。関連には,SEWB+/REPOSITORY-BROWSERを使用して任意に設定できるユーザ関連と,SEWB+/CONSTRUCTIONが資源間に設定する関連とがあります。SEWB+/REPOSITORY-BROWSERの関連ブラウザ機能を使用すると,関連づけられた資源をブラウジングでき,変更波及の解析などに利用できます。
業務ルール
データ項目辞書に格納されている複数のデータ項目に共通する処理を,汎用的なルールとして業務ルール辞書に格納し,データ項目と関連を持たせたものです。SEWB+/CONSTRUCTIONで業務ルールを使用するときは,テンプレートに「@@rule文」または「@@merge文」を書いて必要な業務ルールを取り込みます。
業務ルール辞書
業務ルールを格納している辞書です。業務ルール辞書はデータ項目辞書と一緒に,辞書フォルダに格納されています。
結合項目
複数のデータ項目が連結して定義されるデータ項目です。COBOLの集団項目,C言語の構造体の考え方に相当します。
サイン
データ定義やプログラム定義の名称,および定義の概要といった情報をまとめてサインといいます。各定義ウィンドウの[サイン]タブで記述します。
サンプルテンプレート
SEWB+/CONSTRUCTIONが用意しているテンプレートです。サンプルのドキュメントフォルダのOpenTP1用またはバッチ用の下にあります。サンプルテンプレートは例題として用意されていますが,カスタマイズするとユーザ独自の環境にも流用できるようになります。
指示項目
テンプレートの「@@interface」で宣言された可変記号を修飾する,任意の文字列のことです。テンプレート中で入出力項目と宣言されている可変記号に対する指示項目は,レコードの構成要素やキー項目のサイズおよび表名称などに当たります。テンプレート中で入出力項目以外と宣言されている可変記号に対する指示項目は,単独の項目です。
データ項目辞書
システム中の複数のAP間で共用するデータ項目を格納する辞書です。データ中心アプローチに基づいてデータ分析し,標準化したデータ項目を蓄積します。SEWB+/CONSTRUCTIONで作成するAPで使用するデータ項目は,データ項目辞書から取り込みます。
データ定義
作成するAP中で使用されるファイルやDBなどを定義します。データ定義情報からレコードを生成できます。これらの定義に必要なデータ項目は,すべてデータ項目辞書から取り込みます。データ定義で定義したレコード構造を,COPYメンバファイルやヘッダファイルとして生成する機能を「レコード生成機能」といいます。
テンプレート
テンプレートは,生成時にAPの枠組みになるプログラム構成を記述したものです。部品やUOCの挿入場所,可変項目への値の設定の指示なども記述されています。テンプレートはテンプレート記述言語と使用するプログラミング言語で記述します。テンプレート,および部品を使用すると,形式が統一されたプログラムを効率良く作成できます。だれが作成しても形式が同じなので,管理や保守がしやすくなります。
テンプレート記述言語
テンプレートを作成するための言語です。テンプレート記述言語でテンプレートを作成すると,どの言語種別にも対応できる汎用性の高いテンプレートを作成できます。
入出力項目
テンプレートの「@@interface」で,入出力資源(ファイル,DBなどの形式情報)であると宣言された可変記号です。
バッチシステム
一連の処理をシーケンシャルにバッチ処理するシステムです。
ビルド
プロジェクトに登録されたソースファイルや定義ファイルに変更があった場合,変更のあったファイルおよびそのファイルに関連のある資源だけを使用して実行ファイルを生成する機能です。
部品
複数のAP間で利用される処理です。テンプレート記述言語と使用するプログラミング言語で記述します。部品は,ソースプログラム生成時に,テンプレートに取り込まれて展開されます。
プログラム構造図
APの構成をツリー形式で表示したものです。テンプレート中で,ユーザ追加処理(UOC)を挿入する指示(@@UOC)や業務ルール処理を挿入する指示(@@rule)とプログラム構造図を出力する指示(@@diagram)を書くと,UOCの挿入位置を含んだプログラム構造図がプログラム定義ウィンドウ上に表示されます。複雑な階層を持つテンプレート中の,UOC挿入位置などを確認するのに便利です。
プログラム定義
作成されたテンプレートやデータ定義情報を基にして,ソースプログラム生成に必要な情報や定義を洗い出し,それらを定義します。このときUOCも編集できます。
マップ定義ファイル
XMAP3で作成した画面や帳票の定義情報を格納したファイルのことです。SEWB+/CONSTRUCTIONでは,マップ定義ファイルを利用したクライアントAPの作成もできます。
メッセージログレコード構造
OpenTP1を利用すると,プログラムから関数を使ってメッセージログの出力を要求し,メッセージログファイルに出力できます。また,メッセージログをリアルタイムにコンソールに出力することもできます。プログラムには,メッセージログの出力を要求したプログラムのIDやメッセージID,メッセージログテキストのレコード構造を指定する必要があります。
ユーザジャーナル
OpenTP1を使用する場合,OpenTP1のシステムジャーナルファイルにAPから出力できるユーザ任意の情報です。SEWB+/CONSTRUCTIONでは,ユーザジャーナルの単位になるユーザジャーナルレコード(UJ)およびその構造を定義します。
ユーザジャーナルレコード
OpenTP1を利用すると,プログラム中のトランザクションから関数を使って,ユーザの任意の情報をジャーナルとしてシステムジャーナルファイルに出力できます。この関数1回の呼び出しで取得できるユーザジャーナルをユーザジャーナルレコード(UJ)と呼びます。ジャーナルを取得することによって,障害発生時などのファイル回復や稼働統計情報の分析に役立てることができます。
ユーザ処理
ユーザ追加処理の編集と,業務ルール処理の設定のことです。プログラム定義の[ユーザ処理]タブでは,テンプレートに書かれたユーザ追加処理挿入位置に展開させる,AP特有の処理のコーディングをエディタで編集します。また,テンプレートに書かれた業務ルール処理挿入位置に展開させる業務ルールを設定します。
ユーザ追加処理
ユーザが作成するコーディングで,主にテンプレートや部品では対応できないAP独自仕様の部分です。ユーザ追加処理はプログラム定義ウィンドウで編集します。テンプレート中にユーザ追加処理の挿入位置を記述しておくと,プログラム定義ウィンドウ上に反映され,表示されます。ユーザ追加処理はUOC(User Own Coding)と表記されることもあります。
リビルド
プロジェクトに登録されたソースファイルや定義ファイルに変更があった場合,プロジェクトに登録されているすべての資源に対して実行ファイルを生成する機能です。
ルールスクリプト
業務ルールの処理内容です。データ項目辞書のデータ項目に共通の処理を,可変記号などを使用して汎用的なルールとして作成し,業務ルール辞書に格納します。
レコード
データ項目辞書の「データ項目の結合」機能を利用して作成される結合項目編成の,最上位の結合項目です。
レコード生成機能
データ定義で定義したレコード構造をCOPYメンバファイルまたはヘッダファイルとして生成する機能です。
レコードソース
COBOLのCOPY登録集やCのヘッダファイルのことを指します。
論理設計図
SEWB+/CS-DESIGNでオブジェクトの論理的な関係を表す図です。論理設計図では,3層モデルでのオブジェクトの配置や,オブジェクトのオペレーションの呼び出し関係を表現できます。