データ定義では,必要に応じて次の情報の入力をプログラム作成者に促すことができます。
- ファイル情報
ファイルの入出力に必要なファイル名,ファイルの編成方法,およびレコード構造を定義します。
- RDB情報
RDBの入出力に必要な表名称,およびレコード構造を定義します。
- DAM情報
DAM(Direct Access Method)ファイルの入出力に必要な論理ファイル名,入出力ブロックサイズ,およびレコード構造を定義します。DAMファイルは,分散トランザクション処理機能OpenTP1が提供する構造型ファイルサービスの一つです。ファイル内の相対位置を指定することによって,ブロック単位でダイレクトアクセスができる直接編成ファイルです。
- TAM情報
TAM(Table Access Method)テーブルは,OpenTP1が提供する構造型ファイルサービスの一つです。主記憶に常駐してダイレクトアクセスができる直接編成ファイルです。このTAMテーブルの入出力に必要なテーブル名,TAMテーブルにアクセスするときのキー項目名,およびレコード構造を定義します。ただし,キー項目名は,COBOLソースプログラムやレコードには,直接生成されません。指定されたキー項目名の長さは,TAMテーブルの入出力時に,キーの長さを宣言する項目の領域長に反映されます。
- RPC情報
リモートプロシジャコールで,SPP(Service Providing Program)へサービスを要求するときに必要な入力パラメタと,応答領域を定義します。SPPは,クライアントプログラムからのサービス要求を処理し,結果を返すサーバ側のサービス提供プログラムです。
- メッセージ情報
PCやWS,端末,メインフレームなどとネットワークを介した他システムとのサービスの要求と提供を,メッセージを使って行う形態をメッセージ送受信形態といいます。メッセージはメッセージ処理プログラムMHP(Message Handling Program)が処理します。このMHPに対して送受信するメッセージを定義します。
- ユーザジャーナル情報
ユーザジャーナルの出力に必要なユーザジャーナルコードおよびユーザジャーナルレコード構造を定義します。ユーザジャーナルは,障害発生時などのファイル回復や稼働統計情報を分析するために取得する情報です。
- メッセージログ情報
メッセージログの出力に必要なメッセージログレコード構造を定義します。メッセージログは,オンラインシステムに障害が起きていないかどうかを監視するための情報です。
- 共通作業領域情報
プログラムの作業領域や,ほかのプログラムを呼び出すときのCALL文の引数に使用する連絡領域のレコード構造を定義します。
データ定義ウィンドウのファイル情報の定義例を図1-2に示します。
図1-2 データ定義ウィンドウの例
このデータ定義ウィンドウで定義されたレコード構造は,ソースプログラム生成時に自動的に生成されます。また,COBOL言語で生成する場合はCOPYメンバとして,C言語で生成する場合はヘッダファイルとして生成される情報もあります。ただし,C言語の場合にレコード定義を参照しているときは,レコード構造は生成されません。
なお,データ定義の詳細は「第2編 2. データ定義」を参照してください。
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