Hitachi

uCosminexus Batch Job Execution Server 使用の手引(Windows(R)用)


2.3.1 セットアップ

バッチジョブ実行システムをインストール後に,次の手順でバッチジョブ実行システムを動作させるための環境を設定する。

  1. バッチジョブ実行システムの動作に必要なディレクトリと設定ファイルのひな形の作成

    bjex_setupコマンドでバッチジョブ実行システムが動作するために必要な標準的なディレクトリ作成と設定ファイルのひな形を作成する。

  2. 設定ファイルの変更

    bjex_setupコマンドで生成するディレクトリと設定ファイルのひな形はデフォルトの場所に作成される。設定ファイルのひな形は不完全であり,システム環境に合わせてSysoutClass,JP1_HOSTNAMEなどを追加,変更する必要がある。

    また,デフォルト以外のディレクトリを使用する場合はディレクトリの定義も変更する。ただし,設定ファイルの格納場所は変更できない。

バッチジョブ実行システムを動作させるための設定手順を次に示す。

〈この項の構成〉

(1) bjex_setupコマンドの実行

バッチジョブ実行システムを利用するユーザでログオンして,bjex_setupコマンドでバッチジョブ実行システムの実行に必要な標準的なディレクトリと設定ファイルのひな形を作成する。

bjex_setupコマンドは,バッチジョブ実行システムが動作するために必要なディレクトリをデフォルトの場所に作成する。また,インストール時に格納されたテンプレートの設定ファイルを入力として,設定ファイルのひな形を生成する。設定ファイルのテンプレートの内容を次に示す。

JP1_HOSTNAME dummy
MSGCLASS_DEFAULT A
<SysoutClass A>
DUMMY YES
MODE K
KEEP NO
</SysoutClass> 

bjex_setupコマンドが生成する設定ファイルは,関連PPの設定に合わせて定義の追加,変更が必要である。詳細については「(2) 設定ファイルのカスタマイズ」を参照のこと。

(2) 設定ファイルのカスタマイズ

bjex_setupコマンドで生成した設定ファイルのひな形は,関連PPの設定に合わせて定義を追加,変更する必要がある。また,スプールディレクトリなどをデフォルト以外のディレクトリにしたい場合は,任意のディレクトリに定義し直す必要がある。追加,変更は任意のテキストエディタで行う。設定ファイルのひな形は,bjex_setupコマンドが次に示す場所に格納する。

<All Users のプロファイルのドキュメントディレクトリの場所>\Hitachi\BJEX\conf

bjex_setupコマンドを実行する場合,設定ファイルがすでに存在しているときはbjex_setupは異常終了する。再度bjex_setupコマンドを実行する場合は,既存の設定ファイルを削除してから実行すること。

(3) バッチジョブ実行システム用のディレクトリ作成とファイルの権限設定

バッチジョブ実行システムを使用するには,次の表に示すディレクトリが必要である(通常はbjex_setupコマンドがデフォルトのディレクトリを自動的に作成,および設定をする。ただし,バッチジョブ実行ユーザに対して,ディレクトリのアクセス権限の設定が必要である)。これらをデフォルト以外の場所にしたい場合は,システム管理者が手作業で作成する必要がある。また,次の表に示す設定ファイルのディレクトリの定義を変更しておく必要がある。

表2‒1 バッチジョブ実行システムを使用時に必要なファイルディレクトリ

ディレクトリの種類

説明

カタログドプロシジャ用

定形のジョブ定義XMLファイルを登録するディレクトリ

一時ファイル用

ジョブ内だけで利用するファイルを一時的に作成するディレクトリ

スプール用

ジョブログやSYSOUTデータを格納するディレクトリ

恒久ファイル用

恒久ファイルの指定で絶対パスの指定をしなかった場合に利用するカレントディレクトリ

実行ログ用

システム管理者がジョブの実行を監視するために,ジョブの履歴を実行ログとして保存するディレクトリ

トレース用

システム障害時に,トラブルシュートとして状況を保存するためのディレクトリ

これらのディレクトリには,適切なアクセス権限を設定する必要がある。

また,バッチジョブ実行システムはスプール用ディレクトリ内にジョブ識別子管理ファイル(bjex.jobid)を作成する。このファイルは同一ホスト上でバッチジョブ実行システムを使用する全ジョブ実行ユーザによって共有され,バッチジョブ実行システムを実行するたびに参照・更新される。バッチジョブ実行システムのインストール直後の設定では,ジョブ識別子管理ファイルは最初にバッチジョブ実行システムを実行したジョブ実行ユーザを所有者として作成されるため,複数OSユーザによる運用を行う場合,ほかのジョブ実行ユーザが同ファイルを変更ができるようにジョブ識別子管理ファイルのアクセス権を変更すること。ジョブ識別子管理ファイルの詳細については「3.1.4(1)(a) スプールの構造」を参照のこと。

ジョブ実行ユーザに必要な権限を次の表に示す。

表2‒2 ジョブ実行ユーザに必要な権限

ディレクトリ/ファイル

読み込み許可

書き込み許可

作成権限

削除権限

カタログドプロシジャ用

一時ファイル用

スプール用

恒久ファイル用

実行ログ用

トレース用

ジョブ識別子管理ファイル(bjex.jobid)

(凡例)

○:設定が必須である。

△:システムの運用方針に従い,設定する。

注※ 複数のOSユーザによる運用を行う場合は,最初にバッチジョブ実行システムを実行したあと,そのユーザ以外のジョブ実行ユーザもジョブ識別子管理ファイルを変更できるようにアクセス権を変更すること。

(4) バージョンの異なるバッチジョブ実行システムをインストールした場合の注意事項

従来の設定ファイルが残っている場合は,定義内容を確認するとともに,bjex_setup -kで設定ファイルの形式が正しいことを検証すること。

(5) 排他/共用制御機能および実行中のジョブ情報表示機能を使用するための設定

バッチジョブ実行システムで排他/共用制御機能および実行中のジョブ情報表示機能を使用するには,次に示す設定が必要となる。