トランザクショナル分散オブジェクト基盤 TPBroker 運用ガイド

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2.2.1 モジュールトレース(出力ディレクトリとファイル名)

ここでは,モジュールトレースの出力ディレクトリ,ファイル名,および出力タイミングについて説明します。

TPBrokerでは,稼働しているプロセス上にバッファを確保し,そこにモジュールトレース情報を記録します。バッファに記録されたモジュールトレース情報は,プロセスごとにあるタイミングでファイルに出力されます。

モジュールトレースは次の表のとおりに作成されます。

表2-1 モジュールトレース(出力ディレクトリとファイル名の一覧)

項目名 ORBの種類
Java ORB C++ ORB
出力ディレクトリ ${VBROKER_ADM}/../logj/mdltrc
(%VBROKER_ADM%\..\logj\mdltrc)
${VBROKER_ADM}/../log/mdltrc
(%VBROKER_ADM%\..\log\mdltrc)
ファイル名 <付加名称※1>.<プロセスID>.<時刻情報※2>.mdl.dat
  • 付加名称
    デーモンまたはコマンドの場合だけ,付加されます。
  • 時刻情報
    環境変数HVI_TRACEFILENAME_TODで付加するかどうかを設定できます。
<実行形式ファイル名称>.<プロセスID>.<時刻情報※2>.mdl.dat
  • 時刻情報
    環境変数HVI_TRACEFILENAME_TODで付加するかどうかを設定できます。
また,UNIXでは,次に示すファイル名の場合があります。
unknown.<プロセスID>.mdl.dat
次の場合だけです。
  • ORB_init()の引数argcに"0"を指定する
  • ORB_init()の引数argvに"NULL"を指定する
  • argv[0]に"NULL"を指定する
  • argv[0]にハイフン("-")を指定する
作成タイミング

Windows
  • ネーミングサービスを含むデーモン,またはコマンドの場合
    プロセス起動時
  • アプリケーションの場合
    プロセスで最初にORB.init()を発行したとき

UNIX
プロセス終了時

Windows
プロセス起動時

UNIX
プロセス終了時

注※1
付加名称を次の表に示します。

デーモンまたはコマンド 付加名称
osagent osagent
ネーミングサービス nameserv
osfind osfind
ゲートキーパー(WindowsまたはSolaris) gatekeeper
irep irep

 
出力ディレクトリの絶対パスの長さが,210 - (<実行形式ファイル名称の長さ(Java ORBの場合10)>)を超えると,付加名称が付加されない場合やファイル出力に失敗する場合があります。

注※2
時刻情報は,ファイルが作成された時刻です。YYYYMMDDHHMMSS形式で付加されます。

モジュールトレース情報は,バッファの上限サイズまで出力されたあと,ラップアラウンドします。上限サイズは,環境変数HVI_MTRENTRYCOUNTで変更できます。

ファイルは,環境変数HVI_MTRFILECOUNTで指定した値(例えばn個とする)を最大数として生成され,更新時刻の古いものから順に削除します。ただし,削除しようとしたモジュールトレースの出力ファイルが使用中の場合は,使用者がいなくなるまでそのファイルは存在します。そのため,n個以上の出力ファイルが存在することもあります。