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uCosminexus Service Coordinator Interactive Workflow BPMN連携機能 使用の手引


1.8.11 アプリケーション呼び出しの一時抑止

アプリケーション呼び出しサービスは,障害発生時にアプリケーション呼び出しを一時的に抑止し,障害への対処後に一時抑止を解除できます。

アプリケーション呼び出しを一時抑止した場合のBPMN要素の動作を,次の表に示します。

表1‒23 アプリケーション呼び出しを一時抑止した場合のBPMN要素の動作

BPMN要素

一時抑止した場合の動作

サービスタスクまたはビジネスルールタスク

RESTアプリケーションまたはJavaオブジェクトを呼び出しません。

メッセージイベント

メッセージをスローしません。

エラーイベント

エラーをスローしません。

タイマーイベント

イベント発火をしません。

また,一時抑止すると,解除するまで,リトライした回数(タイマーを除くBPMN要素の場合)や,実行回数(タイマーの場合)がカウントアップされることはありません。

一時抑止と解除は次に示す単位で行えます。

〈この項の構成〉

(1) 作業単位の一時抑止と解除

作業単位の一時抑止と解除は,開始(タイマー)を除くBPMN要素に適用できます。

作業単位でアプリケーション呼び出しを一時抑止する場合,ciwchgapworkコマンドを使用して,作業の状態を「作業者実行」に変更します。また,一時抑止を解除する場合,作業の状態を「実行開始可能」に戻します。

実行例を次に示します。

一時抑止の実行例

  1. ciwchgapworkコマンドを実行して「実行開始可能」状態の作業の情報を取得します。

    ciwchgapworkコマンドの指定形式を次に示します。

    ciwchgapwork -sid システムID -list -ope -s READY > ファイルパス

    出力結果はファイルにリダイレクトします。

  2. 手順1.でリダイレクトしたファイル中の,アプリケーション呼び出しを一時抑止したい作業の行だけを残して,それ以外の行は削除するか,コメント行に変更します。

  3. ciwchgapworkコマンドを実行して,作業を「作業者実行」状態に変更します。

    ciwchgapworkコマンドの指定形式を次に示します。-fオプションには,手順2.で編集したファイルを指定してください。

    ciwchgapwork -sid システムID -chg -s PERFORMING -f ファイルパス

一時抑止の解除の実行例

  1. ciwchgapworkコマンドを実行して,作業を「実行開始可能」状態に戻します。

    ciwchgapworkコマンドの指定形式を次に示します。

    ciwchgapwork -sid システムID -chg -s READY -f ファイルパス

    -fオプションには,「一時抑止の実行例」の手順2.で編集したファイルを指定してください。

ciwchgapworkコマンドの詳細については,マニュアルuCosminexus Service Coordinator Interactive Workflow コマンドを参照してください。

(2) アプリケーション呼び出し制御情報単位の一時抑止と解除

アプリケーション呼び出し制御情報単位の一時抑止と解除は,次に示す単位で,どのBPMN要素に対しても適用できます。

アプリケーション呼び出し制御情報単位でアプリケーション呼び出しを一時抑止する場合,ciwmngapコマンドを使用して最大作業件数に「0」を指定します。また,一時抑止を解除する場合は,最大作業件数を元の値に戻します。

実行例を次に示します。

一時抑止の実行例

  1. アプリケーション呼び出し制御情報ファイルを作成します。一時抑止する対象(以下の例ではref識別子またはグループ)の最大作業件数に「0」を指定します。

    • アプリケーション呼び出し制御情報ファイルの例(ref識別子単位の場合)

      U,ope,ref01,300,300,0,0,1500
    • アプリケーション呼び出し制御情報ファイルの例(グループ単位の場合)

      U,grp,group01,300,300,0,0,1500
  2. ciwmngapコマンドを実行します。-apdfオプションには,手順1.のファイルを指定します。

    ciwmngapコマンドの指定形式を次に示します。

    ciwmngap -sid システムID -chg -apdf アプリケーション呼び出し制御情報ファイル

一時抑止の解除の実行例

  1. アプリケーション呼び出し制御情報ファイルを作成します。一時抑止を解除する対象(以下の例ではref識別子またはグループ)の最大作業件数に元の値(以下の例では10000)を指定します。

    • アプリケーション呼び出し制御情報ファイルの例(ref識別子単位の場合)

      U,ope,ref01,300,300,0,10000,1500
    • アプリケーション呼び出し制御情報ファイルの例(グループ単位の場合)

      U,grp,group01,300,300,0,10000,1500
  2. ciwmngapコマンドを実行します。-apdfオプションには,手順1.のファイルを指定します。

    ciwmngapコマンドの指定形式を次に示します。

    ciwmngap -sid システムID -chg -apdf アプリケーション呼び出し制御情報ファイル

(3) ビジネスプロセス定義単位の一時抑止と解除

ビジネスプロセス定義単位の一時抑止と解除は,開始(タイマー)に適用できます。開始(タイマー)以外のBPMN要素には適用できません。

ビジネスプロセス定義単位でアプリケーション呼び出しを一時抑止する場合,ciwmngbpコマンドを使用して,ビジネスプロセス定義の状態を「非活性」に変更します。また,一時抑止を解除する場合,ビジネスプロセス定義の状態を「活性」に戻します。

実行例を次に示します。

一時抑止の実行例

  1. ciwmngbpコマンドを実行して,ビジネスプロセス定義の状態を「非活性」に変更します。

    ciwmngbp コマンドの指定形式を次に示します。

    ciwmngbp -sid システムid -chg -bpn ビジネスプロセス定義名 -bpv ビジネスプロセス定義バージョン -s INACTIVE

一時抑止の解除の実行例

  1. ciwmngbpコマンドを実行して,ビジネスプロセス定義の状態を「活性」に戻します。

    ciwmngbp コマンドの指定形式を次に示します。

    ciwmngbp -sid システムid -chg -bpn ビジネスプロセス定義名 -bpv ビジネスプロセス定義バージョン -s ACTIVE